日記
2008年12月02日
暖炉のあるくらし
師走に入り、寒さも本格的になってきました。
十二月というと思い出す詩があります。
萩原朔太郎の「乃木坂倶樂部」です。
乃木坂倶樂部
十二月また來れり。
なんぞこの冬の寒きや。
去年はアパートの五階に住み
荒漠たる洋室の中
壁に寢臺を寄せてさびしく眠れり。
わが思惟するものは何ぞや
すでに人生の虚妄に疲れて
今も尚家畜の如くに飢ゑたるかな。
我れは何物をも喪失せず
また一切を失ひ盡せり。
いかなれば追はるる如く
歳暮の忙がしき街を憂ひ迷ひて
晝もなほ酒場の椅子に醉はむとするぞ。
虚空を翔け行く鳥の如く
情緒もまた久しき過去に消え去るべし。
十二月また來れり
なんぞこの冬の寒きや。
訪ふものは扉を叩つくし
われの懶惰を見て憐れみ去れども
石炭もなく煖爐もなく
白堊の荒漠たる洋室の中
我れひとり寢臺に醒めて
白晝もなほ熊の如くに眠れるなり。
殺せかし! 殺せかし!
いかなればかくも氣高く
優しく 麗はしく 香はしく
すべてを越えて君のみが匂ひたまふぞ。
我れは醜き獸にして
いかでみ情の數にも足らむ。
もとより我れは奴隷なり 家畜なり
君がみ足の下に腹這ひ 犬の如くに仕へまつらむ。
願くは我れを蹈みつけ
侮辱し
唾を吐きかけ
また床の上に蹴り
きびしく苛責し
ああ 遂に――
わが息の根の止まる時までも。
我れはもとより家畜なり 奴隷なり
悲しき忍從に耐へむより
はや君の鞭の手をあげ殺せかし。
打ち殺せかし! 打ち殺せかし!
若い頃は、詩など馬鹿にしていたのですが、最近は妙に心惹かれるものがあります。
自分の人生の中のどこかに重なるものを見いだすことがあるからでしょうか。
さて、今日のテーマ「暖炉のあるくらし」ですが、
以前「たためる椅子」などでご紹介した建築家・吉村順三さんは、

「暖炉によって、そこに燃える火によって室内空間は楽しく演出される。私は居間におけるドラマチックな効果をねらって、たいていの居間に暖炉を設ける」と語っておられました。
私も自分の住まいには暖炉が欲しいなぁと思っていたのですが、
悲しいことに集合住宅住まいでどうにもなりません。
先ほどの朔太郎の詩ではありませんが、
「石炭もなく煖爐もなく 白堊の荒漠たる洋室の中」
といった状況を残念に思っておりました。
ところが、世の中はうまくしたもので、
「電気暖炉」という有難い商品が販売されていました。
イギリス・ディンプレックス社のポータブル型電気暖炉「CLUB」です。

同社の電気暖炉では一番小型で、一言で言えば「なんちゃって暖炉」なのですが、
炎と薪ストーブの演出はなかなか見事なものです。
本日は、動画で電気暖炉がどのように「炎と薪ストーブ」を演出するかご覧いただきたいと思います。
無音で動画を流しているのも愛想がありませんので、「CTI名曲選(特別版)」として
DEODATO 2(1973)より、

「亡き王女のためのパヴァーヌ」を一緒にお聴きください。
デオダートの演奏するエレピとストリングスで、ラヴェルの音楽をロマンティックに演奏しています。
それでは、こちらからどうぞ。
朔太郎の「乃木坂倶楽部」は、乃木坂にあったアパートだったようですね。
どんな建物だったのでしょうか。
私は麻布台にある和朗フラットで、昭和初期のアパートの風情を感じられるような気がします。

レス一覧
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萩原朔太郎は良い作家ですね。
メルヘンなポエムは苦手ですが、こーゆー「シミル」詩は好きですー。
この暖炉、こないだ実物で見ましたわー。
ちゃんと煙突もついているみたいですが・・・
実際見ると・・・うーん・・・な気がしました。
マンションだと暖炉はムリですが、こんなのはノスタルジックで中々良いですよーww
「石油ストーブランプ」
http://www.nipponsento.co.jp/item_stove_lamp/stove_01_1.html
毎年すぐ売切れてしまうみたいなんですが・・・ほしいですねー
すぐに暖かくならないもののほうが、暖かみの貴重さを演出してくれて個人的には好きですねぇ。
(ファンヒーター嫌い・・・)
かくいう私の部屋は、現在真空管アンプだけで暖を取ってます(笑)
そろそろコタツくらい出さなきゃ・・・
by凛吏 at2008-12-03 09:17
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凛吏さん
れすありがとうございます。
この手の電気暖炉は他にもありまして
値段も1万円前後から上は何十万というものまで本当に色々あります。
>「石油ストーブランプ」
おお、日本船燈じゃないですか。
身内の海運関係の者が、ここのランプをインテリアに使っていました。
なかなか海の風情があっていいものですよね。
ただ、一酸化炭素中毒が怖いので、集合住宅で「石油ストーブ」はちょっと・・・
「真空管」暖房ですか。
300B位のサイズが並ぶと壮観でしょうね。
ただ、電気代が…
請求書は見たくないですねぇ(笑)
byNEKOMARU at2008-12-03 22:33
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