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日記

Chord社のポータブルDAC、Hugo2登場!その1 Rob Wattsの技術説明1

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2017年03月16日

Chord社のポータブルDAC、Hugoが誕生してから3年・・・ついに後継機種が発表となった。

もうしばらく前の話なので、皆様もご存じかもしれないが、その名もHugo2である。

Mojoと同じ最新世代のFPGAを搭載し、Daveの技術を注ぎ込んでアップデートされた最新のHugo2、その内容について興味があるのは私だけではないだろう。

発売まで1か月ほどとなっているが、いつものように設計者のRob Wattsから技術紹介のスライドが公開されたので、抄訳とともにお届けしよう。

ちなみに、原文はこちら

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シンガポールのCan-Jamイベントが終わったので、約束通り、スライドを公開しよう。もし、あまりにも技術的すぎる内容であれば申し訳ない。しかし、理解いただきたいのは、我々が扱っているのは非常に複雑な事象であるということ、そして、その複雑な事象をできる限りシンプルに説明するようベストを尽くしたということだ。



オープニングスライドだ。



ここでは、WTAフィルターについて書いているが、このスライドを見ている読み手がWTAフィルターについて知っており、かつ、音の立ち上がりタイミングを再現することの重要性を理解しているという前提で書いている。

タップ数が増やせば、より正確で、はるかに良い音質となること、そして、8FS(352/384 kHzの出力)から、16FS(705/768 kHz)に向上させると、出力の時間軸解像度が改善され音質が良くなることも、読み手はすでに知っていると思う。

今回、Hugo2のFPGAはギチギチになっている。

DSPコア、メモリを完全に使いつくし、論理回路の99.8%を使い切っている。これによるデメリットは、FPGAがはるかに多くの電力、約800mWを消費するということだ。

WTA1の出力は、別のWTAフィルタ(WTA2)に送られるようになった。これにより、16FSから256FS(11.289.6/12.288 MHz)へオーバーサンプリングが行われ、WTAも88nsの解像度で動作するようになった。

フィルターに選択肢を設けたことは、私にとっては大きな試みだ。私は通常、技術的に正しい(=音質的に一番良い)決定を行い、選択肢を設けないためだ。

HFフィルタに関して言えば、これは技術的には正しい選択肢だ。ハイレゾファイルにHFフィルターを適用すれば、録音に存在するHFノイズを低減することができる。これらのノイズは、音楽ではなく、ノイズシェイパーADCの歪みとノイズなので、アナログ部品に流入した場合、より多くのノイズフロア変動を引き起こす。これを除去することで、音質がよりスムーズになる。なので、HFフィルターは、技術的に有用な選択肢だ。

一方、256FSフィルターは、常に一番正確であり、ONにすることで、はるかに正確にタイミングを再生可能となる。なのに、なぜ今回これをオプション扱いとしたのだろうか。

それにはいくつか理由がある。一つは、WTAを16FSから256FSに向上させた場合の効果を、ユーザーが実際に確認できると楽しいのではないかと考えたということだ。

通常私は多くの試聴テストを行う。そこで知識を蓄積することで、設計を改良し、将来に向けた改善を行う。なので、同じように、他の人も16FSから256FSに向上させた場合の効果を体験できると良いと考えた。

256FSフィルターをONにすると、音の開始と終了の聞き取りやすさが変化することにすぐ気が付くだろう。この変化は、通常のWTAのメリット(高音、ピッチ、楽器の分離とフォーカスの向上など)と全く異なり、音楽信号が開始するエッジ(ストリングの弾き始める瞬間や、ピアノの鍵盤を素早く叩いた時など)を聞き取ることができるという形で現れる。これらは、時間軸の正確さが、uSレベルからnSレベルに向上したことによるものだ。

私がここで言っているようなことを、ユーザーが実際に体験できると面白いのではないかと思っている。

なお、256FSフィルターのオプションは、「シャープ(Incisive)」オプションと呼ばれることになる。これを「Hugo」オプションと呼ぶと少し紛らわしい。

なぜこれが「シャープ」オプションかと言うと、音楽信号の開始と終了をはるかに明瞭に聞き取ることができるようになるからだ。もし脳が開始のエッジを聞き取ることができない場合、それは「ボケ」として感知され、音はソフトに聞こえることになる。

