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カーブド視聴記(4Kシアター) VPL-VW1000ES + 3D-LUT対応プロセッサでの較正について
皆様、お久しぶりです。 SONYから新型プロジェクターVPL-VW500ESが発表されましたね。 こちらのプロジェクターにはオートキャリブレーション機能が搭載されているとの事、大変興味深いです。 今月末あたりから、また動きがありそうですね。 さて、今回はVPL-VW1000ESと3D-LUT対応プロセッサを用いた較正について、一度整理しておきます。 CalMANをお使いで、3D-LUT対応プロセッサ導入をお考えの方がおりましたら、ご参考までに。 今回、VPL-VW1000ESとの組合せで較正を実行しておりますが、別に他のプロジェクターやモニターとの組合せでも較正は可能です。 以下、長文になります。 ■較正下準備 ピクチャーモードはリファレンスを選択。 ウォームアップは、1~2時間くらい見ておいたほうがドリフトしないですみます。(VW1000ESの場合) RGBバランスがドリフトしてしまうとその後の調整が無駄になってしまうので注意が必要です。 初期調整として、ランプ輝度選択から始まり、 ピント調整、レジずれ調整、ブライトネス、コントラストの調整、白色点(2ポイント)、ガンマの確認を行います。 VW1000ESの較正目標: 色域:BT.709 白色点:D65 ガンマ:2.2 ブライトネス:16(degital信号レベル) コントラスト:255(degital信号レベル) 色調整については、VW1000ES側の設定(色合い、色の濃さ)はデフォルトとします。 VW1000ESにCMSが無いためColorBoxに色管理を任せることにしてます。 オート設定になる項目は全てOFFとします。 アイリスもOFFとします。(リファレンスモードのデフォルト:OFF) VW1000ESですと、入力ソースがYCbCr信号の場合にxvColor設定が表示されます。 このとき、xvColorの設定はOFFとします。 その他、ノイズリダクション系、カラーコレクションなどの設定も全てOFFとします。 ガンマ設定は、2.2を選択せず、OFFとします。 ImageDirector3を利用したホワイトバランス、ガンマ調整は行いません。 較正に用いたソース: AVFoundry VideoForge 解像度:1080@24p カラースペース:YCbCr444 12bit 色域:BT.709 Delay:1秒 テストソースサイズ:Window18% 較正に用いたカラーメータ: SpectraCal C6 モードは、フロントプロジェクタ(UHP)を選択。 低輝度コントロールはOFF。 測定サンプリング数はデフォルト。 ディスプレイコントロール: SpectraCal ColorBox メモリ:1~6の何れかを選択。 選択したメモリをフルリセットし、メモリを初期化しておきます。 校正時のビデオチェイン: VideoForge → ColorBox → VW1000ES 較正後のビデオチェイン: BDプレイヤー・レコーダー → ColorBox → VW1000ES ただし、ColorBoxでは4Kソースは扱えないため、解像度は1080@60まで。 ■手動較正詳細 手動調整は、以下のようなフローです。 1.VW1000ESを仮設置。 仮設置後、簡単な初期調整として上下シフト、ブライトネス、コントラストを調整。 この後、十分に視聴時間(1~2時間位)をとった後にピント調整を実施します。 2.本設置を実施。 ポイントとして、絶対に横レンズシフトは利用しない。 スクリーンとの位置あわせに時間をかける。 ピクチャーポジションの登録を実施。(1.85:1、2.35:1の2つのモードを登録) 十分に視聴時間(1~2時間位)をとった後にピントの再確認後、 レジ調整(ゾーン、シフト)を確認、必要に応じて実施。 ここまでは、VW1000ES本体とテストソース(Spears&Munsil HD Benchmark 2nd Edition ディスクのみ)を利用したBD再生だけで調整を実施。 3.CalMAN最新ベータ版を用いた調整を実施。 CalMAN 5.2.0 build 1324:http://www.spectracal.com/forum/viewtopic.php?f=105&t=4942 補足:オートキャリブレーション対応機種の追加 JVC X75などのオートキャリブレーションにも対応しているっぽいです。 X75は持っていないため確認できませんが、 CalMAN5のEnthuasiastバージョンを既にお持ちの方で、 JVC X75などの機種をお持ちの方は確認してみては如何でしょうか。 