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香港高級視聽展2018 その10(番外編)  スーパーハイエンドはどこにある?

『 一番気に入っているのは・・・値段だ 』


(D'Agostino Relentless)


さてさて、長々続いたこのシリーズも第10話と相成りました。実はこれでも書きたいことは尽きないのですが、キリがないので、最終話に相応しいスーパーハイエンドシステムの話で〆たいと思います。


香港オーディオショーの会場を離れた後、ある場所であるシステムを聴く機会がありました。諸事情で写真はありませんが、聴いたスピーカーは『Lansche Audio No.8.2』です。(リンク先はYouTube)

確か去年のインターで同社の出展はありましたが、このモデルは日本に来ていません。構成が複雑でちょっと説明が難しいのですが、まあ分かる範囲内で見ていきましょう。


まず、サイズが極めて大きく、高さはほぼ2メートルあります。
重量は1台あたり400㎏と超重量級。
ユニット構成は以下の通り。

前面中央にあるのがコロナプラズマツイーター
前面上下に8インチ×4のミッド
背面上下に18インチ×2のアクティブウーファー

1台のSPにつき電源供給が2系統必要です。
(ツイーター×1、アクティブウーファー×1)

そして、接続する外部パワーアンプは前面のミッドユニットを駆動します。詳細はメーカーサイトにて。


お値段はドルベースの希望小売価格で「$266,000/ペア」らしいので、日本円では3000万円行かないくらいかな。こないだのYGのXVJrが約2700万だったので、それよりちょっと高いくらい。(ちょっと?

ちなみに、$100,000ポンッと貰えたとしてもこのスピーカーは買えません。キャデラックのセダン位ならなんとかならないこともないのですが・・・


閑話休題、今回繋がれていたのはSpectralの「DMA-400 Monaural」でした。Spectral自体がそんなに見ないけど、モノラルの上位モデルは更に珍しい。プリは型番控えてませんが、多分上位モデルでしょう。ケーブルは当然のMIT。


音の方ですが、一聴して香港オーディオショーのどこのブースとも違います。スーパーワイドレンジでウルトラクリアだけど、誇張感や粗が一切ない。淀みなくストレスなく圧倒的な空間に、ソフィスティケートされた余裕がほんのり僅かに漂う感じで、隔絶した世界観がそこにありました。

これだけ大柄で複雑なユニット構成だけど、リスニングポイントにおいては実に自然な表現の一言。空間の出し方や定位感が物凄く良いけど、「ビシッと決まる」じゃなくてあくまで自然な感じが好印象。低音も必要な分だけを必要な時に一瞬で持ってくる感じで、この大きさからくる威圧感や強調感は皆無でした。


で、これがそんなに大きな音量でなくても実現しています。静かな環境なので、ショーで聴いた時よりも控えめな音量です。ある程度の鳴らし込みと煮詰められたセッティングによるものでしょう。

裏を返すと、まだまだこんなものじゃないということでもありますが・・・底知れない実力を秘めつつ、軽く流しても驚異的なクオリティを肌で感じたのでした。



さて、実はこれからが本題です。「聴いてよかったです、おわり」という小学生並みの感想ではなく、もう一歩踏み込んでみましょう、ということで、、、


『この音はどこからやってくるのでしょう?』


このスーパーハイエンドシステムを聴いて色々なことを考えましたが、この音を実現するために最も大事なことは何でしょうか?


もう少し細かいところを明かすと、部屋は普通のオフィスのような感じです。アンクのような音響調整材はもちろん、床も天井もコーナーも、特別目立つ対策はしてありません。広さはそれなりにありますが、天井高は特別高いというほどでもありません。

セッティングアクセサリーはほとんど見当たらず、SPはやや長方形の部屋の左上側に寄せて置いてあり、設置は概ねリスニングポイントを向いています。SPの位置調整はおそらく入念にされているかと思われ、リスニングポイントまでは3メートルあるかないかでしょう。

上流へ遡ると、DACはBerkeley Audio DesignのAlpha DAC(日本円で100万円位)です。そしてトラポは何とMACのノートPCです。ソフトは覚えていませんが、トラポも音源も特別凝ったことをしているようには思えません。



さて、一体なにが大事なんでしょうか?
その答えを探し求めるべく、我々は日本へ飛んだ・・・

じゃなくて、日本に帰国してしばらくした後、こちらのサイトの文章が目に留まりました。(一番下側の文章より)


ここから引用

『ハイレゾというフォーマットそのものが音質を支配しているのではなく、スピーカー、環境、アンプ、そしてソースコンポーネントという順番でハードウエアの性能と音質こそが音質にとって最も重要なことと最初に力説したのですが、ご担当者はまったくその通りと賛同して下さいました。』

引用ここまで


ああ・・・つまりそういうことじゃないですかね?


