元住ブレーメン
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高校生時代にベータマックスで映像に目覚め、フォーマット変遷を何世代と経た今、撮影から編集、映写まで4K環境がついに実現しました。ホームシアターのための家も建て、充実した日々を送っております。 コ…

マイルーム

ホームシアター「建築」記
ホームシアター「建築」記
持ち家(戸建) / 専用室 / オーディオ・シアター兼用ルーム / 16畳~ / 防音あり / スクリーン130型以上 / 8ch以上
我が家の(地下室)ホームシアターです。 もともとは賃貸派の私でしたが、好きなときに好きな映画や音楽を好きなだけ好きなように鑑賞するには、持ち家しかないと一念発起。2005年の10月に地上二階、地下一…
所有製品
  • センタースピーカー
    B&W HTM2
  • 液晶テレビ/ディスプレイ
    PANASONIC TH-55GX850
  • 一眼レフ ハイクラス
    NIKON D850
  • BDプレーヤー
    PANASONIC DP-UB9000
  • Blu-ray Discレコーダー
    PANASONIC DMR-SUZ2060

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日記

KURO THE MONITORを見てきました。

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2008年06月30日

目黒のパイオニアショールームで発売間近のKRP-600Mを見てきました。見た機体は展示員さんいわく「量産試作機」とのことで、実力的には手に入る量産品と「ほぼ」変わらないと考えてよいとのことでした。ちなみにこのモデルから型番が「PDP」から「KRP」に変わりましたが、これは「KUROのPlasma」の意で、シャープからのOEMになる液晶テレビは「KRL」つまり「KUROのLCD」という型番になるようです。

さて、通された薄暗い部屋の中にはKRP-600Mと、それに直角に配置される形で現行のPDP-6010HDも設置されていました。両機種に全く同じ映像が出るようになっており、じっくり比較をしながら見ることができます。ちなみに音は聴いていません。というか、その日600Mには片側にしかスピーカーがついていなかったのと、私自身スピーカーは別に用意しているので興味もなく、特にお願いもしませんでした。ソースはパイオニアのデモ映像、地デジのテレビ、ブルーレイソフトとすべてハイビジョン映像を見せてもらいました。

600Mの筐体は6010より僅かに小さくなり、その分ベゼルが細くなっています。ベゼルはこれまでのKUROシリーズ同様グロス仕上げですが、反射率を考えて塗料を変更しているそうです。また、パネルとベゼルの奥行き方向の段差も若干浅くなり画面の反射の影響を低減しているとのこと、「画面以外はミニマム」という思想が徹底されています。

まずデモ映像では黒レベルの違いがはっきり。KRP-600MとPDP-6010HDで比べると、6010でさえ黒浮きして見えます。ちなみにここではっきりさせておきたいのは、黒レベルの低さはダイナミックレンジの広さにつながり、確かに特性としては良い方向であるものの、最終的にはその黒レベルの低さが画質にどう貢献するかが重要であるという点です。600Mはパネル自体はほぼ真っ黒で、全画面コントラストという意味ではブラウン管をも上回り、反対側の部屋の状況が問われるレベルに達していると思いました。ウェブ映像などでパネルが薄っすらグレーなのは、自発光ではなく、部屋の照り返しというケースか、映像そのものが真っ黒でないというケースがほとんどだと考えられます。かつてブラウン管で「スーパーブラック~管」などが「本当の真っ黒」を追求するために登場した際に「視聴環境の明るさ」が議論になりましたが、まさにその領域に存在しています。その黒レベルのおかげでガンマは余裕のある設定で(そして5通り選択できる)、階調も6010より豊かに見え、細かい絵柄の立体感などにその差を感じることができます。

