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古いマイナーなお気に入りの機器を中心に身のタケにあった(?)オーディオ・ライフを楽しんでいます。 唯一の贅沢は石井式の音楽室でしょうか? ピアノと同居しているので(同居させてもらっているので?)リ…

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とんでもないアナログプレーヤー(?)の導入

EDさんの記事に触発されて書き始めたもののあまりにも低額な資金投入のお話なので恥ずかしくてよっぽど途中で止めようと思ったのですが、やはり記録として書き残しておくことにしました。

ウチのアナログは既に私のメイン・ソースではなくなっています。
いまいち愛情が足りなくてディスクの洗浄などができていませんのでもうちょっとなんとかというところもあるのですが、愛用しているYAMAHA GT-2000とVICTOR MC-1の組合わせによる音自体は結構満足しています。

GT-2000は良いプレーヤーだと思いますがひとつだけ前から気になっていたことがあります。
それはアームの慣性質量とカートリッジのスタイラス部のコンプライアンスによって起きる低域共振の問題。
これはGT-2000固有の問題ではなくて共振のダンプに特別の配慮をしているごく一部のトーンアームを除く大多数の機種の問題。

普通に聴いている分には特に気になるわけではないのですが…
これを気にしだしたのはだいぶ前に、レコードの音をデジタル化して保存しようとしたときのこと。
AD変換した後に編集のため波形を観測するのですが、針をディスク面に落とした時の波形にびっくり。
共振周波数での振動波形がかなり長く尾を引くのです。
ウチのGT-2000とMC-1の組み合わせの場合の共振周波数は約9Hz。
一般的にはだいたい10Hz前後になるようです。

これだけ振動が残るということはちょっとした外乱によってこの共振が励起され混変調歪を生じさせることは容易に想像がつきます。
この共振をダンプするために一部のトーンアームに採用されているのがオイルダンプ機構。
先輩のオーディオ・ファイルには手先の器用な方がいてオイルダンプ機構を自作して既存のアームに付けてしまったなんてものを見せていただいたことがありますが、不器用な私にはとてもムリ。
また、オイルダンプ付きのトーンアームを所有していてもその調整はかなり難しいようです。
素晴らしいアナログの音を聴かせていただいたGRFさんがお持ちのプレーヤーにはオイルダンプ機構付きのSMEが搭載されていますが、この調整にずいぶん時間を要したと聞いています。

先日うかがったX1おやじさんのお宅でもAcoustic SolidのSolid RoyalとThorens Prestageの2種類の超弩級プレーヤーを聴かせていただいたのですが、その時使用されたトーンアームはAcoustic Solid側がSME、Thorens側がGraham Engineering。
どちらもオイルダンプ機構付きのもので、変な言い方ですがアナログ離れした定位と低音の安定感を感じました。
X1おやじさんもダンピング量調整には十分時間をかけて取り組まれたものと思われます。

いつかはダンピング機構の付いたトーンアームを自宅でも試してみたいと思っていたのですが、そのハードルの高さから漠然と思うだけで実行できずにいました。

でも、このダンピング機構については1980年ころからこれを電子的な制御によって実現したプレーヤーが出現しているので、オークションなどをちらちらとは見ていました。
ただちゃんと動作するものはそう多くはないようですし、既にメインのソースではなくなっているアナログには大きな投資はできないので手を出せませんでした。

長い前置きになってしまいましたが、今回ちょっと縁があってオークションで手に入れたのがVICTORのQL-Y55F。




DENONのカートリッジDL-103付きで売られていて現代の高級機に較べれば笑っちゃうようなお値段で購入できました。
VICTORがED(Electro-Dynamic)サーボと呼ぶ電子的ダンピング機構で、この機構を持つものとしては2世代目。第一世代からは確実な進歩があるようです。
この世代の最高機種ではなく中級機の位置付けですが、カタログから判断する限りダンピング機構は上級機と同じものみたい。
動作品ということだったのですが到着するまで本当に動くか心配でした。

