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日記

4K HDR対応スクリーン レイロドール体験レビュー

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2018年02月03日

先日、OS様のご厚意によりレイロドールスクリーンの映像を確認する機会を頂きました。
当日は映像コンテンツのデモ映写並びに簡易モードでのキャリブレーション・測定、HDR対応スクリーンに関するディスカッションを実施させて頂きました。

各メディアでも絶賛という事もあり常々確認してみたいと思っておりました。


■当日の視聴環境
スクリーン  :レイロドール 100インチ
3°ゲイン2.7はプロジェクターでのHDRコンテンツ視聴の福音となりうるのか!
レイロドールは暗部の表現にも独自の技術を採用、明部の情報が暗部の情報の境界を侵さない工夫が組み込まれています。暗部の再現は如何に!

プロジェクター:JVC DLA-Z1
DLA-Z1をラックの上に設置するスタイルとし、普段視聴する目の高さで主に確認。


■当日のキャリブレーション・測定機材
キャリブレーションソフト    :JVC キャリブレーションソフトウェア
キャリブレーション後の測定ソフト:SpectraCal CalMAN Studio
ソースジェネレータ       :Murideo Fresco SIX-G
リファレンス分光メータ     :X-rite i1Pro2
カラーメーター         :Klein K10-A

すっかりお馴染みのHDR対応機材です。
これらの機材は安定したキャリブレーション結果をお約束する機材です。
オススメします。
なお、JVC キャリブレーションソフトウェアは精度の指定が3段階用意されています。
speed,normal,qualityと順に精度が上がります。
時間がある場合はqualityを指定してください。

■レイロドールの映像の見え方
以前から気にかけていた事を確認してみました。

1.視聴ポジションによる見え方
スクリーンを正面から見た場合、両サイドから見た場合とで色味や輝度レベルが変わるか。
→ぱっと見で違いが判りません。
 液晶テレビのVAパネルのような視野角による色味の変化は気にしなくてよさそうです。

2.レンズと目線の高さの違いによる見え方
プロジェクターのレンズ付近から見た場合とレンズより目線を下げた場合では映像の明るさが極端に変わるか。
→多少の差はありましたが、大きな差は感じませんでした。
 レンズの光が頭部に被らないギリギリのポジションで映像を観ましたが輝度レベルのアップを十分に確認できました。

3.高輝度対応によるギラツキの有無
映像を見た際にスクリーン表面の光沢が「ギラツキ」として認識されるか。
→全く感じませんでした。

■JVCオートキャリブレーションをしてみた
レイロドールスクリーンを使ったDLA-Z1のJVCオートキャリブレーションを実施しております。
当日は限られた時間内での確認という事もありJVCオートキャリブレーションを簡易なモードで実施しております。(ガンマ+カラー、測定精度「Nomal」を指定)

当日、オートキャリブレーションした対象モードは「HDR」モードです。
HDRコンテンツを見る際に輝度を優先したデフォルトのモードで、P3カバー率はフィルターを使わない為、約90%。
フィルターを使ったモードは輝度を犠牲にする代わりにP3カバー率は100%以上。

また、Stewart HD130のスクリーンを使ったDLA-Z1のJVCオートキャリブレーション・測定も別途しておりますのでそれらの結果についても触れておきます。
なお、HD130のスクリーンを使ったDLA-Z1のJVCオートキャリブレーション・測定は時間があるときに実施しましたのでフルモードで実施しております。(ガンマ+カラー、精度として「Quality」を指定)
以下の考察はJVCオートキャリブレーションソフトウェアで指定した精度が異なりますので参考程度の情報としてご認識ください。

・明部の輝度レベル
 HD130のスクリーンと比べて1.5倍ほどの輝度を確認。

・暗部の輝度レベル
 HD130のスクリーンと比べて2倍ほどの輝度を確認。
 sample生地測定時は1.4倍ほどの輝度を確認している為、測定誤差(※)の可能性あり。
 
