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オーディオに興味を持ってからいつの間にか30年。 波はありましたが、細々と続けています。 この趣味って奥が深くて本当に面白いですね。 <現有システム> CDプレイヤー:PRIMARE CD…

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TEAC AX-505試聴しました

D級アンプを使い始めて15年くらいになります。

発端は15年前に、遊びで購入したAVアンプ、DENONのAVR-550SDです。
この音には驚きました。

「こんなに安い筐体ペラペラのAVアンプで、何故ハイスピードで力感のある低音が出てくるのだろう?」
重厚長大を良しとする価値観がこのとき、ひっくり返ってしまったのです。

当時使用していたKT88搭載の35kgもある真空管アンプが低音に関しては明らかにAVR-550SDに負けていたため、これを処分することに決め、ピュアオーディオ用に設計された本格的D級アンプを探すことにしました。

そこで目をつけたのが、デンマークのAcoustic Reality社です。
使用されていたB&O ICEpowerモジュールは今でこそ知る人は多いですが、当時はJEFFROLANDの最新型パワーアンプ(model201)に採用されたことで、漸く知名度が向上してきたところでした。

選択した機種(eAR501<mono>)はJEFFROLAND201パワーアンプと心臓部はほぼ同じ(500ASP)のようでした。Acoustic Realityの筐体はシンプルかつ美しく、しかもモノラル2台にもかかわらず、直輸入で20万円を切る価格でした。スペック上では8オーム時に250W、4オームで500Wのパワーを取り出すことができ、ダンピングファクターも2000ありました。

もちろん私はそれまでeAR501の音を聴いたことはありませんでした。製品が発表されてから日が浅かったので、国内にAcoustic Reality社のユーザーを見つけることもできませんでした。
しかし、何故か運命的なものを感じ、人柱になるつもりで購入することに決めたのです。

いざ届いたeAR501の美しさは想像以上で、これは嬉しい驚きでした。一方、拍子抜けするほどの軽さとコンパクトさに「こいつに500Wを出せるのか」と不安を感じました。そして、恐る恐る出してみたその音が…

期待以上でした。

エージングゼロの状態ではありましたが、所持していた真空管アンプや、Ayre  V3の音を明らかに超えていたのです。

「No Coloration & High Speed」

評価はたったこれだけです。私がアンプの音を聴いてこんなにシンプルに評価をできたことも、初めての経験でした。
“最高峰のパワーアンプを凌駕する”とまでは思いませんでした。しかし、「20万円以内で購入できるパワーアンプでこれよりコストパフォーマンスの高いものは存在しない」という確信を持つことができました。

というわけで、素晴らしい掘り出し物を見つけた喜びを世のマニアに共有したくなり、少しだけ宣伝活動を行いました。

そして、もしかしてそれが奏功したのか、或いは単なる偶然だったのか(多分こちら)、その後、わが国のオーディオマニアに、小さな規模ですがAcoustic Realityブーム(最上位のeAR1001ブームといった方が現実に近い)が生じました。
eAR1001は実際聴かせて頂いたこともあります。これも当然素晴らしかったです(501の方がCPは高いと今でも思っていますが)。

使用者が増えるということは、様々な環境やスピーカー、そして嗜好にさらされるということでもあります。

当初は言及されることが少なかった高域の粗さ(6kHz以上の歪率上昇特性によるもの?)低域の量感の乏しさを指摘する声も上がり始めました。
そして、Acoustic Reality社の突然の解体、他社D級パワーアンプモジュールの台頭、JEFFROLANDのICEpower撤退などがあり、ICEpower 1強ともいえる時代が終わりを告げたかのように見えました。

一方で、中国系激安D級アンプが爆発的に売れる現象も起こりました。これはAmazonの売り上げなどを見ればわかるように、長期的に継続しており、ある意味ピュアオーディオ界にとって大きな打撃になったようにも見えました。

私は、オーディオの予算配分は、ソース20 : アンプ50 : スピーカ30 くらいが最も成功しやすいと考えています。そう、もっともお金をかけるべきはアンプであるように思うのです。
しかし、D級アンプには、そのバランスを破壊する力があるように感じました。

そして現在。
ICEpowerはどちらかといえば比較的ローコスト製品を中心に相変わらず採用されているようです。音も決して悪くはありません。例えばTEACの高級レシーバーNR-7CDはICEpower の比較的安価なモジュールである50ASX2を搭載していますが、ユニークな使いこなしのお陰なのか、音楽に浸れる癖の少ない、かつ力感と品位も備えている良い音でした。

ただ、ピュアオーディオ用のD級アンプモジュールメーカーとして、現在最も信頼と名声を得ているのは、疑いもなく、オランダのHypex社でしょう。最上位シリーズであるNcoreを、かのマランツが搭載したのは画期的でもありました(「逢瀬」も有名ですね。聴いたことはありませんが、Ncoreを極めた感が伝わってくるので興味深いです)。

