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<最新自己紹介> 2018.8.1 久々に写真を設定しました。宿舎前の田んぼから青葉山を撮影しました。稲穂もそろそろ緑から黄色へと色づいて来ました。 7/22についに第一子が誕生しました。こ…

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最新の日記

MF邸訪問記

皆さん、こんばんは。
酷暑が過ぎ去ったかと思いきや、急に寒くなったりと体調管理が大変な時期になって来ましたね。

今回はPCオーディオの雄、MFさんのお宅にお邪魔して手ほどきを受けて来ましたので、その模様を。

最近にない刺激的な体験でしたので、かなり本音モードの日記になってしまいました。そういう系統がお嫌いな方はそっとページを変えて下さい。



0. 経緯

私は以前よりPCオーディオは気にはなっていたものの、やっている方々が色々と賑やかにネットで情報交換されているのを眺めてもチンプンカンプンで、敷居が高く手間も時間もかかりそうなので距離を置いておりました。

そんな中、この春過ぎにやや仕事の忙しさの峠を超えて余裕が出来たため、何か新しい事をやりたいと思った際に思い出したのがPCオーディオです。

さて、やるにあたってまずはどんな音がするのかを聴かせていただき把握する事から始めたい、しかも出来れば先頭あたりを走っていると思われる方がいいなぁと独断と偏見で見定めて(爆)このコミュでPCオーディオの雄としてご活躍のMFさんにコンタクトを取ることにしました。

そしていたちょうさんにご紹介いただき、お忙しい中まずはということでMF邸への訪問と相成りました。いたちょうさん、その節はありがとうございました。



1. 部屋とシステム

オフ会当日、最寄り駅まで車でお迎えいただき、このところ関東一円を荒らし回っている燻製さんとご一緒にお宅へと向かいました。

私は先が無いので今月必死に遊んでますが、燻製さんはそんな私を上回るペースで活動されておられるように見えます(;´д`)
ええぃ!つくば軍の新兵は化け物か!

(余談ですが、燻製さんは短期間でインプット過多、アドバイス過多の様に見えるので僭越ながら心配です。時にはじっくりと自分の音楽を煮詰める時間も取ることをオススメしときます。バランス感覚および取捨選択のセンスをお持ちの様に拝見しましたが、そうであっても大変なインプット量に思えます。)

通していただいた部屋は狭い狭いと事前におっしゃっていたのとは裏腹に一人暮らしにしてはかなり余裕のある広さで驚きました(笑)ぶっちゃけ拙宅とたいして変わりません(;´д`)狭いって言わないで…(涙)

広さは2部屋ブチ抜きの合計15畳程度に感じました。壁床天井ともに特殊ではなく、MFさん曰く壁は二重とのことですが、叩くとそれなりに振動はします。つまりは普通の部屋の範疇です。

ルームチューンはパッと見たところされていませんが、お話を聞くと、今日は人間が増えて吸音が増えることと、部屋を少し片付けたことで影響が出るため、それをキャンセルすべく机を置いたり、服を吊ったりとされたとのこと。部屋の響きにも気を使っていることを感じさせます。

システムは

MFさん謹製PC(以下MFPCと記す)

Chord Hugo2

Luxman L-509X

DALI Helicon 400 mk2

と、PCを除けば非常にシンプルなもの。アンプにはノイズに気を遣ってトランスを使用されていました。ケーブルは最近興味ないのでいい加減にしか見てないですが、弩級のものはなかったかと。

セッティングはこだわっておられるようで、スピーカーは御影石にスパイク直刺しという非常に興味深いもの(笑)HugoやPCは適宜ウェルフロートに乗せてTAOCのインシュレーターを筐体の上に載せていたりもします。

スピーカーは平行かほぼ平行に見えました。正面壁からの距離は1mもなかったかと。

え?肝心のPCの詳細はどうかって?そんなもの私が分かるとでも?ここは企業秘密という便利な言葉でお茶を濁しておきます(笑)とにかくノウハウの山でした、と分かった風に言っておこう。けれどもとてもコンパクトでしたよ。

音楽を聞く前に最初にPCやシステムについて半刻ほどご説明いただきました。その中で技術者らしい理論と経験に裏打ちされたこだわりやノウハウを自信を持ってお話されておりました。かなりの自信が伝わって来て自然と音楽を聴くのが楽しみになってきました。



2. 音源と感想

説明の後はいよいよ本番です。
2人掛けのソファーに燻製さんと仲良く腰掛けて、隣のインディアンを可愛い女の子に脳内変換し、準備オッケーです。
まずMFさんの音源から再生していただきます。


