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Linn Accurate DSとFidelix Caprice

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2012年04月18日

前回予告したDACチップWM8741導入の経緯と比較について書きたいと思います。

■Fidelix Capriceについて

私はFidelix Capriceを比較的初期に購入しておりまして、長い間使用してきました。Capriceは最新のES9018搭載機であったこと、各部の構成もディスクリートオペアンプやオリジナルレギュレータ、周波数精度ではなく低ジッタに特化したクロック内蔵、などと構成を見る限りほとんどこれ以上改善するような隙もなく価格も現実的でしたからすぐに購入を決定しました。

実際にCapriceの音はそれまでのDA10より明らかにクオリティについて優れていましたから概ね不満はない状態でした。概ねといいますのはCaprice唯一の問題点として、内蔵のプリ出力部とヘッドフォン出力部が貧弱なことです。しかしこれについては外部に自作のヘッドフォン兼プリアンプを構築することで十分補うことが出来ましたから問題はありませんでした。

実際ここから先の機材はなかなか求める機能と性能が揃っていなかったり大変高価なこともあって、DAC部についてだけならばCapriceは私にとって最終到達地かなと思っていたのです。

■Linn Accurate DS (WM8741)との出会い

DACチップであるWM8741を意識するきっかけとなったのはLinn Accurate DSです。ちょうどCapriceとDAC部以外ほぼ同条件にて比較する機会がありまして、音の違いをよく比較することが出来ました。

それは個人的にかなりの衝撃でした。おそらく美音系になるのでしょうが、それでありつつ分離や質感を犠牲にしない、十分に高精度であることを感じさせる音です。特に分離や奥行きはいままで聞いたどんな音よりも良く(良すぎて実際よりも強調されているのではという気もします。どうやってそのようなことをやっているのかは不明ですが、そのように聴かせてしまう)、Capriceがそれまでの最高と思っていた私の現実を超える、ありえない音でした。

AccurateDSは古いソースを聞いても、飛び交う砂粒がソースの粗をキレイに見せて(隠して)くれます。しかし新しい録音であってもそれが邪魔にならない、はっきり見通せるのでむしろ心地良い音です。この両立は非常に難しいことだろうとすぐに思いました。音について簡潔に表現をするならば、非常に細かい粒子、砂粒が目の前に飛び込んでくるような音です。それでいて平面的ではなく立体的であり、広く奥まで見通せるわけです。

これはまさに芸術的なバランス、仕上がりに感じられました。「これがハイエンドブランドの実力か」と痛感した瞬間です。この上にKrimaxDSがあるわけですからとんでもないです。自分自身の知見の狭さを思い知ります。

■よくある美音機材のイメージ

それまで美音といえば国産の大手でよくあるキラキラ、もっさりという先入観がありました。厚化粧、味付け過剰でパッと聞きはよいのですが、実際には見通しが悪くいかにもオーディオ的なこってりサウンドというイメージで、決して高性能な音とは両立しないのが大まかなイメージです。

その時実際に同様の環境で某国産大手機材も比較しましたが、美音と言うにはキラキラ成分の粒が大きすぎる(比較してしまうと砂ではなく砂利)、すべての音にその成分がまとわりついてくる等、仕上げの大雑把さが目立ち比較ができるレベルにはありませんでした。

すごく悪く書いてしまいましたが比較さえしなければそれなりの仕上げなのだと思います。でも上を知ってしまったのでとても下品に感じられついつい厳しくなってしまいます。

■Capriceはソースの粗探しになる

Capriceは基本的には良くも悪くも優等生で忠実、ソースの粗もそのまま聞かせてくるキャラです。Fidelixのディスクリートオペアンプは高忠実というキャラではありませんが、ES9018の特性でしょうか、AccurateDSと比較したら非常に主張は控えめで薄味です。

おそらく性能だけならばCapriceのほうが優れているはずです。StereophileでKrimax DSの測定値を見ても優秀ではありますがTHDなどは飛び抜けて優れているわけではないからです。ですからこれは測定値以外の何らかの要素が絡んでいるとしか思えません。(オペアンプの比較の記事で書いたように、測定とは関係ない音の個性が存在する。原因は謎)

