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部屋が変わっています(2013/11/20更新)
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制作サイドから見た24bitの意義

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2012年04月22日

コメント欄にてビットレートの意義についての話題が出ましたので、先にビットレートの必要性についての話を記載したいと思います。

個人的には24bitの意義は制作現場でのニーズが大きいとおもっています。アナログで録音、編集するならばこのような問題は起きませんが、デジタルでの編集環境においてADの24bit化は重要だと思います。その理由をこれから書いていきます。

一つの例えとして、ある単一楽器をレコーディングでAD変換してからダイナミクス処理をする際に、16bit(65536段階)から処理するのと24bit(16777216段階)から処理するのでは数値上は大きな差があります。

そもそも整数16bitは領域が狭く、0dBフルの波形であれば65536段階で表現できますが、-6dBするたびに情報量が半分になってしまいます。レコーディングの生データは音割れを防ぐために通常やや低めの音量で録音しますから、-20-40dBのあたりに波形が存在することも珍しくはないです。これが-60dBですとわずか64段階(65536の1/1024)で表現することになってしまいます。音量が下がると16bitでは弱音の表現力がとたんに失われていくわけです。

-24dB 4096段階
-30dB 2048段階
-36dB 1024段階
-42dB 512段階
-48dB 256段階
-54dB 128段階
-60dB 64段階
-66dB 32段階
-72dB 16段階
-78dB 8段階
-84dB 4段階
-90dB 2段階
-96dB 1段階

上のように16bit=96dBです。0dBからみてこれ以下の信号は表現できません。そして16bitでは非常に低いレベルの波形は荒い階段状の情報しか持てないということです。あとからの増幅が大きいほど階段が目立ちやすいということになります。

録音データが16bitでなおかつ音量レベルが低かった場合、あとから音量を上げるとこれがそのまま粗となって出てきます。実際の編集段階では32bit浮動小数点による演算等、16bitよりもかなり高いビットレートで処理をしますが、この段階で情報量が元に戻ることはないです。しかも楽曲は必ずしも単一楽器のみで成立するわけではないので、全パートで編集作業をするとトータルで劣化が積み重なり最終的に無視できない結果となります。デジタル編集では各楽器について音量をコンプ処理(圧縮)しながら編集、Mix処理をするので大抵は何度も演算をします。

録音の元データが16bit(65536段階)では、入れるべき器のCDが16bitであったとしても十分とはいえないのはこのような理由からです。これが24bit素材であれば同じ音量でも256倍の情報量がありますから十分余裕があります。24bitならば-48dBの音量で16bitの0dBと同じ情報量を持ってるわけです。これなら録音レベルが多少低くても、編集で劣化が目立ちにくいですし、16bitの器に入れる際に粗は殆ど見えません。

CDのマスタリングで音量を0dB付近にリミッター処理をする意味合いとして、耳の等ラウドネス曲線による聴感上のトリック(音が大きいとワイドレンジに聞こえる耳自体の特性)を利用するというのが一般的なメリットですが、16bitでの情報量を維持するためにやっているという解釈もできるかなとおもっています。もちろんやり過ぎは抑揚を奪うので良くないですが。

以上はデジタルでの編集のお話です。アナログであればこのようなデジタル劣化は起きませんから、ProToolsの登場によってほぼデジタルで処理するようになるより以前は、フルアナログでレコーディングからミキシング、エフェクト処理、マスタリングまで行なって、最後にADで16bitに変換していたほうが良い結果だったのではと推測します。アナログ特有の劣化があったとしても、良い機材を使用することで無駄に情報量が失われることもなかったのではと思います。

ちなみにフルデジタル編集ではアナログ特有の劣化(引き回すたびにノイズが入る、機材を通すたびに音が変化/劣化する、録音するたびに音が変わる)が起きないですから、デジタルが主流となった以降は全てデジタル領域で編集することが利便性も高く予算も低く抑えられますから、かなり増えたように思われます。しかし現在はデジタルのみで制作してしまう問題点も指摘され、デジタルとアナログの融合、両者のいいとこ取りをしようというのが制作現場では起きているように思われます。デジタルの利点は確保しつつも、必要なシーンではアナログをうまく使って狙った色付けを行ったり、ということです。

■実際のサンプル

44.1kHz24bitWav > Caprice > RME9632Analogで録音

このような接続で、24bitと16bitを録音し、それぞれ同様のエフェクト処理(WAVES CLA-76 > L3-16によるマキシマイズ)をした16bitWavファイルを次に置きます。単一素材のみでの試験なので僅かしか違いはないですが、実際に違いを比較してみてください。

http://movieplanet.dyndns.org/~Innocent_Key/data/yohine/test/test24.wav
http://movieplanet.dyndns.org/~Innocent_Key/data/yohine/test/test16.wav