Ncoreの技術について詳しいところはアンプ回路ド素人の私にはよく分からないのですが、スペック上すぐに目につくのはD級アンプ特有ともいえる高域での歪率上昇が生じていないところでしょう。





出力が同じICEpowerの500ASPとNcoreのNC500MPの歪率です。
ICEpowerが高域で歪率が悪化するのに対しNcoreは変化がないというのが一目瞭然です。

高域の歪みが低い最新世代のD級アンプ、是非聴いてみたい。手持ちのICEpowerと比べてみたい。
というわけで、国産最廉価のNcore搭載アンプであるTEAC AX-505を借りることにしました。
TEAC様の、このサービスは本当に本当に有難いです。
今の時代、大メーカーこそ、TEACのように貸出サービスを充実させて欲しいものです。ショップ経由だと、なんだか気がひけますから。

ちなみに比較対象は、金田式NO.210プリ+eAR202です。ちなみに愛用していたeAR501は過去に私の間抜けなミスで破壊して以来、Acoustic Reality社の消滅のため復活できず、202は代用品となっています。正直なところ、音は全然違いますが。

前置きが長くなり過ぎ申し訳ありません。 TEAC AX-505のインプレです。





<音以外>
・デザイン : 想像以上にコンパクトで好感を持てますが、デザインは酷いです。必要のない把手をつけてしまうセンスはちょっと…。

・端子 : スピーカー端子、RCA,XLRとも大きくてレイアウトに余裕があり、非常に使いやすいです。

・メーター : 想像以上に小さくて、2m離れると遠くで灯りがうごめいているようにしか見えません。
感度を2段階で分けられますが、高感度モードは極小音量又は高能率スピーカー向けといえるでしょう。私は途中で飽きて消していました。

・リモコン : やはり音量調整にリモコンは必須と感じました。リモコンによる音量調整は少しカクカクしているので、あたかも透明人間にボリュームノブを動かしてもらっているようでした。

・ノイズ  : 大メーカーの製品らしく、変なノイズは全くありません。電源ON/OFF、ソースセレクタ、MUTE、メーターのON/OFF全て異音は皆無です。それどころか、切り替え時に短時間(0.3secくらい?)でフェードIN,フェードOUTしてくれるところに品を感じました。また、ホワイトノイズは一切ありません。スピーカーのダイアフラムに耳を完全にくっつけても聞き取れませんでした。

<音>
さて、肝心な音です。
一言で言って、素晴らしかったです。透明、高解像度で音場の見通しが良いです。そして、定位もしっかりしていて実在感が増します。そして微小信号もよく拾い、余韻も聴き取りやすいです。
低域はタイトで深く伸びており、ベースなどの音が聴き取りやすいです。ただ、タイトな分、量感は控えめなので好き嫌いが出るとしたらここでしょう。高域は例えばピアノの右手方向の質感がよいです。音色は暗くはないのですが、うるさくは感じません。
体型で言うと、細いけれど筋肉質な、いわゆる細マッチョなイメージです。
eAR202とは特に最低域の音程の確かさが全然違います。AX-505は現用システムと比べて多くの要素で上回っているように感じました。
しかし、 “そこに空気がある”という感覚だけはAX-505の方が薄いかもしれません。あと、ボーカルの位置で言うとAX-505の方が30cmくらい前に来ます。私は音像が前に来るのはあまり好きではないのでここも悩みどころです。

<弱点?>
バランス接続の音は誰が聴いても分かる程度に酷かったです。音量が下がり、力感も低下します。これはCDプレイヤーに非があるのかもしれず(PRIMARE CD31のバランス出力は購入13年で初めて使用しました)、或いは相性が悪いのかもしれず、ケーブルが悪いのかもしれず、とにかく検証する環境がないので、何が悪いのか原因不明です。

<まとめ>
15万円程度のプリメインとして考えると、音質上の満足度はかなり高く、購入して後悔する人は少ないと思います。操作性や信頼性も文句なしです。
総合的な音色は正にD級アンプの進化系。動的というよりは静的です。先に書いたように細マッチョ的に贅肉を落とした、けれど力強い傾向なので、音楽ジャンルはクラシックやアコースティック系が合うとは思います。

オーディオ雑誌では、まるで暗黙のルールでもあるかのように、D級アンプを“アナログに近づいた”とか、“アナログらしい温かさになった”とか書いたりしますが、私はそろそろD級アンプらしい良さを認めても良いのにといつも思います。

こうなるとNcoreの上位モジュールが逆に気になりますね。
個人的には、今度発売される純パワーアンプ(AP-505)の音質を確認したいです。その結果により、いずれかを導入する可能性もありそうです。しかし、AP-505はAX-505よりさらに酷いデザインですし、AX-505の中のモジュールを倍にしてBTL可能にしただけみたいですし。個人的にはよりハイパワーのモジュール(NC400とまでは言いませんがNC250等)を載せて欲しかったと思います。

長文、読んで頂き有難うございました。
TEAC様も素晴らしいサービス、ありがとうございました。

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