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<最新自己紹介> 2019.7.20 ようやく一山超えました。 2019.6.8 色々あってなかなか大変な日々です。 日々成長する息子と遊ぶのが一番の楽しみです。 2018.8…

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グルマン邸訪問記

皆さん、こんばんは。今回はいつも気まぐれにファイルウェブに降臨し、周囲を混乱の渦に巻き込んでいるグルマンさんのお宅ににらさんと一緒にお邪魔して来ました。
以前より、グルマンさんの音に対する感覚が私に近いなと感じておりましたが、今回にらさんにご紹介いただき、そのお宅を訪問する機会を得ることが出来ました。
はてさて、そのサウンドはどの様なものだったのか、例によって長文になりますが、お時間のある方はどうぞ。


1. システム・部屋

まずはシステムとオーディオルームの紹介です。










[Transport] 自作PC

[Transport] sforzato DST-01

[Up Sampler] Chord Blue mk2

[DAC] Chord Dave

[Power amp] Fundamental MA10

[Speaker] Fundamental RM10 on ST10(on arte seisis)
[Super Tweeter] Airbow CLT-5?
[Subwoofer] サーロジック(型番不明)

[Cable] high fiderity cables中心に多数
[HUB] Telegartner M12 switch gold
[Power Conditioner] RGPC×6(並列使用)、TICE POWER BLOCK & TITAN×2、MIT等多数
[Rack] Sound Magic 防弾ガラスラック3段、Copulare Zonal 4段
[Sound Board] アコリバ、等多数
[Room Tuning] QRD BAD、Digiwave、Diffuser、アンク×3、コーナーアンク×2、アンク3、リプラス、エイスナーブ、YAMAHA 等多数
[仮想アース] Entreq Tellus、Telos GNR mini 3.1×3 等
その他アクセサリー多数

ざっと見た感じは上記の様なシステム構成だと把握しましたが、ケーブル・アクセ類があまりにも数が多すぎ&接続が複雑怪奇のため全容を解明する気にもならなかったです(笑)ご興味のある方はご本人までお問い合わせを。

部屋の大きさは6畳程度、天井高は普通のマンション程度。壁は向かって左側が半分程度はバルコニーに出るサッシ。右側は全面壁で奥にドアがあります。リスポジ背面は左側から7割程度壁が無くリビングと繋がっています。エアボリューム的にはリビングと繋がっているため音がリビングに逃げてくれていると思われ、部屋に音が充満する様な圧迫感は少なかったです。

リスポジは部屋の最後部から若干前あたり。スピーカーは向かって正面壁から1m程度、左右壁から20~30cm程度のあたりでしょうか。スピーカーはかなり内振りでリスポジよりも前で交差するいわゆる交差法的なセッティングになっています。




2. サウンドインプレッション

(下記言うまでもなく私個人の聴感によるただのインプレです。それ以上でも以下でもありません。)
最初に注釈ですが、当日は急に2人が訪問したため、Gさん側にオフ会用に音を調整する準備がなく、色々と実験中の状態でした。後に音場について色々と書きましたが、多分この準備不足の実験中状態であることが原因で、本来のGシステムはまた別物だと理解しています。この点をご留意願います。
最後に、ホストの性質上、多分この文章を書いている時にはもはや違うサウンドになっているかと思われますので、それについては私は知りません(爆)




部屋はややデッドでとても良く調音されています。大音量でも部屋の嫌な響きは感じませんでした。定在波も音楽を崩す様な気になるレベルのものは感じず。この広さでこの調音状態は相当凄い耳と腕をお持ちでないと達成できません。さすがです。前述したように音がリビングに抜けるため、密閉空間の圧迫感もあまり感じません。個人的にはもっと響きがある方が好きですが、多分この落とし所の方が万人受けするかと思います。