音源も、
再生ソフトも、
トラポも、
DACも、
ケーブルも、
セッティングも、
音響調整も、
アクセサリーも
部屋も、


それはそれで大事ですが、、、


『スピーカーが持つ絶対的な性能』(と、それを鳴らし切るアンプの駆動能力)
最も高いプライオリティはここにあるんじゃないかなあ、と頷いてしまったのでした。



なかなか難しいことですが、海外に出向かないと音はおろか、存在すら知ることも叶わないものが沢山あります。今回のLansche8.2もその1つです。

トップモデルの良さや開発者の意図に触れるのは最も正解に近く、ある意味での模範解答を見ることが出来ます。それを知ることこそが私が香港へ行った最大の目的であり、持ち帰った最大の土産であると言えるでしょう。

そして、得られた知見は何も自慢するためのものではなく、物事の価値を見極めるために無くてはならないものです。沢山の良い音を知ることで再現の手助けにもなる一方で、しょっぱい主張を真に受けることもなくなります。


遠征を厭わないオーディオファンは、良いシステムを求めて旅に出ましょう。
『そこに良いオーディオシステムがある』それで理由は十分です。
オーディオの旅人Qが、香港よりお送りしました。



※以下、載せきれなかった画像

(Sigma AcousticとMSB)


(SonusとMacintosh)


(AlbedoとChord)


(Gryphon)


(実は一番好きな写真、家族で楽しめるイベント!)


(ありがとう香港!また逢う日まで!)

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DEVIALET

Devialet 240

¥2,079,000(税込)

発売:-

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卓越した技術と性能 或いは確固たる美学

DEVIALETは2007年に設立されたフランスのブランドである。独自技術のADH (AnalogDigital Hybrid)を用いた「D-Premier」が有名で、1つのボディにDAC・プリアンプ・パワーアンプ・フォノイコの4つの機能を兼ね備える。クロームメッキで鏡のような薄い筐体はひときわ印象的だが、実際に聴いたことがある人は意外に多くもないだろう。



日本に入ってきたのは2009年の暮れ、DynamicAudioにて取扱が始まり、2011年11月からはStellaが 輸入代理を行うようになった。モデル名はDEVIALET120、DEVIALET200のように出力で表され(本国名はEXPERT)、上級機になるほど出力が増し、多機能になる。技術的なことはこちら、機能的なことはこちらが詳しい。

その後、諸般の事情から2015年6月末をもってStellaは取扱を終了したが、しばしの時を経て、2018年6月1日より、デビアレの日本法人がアフターサポートを行うようになっている。


さて、2ヶ月前の4月1日だったか、我が家にやってきのはDEVIALETの250。ややこしいDEVIALETのラインナップだが、250は単独機としては事実上の最上位機になる(但しProとDualMonoは別)。それまで使用していたのはPSAudioのDSDAC(定価約70万)と、GOLDMUNDのMimesis9.2(定価約370万)であり、DEVIALET250には上記構成を超えるだけの能力を期待して我が家にお越し願った。



我が家の送り出しはいわゆるPCオーディオで、BTOPCに取り付けたLYNXのサウンドカード「AES16e」から、AES/EBUで出力し、DACで受ける構成を採っている。予てからより良いDAC/PREを探していたのだけど、条件はAES/EBU入力があることがマストだった。DEVIALETは意外なところで選択肢の1つとして浮上したが、当初は「プリメインアンプ!?」という先入観があった事は否定しない。

尚、PCは外部からの映像と音声を受けて編集することもあるので、ネットワークオーディオは我が家には馴染まない。複数台のPCも置くスペースがないわけではないけれど、操作を考えると極力1台で収めたいというのが正直なところだった。


そんな経緯があり、やってきた250を繋いで聴いてみる。接続ケーブルの関係で、まずはPC(AES16e)⇒DSDAC⇒DEVIALET250(アナログ入力)⇒CS6の構成となった。

一聴した感じは「カッチリ」「スッキリ」「シャープ」な感じ。MUNDも似た傾向があるけど、聴き込んでいくと結構、いや随分違う。響きが豊かで優雅で典雅、それでは緩く鈍いかというとそんなことは微塵もない。押し引きは寧ろ俊敏だけど柔らかさと俊敏さが相反せず、しっかり高いレベルで両立している。

