元住ブレーメン
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高校生時代にベータマックスで映像に目覚め、フォーマット変遷を何世代と経た今、撮影から編集、映写まで4K環境がついに実現しました。ホームシアターのための家も建て、充実した日々を送っております。 コ…

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ホームシアター「建築」記
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持ち家(戸建) / 専用室 / オーディオ・シアター兼用ルーム / 16畳~ / 防音あり / スクリーン130型以上 / 8ch以上
我が家の(地下室)ホームシアターです。 もともとは賃貸派の私でしたが、好きなときに好きな映画や音楽を好きなだけ好きなように鑑賞するには、持ち家しかないと一念発起。2005年の10月に地上二階、地下一…
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日記

4K時代のDLPプロジェクター

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2017年09月17日

私自身が動画解像度の高いDLPの絵が好きということもあり、1月にこのコミュで、DLP素子を使用した4Kプロジェクターが発売されるという記事を書きました。その製品が実際に発売され、自宅視聴にお貸しいただけることになりました。また我が家の現用機のJVC DLA-Z1とは価格が大きく異なりますが、遠慮なく比較してよいとのベンキュージャパンのお言葉で、Z1との比較も含めながら見ていきたいと思います。

お借りしたのは、上位機種でLED光源を採用し、DCI-P3の色域を実現した、HT9050(海外での型番はX12000)の方です。この機種の特徴は、テキサスインスツルメンツのDLP素子とフィリップスのLED光源を使用することで、コストを抑えつつ高いレベルの実力を実現しようとしたモデルということです。会議室用のプロジェクターとしてはすでに十分な実績があるBenQですが、ホームシアター向けとしては新顔と言ってよく、ホームシアター的な実力が気になるところです。そこは6群14枚の投射レンズや、各種の色再現やノイズ低減など特性向上をはかる電気補正技術を投入し、正確なガンマカーブやDCI-P3対応の広色域を実現したとしています。ちなみに下位機種のコンベンショナルなキセノンランプのHT8050はTHX HD Display認証を取得していますが、このHT9050からはTHXロゴは消えています。

一般的な概要やインプレッションは評論家の鴻池氏が執筆しているので、そちらをご参照いただき、ここでは重複は避けたいと思います。

http://www.phileweb.com/review/article/201709/07/2714.html
http://www.phileweb.com/review/article/201707/13/2616.html

ここで鴻池氏がはっきりと書いていない事実を最初に書いておきたいと思いますが、当機はHDCP2.2に対応したHDMI2.0端子を装備(入力1のみ。入力2はHDMI1.4a仕様)しており、UHD-BDからの4K映像信号の入力ができますが、HDR信号には対応していません。つまり解像度は4KながらSDR再生ということになります。こういう仕様は珍しく、現行機だとソニーのVPL-VW1100ESが発売時期の関係で、やはりHDMI2.0端子は搭載しているものの、HDR再生に対応していません。現在市場で販売されている4Kプロジェクターは基本的にHDR再生に対応しているので、残念な部分ではあります。HDR信号を受けられないということは、UHD-BDのBT.2100で規定されている高色域も広ダイナミックレンジも、一旦BD並みのBT.709相当に変換されてから、プロジェクター側で処理されるということで、HT9050の出力系自体はDCI-P3相当と広色域を誇るものの、変換が多すぎて何を期待して良いか分からなくなるというポイントがあります。HT8050がBT.709ベースのTHX HD認証を取れているのに、BT9050が取れていないというのもこの辺が理由かもしれません。

梱包を開けると、HT9050は妥当な大きさと重さ(14.8Kg)で、エアフローも前面吸排気とよく出来ており、後面を塞いだり、前面しか空いていないボックスに入れてしまうような設置も可能です。この重さなら自分一人で天吊り設置も可能でしょう。各社ハイエンドモデルもできればこのくらいの重さで作ってほしいものです。ただし、レンズの投射距離はちょっと長めの印象で、スクリーンまで十分な距離が必要です。レンズのシフト、ズーム、フォーカスは全て本体のダイヤルあるいはリングを回すマニュアル方式。我が家ではディスク15枚で一回くらい再調整しているのと、やはりスクリーンにかぶりつきの位置で見ながら調整がしたいので、これはリモコン方式が欲しかったところ。レンズキャップも手動の着脱式です。

そのリモコンは、機能割り当てのないボタンがいくつかあるOEM汎用品ですが、シンプルながら十分な機能を持っており、自照式で使い心地は悪くありません。端子は側面に全てまとまっており、端子間の距離も十分あって端子が大きくても余裕で差すことができます。

さて設置。我が家はJVCのDLA-Z1を天吊りしているので、その下に脚立をたて、板を渡してそこに据え置き設置しました。

自分のいつもの視聴位置から振り返るとすぐ上にレンズの前玉がある状態です。電源を入れると、立ち上がりの早いLED光源らしくほぼすぐに映像が見られる状態になります。スタートアップ時のBenQロゴが4Kで高品質になるともっと良いかも。まずは2KのBDから。HT9050は時分割とはいえデバイスの総画素数はネイティブ4K相当なので、2Kなど4K以外の信号を入力してもいつもアップコンされてみることになります。2K入力でみる映像は、DLPっぽく鮮やかめですが、基本的に素直で可もなく不可もなしと言ったところ。

