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日記

Anti-Mode 2.0 Dual Core導入レポ(1)製品コンセプト

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2013年09月30日

DSPeaker社(取扱:アコースティック・フィールド社)Anti-Mode 2.0 Dual Core(以下AM2DC)について簡単なレボを数回に分けて行います。なお拙宅での導入・活用については、アコースティック・フィールド社様より丁寧・迅速にして多大なるアドバイスをいただいております。ここで感謝申し上げますとともに、今回のレポではそこから得られた知見も含まれていますので予めご了承ください。またホームページやマニュアルを見ればすぐわかることは適宜省きますので、これまたご了承ください。

一応ホームページのリンクも貼っておきます。

【1】一般のグラフィック・イコライザーとAM2DCの違い

まずAM2DCは、音場補正機ですから一種のイコライザーですが、いわゆるグラフィック・イコライザー(GEQ)機能は持ちませんし、GEQとはコンセプトが根本的に違うものですので、導入にはその点の理解が必要です。

EQはご存知の通り、音声信号の特定の周波数帯域をブーストしたりカットしたりするもので、特にGEQは視覚的に操作しやすいインターフェースを用いて特定の周波数帯域の操作を行うことができます。これを使えば「自分好みの音作り」をするのが容易であり、その結果として当然「音場補正」、つまり部屋の伝送特性からくるF特の乱れを修正することもできます。

ところがAM2DCは、あくまで「音場補正」が第一の目的であり、「自分好みの音作り」を第一義としていません。それはイコライジングが目指す理想の一つである「全帯域フラット化」には拘らず、既存の部屋の伝送特性を改善するための現実的な最善解を自動で発見し適用します。その解に対してユーザーはパラメトリックEQやいろんなフィルターを通じて手を加えることができますが、それらはあくまで自動補正の調整・仕上げにとどまるもので、極論すれば、無くても可なものです。

また各部屋の固有の響きを部屋の個性と見て、特に害がない限りこれを根底から消去しようというスタンスもないようです。

AM2DCは、あくまで「部屋の現状をふまえ、音場補正の現実的な最善解を発見・適用する専用機」だ、ととらえるのが吉だと思います。

【2】F特フラット化の抱える問題

もう少し具体的に説明します。

GEQで全帯域のフラット化をして、部屋の伝送特性の欠点を一掃する。それはとてもわかりやすいプロセスに見えますが、実は難問を含んでおり、実際の解の発見は容易ではありません。その難問とは

(a)フラット化にはディップを埋める必要があるが、そのために特定帯域をブーストする必要があり、程度によってはスピーカーや駆動系にかなりの負担を加え、歪みの元となる危険がある。

(b)中高域のF特は部屋内部のコンディションの変化によって容易に変化する。またそれを家庭で簡易に、しかも常に精密に測定することは困難である。そこで中高域をフラット化しようとすると、実際はF特の凸凹のパターンを別のパターンに変えるだけに終わってしまう。

(c)そもそもフラット化は部屋の伝送特性による影響のキャンセルを目指すが、それは部屋の完全デッド化とほぼ等値である。そのゴールは本当に望ましいことなのか?

これらの問題に決着をつけるのはなかなか困難です。

【3】AM2DCの音場補正コンセプト

これに対しAM2DCは、理想を目指して泥沼にはまるよりも、あくまで現状の部屋の目立った欠点を発見し、それを修正する現実的な最善解を出すことに特化します。
上記の問題に対応して書きますと

(a')ピークのカットを主とし、ディップはあまり埋めない。
ピークがカットされれば、それでマスクされた部分も聴こえてくるから、F特の乱れから来る実際上の問題は概ね解決してしまう。

(b')補正は原則として低域に留める。
低域、たとえば100Hzは大抵の家庭の部屋の一辺を越える波長(約3.4m)であり、部屋内部のコンディションを少々変えても修正しにくいのは自明である。こういう場合はイコライジングが有効である。
しかし中高域、たとえば1kHzは波長は34cmであり、部屋内部のコンディションを変えることによりある程度の操作が可能である。そういう場合はあまりイコライジングに頼らない(=セッティングやルームアコースティックに頼る)方がよい。

(c')部屋の伝送特性による影響は、ある程度はあってもかまわない。
それがその部屋固有の響きになるのであり、特に有害でない限り、その影響をいちいちキャンセルする必要はない。

こういうコンセプトに立っているので、GEQ機能を持っていないわけです。AM2DCに価値を認めるか否かは、そのコンセプトを受け入れられるかどうかに依存すると思われます。特に(c')のような割り切りができるかどうかがキモのように思われます。

続きます。

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  1.  面白い機械ですね。

     仰る様にディップを無暗に電気的に補正するのは考え物です。この機械の様にピークのみを抑えるのが基本的には正しいと思います。
     まあそれでも一括でフラットにしてくれるのは便利ですがね。私はARC2も試してみましたが、結構面白いです。これはある程度ディップの補正を抑えることもできます。

     ディップの方は基本やはりセッティングで何とかするのが一番ですね。23日に紹介したコーナーセッティングものその内の一つだと思います。その上で補正ソフトを掛けるのが良いでしょうか。

    byケン at2013-09-30 21:17

  2. ケンさま

    こんにちは。
    このAM2DCは決してディップを埋めないわけではないし、ある帯域を全体として持ち上げたりもするんですが、誰が見ても埋めたくなりそうに見える深く鋭いディップはそのまま放っておくなど、面白い挙動をします。独特のアルゴリズムがあるようですね。

    コーナーセッティングの記事については、まだあまり丁寧に拝読していなかったので、これからさせていただきます。いずれにせよ、イコライジングで全ての難点を解決するのは困難だというのを、今回の件でよく思い知りました。

    byキングジョー at2013-10-01 16:00

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