 ※ JVCオートキャリブレーションソフトウェアの精度の設定が最上級設定の「Quality」で無かったこともこの差に関係していると思われます。
   おそらく精度の設定(Speed、Nomal、Quality)による差は測定サンプリング数や測定ターゲットポイント数の違いが存在するのではないかと思われます。

・色の精度
 luminanceを考慮したエラー値がHD130のスクリーンに比べて2倍ほど低め。
 これは、絶対輝度レベルでの色の見え方に近づいている証でありレイロドールの強みです。
 プロジェクターのルーメン数が高い映像装置と組合せて利用することで効果が更に高まります。

↑OS レイロドール Color Checker
↑Stewart Studiotek HD130 Color Checker


■実際にレイロドールのスクリーンでHDRコンテンツを再生しての感想

・アンダーワールド・ブラッドウォーズ
 OS レイロドール、Stewart HD130共にこのコンテンツは暗部の情報を見通しよく描き分けることが難しいタイトル。

 ch.1のヴァンパイアの館に車で乗り付けるシーン以降で確認。
 暗部の描き分けについてはプロジェクターのダイナミックコントラストをモード1の状態で確認しましたが、HD130と比較しても測定値ほどの差を感じませんでした。
 また、プロジェクターのダイナミックコントラストをモード1にした状態でピクチャーモードを+操作することで暗部階調の見通しは改善することを確認しております。
 (HD130で同操作をした際の見え方に近いです。)

・マリアンヌ
 アンダーワールドと同様で暗部の階調表現の確認にも最適なタイトル。
 ch.11の空襲のシーンと翌日の撃墜された爆撃機を見物する人々のシーンで確認。
 暗部についてはこちらもアンダーワールドと同様の見え方となりました。
 レイロドールですと全編見通して明るめのシーンでの発色の良さが際立ち、DLA-Z1のレーザー光源のパワーを発色に上手く結び付けていると感じました。

・ダークナイト・ライジング
 銀行襲撃から逃走劇のシーンにてパトカー内の警官の制服の陰影描写など暗部の情報の描き分けを中心に確認。
 他の作品と同様、HDR10の静的メタデータの仕様がどうしてもネックになります。
 プロジェクターのピクチャートーンを操作しないと黒つぶれが発生します。
 プロジェクターのダイナミックコントロールをモード1にした状態、ピクチャートーンを+操作して確認することで暗部の階調を確認しております。


・ハドソン川の奇跡
 ネオンや街頭プロジェクションのあるビル群を背景に主人公が夜間のジョギングをしているシーンを確認。
 このシーンは現行のプロジェクターでは暗部、明部の階調を同時に表現することが難しいシーン。
 映像内に暗いオブジェクトと明るいオブジェクトが同等の面積比で混在する場合、絶対輝度レベルで輝度条件を満たしていない限りどっちつかずの映像となります。
 どの映像装置でも同じことがいえますが、映像装置で選択したピクチャーモードに設定されているPQカーブに沿ったトーンで映像が出力されるため、
 映像装置がコンテンツの絶対輝度を満たしていない場合で明部の階調を出すトーンが採用されている場合、映像は暗くなり暗部がつぶれます。
 HD130、レイロドール共に同様の出力傾向ですが、レイロドールの方が明部の表現に余裕があるという印象でした。
 
 暗部側の映像を確認したい場合、映像装置でピクチャートーンを+操作すれば暗部の情報は見通しが良くなりますが、その代わり明部の階調はクリップするタイミングが早くなります。
 このため暗部の階調表現を得意とするコントラスト比の高い映像装置であれば暗部も明部も階調を表現し易く、このシーンのような映像を鑑賞してもストレスを感じないはずです。

・宮古島
 コンテンツ自体の絶対輝度がUHD BDコンテンツ作成のスタンダードレベル(MaxCllが1000、MaxFallが400)の範囲内で作成されている模範的なコンテンツです。
 全編通して見通しの良い映像を確認できました。
 特にレイロドールではハイライト側の階調が気持ちよく、魅せる映像を数多く確認できました。 
 