F特はフラットからはやや下方向が厚めでしょうか。中域・低域ともに十分出ていて音楽の下支えが出来ています。特に低域はスピーカーの見た目以上の低域が雄大に出ていました。かつ気になる膨らみもなく明瞭度の高い良質な低域でした。かと言ってタイトに締めすぎという訳でもなく幅広い音楽の下支えに必要十分で、とてもうまい落とし所と感じました。このあたりは時代やジャンルを問わずにご家族も含めて音楽が楽しめることを目的とされている事がとても良く現れていると感じました。まさに有言実行です。



音の押し引き、トランジェントについても良好でした。スパッと出てピタッと止まります。このあたりはこのスピーカーの素性の良さを感じる所です。カミソリの様な切れ味があるというよりは、スタジオ的な高忠実度があると感じました。押し引きが正確過ぎると、ともすれば素っ気なさを感じて無味乾燥に繋がってしまうこともあるのですが、ほんの少しの余裕がそれを上手く回避しています。



レンジについては、高域も低域も十分ですがことさら無理に欲張っていない様に感じました。先ほど低域は良く出ていると書きましたが、やはりブックシェルフ+α的な出方であり、大型スピーカーの腹の底から響く様な物とは異なります。よって高域フェチ、低域フェチの方々には物足りなく感じることもあるかもしれませんが、私はこれこそが自然な低域の出方であり、幅広い音楽を聞く目的にはウェルバランスに思います。



SN感はこのレベルのシステムでは普通かやや落ちる程度でした。冷たさを感じる様なSNや漆黒の闇を感じるSN感といった類のものではなく、自然界と似たようなレベルで、自然さを感じる状態でした。こう感じたのは私がDAC直結の場合SN感が少し落ちる様に感じる耳の持ち主だからかも知れません。多分このシステムに見合ったプリを入れるとSN感の良さを聴感上感じさせる音になると思われます。



このシステムの白眉は、やはり情報量の多さと音の明瞭度の高さ、そして自然さを併せ持っている所でしょう。個々の音の分解能が高く、主たる音から従たる細かい音までどの音像も明瞭に聞こえ、それにも拘わらず音に神経質な所もなく自然で落ち着きがあり、結果として音楽全体の調和が取れています。

音の分解能と明瞭度を上げると、普通はどこかしらバランスを崩して神経質になりがちですが、このシステムに神経質さは微塵も感じさせません。これはご本人がおっしゃっていた「エッジを立てずに分解能と明瞭度を上げている」ことが大きいのでしょう。多分たくさん重ねているマグネチックのアダプタやケーブルはそんな傾向のものである様に推測されます。

例えるならば「木を見て森を見ず」ではなく、「枝葉も見えて森も見える」状態になっているかと思います。


ここまで褒めちぎっている様に思われるかもしれませんが、実際に全方位に隙がなく、オーディオファイルも普通の人も楽しめる、そんなサウンドになっています。これまた有言実行です。



音像については、音像自体の厚み・立体感ともにあり、倍音もそれなりに出ているため実在感が高いです。音色はニュートラルでほんのり人肌程度の温かみがあります。ご自身で「歪み探知機」とおっしゃっている様にノイズ等に由来する嫌な響きや歪みもなく(実は私も相当敏感です)うるささを感じませんでした。

弦楽器、ピアノ、金管の音の妥当性も高く違和感が少なかったです。基音と倍音のバランス、そして細かな響きがバランス良く出ている証左です。クラシック聴きでないにも関わらず、これは結構凄い事だと思います。強いて言うならば倍音と響きがもう少し出ると更に楽器の音の妥当性が上がり、例えばピアノの大きさとグレードが上がった様なイメージになるかと思います。

とはいえ、気になった所もあります。まずは音に潤いが足りません。少しカサッと乾燥している様な質感になっています。音に神経質な所がなくウェルバランスであるのでそれ程耳障りで嫌な感じはしませんが、例えばボーカル等はもう少し濡れる様な質感があった方がより楽しめるかと思います。これは演出がないと言える範疇からは少し外れており、少々のネガ要素として認識しても良いレベルと思います。

