Orisuke
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バブル世代の趣味人です。 オーディオと写真、山登りは趣味の3本柱で30年くらい下手の横好きをやっています。

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Ken Yoshida 録音を聴く【11】

生誕250年ということで次々と面白そうな盤が出てくるベートーヴェン。とてもじゃないけれどフォローしきれません!ただ、アルファの新録音だけはKen Yoshida録音なので是非聴いておきたかった。なかなか手元に届かなかった2枚、ようやく先週到着。さっそく、通勤の車の中でもリスニングルームでもヘビーローテーションです。


ベートーヴェン
ピアノソナタ第29番 ハンマークラヴィーア
ピアノソナタ第32番
フィリッポ・ゴリーニ(pf)
2019年8月 ベートーヴェンハウス(ボン)
E:Ken Yoshida

チェンバロ・オルガンのジュスタン・テイラーに並ぶ、Ken Yoshidaの秘蔵っ子ピアニスト、フィリッポ・ゴリーニ。イタリア生まれの若干24歳。ブレンデルの教え子であり、20歳でベートーヴェン国際ピアノコンクールに優勝。ディアベリ変奏曲がデビューアルバム、2枚目が32番とハンマークラヴィーアという超硬派の重量級プログラム。さらに、コンサートではブラームスのop.116など晩年の作品を弾くという。ジャケ写を見れば、まだあどけなさの残る美少年でありながら、頭の中は老成しているというネオテニックな落差感が凄い。繊細な感受性を持った若者が、大作曲家の晩年の作と不思議な共鳴を見せることは、グールドのブラームスをあげるまでもなく、これまでもあったと思う。しかし、それがよりによってこの3曲とは。昨今は若手が名刺がわりにいきなり32曲入れるケースも珍しくなくなってきているけれども、それとは意味が違う気がする。

ハンマークラヴィーアは、前半二楽章は明るくてやや軽めの響きだが、核心部の第三楽章でグッとテンポを落として沈み込み、弱音で瞑想する。その落ち着きと表現のダイナミクスの大きさ、堂にいった演奏設計に驚く。休符が音として感じられる若手ピアニストにはなかなかお目にかかれない。演奏者側にもリスナー側にも大変な緊張を強いる曲でありながら、流れが自然で作為性が感じられない。誰かの解釈の受け売りをしているような「借り物」感もなく、実に新鮮なハンマークラヴィーア。私の中では、この曲は長らくギレリスとポリーニで打ち止めになっており、特に新しい演奏を欲していたわけでも無い。そこに、Ken Yoshida絡みで不意打ち的に乱入したゴリーニ盤、これは気に入った。

第32番は、個人的には、第31番という誰が見ても立派な遺書を書き終えたベートーヴェンが、余白のページに記した散文詩のような曲だと感じており、その分ベートーヴェンの赤裸々な心情吐露もあるし多彩なアプローチが可能で人気もあるのだと思う。本当に好きな人はこの曲だけで100枚持っているらしいので、数枚しか持っていない私が語る資格も無いけれども、ゴリーニの演奏には嵌まった。第二楽章、ジャズ調のリズムが弾ける部分が31番の終楽章と対を成すベートーヴェン晩年の極限的表現だと思う。ここでグルーヴ感をもたせながらやや遅めのテンポで、リズムを揺らすことで少し後髪を引かれる様な、まだ俗世に未練がありそうな人間臭い表現をしているのがいい。完全ノリノリでやられると白けてしまうのだけれど、ゴリーニ君、老獪だ。

ソロのピアノを録音する機会がチェンバロやオルガンよりずっと少ないKen Yoshida。どういう音になるかと期待して聴いてみれば、なかなか良いです。先日パグ太郎さんが激賞していたグッチのミラーレ盤(稀に見る低音フェチ録音ですね、これ)と較べると、低域は量的に控えめで解像感は高くパワフル。高域はキッチリ芯はあるが、ハンマーの動きが見える解像度の半歩手前で止めている感じ。どちらも優秀録音。スタインウェイmodel Dと表記のあるグッチ盤よりも音色はだいぶ明るく華やか。ゴリーニ盤には使用ピアノの記載はないが、ヤマハにしては線が太い気がするし、ファツィオリだろうか。イタリア人だし。例によって、音像は大きく近く、眼前で演奏している感じ。ピアノの音像は2本のスピーカーの間いっぱいにひろがり、ホールトーンは相対的に少ない。スピーカーはあまり選ばないタイプの音。

このDiskの「バックロー度」:★★★★


ベートーヴェン
ディアベッリ変奏曲
フィリッポ・ゴリーニ(pf)
2017年1月、2月 ベートーヴェンハウス(ボン)
E:Ken Yoshida

こちらは、ゴリーニ22歳でのデビューアルバム。ジャケット写真はえらく可愛く写っていて、どう見ても子供。これが説得力抜群のディアベリ変奏曲を弾くのだから、たぶんドイツのマダム達は大騒ぎしているのではなかろうか(妄想)。演奏スタイルは上掲の後期ソナタ集に準ずるが、こちらの方が曲想も明るく、ゴリーニの音も「前途洋々たる若者の音」という感じで違和感はない(こちらも晩年の作品ではあるけれど)。一方で、ハンマークラヴィーアのジャケ写を見ながら演奏を聴くと、「僅か2年半ですっかり大人になったなぁ」と孫の成長を見る爺ちゃんの気持ち(あくまでバーチャルですが)になってしまう。

