ベルウッド
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クラシック音楽ファン:よい演奏会があると知れば遠征もいといません。オーディオシステムは、音楽そのものを楽しむのが本来というモットーのもとにコストパファーマンス重視で小ぶりな装置を目指します。正統オーデ…

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もうドロドロとは言わせない (CENYA邸訪問記)

~~あづま路の道のはて、いかばかりかはあやしかりけむを…オーディオのあるやうなど、ところどころ語るを聞くに、いとどゆかしさまされど、わが思ふままに、そらにいかでかおぼえ語らむ~~



およそ半年ぶりに、また、CENYA邸の魔界の扉を開けてしまったのでございます。

その恐ろしいまでの霊体験。それは取り憑いていた何かの怨霊と、新たに降臨した賢伸たちの聖戦。その調伏の雄叫びと、神々しいまでの聖杖のひと振りで、輝くような青々とした広大な草原が啓けていくような…。ああ、いま思い出しても、それは恍惚とするような特別な大気の清々しさでございます。

ごいっしょしたのは、オーディオよりもエロボーカル、酒とバラの日々を送るいたちょうさまでございます。


(ビフォー)

思い出しますのは、半年前の訪問時にご一緒した西方の光るの君…もとい、独身王子ことニッキーさま。そのニッキーさまが身の毛もよだつ呪詛のような言葉を吐かれておしまいになられて、それがCENYAさまの心のなかの怨念を青火のように燃え上がらせてしまったのでございます。その漆黒の呪詛の言葉とは、CENYAさまのドロドロ…いや、もといドロンコーン…じゃなくて、渾身の自作ウーファーDODAIが「バスレフ臭」がするというあんまりのお言葉でござんしてありんす。あんれまあ。


(ビフォー)

そう…あれから半年の月日が流れたのでございますね。

部屋に入ると、どこか晴れ晴れとした爽やかな空気を感じたのでございます。もはや怨念の青火はすっかり姿を消してしまわれておりました。

魑魅魍魎とした暗鬱たる空気が淀むオーディオルームというのは、音を聴いていもそういう音がするものでございます。そのような鬱蒼とした密林から抜け出た草原のような爽やかさを感じさせる部屋は、やはりそういう浄化された情感が立ち上るような音がするのでございます。この日のCENYAさまのお部屋はまさにそう感じさせたのでございます。

初めは、センターリスポジをお譲りして、横に控えておりました。そのような控えの場所でも音像が健やかで、スピーカーに貼り付いたりいたしません。そのことに前回との違いを感じておりました。おかけになった音源は、世でいう妖しの「打ち込み系」。決して音場を強調するものではなく、これだけ横におればその音像はスピーカーに貼り付いてもおかしくないのでございます。それがそうではなかったのでございます。

何よりもはっとさせられたのは、サブウーファーから心地よい低音が響いたことなのでございます。横で聴かせていただいても、他の楽器とともに弾むように響き、時には癒やしの心のマッサージのように心地よく、ある時は猛々しい獅子吠のように胸に響き、この心を突き上げおし伏せてしまうのでございます。音が驟雨のように降り注ぎ、心の奥までがしとどに濡れるような気がいたしまして、思わず胸元に手をあて襟をきゅっと引き締めてしまうのでございます。ああ…という自分の吐息に顔を赤らめてしまうほど。あれ、あたしって、何てはしたない。



あらためて誘われて正面に座りますと、きゅっと股間が疼くのでございます。思わず膝をきつく合わせて身を守ろうとしてしまいます。…と申しますのは、正面ではふぅぅぅ~っと奥行きが深まり、妖しい音場の異次元に取り込まれてしまいそうに感じるのでございます。それはまるで辻芸人が操るからくり箱ののぞき眼鏡のよう…。あるいは、魔性の鬱女とともに奈落に落ちるような感覚に、高所が苦手なわたくしは、思わず身をすくめたのでございます。



「オトダマ」の彩囃子(イロドリバヤシ)は、楽の音が響く前に残忍な悪魔たちが集い囁き笑いさんざめくところからして、もう背筋に冷たいものが走るほど…やがて、和太鼓の皮音と激しく打つ鳴り物は宙を舞い、傾く三味線、物狂いの尺八に、もう招魂の誘惑の夢幻世界でわたくしめの心は気がふれたように乱舞するのでございます。

ようよう正気を取り戻し、我に帰って様子をうかがってみると、前回とはずいぶんとそのしつらえが変わっておりました。


(アフター)

まず、そのDODAIは、バスレフは封印、密閉になっています。リスポジの傍らには共鳴箱、レゾナンス2号。


(アフター)