また、若干の質感の肌理の粗さも感じました。多分これはDAC直結由来で、私も度々色々なDACで直結を試し同様な傾向になった経験があります。DAC直結はハマる音源もありますが、この粗さを感じる音源も出て来ます。幅広い音源を聞かれるのであれば、プリを入れた方が対応力が上がるかと思います。私が直結でなく、わざわざパッシブプリを使用している理由もまさにこの点にあります。

また、高域のある帯域に硬いアクセントを感じます。それが顕著に表れるのばヴァイオリンで、その帯域では基音が勝って音色が変わり少し音の妥当性が減退します。音に突っ張った様な硬さも出て、やや神経質さも感じます。私はこの高域のアクセントはFundamental由来で「鈴木臭」と名付けているのですが、他のFundamentalの製品にも感じますので、代表の鈴木さんが好んで付けている様に思います。(この点は当日グルマンさんもすぐに同意しておられ、3人で一緒に鈴木臭について議論があったことを追記しておきます(笑))
私も単身先で一時RM10を使用していましたが、結局この鈴木臭が気になり、また上手くネガを発生させずに脱臭することが難しいため手放したという経緯もあります。(一部の音源に特化するならば上手く利用することも可能だと思いますが、幅広いジャンルへ対応させるという目的にはこの点で難しいSPだと感じています)



音場について、私の好みからすると音のステージが全体的に近く距離的な圧迫感を感じます。これは完全に好みの問題であり、なおかつグルマンさんも「最近訪問したお宅が近い家ばかりだったので実験でそうしているだけで、実際は遠い方が好きです(笑)」とおっしゃっていました。やはりユニーク過ぎる(笑)今回は我々が急におしかけたためGシステムは日々の実験中の状態であり、その弊害の一つだと思いますが、一日たりとも同じ音で留まっていない実にグルマンさんらしいご返答です(笑)

音場の広さもレンジと同じ印象で上下左右ともに必要十分ですが、ことさらに広大な音場を狙っている様に感じませんでした。かといって狭いわけではなく、広い音場の情報を持った音源ではきっちりとその広大さを表現出来ています。このあたりもDAC直結の傾向が出ていて(私の使用するパッシブも同傾向です)、多分普段プリを使われている方からすれば広がりが足らないと感じることもある様に推測します。私は録音によって、編成の大きさによって誇張なく忠実に音場が変化することを好みますので、今回の広さはちょうど良く、違和感はありませんでした。

ただ、やはり6畳程度の部屋の縦使いという物理的なスピーカー間隔の狭さから来る限界は感じました。私は空間に各楽器や音を配置していく様なイメージを持ちつつ音楽を聞くのですが、今回の音量と空間の組合せでは編成が大きくなるとどうしてもゴチャっとしている様に感じてしまいます。具体的には6畳程度の空間の広さに対して音量が大きいため、その空間内に音像が上手く配置しきれない状態になっています。これは音量を下げれば解決する問題なのですが、もし今回の音量が欲しいとなるとこの部屋で大編成は厳しいかと思います。もしくは、前述した音の近さをもっと奥に展開する様に調整し直せば、かなり余裕は出るかと思います。現状では最初のターミネーター等はゴチャついていて、この音源に多分あるであろうの音の空間への配置の妙味を味わう面白さを感じることが出来ていませんでした。



最後に、これが全項目において一番気になった点ですが、音場の前後感が乏しく音場が平面的に感じました。「音場の前後感」という語句については「奥行き」という曖昧な語句と共に色々と誤解を招き易いですが、前述した音のステージ全体の遠い近いの事ではなく、ここで言いたいのはそのステージの中の音と音との前後感覚のことです。言い換えると、上下左右を2辺とした面が向かって奥方向に多層のレイヤーを持っているかどうか、ということになります。このレイヤーが1つに聴こえる場合は、「音場が平面的」や「ヨコイチ君」といった表現になります。で、話を戻しまして、今回はそのレイヤーが1つの様に感じたという訳です。