この傾向はディレクターモードのデフォルトではさらに顕著で、ぱっと見の派手さや鮮鋭さは影を潜める代わりに、ソース信号の階調の全てを描き出すかのようなストレートな映像を堪能できます。これはまさにマスモニそのもの。実際、このモードのデフォルトではノイズリダクションやダイナミックレンジの伸長などの補正は全てオフになり、素のパネルの特性のままの映像を映し出します。一方で、照明がコントロールできないリビングなどの環境ではこのモデルの美点のほとんどは発揮することができないと思いました。きちんと遮光されたほぼ真っ暗の環境でないと、この機種の黒レベルの低さ、コントラストの高さ、発色のバランスの良さによる端正な映像美は、環境が明るくなるにつれて影を潜めどんどんと失われていく印象を持ちました。私は「なるべく暗く」とリクエストして視聴しました。

一方で真っ暗な環境ではこのモニターはその威力をいかんなく発揮します。コントラストの高さや階調の豊富さは、金属の光沢や鋭さを鮮明に再現し、ディティールを最高に精緻に見せてくれます。良質のソースで見るとこれらの要素は鳥肌が立つほど感動的です。一方で、プラズマのディザノイズやピーキーさは良く躾けられ、BDの映画ソースではノイズグレインと相性良く自然に見せてくれます。「プラズマはノイジー」という既成概念はこのモデルにいたってようやく克服された印象があります。そして動画解像度や残像感のなさ、コントラストの高さはさらに磨きがかかった印象で、「映像信号を忠実に見たい」というハイ・フィディリティ志向の人にとっては良いモデルだと思います。輝度スケールの再現能力で言えば、このモデルはピカ一の存在です。コントラスト比というとブラウン管を引き合いに出す人がまだいますが、ブラウン管は黒い画面で一点だけ白いポイントがある場合にのみ何万:1というコントラストを実現するのであって、ビームが拡散する状況、例えば白い画面で一点だけ黒いポイントがある場合ではコントラスト比はガクッと低下し、並みの薄型テレビ以下になります。また、薄型テレビがデジタル的に全ての画素で独立した輝度レベルを実現できるのに対し、ブラウン管は明るい絵柄、暗い絵柄によってビームの拡散具合が変わり、階調特性も変化してしまいます。結果として、ブラウン管では「白の中の白」「黒の中の黒」の再現が困難です。具体的には我が家のブラウン管モニター、KX-32HV50ではこのページの2番目、3番目のそれぞれ明暗の1%ステップの描き分けができません。

一方で、どんなソースでもそれなりにキレイに見たいという人、視聴環境を自由にコントロールできないという人にはこのモデルは不向きです。明るさと色は不可分の関係にありますが、色再現もコントラストに負う傾向のあるこのモデルではその関係がさらにシビアです。また、発色は黒レベルが沈んだ=RGB各ピクセルの最低輝度が落ちたことでピュアさを増したこともあり、マスモニ的には不満はありませんが、「記憶色再現」といった派手さはありません。x.v.color非対応というのは、ポリシーもあるかもしれませんが、実力もあるかもしれません。こういう部分ではLEDバックライトの液晶ディスプレイに未だに優位性を感じます。一方で、ブラウン管に対しては色再現や鮮鋭度では確実に凌いだと言えると思います。総合的には我が家のプロフィールプロHDと比較して、小面積のピークコントラストの「眩しさ感」以外は明暗部の階調性を含め全ての面で600Mが上回っていると感じました。「ピカッ」と抜けないのだけは薄型テレビの今のところの課題ですね。

総じて、このモデルは映像の原信号を忠実に見たい人、視聴環境(特に照度)をある程度自由にコントロールできる人、そして映像の本質を良く分かっていてコントロールの豊富さを生かせる人に適していると思いました。一方で、画質のよくないソースはそれを克明に映し出す、ある意味シビアな特性をこのモニターは持っています。エンコードノイズなどは顕著で、番組制作に使われたVTRの種類や制作方法まで類推できてしまうと思えるほどです。カタログには「こだわり抜く映像のツワモノ達のために」と謳われていますが、確かにこの映像はきちんとした知識やテストソースを持ち、ディレクターモードを使いこなす人にこそ相応しいと思います。

