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東京都在住のオーディオマニアです。リビングオーディオです。狭いスペースを与えられてやっています。MPS-5,Marklevinson No32Lなどを愛用中。クラシックはほとんど聞かず、ポップス、ラッ…

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日記

Weiss MEDEA+OP1-BPとLinn KLIMAX DS/K(旧名KLIMAX DS/1)とのPCオーディオ頂上対決、あるいは他のプレーヤーとの比較レビュー

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2011年11月08日


今回は前回レビューした隠れた銘DAC、
Weiss MEDEA+OP1-BPと
様々なプレーヤーたちとの比較検討となる。
全て私見に過ぎないが・・・・。
この第二部は
Linn KLIMAX DS/K(旧名KLIMAX DS/1)との
PCオーディオ頂上対決と銘打っているが、
MEDEA+OP1-BPが
広い意味での送り出し機器に含まれることに着目し
比較の相手として、
PCオーディオ機器であるDSだけでなく
シルバーディスクプレーヤーも対象にしている。

まずはPCオーディオの英雄、KLIMAX DS/Kとの勝負である。

外観上での比較:
Weiss MEDEA+OP1-BPとKLIMAXを
そのデザインで比較すると、
ルックスでは間違いなくKLIMAX DS/Kが上を行く。
KLIMAX DS/Kの精悍さは
Weiss MEDEA+OP1-BPのブラックモデルでも対抗しえないだろう。
私の場合は、やはりリビングに置くのだからルックスは重要。
小さいながらディスプレイを本体に備えることでも
KLIMAX DSは好印象だ。

接続に関しての比較:
LAN環境を構築しなくてはならないKLIMAX DS/Kに対して、
MEDEA+OP1-BPの方が導入の敷居はやや低い。
ただしFirewireは事実上Mac限定であり、
さらに現行のMac book proのFirewireの規格は
MEDEA+OP1-BPとはピン数が異なるので接続の注意は必要である。
また、MEDEA+OP1-BPは、
DSよりも、つながれるPCの環境による
音質の変化量が大きいようであり、
PCのセッティングの追い込みの腕は問われそうだ。
PCを他のことで使いながら音楽も聞くという、
私の用途には向いていないような気もする。
一方、LINNのKinsky Desktopの完成度の高さは賞賛に値する。
バグも少なく、PCの環境にあまり左右されずに音楽を楽しめる。
きちんとしたLANネットワークさえ出来てしまえば
KLIMAX は使いやすい印象がある。
実はLAN環境のオーディオ的な追い込みもあるが、
PC本体の環境の調整ほどの複雑さ、際限の無さでは
今のところないと思う。
MEDEA+OP1-BPにおける
PCの環境の重要性に比べたら
DSのLAN本体の構成から来る音質的な変化は少ないのではないか。

音質に関しての比較:
正直、MEDEA+OP1-BPの聞き終えた後、
音の面での感動が大きかったので
移動中のタクシーの中で、
流れるテールランプやヘッドライトを眺めながら、
手持ちのKLIMAX DSは
もはや不用になるかもしれぬとさえ思ったものだ。
さらばKLIMAX DS?
しかし、意外や、
落ち着いて聞いてみると、DSも結構イイのだ。
いや、正確にはMEDEA+OP1-BPにより耳が覚醒して、
KLIMAX DS/Kの音のいいところを
より深く理解できた、というのが正しいかもしれぬ。
DSは細かな音を丁寧によく拾ってくる。
静寂感や音の落ち着きもさすがだ。
音楽が始まる一瞬前の緊張感の描写も凄い。
KLIMAX DS/Kは新進気鋭の現代の演奏家であり、
将来のマエストロかもしれない。
KLIMAX DS/Kのサウンドが
単純にオーディオ的にかなり優秀な音とすれば、
それに対してMacにつないだMEDEA+OP1-BPの音は
オーディオ的に十分に優秀なうえ、音楽的にもかなり優秀な音。
KLIMAX DS/Kは音像が前に出てくるようになったとはいえ、
やはり、まだまだ取り澄ましたような感じは残り、
時には音楽の真ん中に頭を突っ込んで聞くような
MEDEA+OP1-BPの情熱には届かない。
また聴いていてMEDEA+OP1-BPのほどに美味しい音という感じもない。

総合的に比較すると
KLIMAX DS/Kは音楽を聴く愉快さでは若干見劣りする。
しかし、コンピューターオーディオ機器として考えたときの、
音質以外の部分の完成度はMEDEA+OP1-BPはまだ低い。
というかPCに入るプレーヤーソフト次第である。
Kinsky Desktopの出来に匹敵するソフトが他にまだない今、
パソコン+MEDEA+OP1-BPはまだ完結しないと言えないこともない。
やはり、コンピューターオーディオの場合、
使い勝手は機器を評価するうえで重要な項目であり、
その部分のポイントの高さがDSの大いなるアドバンテージだ。