更に聴き込んでいくとこれが凄い。特にローの質感、これまで以上に重く深い低音が、実に軽やかに、あっけないくらいに易々と出る。感度86dB、インピーダンス4Ω、質量81kg、鈴木先生じゃないが、CS6も鳴らしやすいSPではない。薄い筐体の「プリメインアンプ」がいとも容易く重量級のSPをドライブする様に驚きを隠せなかった。


冷静に見ていくと、スピーカーをグリップする能力が抜きん出ている。とは言え「どうだ駆動力が凄いだろう!!」といった押し付け感や強調感は一切ない。無色透明・無味無臭かと言うとそんなこともなく、気品と色艶、美しさと躍動感が見え隠れする。なんともまあ恐れ入ったもので、1週間と経たずに試用期間は終了し、即戦力として中核を担ってもらうこととした。

おっと、Mimesis9.2は当時のトップモデルとはいえ、流石に30年近く前のモデルである。MUNDはMUNDで良さはあるので、そこは全てを否定するつもりはない。



その後、長尺のAES/EBUケーブルを新調し、PC(AES16e)⇒DEVIALET250(AES/EBU入力)⇒CS6の構成に変更した。これだとデジタルで直結するのでRCAケーブルすらも要らなくなる。音は上記に加えて更に高精細・広帯域になり大変好ましい。低域を制御する動的能力もさることながら、ボーカルがなんと気持ち良いことか。そこに立っているかのように、澄んで浮かび上がる中高域は見事という他なく、あれよあれよと魅入られてしまった。


気になったのでネットでDEVIALET評を漁ってみたが、ダイナにあるこちらの記事が一番自分の印象に近かった。



この記事でも冒頭の紹介記事でもあるが、リモコン、特に音量調節は素晴らしい。多くのリモコンは「ボタンを押す」だが、DEVIALETのリモコンは「ボリュームノブを回す」である。これがやってみると実に愉しい。もはや快感と言っても良い。本体と同じ仕様なので、適度な質量、ほどよいトルク感、美しい質感があり、無線なので好きな場所に置ける。いつの間にか忘れていた「ボリュームを回す愉しみ」を、それはそれはスマートに提供してくれるわけだ。

ちょっとしたことかもしれないけど、リモコン1つとっても造り手の考え方というものが垣間見えてくる。つまるところそこは「コスト削減部分」なのか「付加価値を生み出す部分」なのか。DEVIALETがどちらかは言うまでもないし、そこにはただの見栄や自己満足ではない、美的感覚の違いというものも少なからず感じてしまった。


さてさて、美しい音質、快適なリモコンの他にも目を見張るところは多い。機能に関してはあまりに多岐に亘るので詳細は触れないが、例えば無線接続をすることで、最小限のケーブル構成で音楽再生をすることが出来る。本体内部は表面実装素子による回路基板で、ノンワイヤーというからこれも面白い。無用なケーブルを使わない構成にすれば、ケーブルのクオリティや素材をああだこうだ言わなくていいし、美観上もゴチャゴチャしない。その分のリソースを他に回すことで、既存のセパレート志向とはちょっと違ったアプローチが出来る。

また、複数のDEVIALETを使う応用例も豊富で、DualMono構成にして出力を増大させたり、マルチを組む事も出来る。チャンデバ内蔵のパワーとして使い、オリジナルNautilusを鳴らすことも出来るという。Munichでの写真があったが、一種の芸術品の様な構成だ。



そんなわけで、使い手次第で応用の幅も広く深く、これまでに無かった在り方を提供してくれる本機はまさに「Integrated」。200万を超えるプライスを納得させるだけの機能と、性能と、美学を備えている。2ヶ月間触れてみて、そのように理解した。

とは言ったものの、これが最高と言うつもりは毛頭ない。本機以上の情報量を持つDAC、魅力的な音色のPRE、力強く明瞭なPWR等々、値段に目をつぶって音に耳をすませば、他に良いものを聴いたことがないわけではない。本機をいつまで、どこまで使うかは分からないが、今のところ確かに自信を持って言えるのは、DEVIALETが自分の期待と想像を遥かに超えていたということである。

そして、ハイエンドとミドルレンジに見えない境界線があるとすれば、それはつまり・・・

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DEVIALETを導入。 PC(LYNX AES16e)⇒DEVIALET250(AES/EBU入力)⇒THIEL CS6(WFBoard) ■室内配置 縦配置 横配置(現在はこちらを採用) 測定結果は[:URL=http://community.phileweb.com/mypage/entry/1532/20171224/57994/:…

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