日記
2008年09月06日
音楽家とリーダーシップ
本来、政治のような無粋な話題はこのコミュニティではご法度かと存じますが…
福田首相が退陣を表明し、記者会見の際、中国新聞の記者が「総理の会見が国民には
ひとごとのように聞こえる」と発言したことに対して、首相が「『ひとごとのように』
とあなたはおっしゃったけどね、私は自分自身のことは客観的に見ることができるんです。
あなたとは違うんです!」と色をなして反論しました。
この「あなたとは違うんです!」というフレーズが話題となり、
Tシャツになるわ、

流行語大賞の有力候補になるわ、大変なことになっています。
それにしても、福田首相が「私は自分自身のことは客観的に見ることができるんです。」
とおっしゃるのであれば、「元々政治家には向いてなかったんじゃないですか。
ずっとサラリーマンをおやりになっていた方が良かったんじゃないですか。」
と嫌みの一つも言いたくなります。
ただ、政治家は「国民の鏡」でもあるわけで、こんな人に政治をさせているのは
我々の責任でもあるわけです。当たり前のことですが、選挙では棄権をせずに
「誰に、どの政党に政治を任せるのがいいのかを考えて投票しなきゃいかん」
と改めて思う次第です。
さて、音楽家でかつ政治家と言えば、先日ご紹介したパデレフスキーが有名ですが、
政治家に最も必要な「リーダーシップ」がある音楽家といえば、
イタリアの指揮者アルトゥーロ・トスカニーニ[1867―1957] はその代表ではないでしょうか。

トスカニーニは、作曲者の指示を厳格に守り、作品の構造を明確に浮かび上がらせつつ、
あらゆるフレーズを歌わせ、あらゆるリズムを生命力たくましく再現する演奏スタイルを
築き上げ、20世紀の指揮界に新風を送り込みました。
フルトベングラーとともに20世紀前半を代表する名指揮者です。
トスカニーニの指導の厳しさやワンマンぶりについては数多くのエピソードが
残されていますが、その甲斐あってこれまた多くの名演奏が残っているわけです。
そのきびしい指導の一端をうかがい知ることができる演奏として、本日はパガニーニ作曲の
「無窮動(常動曲)」をお聴きいただきます。
「無窮動」は名ヴァイオリニストでもあったパガニーニが得意とするヴァイオリンの
スピッカートで無限に続いていく素晴らしい曲です。
まず、ユーディ・メニューイン(1916―99) のヴァイオリン独奏で、「無窮動」をお聴きください。

どうですか。
この素晴らしいスピードとテクニック。
この曲をトスカニーニは、管弦楽曲に編曲しNBC交響楽団を指揮して演奏を行っています。
まさに「一糸乱れぬ名演奏」とはこのことで、トスカニーニの「リーダーシップ」を
見せつけた名演奏です。
それでは、こちらからお聴きください。
レス一覧
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こんにちは。
よく、現代は「指揮者のサラリーマン化」みたいな言葉を見聞きしますね。往年の名指揮者のような個性というかアクの強い表現が感じられない、とりあえず無難な演奏をする指揮者ばかりになってしまったと言いますか・・・。
政治も似たようなものかもしれませんね。淡々と事務仕事のように与えられた職務をこなしている政治家が「まあ、あの人ならば無難だろう」みたいに好まれるようになってきたんでしょうか。政治家もサラリーマン化と言うんでしょうかね。
往年の名指揮者のいろんなエピソードを見聞きすると、あまり政治家にさせたくないような人たちばかりのような気もしますが・・・。
お気に入りユーザーに登録させていただきます。よろしくお願いします。
byrikyu at2008-09-06 17:50
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rikyu様
レスありがとうございます。
確かにあらゆる業界で「サラリーマン化」しているといえるのかもしれませんね。
欧米のリーダーシップは「自分が何をしたいかを知り、それを実行し、邪魔する相手がいたら激怒して追い払うことだ」という第二次世界大戦の名将・パットン将軍の言葉に代表されるように大変明快であります。
これを地で行ったのが小泉元首相でしたが、福田首相は、結局このようなリーダーシップを示すことなくその座を去ることになったわけです。
おっしゃるとおり、名指揮者にはトンデモないエピソードが多いですが、当節は、「変人」でもないとなかなか思うような国家運営ができないのかとも思います。
ただ、「変人」宰相の政策によって日本社会が混乱し、今日数多くの問題が噴出していることも確かで、この辺を国民はどう評価するのか、悩ましいところではあります。
お気に入りにお加えいただきありがとうございます。
私の方にも加えさせていただきます。
今後ともよろしくお願いいたします。
byNEKOMARU at2008-09-06 20:19
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はじめまして。
私が指揮者で好きなのはブルーノ・ワルターです。晩年のコロンビア交響楽団との演奏はゆったりとして、間の取り方が絶妙で、音を美しく響かせるもので聴いていて非常に心地よいものだと思っています。(あくまで私の主観ですが)
とは言え、トスカニーニもフルトヴェングラーと並ぶ稀代の名指揮者。これから少し集めて聴いてみようと思います。
byFCA at2008-09-07 04:33
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FCAさん
レスありがとうございます。
ワルターは真面目な演奏をする人ですね。
フルトヴェンクラーのように独特の「タメ」や「間」のある人ではありませんが、本当にキレイな音楽を聴かせる指揮者だと思います。
トスカニーニ、フルトヴェンクラー、ワルター、メンゲルベルク、ワインガルトナー、ストコフスキーを「世界の六大指揮者」と評したのは野村胡堂氏でした。聞き比べてみるのも楽しいですね。
byNEKOMARU at2008-09-07 10:03
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