(1) MFさんの音源

1、坂本冬美 Love Songs; Mata Kimi Ni Koi Shiteru 4会いたい (44.1kHz16bitWAVリッピング)

MF「まずはこんなのから。''会いたい"って知ってますか?」
燻製「え、それって悲しいやつですよね。」
kanata(悲しいやつってなんやそのザックリコメントは)

♪〜

うーん、出だしあんま歌上手くないなぁ…と思うのも束の間
!?
!!
なんじゃこの音は!?
とてつもなく鮮度が高い、そしてそれだけでなく色々と何か凄いけど、何がどう凄いか分からない。

人間は自分の経験より2、3段ハイレベルなものをぶつけられると慣れるまで凄いとしか感じないものですが、正にその状態に陥ったようです。

ベクトルは違いますが、以前日記で書いた私が思う真っ当なビンテージのシステムの音楽を聴いた時にも入ったあの状態に似ています。

半分音楽を楽しみつつ、半分脳内でこの音を解析にかけてフル稼動します。そんな感じで一曲聴き切りますがまだまだこの音を判断出来ません。

音楽としては個人的にはオリジナルの方が好きかな?って感じでした。


2、T-BOLAN Ballads 09 Dear (44.1kHz16bit圧縮音源WAV変換)

M「燻製さんが圧縮音源を聞くことに苦労されているとの事で、次は圧縮音源です。T-BOLANは丁度世代なんですよね、でも音がイマイチでなかなか聞けなかったのですが、今は聞ける様になりました。」
k「私よりちょい上の世代ですね。この年代の音源は鳴らすの難しいですよね」
燻「…(コメントなしで若さアピール)」

ホストの好きな音源来ました!しかも明らかに優秀録音ではない。オフ会ではこういうのが聴きたいんですよね。

♪〜

やはり鮮度が高い。お世辞なく、とても圧縮音源とは思えない。情報の絶対量が少ない中から無理矢理最大限情報を引っこ抜くことで圧縮音源のネガをあまり感じさないというイメージ。

また、この年代で良くあるボーカルに纏わりつくエコー感ですが、それがボーカルからひっぺがされて声の質感が浮き上がって来ています。しかもそれでいて音楽として違和感なく成立させている。(所謂ハイエンド機器では)普通はひっぺがせても音楽として寂しくなるのですが、コレは一体!?

いやいや、良いですねT-BOLAN。昔はあまり好きではなかったのですが、なんか今はイケそう。今度買ってみよう。


3、はせ みきた オトダマ 彩囃子 (44.1kHz16bitWAVリッピング)

M「打ち込み系好きですか?」
燻「(身を乗り出してドヤ声で)大好物デス!」
M「打ち込み系でも太鼓とかを打ち込む系ですが。ベルウッドさんに教えて貰いました。」
燻「ありゃ〜そっちですか(こりゃあ一杯やられましたという顔で)」
k(この人なんか独特の愛嬌があるな〜。愛されキャラやろなぁ)

♪〜

太鼓モノはオーディオオーディオし過ぎてあまり興味ないので、正直やや冷めた状態で聴き始めました…



なんじゃこりゃ!
太鼓の皮の張りが半端ねぇ!
カッカッとバチで角を叩く音がキレッキレ。
兎に角トランジェントが良過ぎる。
とてもDALIが鳴ってるとは思えん。
しかし合の手で入って来る笛の音色は柔らかく音色も妥当。
この時の様な特性に振り切った様なネガは感じません。

録音がいいのは間違いないとして、コレはそれだけではない。システムも良いのだろう。足元の御影石も寄与しているとは思うが、やはりトラポなのか。

♪〜

この音源は正直欲しくなりました(笑)身体が動く動く。横の燻製さんはさぞウザかったことでしょう(;´д`)虚仮威しの様な太鼓モノではなく、音楽としても楽しめますね。おみそれ致しましたm(_ _)m


4、上原ひろみ - Move  1、Move 192kHz24bit WAV

M「コレはハイレゾです。そもそもコレが鳴らしたくてオーディオを始めたようなものです。最近はあまり聴いていないですが(^_^;)」

おお、ついに持ってる曲がキタ。私も一時期結構聴いてたなぁ。

♪〜

うん、やはりトランジェントと音楽性の両立が素晴らしい。とはいえ、さっきの音源より全体としての纏まりがないなぁ。

それぞれの音像が抜群の鮮度で描き出されるけれど、全体としての調和に欠ける。セッションしているというより、別々のスタジオで録って貼り合わせてるイメージになるなぁ。

ようやく慣れて来てこの音を掴み始めた気がする。凄いけれど万能ではない気がしてきた。

♪〜

この音源は説明は不要でしょう。個人的にこの音源のベストプレイバックは数年前のFundamentalの試聴会です。RM10のお披露目会で、プリはLA10パワーは試作段階でのMA10、トラポはSoulnoteのcop+dacでした。
キレッキレかつグルーヴ感もありノリノリの素晴らしい再生が脳裏に焼き付いています。


