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東京都在住のオーディオマニアです。リビングオーディオです。狭いスペースを与えられてやっています。MPS-5,Marklevinson No32Lなどを愛用中。クラシックはほとんど聞かず、ポップス、ラッ…

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日記

Einstein The TubeⅡとThe final cut MK60Ⅱの私的レビュー

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2010年01月17日

Einstein The TubeⅡとThe final cut MK60Ⅱの私的レビュー

今回は少し特殊な真空管アンプのレビューである。
アウトプットトランスレスアンプ、略してOTLアンプという。
音がいいがアブないアンプと言われる。
それは二つの意味で、である。
ひとつは、故障しやすくスピーカーを壊しやすい危うさ。
もうひとつは、独特の危ういほどの音の良さ。
OTLをフューチャーした最新鋭かつおそらく最強のモノラルパワーが
ドイツから日本にやってきた。
EinsteinのThe final cut MK60Ⅱである。
短時間ではあるが、
The final cut MK60Ⅱを
純正組み合わせのプリアンプThe TubeⅡとともに試聴する機会に恵まれた。

外観:
The TubeⅡもThe final cut MK60Ⅱも
限りなく闇夜に近い黒みたいな深い色のフロントパネルに
鏡面仕上げした銀色の枠がはまっている。
筐体も鏡面仕上げした銀色である。
要するに全体がピカピカ仕上げである。
形態上はオーソドックスな真空管アンプのカタチであるが、
かなりゴージャス感がある。
仕上げがエレガントだ。(音もエレガントだが。)
真空管アンプというと多くのものはどこかガレージメーカーっぽいというか、
素朴なつくりと仕上げが魅力なのだが、このアンプは違う。
どちらも真空管に金属製のネットカバーがかけられる。
特にThe final cut MK60Ⅱでは、これはとても意味がある。
The final cut MK60Ⅱの発熱は半端ではないのだ。
片チャンネル9本の真空管をフルバランス構成で使うわけで、
冗談抜きに狭い部屋では、冬でもクーラーが必要かもしれない。
金網ぐらいかけておかないと火事が怖いような気がする。
The final cut MK60Ⅱは二つ並べても案外コンパクトな印象である。
これほど高級なモノラルパワーにしては奥行きが浅いような(43cm)。
重さ(28kg)もそれほどではなく一人で持ち運べる。
The TubeⅡは真空管がズラリとリアパネル側に並んでさしてあって、
ちょっと壮観である。
入力ひとつひとつに別々な専用の真空管を使っているらしい。
こんな構成の真空管プリを見たことがない。
ふつう入力は1系統ないし2系統しか使わないであろうから、
何本もの使わない、遊んでいる真空管があることになる。
このカタチはちょっと壮観だが、ちょっと無駄かもしれない。
ボリュウムは大きめで、動きも滑らかで使いやすい。
プリアンプの方は発熱は少ない。
またこのプリ、珍しいことに電源ケーブルの差込口は底面にある。
L字型のコネクターを装着できる
細めの電源ケーブルでないと事実上使えない。
各種操作情報は青い光で表示されるのでパネルの色にマッチして美しい。
プリアンプ付属の純正リモコンはオリジナルデザインなのだが、
デカくてかなり重い。
リモコンの一押しで、
ボリュウムがドカンと上がりすぎるところは何とかして欲しい。