正直高品質の録音だけを聞くならばCapriceでも問題はないかもしれません。しかし実際には音源にはそうでないものも多く存在します。古いソースだったり、エンジニアの実力不足や録音編集現場の予算不足等による、高音質とはいえないような仕上がりの音源です。

Capriceではそのような音源に一定の説得力と音楽性をもたせ、上手に聞かせてくれるようなことは基本的にないわけです。これでは音楽を楽しむと言うよりもソースの粗探しになってしまいます。制作側としてはそういうのも悪くはありませんが、多くの音楽を別け隔てなく楽しめるのは明らかにAccurateDSなわけです。これは趣味としてのオーディオ機器に求められる資質だと思いました。

■おわりに

長くなりましたが、WM8741に惹かれたのはLinn DSが採用しているという点が発端です。Webページの紹介をみているとノウハウと技術レベルの差がありすぎますし同じようなものは絶対に作れそうにない(オリジナルフィルタや8層基板設計等)ですが、測定ではない何かがある、その好奇心が自分自身をDAC制作へと向かわせました。

次回は自作DACについてもう少し踏み込んであれこれ書ければと思います。

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レス一覧

  1. yohineさん、はじめまして。
    >LStereophileでKrimax DSの測定値を見ても優秀ではありますがTHDなどは飛び抜けて優れているわけではないからです

    けれど、そこじゃないかと思うのです。
    マークレビンソンにしても矩形波応答をみるとけっして「ベスト」というわけではない。けれど、肩の丸め方が国産の波形と違うように思います。
    防衛産業級の質を追求しながら、コンデンサ一本をアッテネータの後ろにポンとおいて「音づくり」してしまう。
    ああいう「領域」に回答があるのではないかと今のところ思っています。

    bysiro at2012-04-19 12:43

  2. siroさん。
    こちらこそはじめまして。コメントありがとうございます。

    おっしゃること参考になります。極限まで特性を追求しつつもあえて音のためにセオリー外の「何か」をすることで音の個性を作り出す。というのはまさにノウハウだと思いますし、測定追求では全く予想不可能な結果になりますね。

    耳の世界では高特性=高音質とは限らないのは大変面白いところだと思います。Linnもあえてスイッチング電源を使用していたりするので、そのあたりにも味付けのポイントがあったりするのかもしれませんね。

    私自身もまだまだ試行錯誤続けてみたいなと思っております。

    byyohine at2012-04-19 17:49

  3.  yohineさん、こんばんは。

     yohineさんはDACで、私は真空管アンプと興味対象は違うのですが、記事の内容が、まさに今、私が好奇心にかられているとっかかりのところと同様かなとおもったのでコメントさせていただきました。

    >>極限まで特性を追求
     だけだと、当然、「ソースの粗もそのまま聞かせてくるキャラ」になってしまう。それはとても「正しい」ことだと思います。
     測定器の類やある種の用途にとっては必要かつ最重要なことだと思いますが、オーディオ機器としては、yohineさんがおっしゃるとおり「古いソースを聞いても、飛び交う砂粒がソースの粗をキレイに見せて(隠して)くれます。しかし新しい録音であってもそれが邪魔にならない、はっきり見通せるのでむしろ心地良い音です」
    という懐の奥行きもなくてはならないのではないかと思います。

    >>しつつもあえて音のためにセオリー外の「何か」をする
     コストに応じた、その時々のデバイスを組み合わせて、セオリー通りの特性をたたき出すということは、あるレベルのメーカーなら国籍問わず、大手、中小関係なく可能なのだろうと思います。

     ただ、それはオーディオ機器においては、たたき台を作っただけで、その先がないと、完成したオーディオ用途の製品にならない。逆に、その先へ行こうとすると、徹底した「測定追求」をした、たたき台の完成度の高さは必要条件だとおもいます。おそらく、しっかりした、土台がないと「「何か」をする」自由度が制限されてしまう。

