如月
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田舎に引っ込んで土地は余っているから、広くて天井高けりゃ良かろうと、オーディオ部屋を建てたのは数年前。36畳で高さは平均5mぐらいなので、容積は300立米ほど。 六年近くかけて、DACその他の電…

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53310Aでジッタを測る。

 HPの53310Aという測定器は、昭和の頃の物ながら未だに中古市場で取引されている。同じ事は今のデジタル型の機械でできるけれど、そういうのは数百万の世界なので、値段を考えるとレトロなCRT型で何とかしたい。そんな少をもって衆を撃たんな需要があるようで、ebayにはかなり出てる。

 以前、これでDACのジッタを測っている方がいて、成る程これならば使えそう、一度レンタルでもしようかと思ってた。でも二回借りると中古で買えてしまう程の値段だったから、国内で見つけた時に買ってしまった。六万ぐらい。以前はまめに校正もしていたようで、ラベルが貼ってある。壊れたらもう修理は無理としても、そこそこの良品。

 これは横軸が時間で、縦軸が周波数。周波数変調のかかった信号が直視できる事になる。横軸が時間で、縦軸が電圧ならオシロスコープ。横軸が周波数で、縦軸が電圧ならスペアナ。用途が限られるので、今はもうオシロスコープに吸収されている。

 DACのジッタは、自作品では測った事がある。この機械以外だとFFTになる。かなりの精度が必要になるので、一般的にはFFTでは難しい。精度を出すには、DAC側に特殊な細工が必要になる。幸いな事に、オーディオ製品にはSPDIFがあるので、この細工はそんなに難しくない。ただ、普通のCDプレーヤーなどは測れない。

 FFTは便利であるけれど用途次第。WaveSpectraで、同じ信号を窓関数を変化させて調べると明白。窓関数次第で結果は大きく変わる。本来答は一つ。実際の所、ほとんどの場合はどれも正しくない。正しいのは、rectangularが使える周波数の時だけ。そんな制限があるので、中々FFTでは難しい。

 53310Aの場合、厳密にはFFTのような周波数解析ではない。それは周波数の定義次第と言えなくもないけど。これは一周期を連続的に測る。普通の周波数カウンターは、かなりの数の周期を積算する。100回分の積算ならば、+1000ppmが50回で、-1000ppmが50回だと、〆てプラスマイナスはゼロでジッタは無しとなってしまう。この場合でも、53310Aならば内訳が分かる。

 そんな訳で試してみたが、些か思い通りには行かなかった。DACのアナログ出力の周期を測るためには、コンパレーターでデジタルに変換する必要がある。しかしこれが正確には出来ない。CDも測りたいので20kHzまでの帯域で考えると、正確な変換にはアナログ出力の勾配が緩すぎる。5v/μは確保しろと、53310Aの仕様書にはある。

 6.3kHzの方形波を6Vppで出すようにしても、全然足りない。こんな具合。黄色がそれ。0.2V/μしか出ない。これではここでの誤差が大きくて精度は出ない。100ppmは到底無理な感じ。仕方ないので、自作品でポストフィルターを外したのが水色。これでも足りないが、仕方ないのでこれを測ってみた。


 この特性の違いは、理論的な説明はあるけれど、実測値では見た事がない。若干スプリアス特性が落ちるけれど、そこそこ使えるスペアナがオシロスコープに付いているので測ってみたらこんな具合。上が水色で下が黄色。オーバーサンプリングの関係で、704kHzに最初の高調波の山が出る。黄色は6dB/octの簡単なフィルターのみ。それでも結構効く。12dB/octなら、ほとんどなくなる位のはず。オーバーサンプリングの功徳。


 この水色の状態で測ったのが上。左下のPk-Pkがジッタ。元が2940Hzなので、6.6ppm程度。これには誤差が含まれるはずなので、クロックを分周しただけのデジタル信号で2940Hzを作り、これも測る。これが下の誤差なしのスッピン。4.8ppm程度。この差が、主に誤差と考えられる。


