如月
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田舎に引っ込んで土地は余っているから、広くて天井高けりゃ良かろうと、オーディオ部屋を建てたのは数年前。36畳で高さは平均5mぐらいなので、容積は300立米ほど。 六年近くかけて、DACその他の電…

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超絶のモノラル録音。ウエストミンスター。

 このところ、ウエストミンスターに惹かれてる。タンノイのデカいやつではなくて、主にモノラル時代、大手のRCAやコロンビアに負けず劣らず、名盤を多く出していた弱小レーベル。ステレオになると、流石に弱小は大量消費の波に埋もれて、段々と消えて行く。ステレオ録音もあるけれど、最も輝いていたのはモノラルの頃。

 マーキュリーより、もっと小さかったと思う。マーキュリーのLiving presenceは、今でもそれなりの評価がある。これはおそらく再生装置との相性の問題で、うちではLiving presenceは冴えない。数枚試したけれど、今一つ。もうほとんど忘却の彼方に消えたウエストミンスターとは、とっても相性が良い。

 20年近く前、モノラルとステレオの名盤をダイジェストにしたCDが出ている。中古が細々と取引されているようで、少し前、手に入れた。たしか¥5000ぐらいした。当時の売値よりも高い。中古の常識からすると、これは珍しい。こういう盤は、値だけ付いたまま何の取引もないままに消えていく事が多い。

 やっぱり今でも欲しい人は欲しいんだろう。お目当てはCDでなくて、今までに出たレコードの目録であるとか、レーベルの沿革などの資料。こういうのはネットで調べてもなかなか見つからない。英語の資料であれば、探すと見つかるのかもだけど。

 これぐらいのマイナーレーベルになると、有名な指揮者もシェルヘンぐらい。クナッパーツブッシュのブルックナーがステレオ録音で、これは復刻CDが出てるみたい。後は弦楽四重奏で幾つか。でもebayで探すなら、結構中古レコードが見つかる。忘れ去られているので、送料の方が高いようなのがほとんど。

 今回は、ラボラトリーシリーズというのを見つけた。当時のモノラル録音の極限を極めようとの目論見で、30Hz~18kHzの再生を目指したらしい。手ごろな録音として、「カルメン」と「アルルの女」。ロジンスキーというシェルヘンにも似た変わり者が、今のRPOを指揮。

 こういう特定のオーケストラを持たない渡り鳥の指揮者は、要するに人間関係がうまく行かず、一つの所に落ち着けなかった感がある。マルケビッチ、チェリビダッケ、もそんな感じがする。音学的には悪くないと思う。チェリビダッケはほとんどレコードがないので知らないが、マルケビッチはかなり持ってる。かなり好きな方。

 「カルメン」と「アルルの女」は当り。CDで復刻される可能性は限りなくゼロとしても、この曲が好きならば持っていて絶対に損はない。録音は1954ぐらい。能書きの通り、当時の水準から一線抜き出ている不思議な音。

 モノラル時代の音源は、ステレオの装置で左右とも同じ音が出るようにして聞いている。モノラルの針で再生した場合、ほとんど左右は同じ音になるので特にこうする必要はない。ステレオの針だと、微妙に左右の音が違っていて音像がふらふらするので、どちらかのチャンネルのみを左右に入れる必要がある。

 ジャズのモノラル盤の復刻CDなどは、結構左右が違っていて、居心地の悪いのが多い。片チャンのみならば、右と左に別の曲を入れといて容量の節約にもなるし、必ず左右に同じ音が出るようにするから間違いがない利点もある。今日は変だなあと思っていたら、完全なモノラルになっていなかったりが、こうする以前は結構あった。

 そういう完全なモノラル再生をしても、普通のモノラル音源はあまりモノラルらしくない。真中に音が収まる感じではなく、あまりステレオ効果のない古い録音のステレオ、という按配に聞こえる。というのは、モノラル音源の場合、左右の感覚は薄いとしても奥行きの感覚はかなり濃い。

 想像するにモノラルは、指揮者の頭上5mという辺りに置いたマイクが主体。近い距離にあるバイオリンなどは鮮明に録れる。少し離れた低音弦楽器や打楽器は少しボケる。結果として、鮮明度の違いで音源の近い遠いが分かる。それ故の奥行かなあと。その奥行き感で、響き方はかなり実際のオーケストラに近い。

 そんな具合なのか、クラシックのモノラル音源には、ジャズのモノラルのような真中に音が集まるモノラル感はない。ウエストミンスターのモノラル音源は、とてもクリアー。音質としては、ほとんどステレオ時代と同じ。なのに音は真ん中に集まる。どうもクリアーすぎて、奥行き感があまりない。