     ただ、「自由」の扱いは国内メーカー、ユーザー含めて「日本人」には難しいところがあるかもしれないとも思います。原音が自分のウチにあるのかソトにあるのか。高い、低い、良い、悪いといった「稚拙」な二項対立軸をどう扱いのけるのかetc。海外メーカーは「ブランド」という手(笑)でその辺りを「日本人」向けに処理可能ですが、国内メーカーだと、たとえ「etc」をクリアしても理想と現実のジレンマに嵌まるところではないか。

    >>スイッチング電源
     yohineさんのお話の筋とはズレるのですが、以前、フィデリックスさんのサイトに真空管アンプ用のスイッチング電源(セリニティー電源)を開発中という記事が載り、問い合わせたのですが、安全性の検証にお金が掛かるので中断中という旨のお返事を頂いて残念に思ったことがあります。別に、それで音が「良くなる」ことや「高音質」になったりするわけでないのですが、手段は多い方が「良い」(笑)。

     私も試行錯誤を続けてみたいなと思います。

     それでは。

    bysiro at2012-04-19 20:56

  4. siroさん。こんにちは。

    大変参考になります。確かに非常におっしゃること近い感じがいたします。

    80年代ごろのことはあまり詳しくないのですが、国内のメーカーが特性追求をし続け、当時既に技術的には行き着いたように思われたはずが、現在ではほとんどが特性を追求していないように見えるのも、そのような他の価値観に切り替えた結果なのかもしれないですね。

    裏付けとして確かな技術があれば、セオリーを崩すことはむしろ意味を持つ、というのは音楽制作では全く同様に当てはまる点は多いです。理論的に完璧な音符はオーディオと同様に面白みはないですし、定石を使いこなせた上であえて不協和音等、理論的に「不可」とされる表現を取り入れることで微細な表現の幅はむしろ増します。それが強い魅力をもつことなどは実際によくある話です。

    当然ながら一線を越えたプロ音楽家であれば自前のセオリーの崩し方を持っていることは一般的な話です(=個性となる)。実は音符を崩すといっても本当の基礎は崩していません。むしろより高度な技術の結果であり、求められたイメージを表現するために「必然性をもって崩す」ことが多いです。それは深く掘り下げていくと実は既存のセオリーと関連を持っています。

    そこに必然性があるためその音は意図が明確であり感覚的にも自然で、その外した音を訓練されていない普通の人が聞いても全く気づかない領域で深層心理に訴えかけられます。流しで聞くと気づきにくいですが単発で聞いたらあり得ない流れだったり音というのは普通にあることです。おそらくオーディオでも同様ではないでしょうか。(ジャンル違いの話ですが何らかの参考になればと思います)

    大手メーカーが測定値を重視していないことを=技術力がないと勘違いしてしまうことは、一部ので見られるような気がしますが、大変危険なことかもしれないですね。そもそも求めている結果が違うということに気付けないと、実際の音に対して盲目(測定が悪いから音も悪いという思い込み)になってしまうかもしれません。これは私も気をつけていきた思います。

    上の話からまとめますと、自由の行き先は表現したいイメージがどれほど明確か、というところにある気がします。そのような基準が全くない状態ではただ崩してもそれは意図が込められていない無意味な音という結果を招いてしまう筈です。逆にイメージが明確であればそれを表現する手段を増やしていけば良いことになりますから試行錯誤によっていつかは結果が出そうな気がいたします。

    日本でそういった自由の行き先がはっきりしないのは個性を殺し社会に従属することをよしとする日本社会そのものに原因がある気もしますね。そういった信念、メッセージというものは自己表現そのものですからそれを禁じられた社会、会社ではそれが表に出てくるわけもありません。結果として無難なものになってしまいそうです。

    お話やや外れてしまったかもしれませんが、siroさんのコメント大変興味をもって読ませて頂きました。ありがとうございます。

    byyohine at2012-04-20 14:47

  5.  yohineさん、おはようございます。

     話がまとまらなくて申し訳ないのですが、思いつくところを述べます。

    >>80年代ごろ
     不勉強故、D/A絡みでいえば、80年代から今に至るまであまり変わったように思えないところです。
     85年ころのLHH2000では4倍オーバーサンプリング、14bitDAC/TDA1540,NE5534,コンデンサ結合、平衡出力トランス(NFB巻付き)という、方向において現在も、一部?にもとめられつづけられる原型のような製品がありました。また、87年にはフルエンシーフィルタが出現し、合わせて、折り返しノイズを発生させることにより音楽信号の高域相関の超音波ノイズを付加させることもやっていました。