欲を言えば、ガンマ調整はソニーのプロジェクターのように自分で自由にカーブを描けるようにして欲しかったこと。最暗部や最明部での階調をぎりぎりに確保するにはこの機能が必要で、調整する人の腕の見せ所にもなったことでしょう。もうひとつは、色の再現域をもうちょっと頑張って欲しかったこと。特に派手な色を出したい訳ではないのですが、再現可能な色域が広いと調整範囲が広がって自由度が増し、結果として思い通りの映像が得やすくなります。その意味ではこのモニターの色再現は「いっぱいいっぱい」の印象で、LEDバックライトの液晶テレビや、キセノンランプのプロジェクターのような余裕たっぷりの感じはありません。LEDバックライトの液晶テレビ・クオリア005の映像世界を油絵とすると、このクロは枯山水と喩えられるかもしれません。

画質以外の朗報としては、6010よりも駆動音が聞こえにくいこと。映像シーンにもよりますが、パネルに耳を近づけると両者とも同じようなレベルの駆動音がしているのですが、600Mの方が気になりませんでした。これは直角配置になっていた視聴室で600Mを見ている時は6010のジー音が気になったのに対し、6010を見ている際にはそれがほとんど気にならなかったのです。ノイズの周波数特性が異なっているということなのかもしれません。

説明員の方は「パイオニアの新製品の出荷は金曜日が多いのですが、6/27はありませんでした。」と仰っていたので、(私を含め)すでにオーダーをして出荷を待っている方は来週、再来週の金曜日は注目です。また、同じパネルでチューナー付きのセパレートモデルがおいおい発売になるそうなので、どうしてもテレビが良い人はそちらを考慮に入れても良いかもしれません。ただし、調整項目は幾分簡略化されるようです。

メディアレシーバー部の報道用写真

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  1. Powariさん、60インチにAmatiではさすがにプラズマも分が悪いかもしれません。Amatiのサイズだとトゥイーター、スコーカー、ウーファーとユニットの配置がこのプラズマの高さよりも広い範囲に渡っているので、プラズマの好適な視聴距離(2m)だとAmatiには近すぎて高中低音がばらばらに聞こえてしまわないか心配です。

    チューナーはテレビを見る頻度で決めれば良いと思いますが、単体チューナーだとHDMI端子がついているものがほとんどない上に画質にも確証が持てないので(http://www.uniden-direct.jp/product/stb_dt300.html)、BDレコが良いと思います。待てるならチューナー付を待ってから決めても良いかもしれません。

    使いこなしは熱意があれば何とかなるでしょう!

    by元住ブレーメン at2008-06-30 22:19

  2. こんばんは

    先週、avacで見ました。
    薄い~~~。高い~~~~。
    でも、お金持ちだったら欲しいです。
    それと古い、半年落ちの下取りのKUROの50インチが
    avacで、40万円を切る価格でした。

    byレーザー at2008-06-30 22:26

  3. 中古でそれだけの値段がつくのもスゴイことですね。BDレコなんて、新型が出ると旧型の価値がほとんど「ゼロ」になるので、我が家なんて溜まる一方です(苦笑)。。。

    by元住ブレーメン at2008-06-30 23:02

  4. 思ったよりも実物が出てくるの早かったですね.そしてもうすこしで出荷ですか~良いですね~.たのしみですね.
    設定はやっぱり視聴会とか店頭用のやつはしっかりした測定機器とか使って設定されているんでしょうね.手動でやるのは難しそうですね.

    メディアレシーバー微妙ですよね.私もBDレコ繋いだ方が良いと思います.


    しかし,中古のPDPは恐くて買えませんよw

    byDOIchan! at2008-07-01 10:08

  5. レポありがとうございます。
    非常に迷います。
    うちだと50インチから60に買い替えってメリットが微妙でして。
    KUROプロジェクターとかさらに凄い製品も期待してしまいます。

    byエフ at2008-07-01 10:55

  6. 確かに、こういうモデルだと「見た感じ」ではなくて、やはり調整用ソースを用意したいですね。

    ちなみにKUROプロジェクターはビクターのOEMでスタートとのことで、オリジナリティが出てくるのはもう少し先のようです。
    http://www.pioneer.eu/eur/content/press/news/krf9000fd.html

    by元住ブレーメン at2008-07-01 15:01

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