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スクリーン対決!マリブ対ピュアマット
先日メッセージでスクリーンについての相談を頂きました。VPL-VW1000ESの購入を検討中で、スクリーンの検討をされていて、ピュアマット3とマリブが候補に入っており、ピュアマット3の先代モデルであるピュアマット2EXとマリブを使っている私に比較した際の印象をお聞きになったのです。私は(相当)以前にマリブとグレーマットアドバンスの比較をカジュアルにしたことはあるのですが、ピュアマットとマリブの比較をちゃんとしたことはなかったので、これは面白いかも、と日記にすることにしました。ピュアマット2EXとピュアマット3の違いはマリブとの違いより遥かに小さいと思われるので、十分参考になると思われます。 現在我が家のスクリーンは上の様に設置されており、壁掛けの120インチのマリブと電動巻き上げの130インチのピュアマット2EXを併設しています。マリブは過去にトラブルがあり、未だに納得はいっていないのですが、結局新品とほぼ同額で張り替え、使い続けています。マリブとピュアマット2EXは同じ「マットタイプ」のカテゴリーですが、その表面はまるっきり異なります。下の写真がスクリーンの幕面をマクロレンズで撮影したものです(余談ですが、こういう写真を撮る時は幕面には目標物がなくピントに苦労するので、ポストイットなどを貼ってピントを合わせてから、はがして撮影すると上手くいきます)。 左側がパールタイプの塗料で滑らかな表面を形成しているマリブと、繊維の織りがはっきりと出る右側のピュアマット2EX。マリブは発売は相対的にかなり古いですが、この構造からモアレにはピュアマットシリーズより強いことが予想され、4Kプロジェクターでの使用も心配いらないと言ってよいでしょう。 カタログ値からはマリブはピークゲインが1.4、ハーフゲイン角は75度、対するピュアマット2EXはピークゲインが0.93、ハーフゲイン角は60度(以上)と、明るさ、拡散度ともマリブが上で、明るいのにホットスポットも出来づらいという特性になっていることになっています。ただカタログ値は品質を保証はするものの、最終的な経験は人間の感覚にかかっています。このあとは実際の映画を観た印象を比べて行きますが、主観的になりすぎないために写真とそのレベルを掲載します。映像は120インチサイズで両方のスクリーンに映し、写真はデジタル一眼レフ(Nikon D800E)を使用、全ての補正機能をオフにし、色温度は6500Kに設定、同じ露出値、同じ感度、同じ画角で撮影し、Photoshopで現像、リサイズだけを行い、Photoshopのヒストグラムを追加しました。プロジェクターはソニーのVPL-VW1000ESで、入射でBT709きっかりにキャリブレーションしてあります。掲載した画像はすべて上がマリブで、下がピュアマット2EXです。 「ドラゴンタトゥーの女」 私の昨年のベスト画質ディスクです。ツァイスのプライムレンズをつけたデジタルカメラRed EpicとRed Oneをメインに撮られた本作品は、デジタルの長所も短所も知り尽くした佳作で、超シャープな解像感とS/Nの良さが生み出す透明感が魅力です。抑え気味の画調は暗所の階調に優れるデジタルの利点を引き出し、圧倒的な情報量で「観た感」たっぷりの、画質マニア必見のディスク。マリブで観ると、クリスタルや金属の立体感が印象的で、ぐいぐいと前に出てくるパワフルな印象。一方ピュアマット2EXは軟調でフィルムっぽい絵を見せてくれ、階調もスムーズ。質感の描き分けにも優れ、映画とのマッチングという意味ではフラットなピュアマット2EXが画調としてあっているかもしれません。 「ツーリスト」 この映画は新世代フィルム画質の代表作といってよいでしょう。Panavision Panaflex Millennium XL2にプライムレンズの組み合わせで、フィルムならではのラティチュードとガンマカーブとフィルムグレイン感の絶妙なバランスを見せてくれます。映像とは取捨選択の結果なのだと教えてくれるような画質。このシーンは基本的にローライトのシーンの中で浮き立つ明るいディティール、例えばボートについた細かい水滴の表現やそれを通じた空気感の表現がポイント。ハイライトをピカッと見せるマリブに対し、一歩引いたかのような抑制の効いた、最後まで階調を見せるピュアマット。 「ベン・ハー」 対照的にオールドフィルムの代表的な作品を持ってきてみました。フィルムのポテンシャルの高さを痛感させてくれる一作でもあります。分厚い色表現は油絵のような印象。マリブはこのコンテンツからディティールを絞り出すような印象で、本来かなりナローレンジなソースから、パンチのある輝かしい画調を見せます。ピュアマット2EXはリファレンス調で良くも悪くもこのソースの本来の実力を見せる感じ。 「ムーラン・ルージュ」 人類映画史上一番美しかった(個人の感想です)時のニコール・キッドマンが美しく収録されている映画。私見ですが、ミュージカル映画としては今年大ヒットした「レ・ミゼラブル」よりも完成度は高いと思います。薄幸な踊り子の役柄のニコール・キッドマンの透き通るような肌の美しさと、ふんだんに使われる赤の再現性が何よりもこの映画のポイント。こういった暖色系を華やかに見せるのはやはりマリブ。豪華絢爛な絵柄をいかにもそれっぽく見せてくれます。ニコール・キッドマンの血色の違いは写真でも見て取れるほど明らか。マリブの最大の魅力である「艶感」を良く感じます。 「スターウォーズ・エピソード3」 あまりにも有名な冒頭の宇宙空間。「星の数が違う」ほどまでには違いませんでしたが、満点の星空を感じさせるのはやはりピークの明るいマリブ。一方で、だからといって黒浮きがしているという印象はありません。 比較を通じて、ピュアマット2EXはリファレンスっぽい素直な、言い換えると地味な映像を見せていました。これはリファレンス再生を重視しキャリブレーションを行う私のような原信号主義者には好ましい特性です。美しい映像もそうでない映像もそのままにあからさまに見せる、スムーズな階調で奥行き感のある映像は一線級。一方でエンターテインメント性という面からはダイナミックで、グラフからも見て取れる通り特に暖色系の伸びの良いマリブが爽快な高画質を見せてくれ、この「楽しさ」も説得力抜群。両方を所有して使い分けられるのが理想ですが、どちらかひとつと言われたら「マリブを反射でキャリブレートして使う」という結論でしょうか。今は16:9で135インチまで拡大されたラインナップを揃え、それ以上が欲しい場合は550インチまでオーダーできるHD130(JVCの子安のデモで尋ねた際、マリブとHD130は同一物という認識をしていました)があるので、大抵の要求には応えられます。設置は基本的に平滑性が良好な張り込みを勧めますが、マリブの張り込みは組立型で、搬入に困らないコンパクトさも魅力。私自身のトラブルの経験から、手放しでオススメは出来ませんが、万が一の際の張り替えの予算も用意できる人であれば、マリブは魅力のあるスクリーンです。
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