結局、実売180万円のMEDEA+OP1-BPを
すぐに手持ちのKLIMAX DSと交換することはないだろう。
値段も値段だし、
KLIMAX DSは「パソコンしながら」聞きにも最高なのだ。(失礼!)
PCの状況に音質がほとんど左右されないのはいい。
まだまだ使える。

次に、
Weiss MEDEA+OP1-BP、あまりにも音がいいので、
比較対象をPCオーディオ以外にも広げてみよう。

その他の現行のプレーヤーだと
人気急上昇、
日本で30台以上も売れたという噂もある
CH precisionのD1+C1がその筆頭となる。

音の細密描写の詳しさでは互角とはいえ
透明感や音のキレ、
色彩感や美音性、スケール感ではさすがに
高価なCH precisionのペアが上回る。
しかし、抽象的な言い回しであるが
このペアでも、
まだ音楽の魂にわずかに届かないと私個人は思う。
今までは決してそうは思わなかったが
MEDEA+OP1-BPを接してみて、はじめて、そう感じた。
こういうアプローチがあるのだと目を見開かされるというか。
ここでネガティブな印象になるのはCH precisionのD1+C1が
彼らの解釈した美音で聞かせる部分が多いからだろう。
オーディオ、オーディオし過ぎているとも言える。
それは音楽の核心というより、
これはCH precisionのD1+C1の解釈、
媚薬的なさりげない演出の賜物のような気がする。
もちろん、
その解釈や見事な演出に見事な突破力(いい言葉ですね)があるので、
皆、買い換えるのではあるが。
まるで
D1+C1はヨーロッパ生まれの、世界に名を馳せる巨匠のようだ。
自分の威厳と世界観を強く持っている。
だがメジャーなだけに、どこかウケ狙いの香りがある。
そこに若干の美しい嘘、媚薬的な雰囲気が混じるような気がする。
これは邪推だろうか。あるいは嫉妬だろうか。

他方、
MEDEA+OP1-BPはなんの苦労をした形跡ものこさず、
無造作に音楽の中心をつかみだしてきて、そっと見せてくれる。
「これがその魂ですよ。」
まさに、“造作も無く”そこに手が届いたように、
あっさりと、離れ業をやってのける。
しかも、聞いていてどこか美味しい感じがする。
その美味しさに誘われて先へ先へと音楽を聴いてしまう。
やはり隠れた名匠だ。
彼も自分の世界を持つが、
それはもっと密やかであり、
さらに音楽の真髄に寄り添うような気がする。
私なら、たとえCH precisionのD1+C1+別電源を
即金で買える余裕があってもMEDEA+OP1-BPに行くだろう。
それほど良い。(私的には)

また、ルックスの違いもある。
仕上げや操作感は当然CH precisionの勝ちとなる。
一目で高級感がまるきり違う。
ただしMEDEA+OP1-BPの方がスタイルはスマートだ。
CH precisionの美しい大型筐体を電源含め3つ並べるのも
オーナーの富裕度を誇示するにはいいが、
あっさりとMacあるいはJasonと
MEDEA+OP1-BPを並べた方が
明らかに粋であるし、むしろ現代的と個人的には思う。
SACDを聴けないのは残念ではあるが。

また、
AccuphaseのDP900+DC901との比較もできる。
DP900+DC901は美しき安定感というか、
全ての音の要素を完備して、
ゆるぎなく整った音を出してくる。
純粋に、
彼らはアキュフェーズの送り出しの最高傑作ではないかと思う。
CH precisionのD1+C1にさえ、それほど遜色ない。
値段を考えると明らかに上回ると断言したい。
ただ、これはアキュフェーズの枠を超えた音ではない。
いままで聞こえていたアキュフェーズの伝統の上に立つ音であり、
きっちりと整理された音場の中には、汚れた音は一切出さぬ。
万世一系の旧家のような風格としきたりだ。
彼にはラップやレゲエやパンク等、
お行儀の少し良くない音楽には徹底的に合わない気がする。
そういうソースとは途絶状態の方にしかお薦めできない。
(実際そういう方はアキュフェーズのユーザーに多いと思うが)
MEDEA+OP1-BPはどのようなソースでも
分け隔てなく受け入れるところが大きく異なる。