 6.6ppmは、温度を10℃上げると動いてしまう程度の数字。ジッタとしては、ないのも同然。黄色の状態にすると、八倍ぐらいに増えた。それでも問題のない数字であるけれど、誤差が大きすぎ。これはSPDIFの光を使った環境なので、元のクロックのジッタと言うのは相当に大きい。これの水色。

 光変換をせずに、FPGAのPLLのみであれば、ほとんど黄色のような状態になる。仕様書にあるような、0.1n以下のジッタ。この水色のクロックでも、6.6ppm程度に収まっている。うちのはマルチビット(pcm1704)なので、ΣΔでどうなるかは全く分からない。pcm1792を使ったCDプレーヤーは、やはり誤差の影響が大きく本来の数字になっていない。本当の値は、53310Aでも不明。

 53310Aの測定での目安として、レコードを測る。昔のテストレコードに、回転数確認用の3kHzが入っている。これは当時(1960年代)の最高水準の発振器での物らしい。こんな感じ。良く言われる±0.1%(±1000ppm)にかなり近い。これは一周期でも百周期でも、ほとんど同じ数字になる。機械式回転ではそうなる。電子式では、長い周期になると一気にジッタは減る。

 DACの場合、±100ppm以内であれば問題なしでしょう。うちにあるCDプレーヤーやUSBDACは、誤差を含めても問題なし。唯一つ、サウンドブラスターのUSBDACだけが、これを超えた。と言っても、12kHzの時だけ。3kHzでは問題なし。ジッタの周期がかなり短いと思われる。こんな感じで、±500ppm。

 これはおそらくアイソクロノスの同期型。かなり昔のオンキョーのUSBDACは、基板に44k用と48k用のクリスタルが乗っているので、バルク転送。これはほとんどCDプレーヤーと同じ数字だった。USBDACも、バルク転送で自前のクリスタルを持っているならば、ジッタの影響はない感じ。

 このジッタの増減は4kHzぐらいの周波数で、なんかの間違いでないかと疑いが無きにしも非ず。それで昭和型の53310Aに対して、平成型のADCで似たような事を試した。これは単純にDAC出力の12kHzの信号を、96kHzサンプリングでデジタル化する。一周期に八個のデータが取れる。

 もしもジッタがないとすると、この八個おきのデータはほぼ同じになる。実際は、サウンドブラスターのクロックとADCのサンプリングクロックには微妙な差があるので、一定値が少しづつ積算される。しかしジッタがないならば、差分は常に一定値になる。

 ジッタがある時は、この一定値以外のばらつきが出る。この数字を元にして、本来の12kHzからのズレが分かる。試しに64個分のデータを元にしてジッタを計算するとこうなった。青がサウンドブラスター。赤がCDプレーヤー。

 サウンドブラスターは、53310Aと同じく特徴的な増減を同じ周期で繰り返している。周波数のズレが少し違うけれど、これはデータの何処を取るかでこのぐらいの差は出るので問題ない。三回のサンプリング、つまりは(12/3)kHzぐらいで、上下している。ADCのデータからでも同じ結果が出そう。

 ADCの場合、逆にポストフィルター外せない。これは当たり前で、帯域制限しないと正確なサンプリングは出来ない。使ったADCは、768kHzでサンプリングして20kHz帯域に落としている。なので、704kHz近辺の高調波の影響はなかった模様。サンプリングは高い方が、何かと問題が少ない。

 赤のCDプレーヤーは、両者のクロックのズレ(2Hzぐらい)を除くと、ジッタは±0.5Hz(±40ppm)ぐらい。全然問題なし。ADC方式ならば、デジタル的なノイズ処理もできるので、±10ppmぐらいの精度は出そう。これならば誤差の影響なしに、どんな機械でも測れそう。時代は進歩している。53310Aだって、まだまだ現役であるけれど。


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