 音は良いのだが、他のモノラル音源では感じない、音が真中に集まるという不思議な出方をする。良いか悪いかは何とも。自然とステレオ的になる、少しボケた普通のモノラル録音にも良さはある。録音品質の高さにも良い事はある。

 「カルメン」第二組曲の「夜想曲」。あまり有名な曲ではないけれど、これは絶品。バイオリンのソロが素晴らしい。昔の演奏家の方が技は上だったと良く言う。ではあるけれど、確かめる術がない。昔の録音はあまり宜しくないので、今の録音と比べると、どうしても不利。やっぱり、音の良い今の方が良く聞こえてしまう。

 この「夜想曲」は、録音品質として言う事なし。この音質で比べるならば、確かに昔の方が上かもと思う。今の人は少し感情を込め過ぎている。エスプレシーボ過多。エスプレシーボとは、感情豊かにという意味らしい。

 神尾真由子のコーチが、ウクライナだったか旧ソ連の人で、シュトレーゼマンのような怪しい日本語を話す。エスプレシーボとは、胸をシメツケラレル、だと言ってた。そればっかり聞いていると、そんなもんかと思ってしまう。やり過ぎると、政治家の演説のように、些か芝居がかった表現になってしまう。

 この時代のバイオリニストは、あんまり胸を締め付けない。そこまで芝居がからなくても、しっかりと表現できてる。「夜想曲」は十分に泣ける演奏だけど、淡々と語る感じ。泣き落としの感はない。ビブラートをかけたりすると、それっぽくはなるけれど、安っぽさを感じなくもない。

 弾いているのは、当時のRPOのコンマスかと思う。上手いもんだと思う。ニューイヤーコンサートでボスコフスキーを聞いた事がある。だいたい似た時代。彼も上手かった。上手さの方向性が違う。ウィーンだけあって、ワルツやポルカには特に合いそうだった。しっとり系もできるだろうけど、上手さにも色々ある。

 「夜想曲」は、押しつけがましくならずに泣かせる。今は、こういうしっとりとした弾き方はないのかなあと思う。もう著作権は切れているのでこれ。
http://yahoo.jp/box/mC3Sxc
「アルルの女」では、「メヌエット」。最後のファランドールも入ってる。
http://yahoo.jp/box/4T7Kmc


 この時代だと、使っている楽譜にばらつきがあるようで、今聞く感じとは少し違う。これも中々の名演。今の演奏はどれ聞いても同じ。少し味わいの違う、この時代の名録音には価値がある。中古レコードを漁る価値もそこ。$20程度の投資で、結構当りが出る。
食い物の場合、安くて旨いものは思っているよりも、ずっと多い。高くて不味いものと安くて不味いものは、もっともっと多い。高くて旨いものは、なくもない。



 おまけとして、どのぐらいの数字的特性かを。ファランドールで、わさわさと楽器が出て来る辺りは、こんな感じになる。44kサンプルにしたけれど、元の96kならば、当然もっと出てる。本来バイオリンの倍音は、20kHzぐらいでは全然落ちないみたい。最近の高性能マイクで録るとそうなってる。

 これは当時の、15kHzなんて行く訳ないと言われているマイク。10kHzあたりから落ち始めているのは、多分マイクの特性。20kHzになると、30dB近く落ちている。アナログ的感覚では、頑張っても15kHzというのは正しい。でもデジタル的にあるかないかというならば、ないとは言えない。

 当時に録れたか撮れないかは、どういう基準で考えるかの問題。但し、これはバイオリンのソロではなく、オーケストラのフォルテシモでの特性だから、録れているの度合いはかなり高くなる。私の知る限り、オーケストラでここまで録れているのは、ウエストミンスターだけ。RCAでも無理。

 音を聞くと、とてもクリアーなので、こんな数字であったとしても不思議はない。もう当時の録音関係者は生きてないだろうけど、聞けばそうだったかと喜ぶでしょう。

 参考までに、最近のハイハットの録音。青はSACD、白は CD。テスト盤なので、同じ音源が両方のフォーマットで入ってる。高い周波数まで落ちないのはマイクの特性だろうけど、バイオリン程にはスペクトルが鮮明ではない。

 ヘッドホンならば、SACDとCDで違いが分かるかもだけど、スピーカーからだと高音はすぐに減衰するので、さてどうでしょう。うちの再生環境ならば、間違いなく同じ。30kHzぐらいまでのツイーターあるけど、1mも離れると、20kHzぐらいのホーンと違い無くなる。実際に聞くのは10m離れているから、経験的にも差は全然ない。

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