ブライトネス調整、コントラスト調整は「2.」までに調整したものを採用。 メーターを利用した輝度確認を実施。(新品ランプなので、ランプ輝度が低指定でも33.0fl)アイリス設定を手動で絞ったり、ゲイン、バイアス設定でベースを絞ることでランプ輝度を抑えることが出来ますが、今回はそれをあえて実施しません。 ①白色点の測定・較正 白色点はデフォルトのD65だと調整できないため、カスタム設定で測定結果がD65に近いものを採用。 今回はカスタム3で2ポイント調整を実施。 まずは、コントラストが255まで見える設定にした状態で0~109%のRGBバランスを確認します。 この時点で、バイアスレベル(0~30%)の輝度(Gレベルが関与)がどれだけずれているか。 また、ゲイン(31~109%)の輝度(Gレベルが関与)がどれだけずれているか。 2ポイント調整では、ゲイン、バイアスの設定を調整しますが、Gの数値はあえて変更しません。 RとBのみ上下させ、Gが100%になるようにまずは調整します。 その後、RとBがGと一致するように調整します。 今回、SuperWhiteを意識した調整(16-255)であるため、100%の調整結果より109%の調整に重きをおきます。 30、80%レベルで大雑把に調整。 30、100%レベルで大雑把に調整。 30、109%レベルで微調整を行い、109%レベルをほぼ1%未満のずれに抑えます。 その後100%、80%レベルの状況を確認。 ↑ブライトネス、コントラスト調整後の測定データ(30-109%調整前) ↑ブライトネス、コントラスト調整後のグレースケール測定データ(30-109%調整前) ↑30-80%調整後 ↑30-100%調整後 ↑30-109%調整後 ポイント:グレースケールのAutoキャリブレーションは実施しません。 グレースケール調整は、Cubeキャリブレーション(AutoCube)の作業に含まれます。 また、ColorBoxの場合、仮にグレースケールのAutoキャリブレーションを実施してしまうと、メモリ情報(1~6)が破壊されてしまいますので、注意が必要です。 誤って実施してしまった場合は、全メモリのフルリセットを実施する必要があります。 ②Cubeキャリブレーションの前の最終確認 ・RGBバランスの再測定(23ポイント:0~109%) ⇒30%付近、80%付近、100%付近、109%について確認を行い、基準線からの乖離具合を確認しておきます。 少なくとも109%は完全にRGBが基準線に一致していること。 30%、80%、100%はGのみが基準線上からあまり離れていないこと。 ↑2ポイント調整後のグレースケール測定データ ・ダイナミックレンジの測定(90~109%) ⇒90~107%までは基準線(ゴールドライン)と一致しているか、 108~109%はフラットになっているかを確認します。 YCbCr信号の場合、108~109%はフラットになります。 ・コントラスト比の測定(500以上ならOK) ⇒コントラスト比が高いとこの後の調整が有利になります。 ちなみにDCIの場合、劇場でのコントラスト比は2000:1以上であることが基準のようです。 2000:1以上のコントラスト比であることが望ましいと思われます。 ・カラーチェッカーの測定 ⇒プリ測定の位置づけです。較正後の結果と比較するために測定しておきます。 時間短縮する場合は、不要な作業です。 Cubeキャリブレーション前の現状確認をすることが出来ます。 Cubeキャリブレーション後のリファレンスとの乖離を比較するためには実施しておきたいです。 ・リニアリティの測定(サチュレーション・ユニフォーミティ、ルミナンス・ユニフォーミティ) ⇒プリ測定の位置づけです。較正後の結果と比較するために測定しておきます。 時間短縮する場合は、不要な作業です。 カラーチェッカーと同様で、Cubeキャリブレーション後の結果との乖離を比較するためには実施しておきたいです。 ↑2ポイント調整後のサチュレーション・ルミナンスのユニフォーミティ測定データ 青、赤のエラーが他に比べ高めです。 とりわけ青のエラーが特に目立ちます。 VPL-VW1000ESにはCMSが無いため調整はできません。 ポイント:測定時のポイント数設定 Cubeキャリブレーション時に指定するポイント数に応じた測定が望ましいですが、ここではサチュレーション測定のみ実際のポイント数に応じた測定を実施。 ルミナンスポイントは数が多いと時間が掛かるため、デフォルト設定で測定します。 ■Autoキャリブレーション 1.Cubeキャリブレーション ・ルミナンスポイント、サチュレーションポイントの組み合わせを選択、目標⊿Eを入力、サチュレーション重視の設定をし、AutoCubeを開始します。 