前述した様に今回のGサウンドは細かい音まで明瞭に聞こえます。しかし、それが逆に仇となっていて、音場が平面的で本来は多層レイヤーに配置される音が1層レイヤーに集まっているために、音源によっては非常に音がガチャガチャして聞こえてしまいました。

私はこの音の前後感を感じる感度とそのトリガーについては個人差が相当あると思っており、人によっては音の前後感という感覚が無い人も居ると思っています。それだけに、この項目については認識を共通化した議論が困難なため突っ込んでは書きませんが、前後感のトリガーとして、①音の時間軸的な正確性、②音の強さの序列の正確性、③F特の正確性、④音場情報をカットし過ぎない の4点があると感じています。特に①と②がカギで、③は中域・高域で大きくはブレない程度で影響は少ない様に感じます。④はSNばかり見てノイズ対策が行き過ぎた場合に発生する印象です。

G邸ではこのうち①と②にやや問題があるのではないでしょうか。

グルマンさんは位相(私はこの語句はあまり好みませんが)に拘っていらっしゃるので、①にやや問題ありとは言い難いのですが、この日聴いた音で判断する限りでは時間軸的な正確性が高い音の状態には感じませんでした。この正確性が高いならば、打込みではもっと3次元的に音の粒が飛び交ったり、クラシックの大編成ではもっと奥のレイヤーがある様に聞こえます。

②については細かい音も明瞭に聞こえるのは良いのですが、細かい音に分解能だけでなく強さまでも付加してしまっている様に感じます。結果、主役の音と脇役の音の重みづけの差がなくなってきており、それが平面的で音数が多い曲だとガチャガチャして聞こえる一つの要因になっていると思います。人が距離を感じる際にはその響きを感知している所も多く、本来は小さいはずの響きの音がこの日のGサウンドではクローズアップされていて、それが故に距離感が乏しくなっている様に思えます。

とはいえ、グルマン邸は今まで色々な方々の訪問記が挙げられており、皆さん口をそろえてこの前後感については素晴らしいという評価をしていらっしゃいます。ですので、今回のこの状態はむしろ音を前に出す実験中であるが故の事故の様なものと認識しています。本来のGサウンドはもっと違うのだろうという確信めいた予想はしています。やはり急に押しかけるものではありませんね(笑)



3. まとめ

以上、図らずも(?)とても長いインプレッションになってしまいました(笑)
長いから短くまとめろと言われると、


「全方位にハイレベルで破綻なくバランスが整っている自然な音。でありながら細かい音を明瞭に楽しむオーディオ的快感も得ることが出来る。但し音の質感がやや粗く、音が近く、音の前後感に乏しい。注釈として、このサウンドは実験中のものであり、ホスト本人の方向性とは一部異なるものである。」


となりましょうか。

注釈として記載しましたが、面白い所はこの音はグルマンさんご自身が好ましいと思われる方向性とイコールではないという事です(笑)

今まで私はそれなりの数の方のシステムの音を経験させていただきましたが、多くの方がこの「音源をこう聞きたい」というものをお持ちで、システムもそれに向かってブラッシュアップしておられました。(時々まだそういうものが明確になっていない方もいらっしゃいましたが)

しかし、グルマンさんは多分そういう素顔の自分の方向性のモードと、そうではない実験用・ゲスト用モードを使い分けておられ、今回はそこが主に音場面に出ていたと思われます。


様々な仮面を使い分ける怪人グルマン!その素顔やいかに!
もし次の訪問の機会がいただければ、今度は素顔モードのGサウンドを聞かせていただきたいな~と勝手な希望を書きつつ訪問記を締めたいと思います。



グルマンさん、にらさん、この度はありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。



長文を読んでいただきありがとうございました。

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AK120-64GB-BLK

IRIVER

AK120-64GB-BLK

直販サイト価格¥129,800(税込)