音質:
今回の試聴は
ジョセフオーディオのパールというトールボーイ(8Ω、能率86dB)と
プレイバックのMPS-5、SACDプレイヤーを用意していただいた。
数値を見て分かるように
今回のスピーカーはあまり鳴らしやすいものではない。
にもかかわらず、
The final cut MK60Ⅱの出力は8Ωで70W、4Ωで45Wしかない。
それでもって当然OTLアンプでもある。
この組み合わせで、安全に聞けるのはどれくらいの音量なのか。
すこし心配であったのだが、全く杞憂であった。
実際は私にとってかなりの爆音にしても十分な余力があった。
試みに、電源を落としたりしてみたのだが、
全く安全に切れるし、スムーズに無音復帰できる。
その動作中の微かなカチッという音などに精度の高さ、
保護回路の動作の確実さも感じた。
このアンプに危なっかしさという文字はまるであてはまらないようである。
それどころか、このアンプの安全性は下手なソリッドステートアンプなど
とても及ばない領域に達していそうな印象がある。
このEinsteinのプリとパワーの組み合わせの奏でる音は安定しており、
しっとりとした聞き味の良さ、耳あたりのよさ、心地よさが
今まで聞いたアンプの中ではナンバーワンであった。
とにかく、どんな音楽も楽々と耳に入り、本当に聞きやすい音である。
また、たっぷりとした音楽性があり、
曲の情感を切々と伝える能力に長けている。
出力はたいしたことはないのだが、さすがにモノラルパワーなので、
スピーカーを完全に支配化に置くという印象ではないにしろ、
複雑なネットワークを背負ったスピーカーでも十二分にドライブできる。
サウンドステージは広々としているが、奥行きの深さはそれほどでもない。
自然の雄大なパノラマを見るというよりは、
ヨーロッパの響きの良い大劇場の、前の方の席で、観劇している感じに近い。
現代的な解像度の高さやハイスピード感やワイドレンジ感はあるのだが、
それらはことさらに強調されていない。
他のメーカーのOTLアンプでは、
特に真空管特有の柔らかなハイスピード感が前景に立ち、
その印象が強いものだが、そういう若やいだ印象は皆無である。
音に緩さはないが、ドイツ的明確さを前面に出した印象はなく、
あくまで大人のゆとり感、洗練された豊かな音色で魅了する。
その音を一言で表現して、ロマンチックという言葉が思い浮かぶ。
一音一音のヨーロッパ的な優美さが実に非凡である。
私個人は、明らかにクラシック向きのアンプであると思う。
このアンプで聞くと
オーケストラの演奏がいつもより格調高く聞こえそうである。

まとめ:
オールマイティなアンプではないが、
クラシックを聞くためのアンプとして、
ひとつの終着駅とも言えそうなアンプ。
ソナスのスピーカーなどを組み合わせてみたい衝動に駆られた。
また、モノラルパワーは発熱が凄いので、
発熱が許容範囲内にありそうな
このメーカーのステレオパワーアンプやプリメインアンプも試してみたい。

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  1. こちらのアンプはごく最近試聴したものですが、
    かなり素晴らしい音でした。
    独自の世界が完結してます。
    おすすめしますよ。
    ピカピカしすぎなアンプがドイツの製品には多いですね。
    まあ触ろうにも触れないほど熱いので、キレイなままでいられそうです。

    by上奉書屋 at2010-01-17 13:06

  2.  はじめまして。
     このアンプについては私も聴いたことがあります。ドイツでブランド名が「アインシュタイン」ということなので、ギチギチな理詰めサウンド(そんなものあるの?)かと思ったら、しっとりとして、ロマンティシズムあふれる、酔える音で驚かされた記憶があります。デザインも含め、他メーカーのアンプ類と組み合わせて使うことは考えられていない気がしました。あのセットでトータルな世界観なのでしょうね。

    by黒川鍵司 at2010-01-17 13:27

  3. こちらこそはじめまして。
    まったくおっしゃるとおりのロマンチックなアンプだと思います。
    これひとつで全ジャンルをカバーさせることは無理があるので、並列して別なシステムを使うということも考えられますね。
    とにかくいいモノだと思います。

    by上奉書屋 at2010-01-17 14:51

  4. 上奉書屋さん

    こんにちは。
    「ステサン」で見て、目が釘づけになり、「ほしい、ほしい」とずうっと呟いているところに、タイムリーなレビューでした。
    いつもながら参考になります(といっても、買えませんが)

    でも、クラシック向けですか。ジャズはだめですか。
    うーん…。

    bykotomomo at2010-01-21 13:05

  5. 返事が遅れまして。
    そうですねジャズをかけてみたのですが凄く美しいジャズなんですね。コンバージェントのアンプやケリーのアンプのようなバタ臭さが全くないのです。これでよければよいのですが、独特のあの濃厚なバターしょうゆ味の音がジャズに必要だとなると、おすすめできなくなるという意味です。

    by上奉書屋 at2010-01-23 00:31

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