5、Malcolm Arnold - Overtures  01 - Sussex Overture (44.1kHz16bitWAVリッピング)

M「次はクラシックです。聴かれますかね?」
k「大好物デス」
燻「…(お前も芸風一緒やんけ)」

ついに来ましたクラシック。一体どんな曲がかかるのか、ベートーヴェン?モーツァルト?それともバッハ?

♪〜

し、知らね〜_| ̄|○
多分現代音楽でしょう。
せっかくなので音楽からイメージを膨らませながら楽しんで聴きました。この日初めて音楽耳ほぼ100%にバランスを変更します。
暗い森が出て来たり、王城の門が出て来たり、なかなか楽しい音楽でした。(あくまで個人のイメージです)これは是非買って通しで聴きたいですね。現代音楽苦手の私でもイケそうです。

♪〜

燻「いや〜凄いですね。色々な楽器が出て来てとても楽しかったです」

同感デス。個々の楽器の音のダイナミズムが圧倒的でした。

しかしRRだったら多分HD-CDなのでドライブさえ対応してれば24bitリッピングが可能なハズ。更に上を目指せますね。



その後休憩を挟んで、それではということでゲストの音源タイムになりました。

私的にはホストの音楽だけの流れの方が好きなのですが、ここはホストのご意向を優先。燻製さんの聴かれる音楽も気になりますしね。(欲を言えばもう2、3曲MFさんの音楽を聴きたかったですかね)

せっかくなのでソファーを燻製さんに占有していただき、私は後ろのベッドに腰掛ける、というフォーメーションに変更です。



(2) 燻製さんの音源

燻ー1.Clap! Clap! : tambacounda’s black magic

燻製さんは打ち込みを聞かれるという前情報から、ピコピコ系を予想して再生を待ちます。

♪〜

なんじゃこりゃ(笑)
燻製さんのイメージとマッチし過ぎる(笑)
コレはネタなのか?突っ込むべきなのか?どうなの?どうなのよ?と様子見をしていましたが、どうやらお二人の反応からマジ選曲の様子。思った以上に燻製さんはイカした紳士だった様です。

インディアンというかどこかの部族風の怪しげな音楽で、この手の音楽が再生されるオフ会は初めてです。インディアンの声と笛の音とパーカッションで始まり、途中から電子音のドムドム系が入って来ます。

いや〜楽しいっす。コレは欲しくなりました。でもこの電子音の周波数帯域は苦手な部屋が多そう。


燻ー2.Thomas White : Ovation (Helix Remix)[feat. Dear Lola]

部族音楽にノッていると何故か突然

「カンカンカンカンカンカンカンカン カンカンカンカカ カンカンカカカン!」というクラップ音が!

なんだなんだ?システムの不具合か?と慌てふためいていると

燻「あ、すみません。曲飛ばして次行きました」

なんだ、そういうことね。いきなりだからおじさん驚いちゃったよ。もしかして後ろでニヤニヤしながら聴いていたのがバレたのか?侮れん。

♪〜

クラップ音に続いて小太鼓っぽい音が断続的に現れたなにやら戦闘開始のイメージに。そして鬼の様なベース帯域のドゥーンドゥーンが入ります。

こ、コレは…。バーレスクと同種の音源ですね。この帯域が苦手な部屋だとイジメになるでしょう(笑)昔takapalpal さんにイジメられた記憶が蘇りました(;´д`)

MF邸では定在波の存在を感じさせつつも圧倒的なトランジェントの良さで何とか乗り切っていましたが、拙宅だと泣きを入れそうです(笑)

この二曲で燻製さんの嗜好がなんとなく分かりました。ご自身もお話されておられましたが、クラブミュージックというヤツですね。

この種の音源を気持ち良く聞くのは大変そうです。元々の音源に盛り盛りに入っている低域を締め過ぎるとつまらなくなるし、ある程度自由に暴れさせつつ破綻しない所に着地させるイメージでしょうか?