発売:2013年6月上旬

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1に携帯性、2に音質

2013.6.27記述

もともと気にはなっていたのですが、発売直後に在庫があったため長期出張の渇きを癒すため購入してしまいました。
私は3年前まではヘッドホン派でしたが、最近のヘッドホン・イヤホン・ポータブル市場には疎いです。あくまで据置SPシステムメインの人間が通勤用としての用途のみを考えたインプレと思って下さい。
現在の使用時間は50時間程度、エージングは10時間程度で初期段階を抜けて、その後は安定してあまり違いは感じていません。



1.AK120という製品の解釈

このDAPはとても立ち位置が微妙で、人によって評価がかなり変わってしまう製品だと感じる。その一番の原因は128,000円という価格だ。
正直言ってスペックだけを単純に見ると高いと思う。iPodを持っている人間から見るとこの価格なら2段3段の高級ポタアンを組み合わせた運用が可能であるし、単体DAPではHM-901というスペック上は明らかに上位の製品が同価格帯に存在する。(未聴のため音質比較は出来ません)
従って音質のみを考えた場合、コストパフォーマンスが良いとは感じにくい。


しかし、視点を変えてやると魅力的な製品になる。一番のセールスポイントはその小ささによる携帯性の高さだ。

私は3年前はiPod+iQubeを使用していて音質には満足していたがその大きさによる携帯性の悪さに挫折。割り切ってその後の2年間はiPhoneのみの運用。今春に音質が諦めきれずHP-P1を導入して2段生活に出戻りしていた。しかし、やはり2段は大きい。胸ポケットに入らないため満員電車の中では満足に使えず、折角の高音質が発揮出来るシチュエーションが限られしまい不満を募らせていた。
これらの経験から、私はポータブル環境は音質よりも携帯性が重要という考えとなっている。
携帯性を重視したいが音質も捨てたくないという考え方にこの製品はドンピシャなのである。

また、ソフト的な仕様も魅力的だ。
まずクラシックメインの私には必須のギャップレス再生機能が付いていること。据置のネットワークプレイヤーでもそしてDAPでもなぜか驚く程ギャップレス再生が可能な機種は少ない。
そしてDSDを含む全てのフォーマットに対応するという点も使用者の自由度を高めるという点で嬉しい点だ。


この様に、携帯性を軸とした総合力という点でこの製品を見直すと、価格は高いがなるほどその価値もあるのかな、という評価も出来るのではないだろうか。



2.音質

それでは音質についてインプレを行う。

現環境
AK120 → AUDIOTRAK SR1 → SHURE SE535



旧環境(比較対象)
iPod Classic → VentureCraft V73J2AK → Fostex HP-P1 → AUDIOTRAK SR1 → SHURE SE535



基本的に旧環境であるHP-P1との比較論になっているが、私個人の好みによる評価や拙宅据置システムを基本とした評価も加味したものになっている。ご容赦いただきたい。



音色はカッチリとしていて暖かくも冷たくもない、ニュートラルな傾向だ。真面目な日本的音作り(メーカーは韓国だが)で、据置で言うとアキュフェーズの様な傾向だと感じる。いや、アキュフェーズよりも更に遊びがない感じか。メーカーとしての音作りを全く考えず、素のままを出そうという意思が感じられる。個人的には下手に音作りをするよりも好印象だ。

帯域バランスはフラットだ。低域が厚めだという評をどこかで見たが、私はあまり感じなかった。むしろクラシックを聴くのであれば物足りない位だ。しかし、HP-P1との相対的な評価となると低域が厚く(特に響きが厚い)沈み込みもよい。

しかもこの低域の表現力がとても良い、これは特筆すべき点だと思う。低域だけではないのだが、このDAPは音像の芯から倍音や響きに至るまで潰れずに丁寧に滑らかに表現出来ている。特に弦楽器の低域やピアノの低域の表現力はとても良く感じた。

音の線は細めだが芯はキッチリとあり、細すぎて芯がやや物足りない感覚ではない。個人的には太さは良いがもう少し厚さを感じさせてくれると尚良い。

倍音成分や空間の響きも豊富に再生出来ており、HP-P1と比較して音場はかなり広く感じる。左右のセパレーションも良く、音場の広さに一役買っている。流石はデュアルDACだ。

