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クラシック中心に聴いています。オーディオは手段と考えてはいるものの、気がつくと手段の魔力に取り付かれてしまうことも多く、日々修行をしております。

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ヒジヤンさんの『奥様女中』の楽しい熱演 

(日記タイトルのヒジヤンさんのお名前に誤記がありました。大変失礼致しました)
ペルゴレージのオペラ『奥様女中』で、自分はオペラの楽しさに気がついたということを、以前にも本日記で取上げたことがありました。同時代の宮廷オペラはわけの判らない歴史・神話主題で延々装飾技巧を見せ付けるのに飽きてしまいますし、古典・ロマン主義の、深刻な愛憎劇の心の叫びを託すような歌い方には「やり過ぎ」でついていけないと当時は思っていました。そもそも何時間もかかってLP1枚に収まらないBOX物は毎月の小遣いには厳しいしということで、「オペラは苦手」だったのです。

でも『奥様女中』は40分強の短い作品、登場人物もバリトンとソプラノの2名(正確にはダンマリ役のピエロが1名いますが)の最小構成。テーマは若い小間使いが、独り者の偏屈な主人の奥様に納まるというドタバタ喜劇で、歌も明るくシンプル、超絶技巧をひけらかす長々とした「聴かせ所」も無し。でも、シンプルで短い歌であっても、嫉妬、怒り、愛嬌、愛情、悪戯心が声と歌の表情で描き分けられている、それも男女の二重唱の中で、その感情がやり取りされ、気持ちが変っていくことが表現される、そういうことが本当にわかりやすく表されていたのです。オペラは、そこを楽しめば良いのかと気づくと、苦手な世界の扉の開け方が判ったようなもので、その後は・・・・。

でも、このオペラ、生で聴いたことが無かったのです。あまりに短くてシンプルなので演目に上げづらいのかもしれません。と思っていたところ、本コミュニティのヒジヤンさんがこのオペラのバリトン役を演じられという日記が上がったのが9月の中旬のこと、これは何はさておきと思って楽しみにしていた演奏会に先日お邪魔してまいりました。


実はヒジヤンさんとは日記のレスなどでのコミュニケーションはあったものの、実際にお目にかかったこともなく、それがイキナリ、公演主催責任者としての舞台上での開会と参加メンバーご紹介をされるお姿が初めてという、当コミュニティでも珍しい出会いでありました。事前にお噂で伺っていたのは、声楽科のご出身ではなく合唱団などに所属されていたわけでもないということでした。短いとは言え40分、二人しか登場人物がなく、特にバリトン役は休む間もなく出ずっぱりで、小さいとはいえ100人くらい納まりそうなホールで声を出し続ける。大丈夫なんだろうかと正直思っておりました。

所が、始まってしまえば先ほどの懸念は単なる杞憂でした。そんなことより、ヒジヤンさんの芸達者振りに先ず驚かされ、引き込まれてしまいました。最初にも書きましたがこれは男女二人の狂言劇で、演じている本人達が演ずること自体を楽しんでいなければ、その魅力は伝わってきません。ヒジヤンさんの楽しげなこと、肝心の歌も声量たっぷりで、当夜の他のプログラムの出演者も含めても、声楽科出身の方も多くおられましたが、一番大きくて張りの有るお声でした。そして喜劇だからこそ、より大切な「嫉妬、怒り、愛嬌、愛情、悪戯心を描き分け」が、その立派な声に乗って楽しく繰り広げられます。思わず体が音楽に乗って動いてしまいました。

音痴な自分には全く無理なお話ですが、音楽聴いてああだこうだ言っているだけでなく、こうやって自ら演じて音楽を表現することができれば、本当に楽しいだろうなと思いましたし、自分でやってみて初めて見えてくるものもあるはずとも思いました。

奥様女中の最後は、まんまと主人の心をつかんで奥様になった彼女、そして長い独り身生活からおさらばして若い娘を嫁にした彼、この二人の幸せで楽しい、そして少し大胆な二重唱で(お互いの喜びの心臓の鼓動を聴かせ合うのです、この曲があってモーツァルトの魔笛のパ・パ・パの二重唱が生まれたと思えるような楽しさと愛らしさ)、締めくくられます。今回は演出が凝っていて、二人は腕を組んで客席場内を歌いながら一巡するという披露宴仕様。若いソプラノの可愛い鼓動を聞きながらのヒジヤンさんの満面の笑みで劇は目出度く大円団を迎えました。

休憩を挟んで第二部は他の出演者3名が演ずる有名オペラのアリアや二重唱でした。こちらはヒジヤンさんはご登場せず、当方も気楽に歌を楽しみましたが、皆さんアマチュアとは思えぬハイレベル。特にビックリしたのはドニゼッティのジュリエットの超絶技巧が必要なアリアを歌いきったソプラノの方。声は透明感あるし、声量も十分、声を転がす技術もしっかり。この歌はプロでも技巧に走って感情表現がおざなりになることが多いのですが、しっかりとロミオを思う悲しみを表現していました。後で調べたら、普通に大学を卒業して報道機関で社会部の記者をされている方とのことで二度ビックリ。

アマチュア・オペラという全く自分の知らない世界を垣間見て、大変楽しい時間を過ごすことが出来ました。ヒジヤンさん、いい機会を頂戴し感謝に耐えません。そして、更なるご活躍を!

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