たくみ@深川
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下町は深川在住の音楽ファンです。旧録音のクラシックから、最近のワールドミュージックまで、時代、ジャンルを問わず何でも聴いてます。

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kf6gtkさんのサウンドを聴く

2日目に入り九州旅行の私的クライマックス、kf6gtkさん宅への訪問を迎えました。

午前9時頃、ホテルに迎えに来ていただいたkf6gtkさんと合流しいざ出発です。青年さんのお宅は、ホテルからほど近い、仕事場とお住まいが一緒になった大きな一軒家でした。

kf6gtkさんに案内いただいて、1階の一角にあるリスニングルームこに入ると、そこにはkf6gtkさんのメインスピーカーであるDD66000が早速私達を迎えてくれました。16畳ほどあるでしょうか?DD66000が違和感なく収まるスペースの広さもさることながら、3mは優にあるだろうという天井が高さが目を引きます。天井の低さに悩んでいる私としては、とても羨ましい環境です。

DD66000の間にパワーアンプとチャンネルデバイダーが、サイドにあるラックには前段機器がぎっしりと並べられています。主な機器の紹介はPhile-webコミュニティのページを参照して頂ければと思います。(http://community.phileweb.com/mypage/myroom/648/)








kf6gtkさんのDD66000の特徴としては、本来違う帯域でスタガードライブしている2つのウーファーの帯域を揃えて、完全なダブルウーファーとして駆動しておられること、DF-55の機能を生かしてチャンデバは左右モノ使いの2wayマルチアンプ駆動にしておられることがあります。このチャレンジがどう音に反映されてくるのか、聴き逃すまいと身の引き締まる思いでした。

機器の紹介を頂いたところで、いよいよ試聴に入りました。何枚かのCD、SACDを聴かせて頂いてまず気付いた事は、中高域が柔らかくて、粒子が細かく、それでいて芯と張りのある音である事。そしてそれを支える低域の圧倒的な表現力でした。

私の貧困なボキャブラリーでは、kf6gtkさんのDD66000の低域について上手く語る事ができないのが悔しいところですが、あえて言うならそれはまるで生き物のような低域でした。音楽によって精妙に表情を変え、まるでスピーカーが呼吸をしているかのように自然に部屋の空気をとらえ、自在に動かしていくのです。

オルガンを聴けば、その音は風のようにゆっくりと部屋をたゆたい、自然な余韻を残しながら消えていきます。ジャズのベースでは、まるで巨大なボールがバウンドしながらこちらに迫ってくるような弾力感をもった音が楽しめました。重量感をもってどこまでも伸びるローエンドから、軽みのある中低域までどの帯域をとっても充実感に満ちた鳴りっぷりです。

我が家のDD66000もやっと低域が出てきたのですが、どこか「頑張って絞り出している」ような鳴り方をしているところが否めません。kf6gtkさんのDD66000の低域にはそんな無理も力みも無縁な本当にナチュラルな鳴り方なのです。これには「参りました」という言葉しか出ませんでした。

こういう音で聴く音楽なので、何を聴いてもスケール感があり、大らかかつ繊細でとても肌触りの優しい音楽が楽しめます。とにかく何を聴いても聴き疲れしないので、「もっと、もっと」と次々に音楽を求める自分がいました。

私がkf6gtkさんのところで是非聴いておかねばと思っていたものにビッグバンド再生がありました。ビッグバンドはベースの量感、弾み感、ドラムスの音の張り、シンバルやハイハットの厚み、バスドラの空気を押し込んでいくような圧力、そしてブラスの輝かしく、適度に丸みを帯びた音色、その他諸々の要素がなければなかなか感動する音は出てきません。

特に、以前の我が家では中低域が完全にディップになった状態で聴いていたので、ビッグバンド再生は鬼門中の鬼門、耳につき去るようなブラスのシャワーを浴びて、「なんで自分はこんなに苦しい思いをして、オーディオを聴かなければならないんだろう」。と思った事が幾度となくありました。

私がこの日持ち込んだソースの1枚目はカウント・ベイシー楽団の「ベイシー・イズ・バック」。ここから「ワーリ・バード」を聴かせて頂きました。ドラムスとピアノの掛け合いによる軽快なイントロから入って、いきなり前回のブラスセクションが鳴り響きます。我が家ではこれが思わず耳を押さえるような鋭い音になるのですが、kf6gtkさんのシステムでは吹け上がりのよさ、ブラスの輝きを残したまま実にパワフルかつスムーズに鳴るのです。トランペットのハイノートを聴いてもスカーンと音が抜け、耳を突くところが全くありません。