しかも燻製さんの場合はご自身のクラブでの体験が感覚に刷り込まれているため、更に色々と拘りがあるに違いありません。どう聴きたいのか、とても興味がありますね。燻製システムではどう鳴るのでしょうか?


燻ー3.RADWIMPS : 口噛み酒トリップ

お次はうって変わって綺麗系のインストです。こういうのも聞かれるのですね。調べたらRADWIMPS で驚きました。実は私は君の名はを観てない非国民です(;´д`)



……
………
えーと、ぶっちゃけ書くのが疲れて来ました(爆)どうやら日記スタイルの選択をミスった様です。ここからは駆け足で気になった音源についてのみを書きます。


燻ー4.Nils Lofgren “Acoustic Live” : Keith Don’t Go

お次はギターのライブ盤です。燻製さんは幅広い音源を聴くんだなぁと感嘆していたのですが、翌日この音源がCENYA さんインスパイア音源の可能性が発覚しました(笑)

ギターを弾く手元がアップになって前に出て来る録音だと感じましたが、こういうライブ系の録音にはMFPCは合ってますね。やはりトランジェントの良さが秀逸で、弾けるような演奏がそのままのスピードで再生されているように感じます。


燻ー5.Kelly Sweet “We are one” : Eternity

持っている音源その2来ました。といっても、愛聴盤だった時期がないので拙宅での再生イメージは脳内に残っていません。これも翌日CENYAさんインスパイア音源の可能性が発覚しました(笑)

こういうほぼボーカル独唱系もMFPCに合いますね。ケリーさんの歌声が本当にロスなく出て来ている様に感じます。歌声のダイナミズムが違うのです。

この曲は最後の方で高音が録音起因でややサチる様な所がある様に思うのですが、そういうネガも一般市販品のドラポよりもそのまま出してしまい、やや耳に痛い所もありました。


この音源では、オーディオ的なお遊びとしてトラポをTEACの小さな市販品のCDトラポに変えて違いを聞かせていただきました。

やはり鮮度が全然違います。音楽を鮮度や躍動感等の動的なものメインで考えるとMFPCの圧勝でもはや次元が違います。いや、音楽が違う、世界が違うといっていい位ガラッと変わります。

しかしTEACの市販品は一聴するとつまらなく感じますが、聴くにつれどこか安心する様な音に感じて来ます。ボーカルにも厚みがあり、しっとりとした質感がある様にも思えて来ます。

そして、ぶっちゃけ私は自分が自宅で音楽を楽しむ場合はこちらを選択するかもしれないとさえ思うのです。何が起因するのか分かりませんが、どこか落ち着かないものをMFPCの出音に感じ取ってしまっているようです。



(3) 私持参の音源

続いて私がお持ちした音源を何曲か再生させていただきました。

kー1.Eva Cassidy “Live at blues alley” : Blue Skys

はい、いつものエヴァ・キャシディです。
このところ気分でこの曲を良く聞きます。ピアノがダイナミックでカッコいいんですよね。さてさて、MFPCではどんな音楽になるのでしょうか?ワクワクしながら再生します。

…が、正直困惑する音楽でした。

確かにエヴァさんの歌声はこれまで聞いたことがない種類の鮮度かつとてもスムーズに聞こえるのですが、どこか味気ない心に沁みない歌声に感じます。しかし良くある綺麗なだけという状態ではありませんし、何かを削って不足感があるのとも違います。真っ当だけれど心が動かない、そんな感じです。

そして前述した上原ひろみの際に感じた事が再び沸き上がって来ます。全体として纏まりがなくなり、ボーカルとドラムとベースとピアノがそれぞれ勝手に演奏しているかの様に聞こえて来るのです。


kー2.石川さゆり : 朝花

はい、いつもの石川さゆりです。
うって変わってこちらは素晴らしい再生!もともと鮮度が高く録音が良いのですが、その良さを最大限に引き出します。

この日のさゆりさんの歌声は文句なく心を揺さぶるもの。いつも聞いている音源ですが、改めてグッと来てしまいました。

ここまでMFPCはまるでジキルとハイドの様な極端な二面性を見せて私を困惑させて来ます。


kー3.Suske Quartet : Mozart Violin Quartet

はい、いつものズスケカルテットです。
これは驚きました!それぞれの演奏や楽器の響きが見渡せる様でいながら、音楽が溶け合い、ハーモニーを上手く奏でています。

オーディオ的に言うと、解像度(ディティールの描写力)がとても高いけれど、古い音源にある空気感の成分をバッサリ行かずに上手く出しており録音の空間が見える。音像の説得力はCDなのでやや減退しているが、切った貼った、塗り込んだ、という改変を感じず、そのまま素直に録音の質感を出している。そのため、音色や響き等がとても自然。という表現になるでしょうか。