個人的には、バッハやブラームスの変奏曲に比べてディアベッリ変奏曲は、あまり楽しいとは思って来なかった。主題が曲の前半でバラバラになって水面下に消え、パッと聴きでは変奏曲かどうかもわからない「困った曲」というイメージ。作曲者がなにか主題提供者を小馬鹿にしているようにすら思える(実際、そうだったという説もある)。ただ、ゴリーニのこの演奏は楽しく聴けた。溌剌としていながら決して一本調子にならないゴリーニの良さ、ベートーヴェンコンクール優勝は伊達じゃない。

全体的に明るめのトーンと、濁らないピアノの響きはKen Yoshidaの録音が大きく貢献している。ホールはハンマークラヴィーアと同じだが、音の深みではハンマークラヴィーア、勢いと明るさでディアベッリ。これも、スピーカーは特に選ばない録音だが、低音の情報量は2枚とも多いので、低音かぶりの無いスピーカーセッティングとアンプによるウーファーの制動は必須だと思う。

このDiskの「バックロー度」:★★★★

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UDP-205

OPPO

UDP-205

¥OPEN(予想実売価格200,000円前後)

発売:2017年7月上旬

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オーディオ専用機としても最高のコストパフォーマンス

BDP-95以来、BDP-105JP、BDP-105JPLimitedとOPPOのプレーヤーをオーディオ専用機として使用し続け、UDP-205で4代目となります。本来の画像を楽しむための機能やマルチチャンネル出力を封印することは、本機の持てる能力の2割程度しか使用しないことになりますが、その様なもったいない運用をした場合でもOPPOのユニバーサル機の音は、同価格帯は言うに及ばず、高級機クラスの音楽専用SACDプレーヤーを一蹴してしまうことがあり、思わず「史上最大の下剋上」というかつて某千葉県で飛び交っていたキャッチフレーズを使いたくなる魅力があります(笑)。

UDP-205は、前任のBDP-105JPLimited比で脚や底盤の構造で一歩後退したものの、回路面ではESS9038Proという現時点で最高のDACを使用することで能力大幅向上。音質面でも脚のセッテイングだけ工夫すれば、楽々と過去のOPPO機を上回る音質に到達します。我が家のセッテイングはTAOC TITE35Sを用いた4点リジット。高剛性無共振セッティングは、機械によっては高域が鋭くなり過ぎたり低域がスリム化したりというアンバランスな音を作る元になりますが、本機ではその弊害は感じません。

CD、SACD再生時の音質は、歴代OPPO機の中では105Limitedよりも95の延長線上にあり、精度を大幅にアップした感じ。OPPOはすべての機材でDACの回路の詳細を開示しているわけではないので間違えがあるかもしれませんが、95も205もアナログバランス出力時は各チャンネルのプラス、マイナス毎にDACがパラレル駆動になるはず(95は2個、205は4個?)。105系はシングル駆動であり、この違いが音の傾向に出ているのかもしれません。105系以降はヘッドフォン出力に2ch基盤側DACの半分を割り当てているので、105系はその割りを喰った形で、205ではチップの能力が4倍になったことで倍返しで進化した計算になります。

音は、質感の良さと高S/N比が印象的で、しかも「デジタルを突き詰めたらアナログになった」という感じのキメが細かくまとまりの良いサウンド。アコースティック系の音楽との相性は特に良く、分解能の高さをことさら主張するわけではないのに、よく聴くと見事に分解されており個々の音に余裕や安心感を感じます。音場は特に広大でも狭いわけでもなくソース次第。進化したのは高さ方向や奥行き方向の表現で、位相管理のしっかりしたスピーカーやフルレンジで違いがわかると思います。音像は輪郭線がなく、空間の中にフッと立ち上がる生音に近いもので、過渡特性の良さが伺えます。7種類選択できるデジタルフィルターは、音の立ち上がり、立ち下がりにスパイスを加える感じの変化になりますが、セッテイングが決まってからの隠し味という感じです。

音の癖や暴れが少ない一方で組み合わせるアンプやケーブル、電源にはかなり大きな影響を受け、特に出力ケーブルによる変化は、これまで私がメインで使ってきた10台ほどのデジタルプレーヤーの中で最大。ケーブル次第でダイナミックなオーディオ的な音にすることも、柔らかい音楽性重視の音にすることも可能です。また、ネットワークプレーヤーやUSB-DACで使った際の音もディスク再生のクオリティに肉薄しているので、音楽専用としても多彩な使い方が可能。マルチチャンネルやHDMI出力は私は使用しませんが、使えばさらに二度、三度美味しいのでしょう。値段を考えると、BDP95以来の「黒船再来」と言えるでしょう。

【SPEC】●出力端子:7.1chアナログ×1系統、2chアナログ×1系統、XLR端子×1系統、光デジタル×1、同軸デジタル×1、HDMI×2(うち1つは音声専用) ●入力端子:光デジタル×1、同軸デジタル×1、HDMI×1、LAN端子×1、USB3.0×2、USB B×1 ●電源: AC 100V / 230V, 50/60Hz ●消費電力: 65W (スタンバイ時: 0.5W 省エネモード) ●外形寸法: 430W×123H×311Dmm ●質量:10kg

マイルーム

D58ESのニアフィールドリスニング?
D58ESのニアフィールドリスニング?
借家(戸建) / 専用室 / オーディオルーム / ~10畳 / 防音なし / スクリーン~100型 / ~4ch

単身赴任をいいことに、一軒家の貸家の一室を念願のオーディオルームにしました。しかも、「ど」のつく田舎なので音は出し放題。ただ、D-58にはちょっと狭いかな・・・・。巨大なヘッドホンの中にいるような、巨大なニアフィールドリスニングのような。 長岡系自作派を自認していますので(笑)、基本はケチりながらハイパフォーマンス、生々しい過渡特性重視の音を目指します。ホームシアターはまだ初心者です。 …

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