取扱説明書がなかったので、最初はうまく動作せず焦りましたが、ゼロ・バランスが取れてからはやっと動くようになりました。
DL-103が付いたままの状態で再生した音にビックリ。
ボーカルの定位感と低音の安定感が普通ではない感じ。
DL-103は若いころに使ったことがありますがすっきりとした気持ちの良い音で懐かしい。

DL-103の音は好きなのですがやはり繊細さでは元祖空芯ダイレクトカップリングコイルのMC-1が勝るのでカートリッジを交換したのですが、ここでトラブル。
MC-1は構造上の理由で針先がボディからわずかしか出ていないのですが、ボディがレコード盤面に接触して異音が生じる。
私のMC-1もたぶん30年以上のお歳なのでちょっとへたり気味なのかもしれません。
カンチレバーの保護用のプラスチック・フィルム製のカバーがやや膨れてボディーから突き出しているようでカバー表面に接触の跡があります。

結局アームの高さ調整、針圧を下げること、保護カバーのフィルムを手で少し押し込むことで何とか再生できるようになりました。
現在試験運転中ですが、低音の安定感は格別です。
ウチは20Hz以下までフラットに再生するサブ・ウーファを使用していますがGT-2000の時にはソリの大きなディスクをかけるとウーファがフラフラと大きく動くことがあり、不安になりました。
ソリの少ないディスクでないとサブ・ウーファを使いたくなかったのですが、QL-Y55Fではほとんど気にせずにサブ・ウーファを使いっぱなしにできます。
残念ながら外観には高級感は全くないけれど(笑)、この安定性にはちょっと感動を覚えます。

GT-2000との音の比較はなかなか難しい。

写真はGT-2000とのツーショット




QL-Y55Fはストレート・アームのため一般的なヘッドシェルごとの交換ができないからです。
カートリッジを簡単に移し換えることができないのです。
MC-1の付替え前の再生ではややボーカルの定位感の不安定さを感じたのですが、その時点ですでにMC-1ぼボディーこすりの影響があった可能性があります。

現時点ではGT-2000にはOrtfonのMC-20 Supremeがついていますが、これとMC-1付きのQL-Y55Fの比較ではやはりカートリッジの差が大きく、磁性体コア付きのMC-20Sでは繊細さに欠けるのと高域にややキャラクターを感じるので私の判断では明らかにQL-Y55Fに軍配が上がります。
GT-2000 + MC-20S もこれだけ聴いているとボーカル定位の不安定さは感じないのですが…

今回導入したのはVICTORのものですが、同時代にSONYはバイオ・トレーサー、DENONはダイナミックサーボトレーサーという名前で電子的なダンピング機構付きのプレーヤーを出していたようです。
ただ、この時代のマニアにはどうもあまり好まれなかったようで、レコード全盛期最後のアダ花になってしまった感じがします。
マニアが敬遠した考えられる原因はダンピング機構がなぜ必要なのか理解している人がほとんどいなかったこと、つまりトーンアームの低域共振問題が知られていなかったことがひとつ。
もう一つはブサイクなアームのデザインがマニアに嫌われたのかなとも思っています。

QL-Y55Fのトーンアーム



メカニカルな外観を持つ旧型SMEやSAECのアームに較べると所有欲が湧かなかったのでは?(笑)
DENONはこの制御機構を業務用のプレーヤーDP-100Mにまで適用したけれど、やはりコンシューマー機がマニアに大歓迎されたことはなかったように思います。

低域共振のダンプについては今でも理解している方は少ないのではないかと思っています。
でも、一部のメーカーはこの重要性を理解しているのでしょう。
SMEがあの初動感度に優れた優美なナイフエッジのメカを捨てて新機種ではあえて普通(?)のジンバル軸受に変更したのは感度よりも重要なことに気がついた?なんて思うことがありますが、本当のところはどうなんでしょう。
そして、一部のマニアだけが低域共振ダンプの重要性を知っていて、高価なSMEのダンプ機構付きやGrahamなんかを使っている…(?)