やや大袈裟かもしれませんが、この再生はLPのオリジナル盤をその時代に合ったシステムで再生した時を彷彿とさせる種類のものに感じます。もちろん音源がCDなのでオリジナル同等とは行きませんが、その音源の弱さの割に頑張っていて、しかも見えてくる世界観が近いのです。この世界観は録音の時代に合ったシステム以外で私が感じたことは未だ嘗てありません。それだけに驚きというか、衝撃がありました。

それではこの音源はどうだろう?と思い続いて再生したのが


kー4.Klemperer : Wagner “ Die Meistersinger von Nürnberg “

はい、いつものクレンペラーです。
これも素晴らしい!先ほどのズスケで感じたのと同種の事を感じます。ズスケもそうですが、明らかにこの再生は私のシステムでのCD再生時のものよりも、オリジナルを同時代のシステムで再生した際の世界観により近いものです。

比較すると、拙宅のCD再生は空間の情報量を保持するために個々の音像のディティールの描写力をやや犠牲にしていますが、MFPCはそれらを両立している様に聞こえます。色々なシステムで聞いて来ましたが、これは初めての経験で、私のこれまで構築して来たオーディオによる音源再生の基本思想を揺るがす程のものでした。



3. MFPCシステムの音楽まとめ

大袈裟と笑われるかも知れませんが、ゲームチェンジャーという言葉が一番しっくり来ます。今まで私が経験したどんなハイエンドでも聞いたことがない、新たな可能性を感じさせる音がそこにはありました。そして敢えて具体的に書きませんが、色んな意味でとても危険なものにも感じました。


(1)ポジ、美点

鮮度が高く音源に入っている音をそのまま強引に引っこ抜いて来ているかの様な、音源に首を突っ込んでいるかの様な感覚があります。

しかしこれ程の先鋭感を感じさせしつつもピーキーな危うさや硬さを感じません。基本柔らかくしなやかな表現力を持ち合わせています。歪みの無さも秀逸です。

そして、これが一番の特徴だと思いますが、全ての音の立ち上がりが異次元です。中でも顕著に現れるのが低域で、トラポでここまで変わるものなのかと俄には信じられないくらいです。

また、音の情報が凄まじく精細です。それはもはや「解像度が高い」という言葉がしっくり来ないレベルです。それだけにネガもあるのですが。

個人的に一番魅力的だったのが、予想に反して古い音源への適合性が一番高いという事です。前述した様にCD音源をオリジナルLPを彷彿とさせる様な鳴らし方をしてしまいます。これはとてつもなく凄い事だと私は思います。


(2)ネガ、難点

MFPCの音楽を聴いていると、曲ごとに音楽として受け取る感動が極端に変わります。このことから一年程前に出たステサンのSACDの謳い文句を思い出しました。曰く、録音したてのものをそのままブチ込んだからちょっと破綻してる所もあるかも。許してちょ。というものだった様に記憶しています。

そんな感じで産地直送が故にバランスを崩して音楽として纏まりが無くなるものもある様に感じます。具体的には、音源の製作者の想定を突き抜けた音の取り出し方が故に、主に定位の位置が製作者の意図した位置に収まらない感じがします。

また、従来の範疇を突き抜けるがゆえに、聴く側の感覚が付いていかない所がある様にも思います。これは同様に、従来のトラポを想定した他の機器とのマッチングも難しいことが予想されますがどうでしょうか…

具体的には音の厚みの獲得の仕方が従来の世界とは異なる感があります。高精細かつレスポンスが異常に速いため、従来の音の厚みという感覚に慣れた人間(私がそうです)からは薄く感じる所もありました。



4. オーディオへの基本思想を改めて考える

今回のMFPCシステムでの古いクラシック音源の再生は私にとってなかなか衝撃で、私のこれまで構築して来たオーディオによる音源再生の基本思想を揺るがす程のものでした。

具体的に言うと、ノイズに対する考え方を変えることになるかもしれないと思わさせられました。



私がオーディオに求める事は、電気的な正確性や、原音や生音の再生ではなく、自分の好きな音楽を自分が感動出来る様に再生してくれる事、これのみです。(とはいえ、クラシックのコンサートにはそれなりに足を運ぶので、基本的な感覚は生演奏準拠となっているかと思いますが)