フィルターに選択肢を設けた2つ目の理由は、この「シャープ」フィルターは、物事の真実を暴くような性質を持っているために、音をより眩しくするということだ。技術的にはその方が絶対に正しいとしても。

なぜ眩しく聞こえるかと言えば、脳が音楽信号の開始と終了をより正確に聞き取ることができるようになるためだ。

音の開始と終了のトランジェントには、多くの高周波エネルギーが含まれている。脳というものは、何か感知できないものがあれば、単純に無視するようにできている。そのようなものは、不自然にソフトに聞こえ、その意味では真実の音ではない。

しかし、例えば、品質の悪い、眩しい録音があったり、音が硬いヘッドフォンがあった場合、高周波エネルギーが聞こえるようなフィルターは少しやりすぎとなる可能性がある。

一方で、それをシャープでないフィルターを使って隠すことは、本来の問題をごまかしていることになるわけだが・・・。

私のアドバイスとしてはこうだ。

16FSのフィルターオプション(オレンジ、赤)を常に使う必要があるなら、もう少しウォームな音がするヘッドフォンを買った方が良い。あるいは、イコライザを使用するか。

通常は、256FSのフィルターオプション(白、グリーン)を使うべきだ。私は常にグリーンの状態で使っているが、これは192kHzの録音を聴くのに適しているためだ。



このスライドはストレートでわかりやすい。通常のDACの場合、簡単に測定できるレベルのノイズフロア変動が発生する。Hugog2については、後程、測定結果を見せよう。



OK。このスライドは、ノイズフロア変動の発生しないDACを開発することの難しさをまとめたものになっている。本当は、ずっと多くの問題があるのだが・・・。というのも、ノイズフロア変動は、DACの無数に存在する問題から生じるものだからだ。



このスライドは、私がなぜDSDをフィルターしないといけないかを書いている。

フィルターしない場合、多くのノイズフロア変動と、その他の問題が発生するからだ。ガーガーというノイズ、歪みなどがそれにあたる。

今回のフィルターだが、DaveのDSD+モードと互角になることを目指し、その目標を達成できたのではないかと思う。しかし、そのために、私は信じられないほどのフィルター減衰(200dBを超えるほどの)を行う必要があった。これにより、アナログ出力に含まれるTHDとノイズが、DSD64のデジタル性能と完全に同等になった。オリジナルのDSDファイルに存在しないTHDやノイズはHugo2の出力に現れないということだ。



ノイズシェイパーについては、Daveの開発から得られた経験が活かされており、それにより、奥行きと微小レベルの解像度が大きく改善されている。ちなみに、これまでに何ダースものノイズシェイパーを設計し、試聴してきたが、毎回、Dave開発時に得た経験と同じ結果になる。

つまり、ノイズシェイパーの性能が向上すると、サウンドステージの奥行きが深くなるということと、最小レベルよりも小さいほどの信号エラーであっても、奥行きが浅くなるという形で現れるということだ。



クロスフィードに関しては、オリジナルHugoのものを使用している。実際、オリジナルHugoのプログラムを再利用しているのはここだけである!

これについては面白い話がある。

製品を開発している時は、多くの段階を経るものだが、正式な試聴テストがその主要部分を占める。

しかし、ただ楽しみにために試聴を行うこともある。こういった試聴に価値があるのは、音質がどの程度仕上がっているのか、実際に確認できるからだ。

注意深いテストではなく、楽しみながらの試聴でなければ、音楽性や音楽のエモーションを確認することはできない。楽しみのために試聴を行う本当の理由がこれだ。

去年の12月、プロトタイプのうち1台が試聴可能となった。私はそれを多くの空旅に持ち歩いた。

飛行機の中で私は音楽を聴いていたが、そこでベルの音が鳴った。その奥行き感があまりにもリアルだったため、私はそれが飛行機の中で鳴ったものだと思い込み、録音中のものであることに気が付かなかった。

ヘッドフォンでは奥行きを再現することは難しい問題であるため、これは大きな驚きだった。

この結果、クロスフィードの設定が重要であることが分かった。オフにした場合、サウンドステージは崩壊し、オンにするとヘッドフォンでも十分な奥行きを感じることができた。

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長いので、いったんここまで。

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