CENYAさんは、あの王子が五黄殺の方位へと去った後、そのどす黒い呪詛への逆襲へと火蓋を切られたのでございます。背面の魔除けの「よしず」もいっそう広がり御座所をお守りしていらっしゃいます。そして、そういう定在波という悪魔との聖戦にさっそく馳せ参じたのが、電源無間地獄からの閻魔の使いグルマン尊師。悪霊退散の恐ろしい雄叫びは…、近所中を震え上がらせたと伝え聞いておるのでございます。


(アフター)

そして…

その尊師の雄叫びが天から呼び寄せたのか、はたまた、CENYAさまの悲痛な祈りがかなえられたのか、ついに降臨されたのが、あの伝説の多聞天、毘沙門のかないまるさまだったのでございます。

かないまるさまの面影は、お部屋のここかしこに残されているのでございます。それは今でもそっと微笑んで見つめておられるような確かな気配を感じさせてくれるのでございます。


(アフター)

それは、サブウーファーのタイムアライメント。そしてDODAIとのダブルCENYAは、以前よりリスポジ側に少しだけ前進し、オリジナルCENYAは観音さまのようにすこし顎を上げられてリスナーを優しいまなざしで見下ろします。上下の狭間に貼り付いていたスーパーツィターはかないまるさまのひと言で逃散したとか。それはもう神々しいまでに完璧なセッティングアライメント。リスナーを、まぢかに、雄々しく、そしてなお優しく凝視する内振りは、仏の守護にあたる四天王のごとし。CENYAさまは、以来、指一本ふれていないそうでございます。


(アフター)

そもそも、サブウーファーはサブウーファーではございません。もともとれっきとした2台のステレオでございましたが、かないまるさまのご託宣で下も20Hzですっぱりとカットされ、帯域の上も下もカットされたバンドパスに変身なさったとか。DODAIもCENYAウーファーとのダブルウーファーでございますので、スピーカーシステムは、2way+ウーファーの3wayというのがまことのお姿なのでございます。邪の道に迷い込んだサブウーファーのように音場空間を歪めることも、それが蠢く床の忌まわしい振動もない、正教の清められたあらまほしき低音なのでございます。

ダイアナや明菜の艶やかな歌声に、いたちょうさまのお顔は陶然とされた表情で、お口元はわずかに緩み、そこから漏れたお声が妖しく響くのでございます。――「エロい…」と。もしかしたらいたちょうさまはもうすでに少々きこしめしておられるのでしょうか。あ?何やら、ほのかに蘇格蘭の険しい孤島で造られた「たりすかぁ」の媚薬の香りが…。あれ、まあ、何とあぶない空気がみなぎっているのでございましょう。

と…

ダイアナのピアノに微かな鈍いくすみが。そして聖女、明菜の声に巣くう僅かな老いの匂いに、わたくしめは気がついたのでございます。そこにまだまったきはぬぐいきれぬ邪念の気配が…。

その邪念とは、自作プラシーボ。ここでは多くを語りますまい。やはり物の理、理を窮める根本をおろそかにしかねないアクセや自作の迷いはわたくしめにも身に覚えがあることでございます。あるいは尊師さまの残し置きし、あのあやかしの小箱の魔性がゆえの迷いだったのでございましょうか。

もうドロドロとは言わせない…その自信が強く伝わるセッティングでございます。その強いお気持ちがさらなる改善をお求めになる決意を促すのでございました。アーメン。

そのあとは…



乙姫がもてなし歌い踊る竜宮で、立ち騒ぐ愉しさは、まさに時の経つのも忘れてしまう夢心地でございました。いたちょうさまと最終を乗り継ぎ、棲めば都の赤羽についたのは、もはや、日がめぐりかわってしまった未明の刻なのでございました。




~~年ごろCENYAさまの遊び馴れつる所を、あらはにこほちちらして、立ち騒ぎて、日の入りぎはの、いとすごく霧りわたりたるに、見捨てたてまつる悲しくて、人知れずうち泣かれぬ~~


「更科@信州蕎麦日記」より


おしまい

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持ち家(戸建) / リビング兼用 / オーディオルーム / 16畳~ / 防音なし / スクリーンなし / ~2ch

スピーカー:    PSD T4 Limited Special-ネットワークレス・マルチアンプ駆動 調音パネル:    Escart Ventoスクエア パワーアンプ:   金田式DCアンプ バッテリードライブ+CPM X2 デバイダー:    金田式6dB/oct 固定式 クロス3kHz フォノイコ&ラインアンプ:金田式DCアンプ反転フルゲインコントロール バッテリードライブ+CP…

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