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  1. yohine さん初めまして。

    bitレートについて、詳しくご説明いただき、大変感謝しております。今まで概念でしかなかった、レートの違いを、技術的に詳しくご説明いただき、やっと十分に理解が出来ました。

    これを逆読みすると、ビットレートを上げれば上げるほど、弱音部での情報量が増えるので、より豊かな音が聞けると言うことですよね。データの量が際限もなく増えるので、多分経済効率も考えて、何処か適切なビットレートがあると思うのですが、個人差の大きい人の感性を含めて、どの程度のビットレートが適切なのでしょうか。

    サンプリング周波数も、上げれば確かに良くはなりまうが、データの量が半端ではないので、いくらHDDがあっても足りない状態です。これも何処かで切らないと、技術だけが暴走してしまう様な気がします。

    by山田野案山子 at2012-04-23 09:09

  2. 山田野案山子さん。はじめまして。
    記事がお役に立ったようで何よりです。

    実は先日の記事のコメント欄にちょうどご質問の回答になりそうな内容を書きましたのでこちらで引用します。どこかで切らないときりがないだろうというのはすごく同意です。

    リスニングで24bitが必要とされるのはダイナミックレンジの非常に大きな音源だけだと思います。オーケストラ、映画音楽&映画音響あたりかなとおもいます。映画は既にDVDで24bitが普及しているので、これはすごく合理的な結果になってますね。オーケストラもそういうニーズがあっても良いのですがSACDあたりが現実的でしょうか。

    -------以下引用

    実際の限界は市場ごとのユーザーニーズで決まりそうな気はしますね。どこが限界かって線引きは色々な側面から可能と思いますし、当然各人で解釈も違うと思うので、「ここ」という絶対の線引きはどこにもないかと思います。(条件が揃えばどこにでも均衡点は発生しうる)

    個人的には24/96でも十分なスペックと感じてます。実際リスニングであれば良い16/44.1音源と悪い24/96音源では前者のほうが良いということも多いですから、ほとんどの人にとっては24/96は不要で音源媒体としてはCDで十分なスペックといえそうです。結果を見れば大衆がそう判断したからこそ、一般人にはCD以降の媒体は普及していない(ipod等もCD音質が基準)ということではないかと。

    ピュアオーディオでは実際の性能よりも192kHz、32bitという謳い文句が心理効果により音をよく聞かせているというのが実際のところかもしれませんね。技術者という視点ではなかなか見えてこないかもしれませんが、ユーザーがそういう宣伝にお金を払うならば、メーカーはそれに従います。これはビジネスによる結果ではないかと思います。もしユーザーが48bit/768kHzとかに今後もお金を払うなら、一般人がipodのままでもピュアオーディオだけでそういうスペックが主流となる時代が来るかもしれませんね。

    byyohine at2012-04-23 12:06

  3. yohine さん、初めまして。

    非常に興味深い内容で参考になりました。
    世間ではハイレゾ音源はそれだけでCDよりも良いと言われてる(ような気がします)が、
    私はCD/SACDの方が好みの場合が多いと感じています。

    音源としてはビットレート、サンプリングレートが高ければ高いほど情報量が多く優れてるのだと思いますが、
    人が聴く時点では数値ほどの音質差はなく、
    それよりも再生装置の品質差の方が音に影響を与えるように感じています。


    下記はオーディオの世界では当たり前のように言われていますが、なかなか実感出来ないでいます。
    もしよければ、普段私が疑問に思っていることも日記ネタにして頂けると幸いです。

    ・ほんとにアナログはCDよりも音が良いの?

    ・CDをHDDにリッピングしたら音が良くなるの?


    勝手ながらお気に入り登録させて頂きました。
    今後ともよろしくお願いします。

    byちょびの飼い主 at2012-04-24 07:12

  4. ちょびの飼い主さん。はじめまして。

    コメントありがとうございます。ハイレゾは情報量が多いといっても、やはり理論値でしかないので実装が悪ければ違いは隠れてしまうでしょうし、私も全く同様に機材ごとの音の差と比べてハイレゾにしただけではそこまで大きい違いはないと感じています。

    オーディオは小さい変化の積み重ねが大事と思っていますので、何をやっても変わってしまう中から確実な改良を満遍なく積み重ねていかないと、大きな変化とはならない気がします。おそらくハイレゾはその中の一つの手段でしかないはずなので、やらないよりはやったほうがいいけれど、それで全てが決まるようなものではないと思っています。

    日記のネタについてですけど、各項目についてそんなに自信を持って答えられるわけではないので、ここで簡単に個人的意見としてかかせていただきますね。

    ・ほんとにアナログはCDよりも音が良いの?