     93年か5年頃のラジオ技術誌だったと思うのですが、ソニーの金井(かないまる)氏が座談会で電源、ジッターなどについて語っていた記事がありましたが、そのときに、他社(失念、あとで調べてみます)の方から、「D/Aの技術がそこまでいったのはともかく、けれど、そもそも、A/Dで16bitの精度なんざないっしょ?」という主旨の、ディペートなら必勝(笑)の一撃を食らわせたのは印象に残っています。もちろん、だからデジタルはダメなんだ、よってCDもだめなんだというマヌケな話ではすまず、結局、我々が扱えるメディアはアナログだろうがデジタルだろうが全部圧縮メディアに過ぎないという基本に立ち返る、メディアという概念に対する根源的な問いかけだなと感心したものです。

    >>測定が悪いから
     会社、学校関連で研究所の施設を私用で使用できるのであればある意味楽にも(もっと困難にも)なるでしょうが、私なんぞが自宅でできる測定というはかなり厳しいレベルになってしまいます。

     ご存じかもしれませんが、MJの09年3月号に執筆者達がの測定環境や測定器具が特集されていましたが、毎号、真空管の特性調査をされている黒川達夫氏曰く

     「低歪み領域になると環境由来の雑音が無視できない、インバーター照明やコンピューター電源などパルス・高周波を含む雑音を出す機器や、光量が変化する蛍光灯は電源を落とす。また測定機器群はノイズカット・トランスから供給、AC100Vの電圧変動も結構大きな影響を与えるので測定開始時点で必ず測定している。」

     私の経験ですと、加えて、電源のインピーダンスつまり柱上トランスから引き込みまでの距離、ガス給湯器をつかっている場合、そこからの高周波ノイズ、エレベーター動力および制御機器(リレーやインバーターの塊)の発生するノイズなど頭の痛いところです。なにを測定しているのかわからない(笑)。真空管アンプの歪み特性カーブでも小出力で上昇、つまり悪化している場合、このあたりが疑わしい。

     測定とは相対的なもので絶対的なものではないということ。ですので、ある意味楽なんですが、それでも比較可能なデータにするにはかなり困難が伴うと感じています。

     測定とは直接関係ないのですが、先にマークレビンソンの話を例にだしたのですが、No.326Sのオペアンプの使い方は、実装のすばらしさは言うに及ばず、材質面も申し分ないにもかかわらず、高域はあっさり1.2MHzのローパスフィルタで切ってしまっているとのこと。10倍の法則と自分ではおもっているのですが、20kHzの帯域を使うのなら200kHzの帯域が必要で、100kHzの帯域を使うのなら1MHzの帯域が必要。とすると、1.2MHzというは妥当な切り方でもあるのですが、逆に考えると、1.2MHzで切り捨てるための部品としてOPA627をあれだけコストをかけて実装しなくてはならないという当たりは、もう測定面からすると、測ることは確認だけといいますか、そこからなにかを読み取るには、データから直にはおそらく読めない。「すばらしい特性です」とはいえないでしょう。けれど、それだけやって、やっとOPA627は音が出て音作りが可能になるのだろうと、かのアンプの設計者に教育(説教?)されているようなもので、つまり、測定およびデータに依拠することはできないが、見ること、そして読むこと、そこが重要なのだろうと常々思っています。まぁ、本でも映画でも音楽でも回路でも「読む」ということはめんどくさく手間がかかるのですが、惹かれるところでもあります。

     以上、yohineさんのコメントに十全に応えていませんが、取り急ぎ思ったことを述べさせて頂きました。
     このようなやりとりをする機会をいただいたことを感謝いたします。

    bysiro at2012-04-21 06:50

  6. siroさん。こんばんは。

    過去の貴重なお話ありがとうございます。私も書きたいことを書いているだけのところもありますので、全てにお応えいただかなくとも全然問題ありません。こちらも書けることを書きますね。