Weissを試聴していて
音の触感の素晴らしさという点では共通している、
Burmester069の雄姿が頭をよぎる瞬間もあった。
さすがに彼は別格だ。
WeissやCH precisionよりさらに上の音世界を聞かせてくれる。
こちらは皇帝。
しかし、恐れるな。
MEDEA+OP1-BPは彼と比べても大きいビハインドはないと思う。
音の美味しさは互角だ。
Burmester069はその高貴さゆえにソースは選ぶだろうが、
こちらは選ばない良さもある。

比較対照としてTAD D600もある。
こちらはジャンルをそれほど選ばない。
しかし、クロックの精度の高さが前面に出ていて、
やはり襟を正して聞く音だし、
音の正確さが音楽の楽しさに優先する感じもある。
彼は有能かつ誠実な日本の技術者のようだ。
低ジッターでフォーカスの合った音という意味では
TADが優越するが、
聞き味の良さや音楽性の高さ、あるいは音の意外性では
PC+MEDEA+OP1-BPの方が上と思う。

dcsのスカルラッティDACは
クロックと組み合わせれば、
極めつけの基本性能の高さと
スケール豊かで、ニュートラルかつ滑らかな音調が特徴だが、
WeissのDACに比べて、こちらもやはり音楽性にやや乏しい。
dcsはどこか突き放したリアリズムがあり、
試聴していると、
それだけで音楽は語りつくせないのではないか、
もっと耽美的でもいいのではないかと思わせる曲もある。
ただdcsのDACとしての基本性能の高さは
Weissのさらに上を行くものがあるのは間違いない。
彼は理系の大学教授のような印象。

この他、やってみたい組み合わせとしては
AKURATE DS/Kのデジタル出力と
MEDEA+OP1-BPを組み合わせる、
あるいは
Continuum0037とMEDEA+OP1-BPを組み合わせる等、
かなり面白そうだが、
そんな贅沢な試聴はこの先にも出来そうもない。
また、MEDEA+OP1-BPでハイレゾデータ再生大会もやってみたい。
やるアテもないが。
かなり凄い音かもしれない。

・まとめ:
この試聴の前、三時間ほど2011秋のヘッドホン祭りに居たので、
いろいろと、いい音は聞いているはずだが、
MEDEA+OP1-BPに対峙すると
あそこには
本当のハイエンドの世界はなかったのだと思い知らされる。
音のレベルが違いすぎる。
ヘッドホンオーディオをやるのは大賛成だが、
ともかく、こういうハイエンドの送り出しの音にも
触れてほしいとは思う。

今回のMEDEA+OP1-BPとKLIMAX DS/Kとの頂上対決は
総合的には引き分けというところだろうか。
しかし、
あくまで自分の音、人と違う音を聞きたいと思ったら
迷うことなく、MEDEA+OP1-BPを選ぶべきだろう。
私も遠からず、
このWeissのフラッグシップをリビングに置きたい。
なんといってもMPS5を除いては、
ここ数年試聴した送り出し機器のうち
最も魅了されたサウンドだったのだから。

次回の日記→

←前回の日記

レス一覧

  1. まぁ、コメントするのもビビってしまうくらいの豪華メンバーですね。

    いろんな機種で比較してくださり、なんとなく自分の想像していた音との違いも教わり、感謝いたします。

    それにしても、『上奉書屋さんが書かれたモノが何でも欲しくなってしまう危険な魔法』に、一刻も早く耐性を付けねば、破産しそうです。

    私も、AKURATE DS/K + 魅力的なDACの組み合わせは、KLIMAX注文時に迷い、同時購入すべきか悩んで見積もっていただきました。

    ただ、やはり、SACDが聴けないのは私には致命的だったので断念しました。

    現在は、ファイルオーディオとディスクメディアとが、微妙なバランスで、どの程度移行するのか見極めづらいので、もうしばらくは動かないのも賢明かなとも考えています。

    bytakeuchi at2011-11-08 23:35

  2. takeuchi様、レスありがとうございます。
    そうですね、デジタルオーディオの行方はますます混沌としてきましたね。DSDの配信、リッピング、再生まではじまりました。この先どうなるのでしょうか。私も注視して行きたいです。

    by上奉書屋 at2011-11-08 23:41

  3. こんばんは。

    こんなDACがあったのですね。
    レビューを拝見していると、音楽に没頭するための装置としてこれほど卓越しているDACはなさそうで、興味がわきました。
    ぜひ一度聴いてみたいです。