    CDにはない利点も欠点も共にあると思います。実はアナログのほうは世代の関係もあってあまり詳しくはないのですが、アナログのいいところはジッタですとか、ビットレート&サンプルレートによるデジタルならではの問題点がない点でしょうか。アナログの良くも悪くも音が変化してしまう点も好みによっては良い方向に作用すると思います。でもこのへんはもっとアナログ方面に詳しい方に筆を譲りたいところですね。

    自分個人的には安定性、利便性を捨てられないのと、対策による向上の余地が大きいので、デジタル音源のほうがやりがいを感じています。なので現在の環境はほぼ全てデジタルメインと言えます。でも音作りにおいては一部アナログの音作りをする方法も取り入れています。

    ・CDをHDDにリッピングしたら音が良くなるの?

    CDもHDDもデジタルなのでビットパーフェクトで音をリッピングできていればデータ自体はCDもHDDも変わらないです。中にはHDDから別のHDDへコピーしたら音が変わったという説もあるのですけど、自分は全くそれは感じたことがないので思い込みかなと思っています。

    PCの場合だとオーディオドライバやOSの状態によって音が変わったりという話があるのですが、機器の設計や使用状態によっては完全なデータを出力できない場合(今時は設定さえちゃんとしていればほぼ問題ないはずですが)もあるみたいなので、そのあたりをちゃんとしないといけない点はとっつきにくいかもですね。PCは利便性は非常に良いのですがCDPよりも敷居が高いかもしれません。

    データは同じ、でも最終的にDAコンバートの段階で音が変わるというのはPCもCDPも同じだと思います。ソースは提供できないのですが、CDPの読み取りエラーは少なくともデータでの欠損は殆ど無いって調査していた人がいた気がします。PCは本体そのものがノイズの塊なので出力は工夫しないといけなかったりしますがちゃんと対策すればどちらも大差はないのではと思うところです。

    なんかちゃんと答えられているのかわかりませんが、書いてみました。
    とりとめなくてすみません。

    byyohine at2012-04-24 21:08

  5. yohineさん今日は

    横レスを入れて申し訳ありません。
    アナログだけに関して言えば、デジタルと比較してどちらがよいか、簡単に言える問題ではないと思っています。
    アナログはシステムの調整が、もの凄く重要で針圧だけとっても、1/100g変化しただけで音が変わります。
    スタチック型であろうと、ダイナミック型であろうと、針圧は使っていると微妙に変化します。

    システムのセッティングはもうほとんど職人技の世界で、完璧なセッティングは、言葉としてあっても、100%完璧と言える人はいないと思います。

    PPMオーダーの変化でも音に対しての影響はありますから、今日はアナログ良かったけど、明日になったらデジタルの方が良かった、と言う結果が出ても全然不思議ではないと思います。

    アナログが、CDに取って代わられたのは、その様な面倒さ加減から解放され、しかもレコード盤面の傷に悩まされ続けた人たちにとって、ノイズのない、好きな曲を好きなだけ、しかもリモコンでかけられる便利さに負けたからだと思います。

    やはりユーザーフレンドリーでないものは、一般の方から見れば、只の粗大ゴミになっても仕方がないのかなと思います。
    SP盤を聞きたければ蓄音機が必要ですし、LP盤を聞きたければアナログプレーヤーが必要、CDも同様です。自分が何を聞きたいかで、選択肢が変わってくるだけで、要は自分が何を聞きたいか、と言うことだけではないでしょうか。

    by山田野案山子 at2012-04-25 10:12

  6. 山田野案山子さん、こんにちは。

    アナログについてフォローいただきましてありがとうございます。大変参考になりました。

    やはり利便性を考えてしまう私のような人間ですとアナログは厳しそうな世界に見えてしまいます(もともとCD世代なので余計に、というのもあると思いますけれど)。でもその分やりがいを感じている方も多そうな気もします。

    横やりについては全くきにしておりませんので大丈夫です。気軽に書いてくださいね。

    byyohine at2012-04-25 13:11

  7. yohineさん、はじめまして、こんばんは。

    今日になって、はじめて、この日記を拝見しました。
    16/24bitの違いを知りたくてネット探索したのですが、どれも、いまいちピンと来ない内容でしたが、yohineさんのこの日記に出会って、納得、すかんと落ちました。ありがとうございます。

    今後も、いろいろ教えてください。

    byかもん! at2015-02-02 22:52

  8. かもん!さん、こんばんは。

    コメントありがとうございます。お役に立ったようでよかったです。もし質問などありましたらば分かる範囲で答えます。

    こちらこそ今後とも宜しくお願いします。

    byyohine at2015-02-03 17:42

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