    ■DAとADについて
    ダイナミックレンジやSNのスペックが大幅に向上した現在でも24bitフルを使い切るのは無理と思っています。32bitDAC等が出てきていますが、半導体とメディアのスペックは当時よりも向上したものの結局このあたりは当時の16bit議論と全く同じかもしれませんね。

    ちなみに現在の技術水準であれば、各種データを見る限り24bitの意義はあるように思われます。英語文献で申し訳ないですがこちらに参考資料があります。
    http://www.stereophile.com/content/case-jitters
    下の方のFig.3にて16bitの限界を上回るデータがとれていますので、ある条件下では「24bitの意義のあるデータを取ることが可能」という認識で問題ないかと思います。32bitに関しては私もほとんど気分の差ではないかと思っていますw

    ■測定について
    私は同一環境同一測定機器であれば目安としては使えるかなという程度に割り切っています。極限のローノイズを狙うとおっしゃるように大変なことになってしまうので、そのような細部まではもちろん神経は使っておりませんw。(オペアンプのように非常に大きなゲインがあればゲインを利用してノイズから逃げるという方法もありますけれども他で使える方法ではないですね)

    ですから、私も先日色々と測定データをUPしたばかりではありますが、あくまで参考程度と位置づけています。制作の上でやっぱり何も測定しないと自分の外に基準がありませんので、正しいかはともかく測定値があるとないのでは目標を見据える上で大違いかなと思いつつ、半分は自分のための計測データを公開した次第です。

    ■マークレビンソンについて
    実機の詳細データがネット検索ではなかなか発見できなかったのでOPA627をはたしてどのような使用方法で使用しているのかわからなかったのですが、測定限界以上の何かをすることで測定では決して測れないが結果として音に違いはちゃんと出るという認識でよいのでしょうか。

    ■読むことについて
    なんでも「読む」ことが大事というのは同意ですね。音楽においても耳による採譜は基礎力向上に欠かせません。回路についてはまだレベルが低いので既存のノウハウなどを参考にしています。これからもまだまだ勉強が必要とおもってます。

    ■制作現場での24bitの意義について
    これについては長くなるのでDACの前に一度別項目として次回更新したいとおもいます。

    byyohine at2012-04-21 23:49

  7.  おはようございます、yohineさん。

    ■DAとADについて
     ※対話者名は思い出せていないのですが、所属は当時の日本プレシジョン・サーキッツ(現セイコーNPC)でサンプルレートコンバータ、DAコンバータを設計されている方だったと思います。

     この問いかけは、「できる/できない」にとどまらず、
     ・16bitをどのような状況下であってもADできるのであれば問題はないのか?
     ・そもそも16bit幅で十分なのか?
     ・16bitで不十分であれば96kHz/24bitでなら問題がないのか?
     ・96kHz/24bitですら不十分であれば32bitで解決するのか?
     ・そもそも問題に対する解決手法の方向性があっているのか?

     分岐して、たとえば
     ・アナログなら解決するのか?
     ・十分とはなにか?

     結局、信号をメディアを介して記録再生するにあたり根源的な問いかけが内包されていると思います。
     
     このタイプのやり取りそのものはこれからもyohineさんが「当時の16bit議論と全く同じ」おっしゃるように連綿と続くようにおもいます。どこかで底を自分の中で決めないとダメでしょう。また、この問題は運用、実用面において「■制作現場での24bitの意義について」に絡んでくるのかな?などと憶測しています。

    ■測定について
     すいません。yohineさんの、他の日記を読んでいないもので、そこは申し訳ありませんが措かせていただくとして、測定に絡んで「自分の測定」について述べさせていただいたのですが、真空管回路の電力増幅段の場合、定電圧安定化電源はまず使わない(使えない)、300V以上に昇圧して使うので、100Vで1Vゆらいでも3Vゆらぎ、これがバイアスポイント、Ep-Ip特性ラインに深い関わりを持つSG電圧含めて大きな影響を与える、という問題があります。それ故、測定時の電灯線電圧の把握は重要になります。以上、今更ですが補足させてください。
     ノイズ面では、別段、「極限」な信号を扱うのではなくても、最低限ノイズカット・トランスを測定器の電源だけにいれておくのは必要だろうと私はおもいます。また扱う信号インピーダンスにもよりますが、最低限、黒川氏同様、家庭内(できれば外も)のインバーターには配慮しておきたい。
     ただ、おっしゃられるようにメモ的な「自分のための計測データ」であれば、他人が見る客観性はなくても良いでしょうから、つないで採りました、で構わないとおもいます。短時間における複数の取得データの癖は自分で把握しやすいですから。私もやります。