    機器が音楽とリスナーをどのような関係で結びつけるのか、
    機器の立ち位置や在り方がよく見えてくるレビューで、いつも参考になります。

    上奉書屋さんの記事を見ていると、
    単に機器の性能や音色云々の問題でなく、
    どのように音楽と向き合いたいのか、でユーザも製品を選ぶべきなのだろうと思います。

    byKIRINN at2011-11-09 01:58

  4. 上奉書屋さん

    初めまして。
    いつもレビュー大変参考にさせていただいてます。
    今回、よくぞMEDEA+OP1-BPをレビューしてくれた!(失礼千万!)と思いました。
    私自身とても興味のあるDACなのですが、如何せん展示店が少なく、いまだに聴いたことがなかったので、、、

    ようやくDSの牙城を崩さんとする強者が現れたというところでしょうか。
    個人的に気になるのはCH Precision C1のUSB入力とMEDEA+OP1-BPのFW入力ではどれだけ音色の違いがあるのか?です。
    価格的にはC1の方が上ですが、上奉書屋さんがおっしゃるD1+C1の組み合わせをも超えるのではという感想に、MEDEA+OP1-BPはC1を上回るのでは?と勝手ながら思いました。
    私もPCオーディオ嗜好者の端くれ、この頂上対決は興味津々です。
    同一店舗での比較は難しいかもしれませんが、いずれやってみたいとは思ってます。
    そして願わくば、いつか導入できればなぁ、とうっすらですが考えています笑

    今後もレビュー参考にさせてください。ありがとうございました。

    byA2B at2011-11-09 07:54

  5. KIRINN様、レスを頂きありがとうございます。このDACはあまり知られていませんが、ハービーハンコックさんなどが、かなり絶賛していたので、なんとか聞いてみたいと思っていました。貴殿の洞察のとおりどのように音楽と向き合いたいのかということを考えることができるDACです。西麻布に今はあります。よかったらどうぞ。

    by上奉書屋 at2011-11-09 08:48

  6. A2B様、拙いレビューをお読み頂き、感謝します。素晴らしい環境でオーディオを楽しまれているようですね。次期DACの候補としてぜひこのWeissも加えてください。CHPのプレーヤーの如き、極めつけのオーディオ性能、というほどではないですが、オーディオ魂はそれ以上にも感じるDACです。CHPのプレーヤーは、実はかなりの台数が日本にありますが、このMEDEA+OP1-BPは持っている人は少ないです。私は人と同じ音は敬遠したいな、とも思いますので。とにかく、この独特の感じをぜひ多くの方に味わっていただきたい。そう思ってレビューを書きました。オーディオは人それぞれですから、実際に聞いてみてどう思うかはわかりませんが、私は本当に気に入りました。いままで3人の日本人がこのDACについて短くレビューしていますが、彼らの絶賛は嘘ではありませんでした。私はAZさんからは一円ももらってませんが、これでは宣伝になってしまいますね。でも本当にいいんです。よろしければぜひ試聴を。

    by上奉書屋 at2011-11-09 10:42

  7. 上奉書屋さん、こんばんは。

    実はOP1-BPにVer.UPする前のMEDEAを所有していた事があります。
    上奉書屋さんのレスにある数少ないレビューをした中の友人2人に触発されて買ってみたのですが、残念ながら私の環境では本領を発揮させる事が出来ませんでした。
    Ver.UP後の音は相当にレベルが上がる様で早々に手放した事を後悔しています。
    スピーカーを買い換えて又システム作りをやり直していますが、叶う事なら何とかJasonとセットで再び手に入れてみたい機種ですね。

    ただ、今のスピーカー(MAGICO V3)は家で聴くと感じが随分と違って音の後方展開が気になっており、もしかしたら再度買い換える可能性も…。
    スピーカーも自宅試聴が出来れば良いんですけど(涙)

    by阿修羅 at2011-11-20 07:53

  8. 阿修羅様、拙いレビューをお読みいただき恐縮です。以前のMEDEAはオーディオショウでちらりときいたことがありましたが、印象にのこりませんでした。すっきりした音で普通のDACのようでした。今回の改良はかなり大きく音をジャンプアップさせており、オーディオ店の店員さんも、ずっとWeiissを扱っているが、最高のモノだと言っていました。JasaonとのペアはPCとのペアよりさらに素晴らしいCDサウンドとの話も聞きます。
    MAGICOのスピーカーは私個人、かなり興味があり、最上位機種以外はすべて聞いてきています。全てのスピーカーが音を前に飛ばさないタイプですね。一貫しているとも言えます。よほどのパワーアンプをもってこないかぎり、冷静な、音楽性控えめな音に終始することになると思います。それはそれでいいとは思うのですが、好みから外れるとすると問題ですね。

    by上奉書屋 at2011-11-20 09:36

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