OppoのUDP-205で4K/12-bitで入力すると、俄然映像に色艶が出てきます。アップコン性能の高いプレーヤーを持っている場合はプロジェクターとプレーヤーのどちらを使ったら良いか見極めをすると良いでしょう。このDLPプレーヤーはシングルDLPでカラーホイールを使っているので、カラーブレーキングノイズの出方は気になるところですが、私は体質的に見えやすいということもあるのですが、正直かなり気になります。我が家の130インチのスクリーンの視野の中で目を移す時はもちろん、白い字幕にもカラーがランダムに乗って見えます。これは技術的に避けようがないのですが、ホイールの回転速度を今のn倍速にすることで低減できたり、DLP素子をRGBの3つ使う3DLPにすることで完全に解決できるので、私としては3DLPバージョンの登場に期待したいと思います。ちなみに下位機種のHT8050では6倍速のカラーホイールを使用しているということです。

肝心のUHD-BDの画質はどうか。先に書いた通り、このプロジェクターはSDR信号しか受けられません。SDRとHDRがどう違うか下の表に簡単にまとめました。

SDR信号にするだけで随分な情報量が失われてしまうことがわかります。ただし、4K解像度はそのまま保たれます。確かに解像度に関してはTH9050は「ちゃんと4K」という解像感を見せてくれます。時分割の影響はあるのかと念入りに見ましたが、肉眼ではわかりませんでした。でもマニアとしては本当は何が起きているか把握しておきたいもの。というわけで、秒間180コマ撮れるカメラ(パナソニックGH5)で高速撮影して見ました。上がDLA-Z1、下がTH9050です。


色域やダイナミックレンジに関しては、やはりTH9050はSDRしか受けられないということで不利なことは否めません。下の写真は映画「Hidden Figure」のいちシーンで、駐車場を主人公が走る場面ですが、明暗の差が大きい上に、さらにクルマのクロームメッキのパーツの輝きなど、ピークの明るさもある、HDRらしい映像です。さらにこのディスクはマックス輝度4000nitでオーサリングされていて、1000nit付近で制作されている多くのディスクと比べてもピーク輝度の伸びが印象的なコンテンツです。上がDLA-Z1のHDRモードで映した映像、下がTH9050でSDR変換映像をDCI-P3モードで映した映像です。

TH9050は現在シアター専門店中心の展開をしているらしく、価格.comでの価格掲載は販売店はAVACのみで70万円弱という表示になっています。TH8050はさらに10万円安い状況です。市場の競合機種と比べると、同じTIのDLP素子を使い、HDRにも対応しているやはり台湾のOptomaのUHD65は30万円弱。ただしこちらは光源は高圧水銀で、色域はBT.2020の50%とUHD-BDを再生するには物足りない。このあたりの価格帯だと、発売前ですが、唯一リアル4Kパネルのソニーの今年の新製品のVPL-VW245が50万円弱とインパクト大。エプソンは透過型液晶でJVCのe-shift同様の「なんちゃって4K」のパネルを使ったEH-TW8300が30万円弱でHDR対応でDCIの色域対応です。JVCに関しては、そのフラッグシップを使っている自分としても将来的な不安材料ですが、プロジェクターのラインナップは他社と比べて一桁少なく、他社が数が出る会議室用プロジェクターをベースにしてビジネス的なバランスを取っているのに対し、ホームシアター用しか持っていないJVCは苦しい台所事情に思えます。今年の新製品に何が出せるかが判断基準になるでしょうか。UHD-BDの視聴が目的の場合は現行モデルはZ1以外は選びにくいというのが私の印象です。

総じてBenQのプロジェクターとしては、まだUHD-BDは様子見という人がTH8050を検討するというのが良いのかも、と思いましたが、ちょっと値段が高い印象ですね。私としてはぜひ3DLP機を出して、プレーヤーのOppoがここ数年でどんどん良い製品を出し、もはやリファレンスの位置についたような躍進をBenQにも期待したいですね。

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レス一覧

  1. 元住ブレーメンさん、どもです。

    BenQのプロジェクター、中々面白い仕様ですね。
    想定しているターゲットが気になりますね。
    PC接続用途の延長線上の商品?

    3DLPのPJの映像は見た事がないので興味あります。
    フリッカーの心配も不要ですし。
    3DLPでHDR、BT.2020対応してくると面白そうですね。

    ではでは。

    byガッツ at2017-09-18 14:58

  2. 私もDLPの映像が好きで、長年使ってきましたが、
    今は購入候補すらなくテレビになってしまいました。
    いい4K DLPプロジェクタが発売されることを期待しています。

    byHermitage at2017-09-18 16:02

  3. ガッツさん、私もネイティブ4Kの3DLPプロジェクターを見てみたいです。HD時代にはマランツとかありましたよね。ただ時分割方式よりはネイティブでお願いしたいです。クリスティが家庭用を考えてくれると良いのかもしれません。

    Hermitageさん、画面の大きさによってはプロジェクターとフラットパネルが天秤にかかる状況があるかもですね。

    by元住ブレーメン at2017-09-18 23:17

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