    ■マークレビンソンについて
     事例は、マークレビンソンでなくてもよいのですが、対象を評価するにあたり、対象を評価しているつもりが、周辺を評価している可能性を常に念頭においておく必要がある、ということでしょうか。と、同時に、No.326Sの基板をみて、必要な性能を出すという抽象的な物言いとは過剰性が正当性に変わることなのだろうなとこれまた抽象的なのですが、そんな風に思ったのです。これも「ああいう「領域」」なのだろうと。

    ■読むことについて
     私は全面的にレベルが低いので何事も大変に思ってしまうのですが、これが勉強でもあり遊び=趣味性なのかなともおもいます。それでメシを喰っているわけではないので気楽なのですが、yohineさんはプロないしプロを目指されているということでしょうか。

    ■制作現場での24bitの意義について
     デジタル方面は、ディスクメディアが滅ぶ(現在のLP程度)まで無関係でいこうとおもっていたのですが、これを縁に、いろいろ学ばせていただこうと思います。よろしくお願いします。

    bysiro at2012-04-22 09:52

  8. siroさん。こんにちは。
    大分長くなって来ました。ついつい筆が進んでしまいますね。

    ■DAとADについて
    実際の限界は市場ごとのユーザーニーズで決まりそうな気はしますね。どこが限界かって線引きは色々な側面から可能と思いますし、当然各人で解釈も違うと思うので、「ここ」という絶対の線引きはどこにもないかと思います。(条件が揃えばどこにでも均衡点は発生しうる)

    個人的には24/96でも十分なスペックと感じてます。実際リスニングであれば良い16/44.1音源と悪い24/96音源では前者のほうが良いということも多いですから、ほとんどの人にとっては24/96は不要で音源媒体としてはCDで十分なスペックといえそうです。結果を見れば大衆がそう判断したからこそ、一般人にはCD以降の媒体は普及していない(ipod等もCD音質が基準)ということではないかと。

    このあと詳しく書きますが録音現場では16bitに比べ24bitのメリットは大いにあるのですが、32/192などはAD/DA時に必要なスペックではなくて、あくまでデジタル編集の内部演算で劣化を防ぐ意味合いかと思います。デジタル編集時は何度も演算しますから、CDに収めるための音源だとしても、編集中での演算精度はCDよりもはるかに高いほうが良いです。同様にDACチップが32bitで受けるのもDSPを介して何らかの演算をした場合には若干の意味があるかもしれませんね。

    ピュアオーディオでは実際の性能よりも192kHz、32bitという謳い文句が心理効果により音をよく聞かせているというのが実際のところかもしれませんね。技術者という視点ではなかなか見えてこないかもしれませんが、ユーザーがそういう宣伝にお金を払うならば、メーカーはそれに従います。これはビジネスによる結果ではないかと思います。もしユーザーが48bit/768kHzとかに今後もお金を払うなら、一般人がipodのままでもピュアオーディオだけでそういうスペックが主流となる時代が来るかもしれませんね。

    ■測定について
    真空管は全く詳しくないので、なんとなくで読ませていただいています。300Vもの高電圧ではデバイスの選択もかなり制約があるでしょうし、安定化電源のための機構自体が難しい気もします。そうなると外乱により敏感になっていくというのはありえそうです。かなり敏感で繊細な世界なのですね。その分やりがいもありそうですが。

