元住ブレーメン
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高校生時代にベータマックスで映像に目覚め、フォーマット変遷を何世代と経た今、撮影から編集、映写まで4K環境がついに実現しました。ホームシアターのための家も建て、充実した日々を送っております。 コ…

マイルーム

ホームシアター「建築」記
ホームシアター「建築」記
持ち家(戸建) / 専用室 / オーディオ・シアター兼用ルーム / 16畳~ / 防音あり / スクリーン130型以上 / 8ch以上
我が家の(地下室)ホームシアターです。 もともとは賃貸派の私でしたが、好きなときに好きな映画や音楽を好きなだけ好きなように鑑賞するには、持ち家しかないと一念発起。2005年の10月に地上二階、地下一…
所有製品
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日記

驚愕の鳥肌画質「The Revenant」UHD BD

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2016年05月03日


The Revenant <4K UHD Blu-ray>

先日、アコスさんへの返信でUHD BDには「DVDからBDになった時のようなインパクトはない」と書きましたが、謹んで撤回いたします。それはUHD BDの可能性を大いに見せてくれるソフトに出会ったからです。

今年のアカデミー賞で、レオナルド・ディカプリオに念願の主演男優賞をもたらした「The Revenant」は、同時に、監督のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトウに昨年の「バードマン」と二年連続の、撮影監督のエマニュエル・ルベツキには「グラヴィティ」から三年連続の(!)タイトルをもたらしました。ディカプリオをして「ルベツキと仕事がしたかった」と言わしめた、今を時めくルベツキの最新作でもあります。

ルベツキ自身ユニークな人で、映画の絵作りはどれだけ没頭できるかが最優先と述べています。そして、デジタル黎明期に話題になったフィルムグレインについては、ネガティブな要素と切り捨てています。ラティチュードやガンマカーブ、被写界深度や下手をするとジャダーまでフィルムの特性はすべて映画芸術の一部と主張する人が少なくない中、映像は人工的な要素をなるべく排し「映画世界へのクリアな窓であるべき」というルベツキは異端といってもよいでしょう。事実「レヴェナント」では、照明を一切廃止し、自然光だけで撮るという離れ業を成し遂げています。この手法が天候によってどれだけ結果が左右されるかを考えれば、これだけの規模の予算($135M)の映画(ちなみに前作「バードマン」は$22Mの低予算でした)としては非常にリスクが大きく、通常ではほぼ考えられません。しかし敢えてこの手法を取った結果、この映画は文字通り圧倒的な臨場感をモノにしています。俳優のアップのシーンでは、俳優の息遣いでレンズが曇るシーンがあるくらいで、こういう映像は過去にはNGとされてしまっていましたが、この映画では臨場感を高めるものとして採用されています。

機材も特筆すべきもののひとつです。この映画ではフィルムは一切使われていません。プロダクションテスト時にはフィルムカメラも使ったそうですが、テストの結果すべて返してしまったと、監督のイニャリトウは述べています。そうさせたのは、ARRIの最新のデジタルシネマカメラ、ARRI Alexa 65の影響が大きいのでしょう。Alexa 65は、65mmサイズのセンサーを搭載し、6.5Kの解像度で撮影ができる、ARRI社の最新のフラッグシップ製品です。非常に大きなセンサーサイズから、無理なく6.5Kの超高解像度を実現しています。

通常70mmフィルム水平使用の圧倒的な解像度を売り物にするIMAXも、Alexa 65をプロダクションに使用すると宣言したくらい、このカメラは突出した期待感をもって、映画業界に迎えられています。実際「ミッション・インポッシブル ローグ・ネーション」やオリバー・ストーンの「スノーデン」など、大規模な映画製作に次々と採用されています。ルベツキが「レヴェナント」に使用した際には、機材として新しすぎて、通常機材の故障に対してかけられる保険がかけられなかったそうですが、それでもそのリスクを冒す魅力がAlex 65にはあったのでしょう。この映画には他にスーパー35mmサイズのセンサーで3.2K解像度までのAlexa XTやモジュラーのAlexa XT M、センサーサイズはフル35mmとスーパー35mmの中間で、6Kの解像度をもつRED Epic Dragonなどが併用されています。

さて肝心のUHD BDの画質です。我が家での視聴では、プロジェクターのソニーVPL-VW1100ESが4K@24pの4:2:2までには対応していますが、HDRには対応していないので、プレイヤーのパナソニックDMR-UBZ1のダイナミックレンジ変換機能を使用して、SDR相当で観ています。今のところリファレンスの画質にキャリブレーションをするツールが皆無なので、感覚的な設定になってしまうのが何ですが、プレイヤーでの輝度出力はマイナスで抑えダイナミックレンジをオリジナルに近づけつつ、プロジェクターは高輝度・高彩度の設定で観ています。

「レヴェナント」のUHD BDはまず、複数のカメラの差を明確に描き出しています。具体的にどのシーンをどのカメラで撮ったという情報はありませんが、手持ちはモジュラーかREDで、据え置きが65やXTというのが基本と判断してよいでしょう。カメラを据え置きにしたシーンでは、強調感の全くない、自然な超高解像の映像を見ることができます。ストーリーが毛皮製品会社に雇われた猟師が極寒の地でサバイバルをするというものなので、雪原や樹氷そして蒸気など色彩的には地味ながらディティールの多い被写体が多いのですが、これらの詳細を克明に見せてくれます。自然光のみを使用したという撮影からは、自然な写実性の高い映像が見られ、他の映画ではどんなに気を使ったライティングのものでもやはりわかるレフ板感やキャッチライトが全くないことがとても新鮮です。ワイド画角を多用した絵作りも、ディティールの豊富な高精細感を強調するのに一役買っています。ちなみにこの映画を撮影したときにはこのカメラ用のズームレンズが存在せず、すべて単焦点のレンズでまかなったということですが、これもこの超高画質の実現に一役買っているのかもしれません。この北米版のUHD BDのパッケージにはBDも同梱されていますが、色味が随分と異なっています。BDの方が全般的に青みが強く、UHD BDの方が色温度が低めで、結果的により自然にみえます。これが意図的にマスターを変えたのか、それとも実はマスターは同一で、再生系の環境によって異なっているのかは判断を待つことにします。

「Revenant」UHD BDはホームシアターで実現できる画質のひとつの金字塔と言ってよく、4K時代の幕開けを高らかに告げるものとして、当面の間、リファレンスのコンテンツとして使われることでしょう。視聴用のソフトとしてもアカデミーの主要三部門を獲得した名作であり、買って損はありません。私は届いてからまさに没入してしまい、すでに4回通しで観ました。が、まだまだ観たりない感が残っているヘビー級の一作です。手放しでお勧めします。

過去ログは検索しやすいこちらをどうぞ。
http://blog.livedoor.jp/bremenfx1/

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