・プラネットアース2
 自然界を切り取ったかのような映像をこれでもかと堪能できるお勧めのタイトル。
 毒々しいほどの色使いの昆虫、陽の光を受けた大地、動植物の織りなす美の競演、弱肉強食の世界を垣間見ることができます。
 レイロドールですとP3色域中の色彩を「RE:彩る」の名前の通りに美味しく、そして世界観をストレスなく堪能することできました。

■最後に
レイロドールスクリーンを使った視聴を終えて、測定結果が示す通り輝度レベルの向上が色純度に対してアドバンテージになることを改めて確認できました。
視聴スタイルさえマッチすればHDRコンテンツを観る為には最適なスクリーンであり、導入検討の価値がありそうです。
HDR対応でレーザー光源、若しくはハイコントラストを達成しているプロジェクターをお使いの方で、ラック置きに挑戦できるユーザ様は導入を検討してみては如何でしょうか。

当日は簡易的なキャリブレーションに留めましたが、ガンマの精度として精度の高い「quality」にした場合、白色点をD65に整えることが可能でしょう。
今回の測定では白色点が青よりにポイントされていました。
レイロドールのColor checker結果のGamut図(CIE 1976U'V')が示す通り、白色点のズレの傾向がそのまま各色度点の測定ポイントのズレに結びついています。
この件についてOS様に念の為確認しておりますがレイロドールはD65ベースで製造されているので測定誤差によるものだろうと回答を頂いております。

最後に当日はレイロドールとDLA-Z1を使ったデモンストレーションならびにキャリブレーション・測定・ディスカッションにお付き合い頂き、OS様には大変感謝しております。
この場を借りて御礼申し上げます。

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  1. ガッツさん、毎度です。

    大変参考になりました。ありがとうございます。このゲインでホットスポットが気にならないというところで、期待できると思っています。現在はサイズを含めてラインナップが少ないので、増えた時点で我が家にも導入の検討をしたいと思っています。

    by元住ブレーメン at2018-02-03 19:53

  2. 元住ブレーメンさん、どもです。

    レス、ありがとうございます。
    サイズのラインナップについては今後に期待ですね。

    ■レイロドールと組合せて使った場合に相乗効果が期待できそうな動的メタデータ対応
    今後フラグシップ機であるDLA-Z1が動的メタデータに対応する可能性もありますし、
    本命のPanasonicの動的メタデータ対応プレイヤーの登場も可能性ありです。
    今年は「動的メタデータ対応」がキーワードになりそうなので、各社の取り組みに期待しています。

    CESなどで話が出てきた各社のHDRコンテンツに対する取り組みを整理するとメタデータに頼らずともフレームデータの先読みによる解析でHDR10+と同じ様な振る舞いが可能であるという情報があります。
    コンテンツの絶対輝度情報を基に輝度解析を行えば技術的に可能だとか。
    例えばプロジェクター側で解析ロジックを実装していると想定した場合、メタデータが存在するコンテンツの場合は解析処理をバイパスすれば良いですし、メタデータが存在しない場合は解析ロジックを基に映像を出力するという感じですかね。

    また、プレイヤー側で解析ロジックを実装した場合、解析した情報を基に作成した擬似HDR10+仕様のメタデータをオリジナルのHDMI信号に付与するという手もあります。
    もし、これらが可能ならば面白いことになりそうです。
    既に発売されているHDR10タイトルでも動的解析処理やHDR10+方式、DV方式を実装したプロジェクター若しくはプレイヤー、またはその両方があればグッと映像表現が上がりそうです。

    AV的にはどの組合せがベストなのか、また技術的にも興味があります。
    そのうち、HDR10版、HDR10+版、DV版、HDR10の動的解析版で映像表現の比較などの議論が出てきそうですね。

    ではでは。

    byガッツ at2018-02-03 23:38

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