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SRCとCS2000のジッター抑圧特性の比較

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2014年03月03日

最近おもしろいBlogを発見したのでSRC(サンプルレートコンバータ)ではないまっとうな手法でのジッター対策の追実験を行ってみました。情報を見つけたのはこちらです。色々とハイレベルで個人的に良いBlogでした。かなり経験豊富な方のように見えます。
http://ecaps.exblog.jp/21300440/

そして今回私が追加実験を行おうと思った理由はCS2000のジッターの抑圧がどの程度有効なレベルにあるのかというところが気になったからと、有名なSi5317よりもシンプルな実装で使えそうだったので手軽さに惹かれたのもあります。

以前にこちら(http://blog.livedoor.jp/johnny_trio_lsr/archives/1862698.html)で見たCS2300のジッター抑圧は良いといえるレベルではなく、このCS2000シリーズ自体それほど性能が高くないと思っていたのですが、実はCS2000は外部基準クロック、CS2300は内部基準クロックであるという重要な違いがありました。CS2000は外部に正確なクロックを用意すればCS2300と比べてずっとジッター抑圧性能を高くできると思ったので、これは試す価値があると思いました。

CS2000の追加は現在稼働しているメインDACに施します。ただし既にDIR出力からSRCを経由するように設計してあるのでデジタル信号のルーティングは大幅に変更する必要があります。その上で聴き比べをしやすいようにSRC出力、DIR直出力、CS2000経由出力と3種類の全てをソフト制御で切り替えられるようにしたいので、うまいルーティングを考えるのは結構な苦労がありましたが、最終的な構成は概ね↑のような感じとなりました。実際にはルーティングそのものよりもソフトが大変でしたが…。

ジッター抑圧はもちろんMCLKに施します。現状のDAC(Dual-PCM1792)ではMCLKとその他クロックの同期が不要なので他のデータは直出しのまま繋ぎます。

そして測定結果です。いつものJ-testの結果を貼り付けていきます。

↑デジタルレシーバ直出し

↑CS2000

↑SRC

図の見方ですが、簡単に言うとジッターレベルは「スプリアスの高さ、ノイズフロアの高さ、中央の裾の広がり、」この3つを比べればOKです。悪いものは高い位置にくるので、低いほうが良いわけです。この図を良い順に並べると、SRC > CS2000 >>> DIR直出しという感じです。

本当は有名なSi5317も比較したいのですが、以前購入したF氏の基板は動作不良で壊してしまったので残念ながら比較はできません(多分半田付け不良…)。もしかしたらSi5317はもう少しよい特性の可能性もありますが、そのためにもう一度買う気力はないので直接比較は出来ません。

ともあれCS2000との比較で言えばジッター抑圧性能というだけでいえばSRCが裾の狭さ、ノイズフロアの低さでトップでした。しかしCS2000も直出しに比べると十分改善していると言えそうです。

こうなると個人的にはCS2000の最大のメリットはジッター抑圧性能の高さではなく、ジッターを抑圧しながらもDAC内蔵の色々なフィルタを使えるという点にあるのではないかと思いました。SRCではSRC内蔵のデジタルフィルタが支配的になるのでDAC側のスローロールオフフィルタ等、インパルス応答に配慮した設定が不可能になってしまうわけです。しかしCS2000を使えばDAC側のフィルタを有効にする事ができます。例えばWM8741+CS2000ならばMinimum Phaseフィルタを有効にすることも出来ます。

しかしジッター抑圧性能だけが目的ならばSRCが一番良いという結論になりそうです。

■音質

SRCが測定ベストなので音質も完璧かというとそうでもないので面白いです。

SRCは引き締まったグイグイ前に出てくるような密度のある音ですがやや平面的にも感じます。個人的にはCS2000+スローロールオフフィルタがやわらかく空間が広く開放的でより好みでした。DIR直出し+スローロールオフフィルタも音の傾向は似ていますが、CS2000と比べると若干高域に色がついて透明感が失われるような感じです。シャープロールオフは両者の中間的な音なので好みで切り替えるならばSRCかCS2000+スローロールオフのどちらかを極端に選ぶのが良いと思いました。

そして特筆すべきはジッター抑圧性能の善し悪しよりもフィルタの差のほうが音の違いには影響があるように感じたことです。やはりスローロールオフフィルタは以前にミニマムフェイズフィルタの比較をした時と同じように空間の広さと圧迫感のなさが良いように思います。空間の広さはミニマムフェイズ+スローロールオフフィルタのほうが良いのですが、ミニマムフェイズは位相ズレのせいか高音に癖が出るという最大の欠点があるので両者のバランスをとるならばリニアフェイズ+スローロールオフフィルタはベターな選択肢かもしれません。

既存の測定性能が音質の全てではないというのはやはりオーディオの面白さだと感じます。特性至上主義で結論が出ていたならばオーディオという趣味等ずっと昔になくなっていたことでしょう。

私が聴き比べをした限り周波数応答やSNの良さよりもインパルス応答が重要というタイムドメイン理論には正しい面もあると思います。最近話題のFN1242が再評価されているのもこの辺りに理由がありそうです。ちなみに個人的にはFN1242もいちど聞いてみたかったのですが、自作に手を出す前にIC自体が完売してしまったので一度も聞くことはできませんでした。

■タイムドメインの考え方

念のためタイムドメインの考え方のまとめはこちらに紹介したいと思います。ジャンルは違いますが一制作者としても真理だと思うことも含まれていて非常に面白いです。ただし全てに同意はしませんが…。
http://tackbon.ldblog.jp/archives/cat_50041250.html

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