2018年05月05日

NHK-FMの番組、「アナログレコード三昧」を聞いて
昨日のHNK-FMで、午後から「アナログレコード三昧」という長時間の特集番組があった。興味本位で聞いてみたが、いつものCDをソースとする放送に較べて、エッジが丸くて高音の切れが悪く、オーディオ的には古色蒼然とした音色だった。
スタジオの出演者たちは、しきりに「素晴らしい音色だ」と絶賛していたが、電波に乗ってFMチューナーで再生される過程で、音の鮮度は失われるから、出演者が聞いているスタジオの音と家庭のリスナーでは、鮮度がまるで違うだろう。
驚いたのは、テクニクスの新型アナログプレーヤーを使って、開発時に使用したというレファレンスレコードの何枚かをかけた時だ。どれも極端なハイ落ちになっていて、「放送事故」レベルの酷さだった。クルマが買えるほどの値段のプレーヤーだそうだから、プレーヤーのせいではないだろう。使用したイコライザーがミスマッチに違いなく残念だった。
FM放送の音質は、たとえ高級チューナーでも、あしなべて「アナログ的」にエッジが丸く柔らかめなので、元々、一般的には音質が柔らかいアナログレコードとの相性は決して良くないに違いない。意欲的な番組の取り組みは評価に値するが、アナログレコードは、やはり自宅の吟味した再生装置でないと真価を発揮しないということを再確認してしまった。
※アナログの名誉のために付言するなら、例えばプレーヤー回りの信号伝送のロスを極力少なくした金田式イコライザー等を使用するなら、CDをはるかに超える音質が得られると確信しています。