やがて、ブッチ・マイルスのドラム・ソロが始まると、一打一打のインパクトごとに空気がグラッと動き、バスドラムの圧力が胸を打ちます。シンバルは柔らかさ、鋭さ、厚みを兼ね備えて空中に金粉が舞うかのような音を舞いあがらせ、最後のパーカッシブな音が消えて、観客の笑い声が起こるまで、まさに迫真の再生を聴かせてくれました。

そして、それ以上に圧巻だったのがデューク・エリントン楽団の「ハイ・ファイ・エリントン・アップタウン」。1951年、52年のモノーラル録音ですが、音が鳴り始めた途端、その事実が頭からすっ飛んでしまうような驚異の再生の再生が聴けました。各楽器の存在感と奥行感、モノーラルの一点から空間全体に放射していくような音の爆発的エネルギー、それが見事に捉えられています。

特に「スキン・ディープ」でのルイ・ベルソンの大地を鳴動させるようなツイン・バスドラムの巨大なエネルギーとスウィング感、「ザ・ムーチェ」のハリー・カーネイの太く、力強いバリトン・サックスに乗るリードとブラスセクションが展開する色彩感溢れる世界、知らず知らずの間にオーディオ装置の存在も、そしてそれを取り巻く壁の存在も消え、その演奏空間に完全にタイムトリップしたような自分がいました。



様々な感激的な音との出会いがありました。打ちのめされるような衝撃的な音、音楽に寄り添い、静かに心を満たしてくれる音、広大な空間を演出してくれる音等々、そんな中にあって、kf6gtkさんの音は、その大らかできめ細やかなお人柄を反映してのことなのでしょう。スケールの大きさと細部のディテールが緻密な音であり、何よりも聴いているこちらの心を和ませ、励ましてくれるような包容感に満ちた音でした。

昼食を挟んで6時間余りの試聴でしたが、全く間然とするところなく、心の底から「楽しかった!」と叫びたくなるような充実した時間を送る事ができました。部屋を立ち去り際、kf6gtkさんのDD66000がふと私に向かって「頑張れよ」とほほ笑んでくれたような気がしました。それはいつもオープンで温かくて、人を励ましてくれるkf6gtkさんのお人柄がスピーカにも乗り移ったような、そんな瞬間でした。

私のDD66000はまだ当分シングルアンプで鳴らすことになりそうですが、青年さんの成し遂げた完全ダブルウーファー・マルチアンプの素晴らしい音を心に刻みながら、一歩一歩、そう本当に少しずつでも進んで行けたら、そう思っています。kf6gtkさん、本当に有難うございました。

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SONDEK LP12

¥714,000(税込)

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使い手の姿をそのまま映し出す「聴く鏡」

このプレーヤーについて、私ごときが今更語ることは何も無いわけですが、
本当に、このプレーヤーは使い手の姿勢、人柄、音楽への考え方、
色々なものを映し出す まさに「聴く鏡」と言えるのではないでしょうか。

私のようなずぼらな人間が使えば、ずぼらな音しか出ませんが、
愛情を持ってきちっと調整する方が使われれば、本当に底のない可能性を見せてくれる、
そんなプレーヤーだと思います。

一関の「ベイシー」でかかった、エリック・ドルフィーのバスクラを聴いたとき、
私はそれがとてもオーディオから出た音とは思えませんでした。
「音楽は演奏とともに中空に飛び去り、二度とそれを取り戻すことは出来ない。」
と言ったのは、かのドルフィー自身ですが、
彼の音と魂までも、その空間に呼び戻してしまうような再生。
その最上流点に、このプレーヤーが有ったという、その記憶がある限り、
私は自分の未熟さを嘆きつつも、このプレーヤーと対峙していくことになるのでしょう。

【SPEC】
●駆動方式:ベルトドライブ ●駆動モーター:24種シンクロナスモーター ●ターンテーブル質量:3.75kg ●スピード偏差:<ベーシック電源>(33rpm)0.1%(電源偏差による) <バルハラ電源>(33rpm)0.03% <リンゴ電源>(33/45rpm)0.03% ●外形寸法:445W×140H×356Dmm ●質量:10kg

マイルーム

板張りの専用オーディオルーム
板張りの専用オーディオルーム
持ち家(戸建) / 専用室 / オーディオルーム / 16畳~ / 防音あり / スクリーンなし / ~4ch

16畳ほどの板張りの専用オーディオルームです。 建てた当初は響きすぎでどうしょうもなかったのですが、 5年ほど経ってかなり落ち着いてきました。

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