2008年11月16日

LINDEMANN 820S インプレッション(2)
今日はCDとSACDの比較試聴結果を報告したいと思います。その前に、前回CD再生時の低音がやや引っ込んで聞こえるとお伝えしました。
この点について追加報告がありますので、まずはその点から始めます。
1.低音の変化
前回は20時間程度の通電でのレポートでした。その後エージングが進むにつれて、低音の質が変化してきました。穏やかだけであった
低音域にメリハリが出てきたのです。この現象はCD再生でもSACD再生でも起きています。これまでオーディオ機器を新規に導入した
際、エージングすることで高音域の滑らかさが増した経験はあったのですが、低音域の変化は初めて体験しました。現時点での通電
は40時間程度なので、まだまだ変化していくかも知れません。楽しみです。
2.サンプリング周波数による違い
低音が良くなってきたとは言え中高音域とのバランスはどうだろうと思い、シェフィールドのテストCD「My Disc」を持ち出してきてワイブル
トーンによる再生音響特性チェックを行ってみました。820SはDACサンプリング周波数を44.1kHz、88.2kHz、176.4kHzから選択することが
出来ます。まずは176.4kHzサンプリングですが、やはり低音20Hzは基準1kHzに対してやや音量が控えめです。ところが88.2kHzサンプリング
ではほぼ同じ音量となったのです。それでは44.1kHzサンプリングはもっと上がるのか? 結果は下がってしまいました。フーム、ならば実際
の音楽はどう聞こえるのか。試聴に使用したのは前回もご紹介した「'ROUND ABOUT MIDNIGHT」 (Miles Davis) です。なおこのアルバムは
モノラルなので、左右の音場変化は分かりませんが奥行きは分かります。
176.4kHz: 前回よりはベースの音が出てきているが、まだやや大人しい。ただしトランペットやベースの音は滑らかで、非常に心地よい。
88.2kHz: これはジャズ向きだと思わせるメリハリの利いた音場が現れた。MARK LEVINSON 390SLで聞き慣れてきたガッツのある音。
ただし音場はやや狭くなる感じがある。
44.1kHz: 音の一つ一つに荒さが目立つようになり、耐えられず中断。思ったほどは低音のメリハリは感じられない。
この比較試聴で分かったのは、ジャズやロックを聴くにはサンプリングを88.2kHzにした方が良さそうだということでした。
3.SACDとノーマルCDの違い
先の試聴結果よりノーマルCD再生時のサンプリングは88.2kHzとしています。試聴に使用したのは上と同じ「'ROUND ABOUT MIDNIGHT」
と「WE GET REQUESTS」(Oscar Peterson Trio) です。2番目のアルバムは邦題「プリーズ・リクエスト」として知られる優秀録音盤です。
まずはマイルスのアルバムですが、やはり音の表現はSACDが圧倒的に勝ります。ベースの音さえボンボンという一律の聞こえ方でなく、
アタックから余韻までが聴き取れるのですから。面白かったのはドラムスの音で、マイルスが吹いている間は遠慮して(?)ブラシによる
演奏なのですが、コルトレーンにチェンジしたところでスティックに持ち替えているのがはっきり分かります。またリムショットも小気味よく
聴き取れました。これをCD再生へ切り替えると、こういった点がややぼけてしまうのです。ただしブルーノートが追い求めているゴリゴリ
した音の雰囲気はCD再生の方が適しているように思えます。
ピーターソンのアルバムではピアノの音の粒立ちとピアノテクニックを楽しむためにはSACD優位と思います。高音のころころしたフレーズ
も、一音一音の余韻まで綺麗に再生されました。こちらはヴァーヴレーベルなので、ブルーノートのような音の操作はしていません。あくまで
自然な録音になっています。そう言う意味では将にSACD向きと言えるでしょう。またステレオ録音であるため、SACD再生時はステージ
の広さを感じ取ることもできます。
取り敢えず急いで購入したSACDハイブリッド盤での比較試聴結果をお伝えしました。今回の結論はエージングによって低音が変化して
きていること、ノーマルCDではサンプリング周波数によって結構音が変化することの2点です。次回ではノーマルCDですが、K2とxrcdの
比較を行ってみようと思います。また試聴以外の操作性などについてもレポートする予定でいます。次回をお楽しみに。
アコスの住人様
ご要望いただきました操作性に関しては、次回に報告させていただきます。少々お時間を下さい。結構比較試聴というのは時間が取られるし、
疲れますね。同じ曲を集中して何度も聴くので、飽きてくるのかも知れません。なお前回の日記へのレスで仰っていた390SLでのトレイ引っかかり、
私も何度か経験しています。一度はCDに少し傷を付けてしまいました。以降はCDをトレイに置いた後、浮いていないか触って確認するように
していました。