言い換えると、何が正しいかには興味がなく、何が楽しめるのかを追求したいという考えです。



そして私の好きな音源は古いクラシックがメインで、私が過去の経験の中で感動出来る再生は、音源と同時代のシステムでの再生だと感じています。

しかし一方で私は新しい打ち込み系などの音源も好みます。従って今の私のシステムは、古い音源も新しい音源もそれなりの達成度で自分の思う真っ当な再生に準じた再生が出来ることを目的としています。



その目的の達成の中で私が一番重要かつ一般的な常識を疑問に感じているのがノイズに対する考え方です。



現在進行形の現代のオーディオではノイズは大敵とされ、様々なノイズの除去が試みられています。しかし、ぶっちゃけた話、こと古い音源の再生においては、所謂一般的にノイズが除去された状態であればある程、私には古い音源の音楽としての旨味までも取り除かれて行く様に感じるのです。従って、現代オーディオ的な手法に則ってノイズを除去すればするほど、古い音源は音楽としてつまらなくなって感動も薄れて行くのです。

例えば空間の表現では、新しい音源では音の無い静けさでもって空間を表現している様に感じます。言い換えると、ゼロの状態を広げて空間を作っている様に思います。

対して古い音源では場に漂う気配の様な成分でもって空間を表現している様に感じます。言い換えると、ゼロコンマなにがしかの空間の情報とその濃淡により空間を作っている様に思います。

前者は、ゼロであるはずの所がノイズの影響でゼロに感じなくなるが、それを除去する事で本来のゼロに近づく。それにより背景がより沈み込み、結果音像がくっきりと浮き立つ。音場の立体感も出る。

後者は、ゼロがノイズの影響でゼロに感じなくなることよりも、ゼロコンマなにがしかの空間の情報がノイズとともに除去されることによるネガが大きい。具体的には空間の情報がゼロになることで変に音像が浮き立ち、音像が痩せて聞こえて歴史的な記録を聞く様なイメージになる。私にはそう感じられます。


これはハイエンドオーディオに対しても同様の感覚で、従来のハイエンドはノイズレベルを下げるとどうしても必要な情報まで削っている感覚がありました。しかし、MFPCはお話をお聞きしているとかなりのノイズ対策をしておられるにも関わらず、古い音源でも拙宅のCDシステム以上に音楽として素晴らしい。これは一体どういう事なのか?この私からすれば矛盾する事実に、これまでの枠を越える可能性を感じました。先ほどの話ですとゼロコンマなにがしかの空間の情報を残しつつ、ゼロをゼロに近づけるノイズ除去が出来ている様な予感があります。

それと共に、MFPCの様に更に技術が進めばその進んだ技術でノイズを除去した方が古い音源もやはり素晴らしいと思える再生が可能になるのではないか、そんな将来への希望さえも感じてしまいます。

ただ、自分のシステムにMFPCを組み込んでみないと、この日私が感じた可能性について本当の判断は出来ません。可能性の一端は感じたけれど、まだまだ確信には至らず、そんな状態です。機会をいただけるのなら是非試してみたいと思います。



5. 帰って自分のシステムで聴き直してみて。

当たり前ですが、やはり自分のシステムがしっくり来ます。思ったよりもMFPC比の鮮度不足による感動の減少を感じませんでした。寧ろ意外とウチの鮮度も悪くは無いやんと感じた位です。そういう意味で自分のオーディオ感が根底から覆されたとか、そういう類いの経験ではなかった様です。

これは私が従来の世界での感覚を引きずっていることも理由の1つかも知れません。ですが、MFPCの音が先鋭なことに起因する音楽としての調和の不足を自分のシステムと比べて感じることも1つでしょう。そう感じます。

ただ、このMFPCに感覚が慣れた時どうなるのか?とても興味があります。不感症みたいになりそうで怖いですがどうでしょうか。



6. これから

MFPCが見せるあの新鮮な素材を自分で料理したらどうなるのか?非常に興味がありますし、自分で使いこなせば、これまでの世界とは突き抜けたものを見せてくれるという確信めいた予感がするのは確かです。正直すぐにでも飛びこんでみたい。そう思います。

しかし、子供が生まれた今この状況で、趣味の新たな地平へチャレンジしていいのか?そんな余裕はあるのか?正直全く分かりません。

この三連休久しぶりに子供と一緒に過ごしましたが、流石にオーディオを止めるとまでは行きませんが、現在から音のクオリティが下がっても気にならない、そんな幸せを感じました。

