ベルウッド
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クラシック音楽ファン:よい演奏会があると知れば遠征もいといません。オーディオシステムは、音楽そのものを楽しむのが本来というモットーのもとにコストパファーマンス重視で小ぶりな装置を目指します。正統オーデ…

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PCオーディオに見て、触って、聴いてみる-Ⅴ その4

前回の続きです。



【考察】
(i)miniPCについて
 今回MFさんが使用したminiPCは、LattePandaというWindows10マシーンである。裸のボードマシンだが専用のアルミ削り出しケースも別売されていて今回はそれを使用している。Windows10Home(英語版)がプレインストールされているが、後述のようにWindows10PROを再インストールしプロセスカットを行っている。
 PROを使用する理由として、グループポリシーを使用出来る事が挙げられる。システムエンジニアはこのグループポリシーを使用して企業の用途に合わせ、OSのカスタマイズを行う。MFさんのプロセスカットは、このグループポリシーを含めたオーディオ専用カスタマイズということで受け止めている。
 しかしPROを使用する前提としてプロセスカットがあり、プロセスカットをしないのであればhomeがお勧めとのこと。多機能なPROはデフォルトだとhomeよりプロセスが多く注意が必要なのだそうだ。
 LattePandaは、開発用であり必要最小限のマシンであり、現状の常識からすれば非力なマシンである。LANもGbpsは備えておらず10/100Mbpsでしかない。音楽再生にはそれで十分であり、低消費電力でバッテリー駆動が可能であり、むしろ、そのことで低ノイズが実現できている。プロセスカットのノウハウにはそういった着眼点も含まれている。

(ii)ノイズと音像定位
 デジタルオーディオについては、ビッドパーフェクトやサンプリング定理などの数学的・原理的な思考にとらわれてSN比の違いは音像定位には影響しないとの考えが根強い。定位は位相や時間精度、ファンタム合成の問題だととらえられているからだろう。しかし、経験的にはアナログとも共通でSN比の違いで定位が不正確になることを実感する。
 今回の試聴ソフトのひとつであったイザベル・ファウストの無伴奏ヴァイオリンは、もともとその現象をしばしば体験するソフトのひとつである。その現象が、今回も顕著に現れた。使用楽器であるストラディバリウス(「スリーピングビューディ」)が倍音豊富であり高次倍音に至るまで鮮明で、胴の共鳴も豊かであるために、響きが複雑になっているからであろう。演奏者の向きなどで響きが複雑に変わる。SN比が劣位にあると方向や前後などの立体空間を知覚する情報がマスクされるため、しばしば反響音などがスピーカーに貼り付いてしまう。このことが音像をぶれさせたり楽器から遊離して音像の飛びを起こすのだと思われる。
 音の滲みや、解像度などとともにSN比を聴覚上感知するうえで、音像や定位は重要な要素だと思う。

(iii)電源品位とバッテリ駆動
 今回の試聴システムは、これまでのPCよりも格段の音質向上が感じとれた。プロセスカットの成果であることは間違いがないが、使用機器に低電力消費のものを厳選しこれを活用することでノイズ低下が達成できたことの貢献が大きい。そのことは最終的にDACも含め全段バッテリー駆動としたシステムでの音質に感じとれた。
 ニッケル水素あるいはリチウムイオンの開発により二次蓄電池は、容量その他の性能ばかりではなく内部インピーダンス低減ということでも飛躍的な性能向上が達成できている。実は機器側も、定格電圧さえ確保できれば比較的広範囲の電圧で安定的に動作し、電池の電圧降下はほとんど問題ないことはあまり知られていないようだ。EV時代を迎えつつある現代、オーディオにもバッテリー駆動のメリットはもっと知られてはよいのではないか。

(iv)PCオーディオの今後
 今回試聴させていただいたMFさんのシステム構成では、サーバーとコントロールポイントをひとつのノートPCに一体化させるということが目を引いた。コントロールポイントが音質に与える影響はこれまであまり検証されてこなかった。また、ここでもプロセスカットの効果があるということも新たな知見である。また、ノートPCに一体化させるということでユーザビリティも向上している。
 外部ネット(WAN)とは一切接続しないということは、ネットワークオーディオとは明確な一線を画することになるが、そのことによりDLNAの軽快で柔軟なシステム構築が可能になる。音質とユーザビリティの両立ということでも優れている。
 実は、このことは逆木一氏のブログ「言の葉の穴」で「2 Box Push System」(fig.6)として提唱されている。逆木氏によればこのプッシュ再生が可能なハードはなく、ソフトも限られているという。しかしPCで構成するオーディオシステムならばこれが簡単に可能になる。PCオーディオのひとつの方向性だと言えるのではないか。

fig.6 逆木一氏ブログより
http://kotonohanoana.com/archives/20430

【まとめ】

PCオーディオは、ノイズとの闘いだと言える。PCオーディオ/ネットワークオーディオの利便性やその可能性を担保するのはネットワーク技術であり、インターネットという外部ネットワークへの接続であるとの予断がその根底にあった。しかし、ノイズを低減させるには外部との接続、すなわち、外部サービスの受給は決定的に疎外要因となる。プロセスカット手法を極めることは外部サービスを完全に遮断することである。今回のMFさんのシステムは、そうした構成であってもPCならではの利便性とハイエンドクラスの高音質が両立できるという方向性を示したといってよい。


(終わり)

*最後までお付きあいいただきありがとうございました。

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