日記
2008年10月21日
神を超えた男
「チェロの神様」「弓の王」といわれたパブロ・カザルスですが、この巨人を超えると評されたチェロの名手がいました。
エマヌエル・フォイアマン(1902―42)がその人です。

この人の天才ぶりを伝えるエピソードは数多くあります。
「11歳でベルリン・フィルハーモニーで独奏を行い、17歳でケルン音楽学校の教授、
20歳代でベルリン高等音楽院教授になった。」
「ヴァイオリンでも難曲といわれるツィゴイネルワイゼンをチェロで見事に演奏した。」
そして、フォイアマンの弟子が、齋藤秀雄(1902―74)です。
齋藤先生は、終生フォイアマンの教えを忘れず、同い年の恩師が自分に接したように厳しい指導を弟子たちに行いました。
「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」に出演した我が国を代表する音楽家の多くが、フォイアマンの孫弟子になるというのも驚きですね。
戦前、来日したフォイアマンは、「ツィゴイネルワイゼン」などの難曲、名曲を自在に演奏し聴衆の度肝を抜きましたが、ユダヤ人であったために、ドイツ本国ではナチスの迫害によって国を追われ、アメリカに逃れます。
渡米後も精力的に演奏活動を行いましたが、1942年、40歳の誕生日を目前にニューヨークで病死しました。
病死と言われていますが、実際には医療事故が原因だったようです。
もし、フォイアマンがカザルスのように長寿を全うしていれば、どれほどの業績を残したかは計り知れず、その早すぎる死は惜しむに余りあります。
フォイアマンの「 ツィゴイネルワイゼン」は、SPレコードのみにその抜粋が残されている貴重なものです。以前ご紹介した名ヴァイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツの「 ツィゴイネルワイゼン」とお聴き比べいただければ、フォイアマンの天才の一端を垣間見ることができるでしょう。
E.フォイアマン演奏「ツィゴイネルワイゼン」→こちらから
J.ハイフェッツ演奏「ツィゴイネルワイゼン」→こちらから
もう1曲、チェロといえばこの曲、サン=サーンスの「白鳥」です。
「白鳥」は、意外に難しい曲ですが、フォイアマンはいとも簡単に弾きこなしています。
「難しいものを難しく感じさせない演奏」
これぞプロフェッショナルですね。
E.フォイアマン演奏「白鳥」→こちらからお聴きください。
レス一覧
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いやぁすごいですね。私もヴァイオリン弾きの端くれですが、あのでかいチェロでこの指の回り方は驚異的です。というか、チェロに聴こえません。チェロなりの表現もあって、ただの「超絶技巧」に終わっていないのも素晴らしい。ぜひCDで出して欲しいですね。
by元住ブレーメン at2008-10-22 02:29
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素晴らしいですね!出勤前の時間なのでちょっとしか聴いてませんが、NEKOMARUさんの投稿された動画、後でじっくりと鑑賞させていただこうと思ってます。
究極のアナログ=蓄音機か~! いいものですね。
勝手ながらお気に入りに登録させていただきました。これからもよろしくお願い致します。
byニャンタ at2008-10-22 06:40
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元住ブレーメンさん、ニャンタさん
レスありがとうございます。
>元住ブレーメンさん
フォイアマンの運指は驚異的ですね。14歳で大チェリスト、クレンゲルに入門したときに、メンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルトをチェロで楽々と弾いてしまったというほどの天才だというのがよく分ります。1970年代まで生きていてくれればもっと色々な演奏を聴けたのにと思います。CDは輸入盤であるのですが、SPからCDに編集したものは、雑音も大きく余り良いものではないと思います。
>ニャンタさん
色々な音楽家の演奏をランダムに投稿していますので、ご自由にお楽しみいただければありがたいです。
蓄音機は、現代のオーディオと比べると音質などあらゆる部分で劣りますが、音楽として聴く場合は異常に臨場感のある演奏になります。
銀座シェルマンの社長が「蓄音機は楽器である」とおっしゃっておられましたが、こんな小さな蓄音機でもその一端を感じ取っていただければ嬉しく存じます。
お気に入りにお加えいただきありがとうございます。
当方にも加えさせていただきますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
byNEKOMARU at2008-10-22 18:06
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