PCも含め、私のオーディオを今後どうするのか、まだまだ答えは出せそうにありません。



最後に、MFさん、燻製さん、先日はありがとうございました。とても貴重な経験をさせていただいたにも関わらず、個人的な日記になってしまい申し訳ございません。もしよろしければ拙宅にてMFPCを試す機会をいただきたく思います。またよろしくお願い致します。

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AK120-64GB-BLK

IRIVER

AK120-64GB-BLK

直販サイト価格¥129,800(税込)

発売:2013年6月上旬

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1に携帯性、2に音質

2013.6.27記述

もともと気にはなっていたのですが、発売直後に在庫があったため長期出張の渇きを癒すため購入してしまいました。
私は3年前まではヘッドホン派でしたが、最近のヘッドホン・イヤホン・ポータブル市場には疎いです。あくまで据置SPシステムメインの人間が通勤用としての用途のみを考えたインプレと思って下さい。
現在の使用時間は50時間程度、エージングは10時間程度で初期段階を抜けて、その後は安定してあまり違いは感じていません。



1.AK120という製品の解釈

このDAPはとても立ち位置が微妙で、人によって評価がかなり変わってしまう製品だと感じる。その一番の原因は128,000円という価格だ。
正直言ってスペックだけを単純に見ると高いと思う。iPodを持っている人間から見るとこの価格なら2段3段の高級ポタアンを組み合わせた運用が可能であるし、単体DAPではHM-901というスペック上は明らかに上位の製品が同価格帯に存在する。(未聴のため音質比較は出来ません)
従って音質のみを考えた場合、コストパフォーマンスが良いとは感じにくい。


しかし、視点を変えてやると魅力的な製品になる。一番のセールスポイントはその小ささによる携帯性の高さだ。

私は3年前はiPod+iQubeを使用していて音質には満足していたがその大きさによる携帯性の悪さに挫折。割り切ってその後の2年間はiPhoneのみの運用。今春に音質が諦めきれずHP-P1を導入して2段生活に出戻りしていた。しかし、やはり2段は大きい。胸ポケットに入らないため満員電車の中では満足に使えず、折角の高音質が発揮出来るシチュエーションが限られしまい不満を募らせていた。
これらの経験から、私はポータブル環境は音質よりも携帯性が重要という考えとなっている。
携帯性を重視したいが音質も捨てたくないという考え方にこの製品はドンピシャなのである。

また、ソフト的な仕様も魅力的だ。
まずクラシックメインの私には必須のギャップレス再生機能が付いていること。据置のネットワークプレイヤーでもそしてDAPでもなぜか驚く程ギャップレス再生が可能な機種は少ない。
そしてDSDを含む全てのフォーマットに対応するという点も使用者の自由度を高めるという点で嬉しい点だ。


この様に、携帯性を軸とした総合力という点でこの製品を見直すと、価格は高いがなるほどその価値もあるのかな、という評価も出来るのではないだろうか。



2.音質

それでは音質についてインプレを行う。

現環境
AK120 → AUDIOTRAK SR1 → SHURE SE535



旧環境(比較対象)
iPod Classic → VentureCraft V73J2AK → Fostex HP-P1 → AUDIOTRAK SR1 → SHURE SE535



基本的に旧環境であるHP-P1との比較論になっているが、私個人の好みによる評価や拙宅据置システムを基本とした評価も加味したものになっている。ご容赦いただきたい。



音色はカッチリとしていて暖かくも冷たくもない、ニュートラルな傾向だ。真面目な日本的音作り(メーカーは韓国だが)で、据置で言うとアキュフェーズの様な傾向だと感じる。いや、アキュフェーズよりも更に遊びがない感じか。メーカーとしての音作りを全く考えず、素のままを出そうという意思が感じられる。個人的には下手に音作りをするよりも好印象だ。

帯域バランスはフラットだ。低域が厚めだという評をどこかで見たが、私はあまり感じなかった。むしろクラシックを聴くのであれば物足りない位だ。しかし、HP-P1との相対的な評価となると低域が厚く(特に響きが厚い)沈み込みもよい。

しかもこの低域の表現力がとても良い、これは特筆すべき点だと思う。低域だけではないのだが、このDAPは音像の芯から倍音や響きに至るまで潰れずに丁寧に滑らかに表現出来ている。特に弦楽器の低域やピアノの低域の表現力はとても良く感じた。

音の線は細めだが芯はキッチリとあり、細すぎて芯がやや物足りない感覚ではない。個人的には太さは良いがもう少し厚さを感じさせてくれると尚良い。

倍音成分や空間の響きも豊富に再生出来ており、HP-P1と比較して音場はかなり広く感じる。左右のセパレーションも良く、音場の広さに一役買っている。流石はデュアルDACだ。