    参考までに私の測定はこちらにあります。測定の条件等も記載済みです。以下のデータはノイズの嵐であるPCにて測定していますから、ちょっとやそっとの対策では全く測定値には変化がないです。調べたこともありますがPCを対策するには途方もない労力が必要です。当面はそこまでの性能は必要ないと思っていますが、ここから上を目指すなら根本的な部分から見なおさないと無理そうではあります。

    http://movieplanet.dyndns.org/~Innocent_Key/data/yohine/opamp/opamp_measurement.html

    ■マークレビンソンについて
    なるほど、ああいう「領域」ですね。商業的な理由もあるかもしれませんが、実際に全く差のないものを高く売ることをユーザーが認めることもないと思うので、実際に高く評価されてきたブランドということはそれなりに音の差もあるのだと思います。大抵何をやっても変わるというのはまさにオーディオの面白さですね。

    ■読むことについて
    趣味ですと自分だけで基準を決めれば良いですから大分気楽かなと思いますね。いまだとすごく痛感する部分あります。

    音楽については以前プロを志望していました。レベルで言ったら下層かと思います。現状なんとか生きていけないこともないかもしれませんが、実際に求められるスピードと質に答えるには非常に苦しいレベルと言わざるを得ません。とにかく過酷な世界で厳しいです。

    でもそういう経験があるからこそ上層部がどれくらいのレベルなのか、というのは何となく分かるところもありますね。20代のころ5年ほど師事していたことがあるので私の考え方には師の受け売りも含まれています。ノウハウは他の分野でも共通していることが多いと最近実感しています。

    ■制作現場での24bitの意義について
    原稿を用意していますのでもうしばらくお待ちください。わかる範囲のことを書かせていただきたいと思います。
    こちらこそよろしくお願い致します。

    byyohine at2012-04-22 15:28

  9. yoshineさん

    初めまして、minormeetingと申します。
    毎回素晴らしい記事ありがとうございます。
    書かれている内容にも共感を覚えることが多いのですが、レポートされている内容の量と質に驚いています。オペアンプの特性チェックなどは、まさに私が知りたかった情報ですし、市販されている雑誌よりも有意義な情報がつまっています。
    ぜひこれからも良い記事をお願いします。

    Capriceは、プリとして使用したときには相当レベルダウンしますよね。特に外部からラインで入力した場合と、DACとして利用した場合で質が違いすぎます。また、ヘッドホン出力も造りからして簡易的ですよね。ただし、DACとしての性能は非常に高く、また、私は全くつまらない音とも思いません。DACはあれくらい生真面目であって欲しいというのが私の感想です。

    AccurateDSの音は聞いたことがないので、どこからで聴いてみるようにしたいです。自作のDACについても音質等、自画自賛でまったく結構ですので、ぜひよろしくお願いします。

    byminormeeting at2012-04-24 19:17

  10. minormeetingさん。はじめまして。

    オペアンプの記事参考になったようでよかったです。そのように言っていただけると大変ありがたいです。

    Capriceについては(上にも書きましたけど)大体同様の意見です。プリ部とHPA部の弱さはそういう設計思想なのでしょうけど、他の部分の拘りに比べてどうしても見劣りする部分ですね。良いプリ等をもっていないと本当の実力は見えにくい機材ですし世間では正当に評価されていない可能性もありそうだなと思います。

    私の記事では結構Capriceにつらく書いているのですが、実際のところLinnは高くて手が出ませんし、Capriceは気に入っている部分がありますから手放す気はないです。

    自作のDACについては次回の記事で詳しく書きたいと思っているのですが、ちょっとだけ音について書きますと、capriceと比べて応答速度の早さ、ワイドレンジ感が特徴だと思います。高域はCapriceと比べるとほんの少し色があるかもしれません。色気はWM8741が、速度とワイドレンジ感は自作オペアンプとレギュレータの特性による個性だと思います。HPAと一体型なので個人的には非常に便利です。

    次回は実際に音で比較できる資料を用意してみたいと思っています。こういう試みもオーディオ界隈ではほぼ見られないと思うので、ぜひやってみたいですね。生で聞くより違いは大きくないですが、純粋なDACとしての音の傾向は少しだけわかるかなと思います。

    こちらこそこれからもよろしくお願いいたします。

    byyohine at2012-04-24 21:46

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