アナログにはいろいろな楽しみ方があって、そのメカニカルな外観上のデザインを楽しむとかブランド品の購入で所有欲を満たすというのもありだと思います。
でも、本当にアナログの音質を追求するならば、トーンアームの低域共振をいかに処理するかというのはひとつの重要な課題だと思います。
今となっては新品で手に入るのはごく限られた上記のような高級オイルダンプ付きアームということになるのかもしれませんが…


私はGT-2000を手放すことは考えていないので、QL-Y55Fと併用していくつもりです。
稼働率が高くない機材をどこまで維持していくことができるか、また、両方とも古い製品なのでいつまで性能が維持できるかという問題はありますが大事に使っていきたいと思っています。

最後に一言。
この電子制御アームの設計に携わった設計者の皆様には敬意を表したいと思います。
ここまでできたのはこの時代の設計者の執念のように思いますし、40年近く経った今でも機能するのはすごいことです。
これはもちろんSONY、DENONの設計者についても同じです。
これらの設計者の業績は充分に認められることはなかったかもしれませんが…幸せに使われている方がその価値を認めていると信じています。
ターンテーブルのDDモーターについてはかろうじてテクニクスが今でも作っていますが、こんなアームはもう誰も作れない。

残念なのはこんな高度な技術を安売りして使い捨てにしてしまった大手のオーディオ各社。
結局、設計者まで使い捨ててしまったのではないかという気がしてなりません。


もう一つオマケ。

QL-Y55Fが発売されたのは1981年ですが、私の手持ち音源でこれに合うのが1970年代くらいのもので、代表的なのはコレ。(笑)



フランク・シナトラやディーン・マーチン、邦楽では美空ひばりや腰地吹雪、フランク永井あたりのセレブ系はやっぱりSolid RoyalとかThorens Prestageじゃないと雰囲気でないかも…(笑)

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YAMAHA

GT-2000

¥138,000(税込)

発売:1982年頃

このモデルは生産を完了しています

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アナログ全盛末期の究極低W/F、高S/N DDプレーヤー



このプレーヤには個人的事情から思い入れが強すぎて、いわゆる"レヴュー"は書けません。

その事情はこちら

よろしければ上記blogの次の記事も少しお読みください。

GT-2000はアナログ全盛時代末期の究極の低W/F(ワウ・フラッター)、高S/Nプレーヤーのひとつだと思います。
GT-2000はダイレクトドライブ方式のプレーヤーですが、同じダイレクト方式でもTechnics(現Panasonic)のSP10シリーズなどは積層コア使用モーターのため、どうしてもコギングから逃れられません。
このGT-2000やKENNWOODやPIONEERなどの後期のADプレーヤーはスロットレス方式のモーターなのでコギングフリーです。

ベルトドライブ方式では、モーターのプーリーやベルトがかかるターンテーブルの真円度などの機械的精度、ベルトの厚みムラなどの影響でDD方式並みのW/Fを得ることは一般的に見て困難です。また、高速モーターなので振動のため高S/Nも難しい。
アイドラー方式に至っては…

ただ、実際の音については高級ベルトドライブプレーヤーと比較したことがないので私にはコメントできません。トーンアームの影響も大きいので…

PhilewebにはGT-2000シリーズを大事に使ってらっしゃる方が多いのでうれしく思っています。

【SPEC】
<モーター部>●駆動方式:DCコアレスホールモーター ●回転数:33 1/3、45rpm
<アーム部>●方式:スタティックバランス型(1周3.0g、0.1gステップ) ●有効長:262mm ●オーバーハング:14mm ●トラッキングエラー:-1゜〜+2゜ ●高さ調整範囲:+10、-6mm
<総合>●電源:AC100V 50/60Hz ●消費電力:7W ●外形寸法:545W×230H×395Dmm ●質量:28kg

マイルーム

May the vintage equipment last forever ! 
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持ち家(戸建) / 専用室 / オーディオ・シアター兼用ルーム / 16畳~ / 防音あり / スクリーン~100型 / ~4ch

石井式リスニングルームというか音楽室ですが、リフォームなので天井高はごく普通の家と同じです。 使用機器や写真はこちらをご覧ください。 http://www7b.biglobe.ne.jp/~hs-500/Status.htm 1968年に発売された日立のHS-500という古いスピーカーを中心に構成されています。フロントはHS-500を2段重ねにした仮想同軸のVertical Twin…

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