HP-P1との大きな差は背景の静寂性で、音場の見通しが良く音像がより鮮明に浮き上がる。また、解像度や音の分離もすこぶる良い。かと言ってエッジを立てて無理に解像感を演出しようとしている感覚もない。


ここまで褒めてばかりだが、欠点もある。
一番気になるのは音がカッチリとし過ぎていてしなやかさに欠ける点だ。細部を潰さずに滑らかに表現する力があるのだが、カッチリしている音のためどうしても音が縦割りになってしまい有機性を感じられない。音楽よりも音を聞いてしまいがちになる傾向だ。ただ、この点は私のケーブルSR1も影響している様な気がしている。ゆくゆくはよりしなやかで有機性を感じられるケーブルを吟味して変更したい。
また、これは好みの範疇だがあまりにフラット過ぎる。もう少し低域と中域を盛った方が全体的に安定感が出て音楽が楽しく聞けると思う。だがこの商品のコンセプトが「持ち運べるモニタリング環境」なのでこれはただの難癖か。



3.使用感

ここまで2週間使用してみて概ね満足出来る使用感である。一度もフリーズやバグには遭遇していない。安定性は合格点を与えられる。

タッチパネルは小さめでレスポンスもやや悪く、iPhoneの様にスクロールもサクサクとは行かないがストレスが溜まる程ではない。ただ、左上の戻るボタンが押しにくく、しばしば誤って違う操作をしてしまうことがある。

横から突き出しているボリュームは、胸ポケットに入れる私の使用方法ではロックしなくても一度も誤作動を起こしたことはない。ただしダサい。

iPhoneと違って側面の物理ボタンで再生、一時停止、曲スキップが可能なのは個人的には嬉しい点。

付属の本革製カバーは質感も良く、手にも馴染み易い。



4.まとめ

纏めると、この製品は音質という一点のみで考えるのではなく、音質プラス携帯性・ソフト的な対応力の高さ・操作性という総合力で考えてやるべき製品だと感じた。そして、その総合力に価値を見いだす人間ならば導入しても不満はないのではと感じる。それほど音質も良い。

最後に、この製品は音質傾向にせよ、総合力を売りにする製品作りにせよ、いかにも日本のメーカーが作りそうな製品なのだが残念ながら日本のメーカーの製品ではない。私が無知だからかもしれないが、現状このレベルで高い総合力を誇る製品は他に見当たらないため、今後日本のメーカーにも頑張って対抗商品を作って欲しいと思う。特に音作りを放棄した製品であるため、上手い聞かせ方をしてくれるものが対抗商品としてあると個人的に嬉しい。○ニーさん、いかがでしょうか?

【SPEC】●内蔵メモリー:64GB ●対応記録メディア:microSDカードスロット×2 ●周波数特性:20Hz〜20kHz(±0.02dB)/10Hz〜70kHz(±0.2dB) ●S/N比:113dB ●クロストーク:-128dB ●THD+N:0.0008% Typ ●クロックジッター:50ps ●IMD:0.0005% ●インピーダンス:3Ω ●インターフェース:USB 2.0端子/光デジタル入出力端子/ヘッドホン出力兼用光デジタル出力端子 ●対応フォーマット:FLAC/WAV/ALAC/AIFF/FLAC/WAV/ALAC/AIFF ●外形寸法:約59.2W×89.1H×14.4Dmm ●質量:約144g

マイルーム

家族で音楽に浸れる空間を目指して
家族で音楽に浸れる空間を目指して
持ち家(マンション) / リビング兼用 / 16畳~ / 防音なし / スクリーン~100型 / ~2ch

<最新マイルーム> 2019.7.20 まだまだ状況は落ち着かないものの、交流の予定もあり、現状をさらっと晒します。 <現有システム> [Transport] Marklevinson No.31.5L or DELA N1AH30/2 or MF PC (2018 winter) ↓ [DAC] Marklevinson No.30.6L or Lavry DA …

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