日記
サーロジック社 スピーカーのデジタル位相補正で格段のロー定位に
2017年11月15日


写真はサーロジック社で試作中のサブウーハーです。
モニターオーディオ 小型2ウェイのPL100と合わせて20 Hzまで周波数特性のみならず、位相特性もフラットになることを狙ったものだそうです。
前後にウーハーが取り付けて同相で動くので、振動はキャンセルされるようです。
10センチに及ぶ板厚の筐体は凄いですね。
ところで位相フラットとそうでないオリジナル状態をPL100で生まれて初めて体験して驚いたのでレポートします。
サーロジック社で計測したPL100スピーカーのロー方向への位相特性です。

上は周波数特性、下が位相特性で、ある周波数から下にかけて位相が回り出しているのがわかります。
これをPCソフトとこちらの機器を用いて、ローの回っていた位相をフラットにしたグラフです。

再生装置はすべてデジタルです。
トランスポート

位相イコライザー

DAC

これらの接続のブロックダイヤグラムです。

詳しくは表らを引用したサーロジック社のblogにあります。
http://salogic.cocolog-nifty.com/blog/cat72453267/index.html
試聴ソースは問答無用なノラ・ジョーンズのこちらからグラミー賞受賞のDon’t Know Why。
すぐに違いはわかりました。
位相をフラット化しないとベースらの低域の音像が曖昧になってどこで弾いているいるのかわかりにくい、ボヤッとしたとらえどころのない音の出方になります。
フラットにするとベースが本来いるべき位置にきちんと定位するのがわかります。
サーロジック社ではあるなしをこんなイメージ図で示しています。
この位相補正はネットワークやアナログ回路で出来ることではなく、デジタルだから出来るものですね。
市販のスピーカーは大なり小なりロー方向はどこかからか下に向けて位相が回り出しているので、低域の音像解像度からはかかる補正は実に有効に感じました。
サーロジック社によると、あらゆるユニットの位相フラット部分のみを繋げていこうとすると7ウェイといったものになってしまうそうです。
新しい音楽室が出来ましたら、自分もPCオーディオらに同様の機能が入れたくなりました。
サーロジック社ではDAC直前に入れれば同様な補正をしてくれる装置の商品化も検討されているそうです。
この位相補正はまさにデジタルの恩恵ですね。
レス一覧
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平蔵さん、こんにちは。
いつも興味深い日記をありがとうございます。
2008年の古い記事で、ご存知かもしれませんが、パイオニアの位相制御の話が載っています。
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0802/06/news086.html
リスニングポイントに1個マイクを置くだけで、各スピーカーの群遅延特性を推定するのが興味深いです。
byミネルヴァ at2017-11-16 16:18
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ミネルヴァさん おはようございます。
いつもお読みいただき誠にありがとうございます。
うちのカーステのカロッツェリアにも付属マイクを試聴シート位置に取り付けるだけで自動的に音場補正してくれるのと同じでしょうか。
ただクルマ内のあちこちバラバラなユニット配置を本文のような正確なロー定位までしてくれるまでは無理なようでした。
これからの音響デジタル補正技術にもますます期待が膨らみます。
こちら方面もアンテナを高くしておかないとと思いました。
by平蔵 at2017-11-17 09:59
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平蔵さん、こんばんは。
パイオニアのフルバンド・フェーズ・コントロールという位相補正はサーロジック社がやっているのと基本的には同じだと思います。
違いは各種スピーカーネットワークのデータベースを使い、無響室での計測を不要にしている点です。
カーオーディオの自動補正は各ユニットまでの距離補正です。ネットワークで回り込んだ位相まで補正するものではありません。
距離補正なら二十数年前からAVアンプメーカー各社が取り入れていますが、位相補正まで行っているのはパイオニアとソニーのAVアンプだけのようです。
byミネルヴァ at2017-11-17 21:33
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ミネルヴァさん おはようございます。
カーオーディオにお書きのような各種デジタル補正がされても、なにせルームチューンは期待できませんし、ユニット位置があまりにバラバラのせいか、根本的な高音質が無理のようです。
特に高音質の絞まった、キレのある低域はどうしても無理のようでした。
電気補正の前に、正しいアコースティック領域からのルームチューンの大切さを考えさせられます。
by平蔵 at2017-11-18 04:50
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