HP-P1との大きな差は背景の静寂性で、音場の見通しが良く音像がより鮮明に浮き上がる。また、解像度や音の分離もすこぶる良い。かと言ってエッジを立てて無理に解像感を演出しようとしている感覚もない。


ここまで褒めてばかりだが、欠点もある。
一番気になるのは音がカッチリとし過ぎていてしなやかさに欠ける点だ。細部を潰さずに滑らかに表現する力があるのだが、カッチリしている音のためどうしても音が縦割りになってしまい有機性を感じられない。音楽よりも音を聞いてしまいがちになる傾向だ。ただ、この点は私のケーブルSR1も影響している様な気がしている。ゆくゆくはよりしなやかで有機性を感じられるケーブルを吟味して変更したい。
また、これは好みの範疇だがあまりにフラット過ぎる。もう少し低域と中域を盛った方が全体的に安定感が出て音楽が楽しく聞けると思う。だがこの商品のコンセプトが「持ち運べるモニタリング環境」なのでこれはただの難癖か。



3.使用感

ここまで2週間使用してみて概ね満足出来る使用感である。一度もフリーズやバグには遭遇していない。安定性は合格点を与えられる。

タッチパネルは小さめでレスポンスもやや悪く、iPhoneの様にスクロールもサクサクとは行かないがストレスが溜まる程ではない。ただ、左上の戻るボタンが押しにくく、しばしば誤って違う操作をしてしまうことがある。

横から突き出しているボリュームは、胸ポケットに入れる私の使用方法ではロックしなくても一度も誤作動を起こしたことはない。ただしダサい。

iPhoneと違って側面の物理ボタンで再生、一時停止、曲スキップが可能なのは個人的には嬉しい点。

付属の本革製カバーは質感も良く、手にも馴染み易い。



4.まとめ

纏めると、この製品は音質という一点のみで考えるのではなく、音質プラス携帯性・ソフト的な対応力の高さ・操作性という総合力で考えてやるべき製品だと感じた。そして、その総合力に価値を見いだす人間ならば導入しても不満はないのではと感じる。それほど音質も良い。

最後に、この製品は音質傾向にせよ、総合力を売りにする製品作りにせよ、いかにも日本のメーカーが作りそうな製品なのだが残念ながら日本のメーカーの製品ではない。私が無知だからかもしれないが、現状このレベルで高い総合力を誇る製品は他に見当たらないため、今後日本のメーカーにも頑張って対抗商品を作って欲しいと思う。特に音作りを放棄した製品であるため、上手い聞かせ方をしてくれるものが対抗商品としてあると個人的に嬉しい。○ニーさん、いかがでしょうか?

【SPEC】●内蔵メモリー:64GB ●対応記録メディア:microSDカードスロット×2 ●周波数特性:20Hz〜20kHz(±0.02dB)/10Hz〜70kHz(±0.2dB) ●S/N比:113dB ●クロストーク:-128dB ●THD+N:0.0008% Typ ●クロックジッター:50ps ●IMD:0.0005% ●インピーダンス:3Ω ●インターフェース:USB 2.0端子/光デジタル入出力端子/ヘッドホン出力兼用光デジタル出力端子 ●対応フォーマット:FLAC/WAV/ALAC/AIFF/FLAC/WAV/ALAC/AIFF ●外形寸法:約59.2W×89.1H×14.4Dmm ●質量:約144g

マイルーム

家族で音楽に浸れる空間を目指して
家族で音楽に浸れる空間を目指して
持ち家(マンション) / リビング兼用 / 16畳~ / 防音なし / スクリーン~100型 / ~2ch

<最新マイルーム> 2018.8.1 徐々に機材を整理中です。 <自宅メインシステム> EMT 930st or Philips LHH700 or(DELA N1ZH30/2---Telegartner M12 switch gold---Weiss MAN301 premium DACver) ↓ Eckmiller W68 ↓ FM acoustics FM411 ↓…

所有製品

  • その他オーディオ関連機器 日本テレガートナー M12 GOLD SWITCH
  • その他アナログプレーヤー/関連機器 KLAUDIO CLN-LP200
  • ネットオーディオプレーヤー WEISS MAN 301 DSD
  • パワーアンプ FM ACOUSTICS FM411
  • CDプレーヤー/トランスポート PHILIPS LHH700
  • スピーカーシステム DYNAUDIO Sapphire