CalMANのビルドバージョンが「CalMAN 5.2.0 build 1324」より前のものは、デフォルトの設定Standard「16+6 points DelteE 0.5」だと、校正結果を確認したテスト映像にて青色でBandingが発生していました。 今回のバージョンでは、Standardの設定でbandingが発生するか確認しておりませんが、リスクを回避する意味で、「Custom 16+9 points DeltaE 0.5」を選択して調整しました。(サチュレーションポイントを重視:9) ルミナンスポイントとサチュレーションポイントの関連性は重要です。どちらに重きをおくか、その判断で結果が変わります。 なお、「16+9 points deltaE 0.5」の設定を選択した場合、較正完了までに約2時間を要します。 ポイント1:ColoBoxのLED表示には注意 AutoCubeを始める前、AutoCubeキャリブレーション途中においてLEDが「0」になっていた場合は、即座に較正を中止してください。 中止せず最後まで実行した場合、較正にかけた時間、対応した作業に対して何の価値も生み出しません。 ポイント2:較正時間 対象が、プロジェクターではなく、LCDである場合ですと、較正時間は凡そ、半分で済むでしょう。 最大測定モード(16+16ポイント:4096ポイント)指定の場合、LCDならば、約8時間を要します。 対象がプロジェクターで、16+16ポイント指定の場合、16時間以上は確実に掛かります。 ただ、ポイント1で記載したとおり、ColorBoxが較正途中でHDMIネゴシエーションエラーを起こすと、較正に掛かった時間が無意味になります。 このリスクを甘んじて受ける覚悟がある場合は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。 途中でエラーが出ず、成功した場合、最良の結果が待っているのは確かです。 2.Cubeキャリブレーション後の測定 手動較正詳細で記載した「2.Cubeキャリブレーションの前の最終確認」を全て再測定します。 再測定にあたり、CalMANにて、プレ確認に用いたシート(History1)とは別のシートを新規に作成(History2)します。 さて、結果を確認してみるとどうでしょう。 全ての測定項目において、プレ確認の際に取得したDeltaE(リファレンスからの乖離)より良い結果が得られたはずです。 ↑Cubeキャリブレーション後のグレースケール測定データ ↑Cubeキャリブレーション後のサチュレーション・ルミナンスのユニフォーミティ測定データ 全てにおいて、1%未満のエラーとなっています。 実際に映像を3DlUT調整前のメモリと調整後のメモリで比較してみると、 改善されているのがハッキリと確認できます。 特にアニメーション作品などで確認してみると違いが良くわかります。 今回の校正結果は以下の通りです。 Avg Grayscale DeltaE 2000:0.58 Gamma 2.19 Camma DeltaL Max:0.4 Gamma DeltaL Avg:0.2 ColorChecker Max dE2000:0.7 ColorChecker Avg dE2000:0.4 Saturation Max dE2000:0.9 Saturation Avg dE2000:0.5 Luminance Max dE2000:0.8 Luminance Avg dE2000:0.4 Cube dE2000 Max:1.08 Cube dE2000 Avg:0.25 ■較正を終えて プロジェクターにオートキャリブレーション機能が存在する、若しくは立派なCMS機能が存在する場合は、CMS観点において映像プロセッサは不要といえます。 しかし、今日のプロジェクターにおいて、オートキャリブレーション機能が実装されているのは稀です。また、オートキャリブレーション機能といっても1D-LUTのみ、CMSまで対応、それら全てを包含する3D-LUTと多種にわたります。 過去アップしてきた校正結果からも判断できます通り、3D-LUTを用いた較正が良好であることが判ってきました。 ただ、懸念点を挙げるとすれば測定ポイント数を高めに設定し、較正した場合、較正に要する時間がかなり長いいう点です。 方やEIZO社のColorEdgeシリーズモニターで採用しているColorNavigatorは16bitの3D-LUTを採用した較正が可能で、ものの数分で較正が完了します。 そして結果も良好です。 これらを踏まえてSONYが8月末に発表したVW500ESに搭載されるオートキャリブレーション機能に大変注目しております。 ではでは。
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