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日記

第84話 バイナリーと遺伝子

イリアーヌが04年にリリースした”Dremer”(輸入盤)は、私のお気に入りのCDで、録音も良かった事から、随分長い間、オーディオ用のチェックに使っていた。

しかし、その後、彼女がリリースしたCDは、”Dremer”の音質には程遠いレベルで失望していた。

しかし、今年になり新譜の”Bossa Nova Stories”が発売になったので、まずは国内盤から購入してみた。
案の定、どうもヴォーカルの質感に、不自然な感じを受けた。
ひょっとしたら、音質に違和感を覚えるのは、国内盤の為かもしれない。

数ヶ月経って、輸入盤が発売になったので、昨日買ってみた。
音質は大きく異なっていた。オケの空気感やシンバルの質感などで、輸入盤の方が情報量は多いようだ。

しかし、肝心のヴォーカルは、”Dremer”のような鮮度感のあるものとは異なっていた。

クレジットを見て気づいたのだが、随分、日本人らしき名前が記されていた。
エクゼクティヴ・プロデューサーにディレクター等、4名程あった。
“Dremer”には、一人も無かった(と思う)ので、ナゼだろうと疑問に思い、彼女のHPに行ってた。

すると、ある事が分かった。
04年に出した”Dremer”から、日本のスイングジャーナル誌のタイトルが入っている事だ。それ以後、彼女のCDには、同誌の賞を獲得しているようで、これによってセールス的にも重要になった日本に対応すべく、日本人のスタッフを使ったのかもしれない。

ところで、この国内盤と輸入盤は音質では大いに異なるのに、両者のバイナリーは同じだった。この件だけでなく、例のSHM-CDとCDを比較しても、やはりバイナリーは一致していた。しかし、これは特に驚く事でもないかもしれない。同種のデジタル・ケーブルを短くしても、トラポの電源ケーブルや、インシュレーターを変えてみても、音が変化するので、データ以外でも音に影響を与える要素が、幾らでもあるのだろう。

時折思うのは、このデジタルデータというのは、遺伝子と同じではないだろうか。
例えば、一卵性双生児は、両者の遺伝子は全く同じだという。ザ・たっちや、まなかなといった一卵性双生児は、その外見だけではく、遺伝子も全く同じだという。しかし、その性格や趣向性までも全く同じという訳では無く、離乳したその後の環境によって、差異が生じるそうだ。
指紋や目の虹彩、静脈のパターンを利用して、一卵性双生児といえども個人を特定する事が可能だという。しかし、DNA鑑定では、この一卵性双生児を特定することは出来ないそうだ。これはCDといったデジタルデータを、幾ら比較しても、音の違いを特定することが出来ないのと似ていると思った。

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