ベルウッド
ベルウッド
クラシック音楽ファン:よい演奏会があると知れば遠征もいといません。オーディオシステムは、音楽そのものを楽しむのが本来というモットーのもとにコストパファーマンス重視で小ぶりな装置を目指します。正統オーデ…

マイルーム

メインシステム
メインシステム
持ち家(戸建) / リビング兼用 / オーディオルーム / 16畳~ / 防音なし / スクリーンなし / ~2ch
スピーカー:    PSD T4 Limited Special-ネットワークレス・マルチアンプ駆動 調音パネル:    Escart Ventoスクエア パワーアンプ:   金田式DCアンプ…
所有製品

レビュー/コメント

レビュー/コメントはありません

カレンダー

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最新のレス

日記
製品レビュー/コメント

製品レビュー/コメントへのレスはありません

お気に入り製品

お気に入り製品はありません

日記

ジョン・ウィリアムス ギター・リサイタル

このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年10月28日



「神の降臨」といういささか大げさなふれこみがついていましたが、ほんとうにそういうリサイタルコンサートだったのです。

ジョン・ウィリアムズさんは、先日、年内で引退すると表明したとのことで、今回の来日ツアーは日本で聴ける最後の機会となるとのこと。ところが、そんなことを微塵も感じさせない軽い足取りでさっそうとステージに現れました。



ステージにはマイクが立てられ、それが後方のふたつのスピーカーに直結されています。この小さなホールであってもSRが薄くかけられているようでした。それほどギターの音は小さい。けれどもほとんどその存在を感じさせない、とても自然な音です。

一曲目はバッハ。

私が大好きな無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番をバッハ自らがリュート用に編曲したもの。その天国的なアルペジオが続く「プレリュード」は、『平均律』のあのハ長調の前奏曲のようにほんとうに美しい祈りの曲。

ジョンさんは頻繁にチューニングをする。ギターというのはほんとうに繊細な楽器。一曲目が終わったところですぐにチューニングを始めようとしたので、これが会場の拍手を誘ったかっこうになりました。東京の聴衆が、しかも、これほどポピュラーな名曲の楽章と楽章の合間で拍手してしまうというのは初めて。この拍手に、ジョンさんがにこやかにうなずくと、すぐに二曲目の「ルール」に入りました。私の大好きな「ガヴォット」も、最後の感動的な「ジーグ」まで、ほんとうに純真無垢なバッハ。

続いては現代作曲家の曲が4曲。

始めの2曲では、ギターという小さな宇宙にひきこまれていくような気がします。「ア・クローズド・ワールド」という曲名は、まさにギターの世界を示唆しているのだと思いますが、その深遠な響きは無限空間の円環を思わせ、ふと、「私たちはどこから来て、どこへ往くのだろう」という生命の去来にまで思いを馳せてしまいます。

次の2曲は、小さなオーケストラという異名を持つギターの繊細で多様・多彩な音の魔法のような世界。よくもこれだけいろいろな音が出せるのだろうか、という驚きが、小さなギターの中にあたかも無限の小生物が棲んでいるというような幻惑に変わっていきます。私たちが生きているこの世界には何と多くの生命種が生きているのだろうか?…そういう感動に心が満たされていきます。

休憩をはさんでの後半。

まずは、アルベニスの「アストゥリアス」とタレガの「アルハンブラ宮殿の思い出」というギターの名曲中の名曲。くり返し親しんできた名曲がいま眼前で神業のような完璧さで演奏されているという感動。それは気の遠くなるように広大な宇宙空間の片隅の一点で、一瞬の奇蹟が起こったことを目撃したかのような何ものにも代えがたい感動でした。

それからは、ジョンさん自身の曲や映画音楽のテーマなど親しみやすい多くのギター曲が次々と演奏されました。それは、ほんとうに至福のひととき。聴いていると、何となく自分が初夏の高原の森にいるかのような気持ちがしてきて、風に揺れる梢や小鳥たちのさえずり、沢の音、驟雨に木々の緑から滴る水音など様々な大自然の恵みのような豊かな生命の響きに囲まれているような気持ちになってきます。

ジョンさんが何度もステージに呼ばれ、ついに手を振りながら下手そでに去っていったとき、お隣のご婦人は、そっと涙をぬぐっておられました。



今回は、友人の厚意で、立て続けの武蔵野市民ホール体験となりました。この場にいられたことは生涯の思い出となりました。大感謝です。









ジョン・ウィリアムス ギター・リサイタル
2013年10月22日(火)  19:00
武蔵野市民文化会館 小ホール

出演
ジョン・ウィリアムス(ギター)

プログラム
J.S.バッハ:リュート組曲 第4番 ホ長調 BWV1006a
(原曲:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 BWV1006)
フレデリック・ハンド:祈り
グレイム・ケーン:ア・クローズド・ワールド
スティーブン・ゴス :マリルボーン・エレジー
ジョン・ウィリアムス :マリンケ・ギターズ
------
アルベニス:アストゥリアス
フランシス・タルレガ:アルハンブラ宮殿の思い出
ジョン・ウィリアムス:ステッピング・ストーンズ 第1番
           オッド・ナンバーズ
           フロム・ア・バード 第3番
           ハロー・フランシス
スタンリー・マイヤーズ:カヴァティーナ(映画「ディア・ハンター」のテーマ)
アグスティン・バリオス:ワルツ 第3番
イグナシオ・フィゲレード:ロス・カウハリートス
アントニオ・カリージョ:星の涙
ベニート・カノニコ:エル・トトゥモ

次回の日記→

←前回の日記

レス一覧

  1. こんばんは、

    タイトルで我が目を疑い、我が不明を恥じました。
    J・Wさんはずっと前にレジェントになられたと思っていたので・・・
    先般VPOを振ったプレートルに続く伝説の中から偉人が蘇ったようです(驚いているのは自分だけで失礼)

    書かれている通りギターのコンサートは、誰が悪い訳でもなくテクニカルな問題と背中合わせであり、小事も無く終演を迎えるのは本当に希有な事だと思います。
    それをラストに近いお年でされるのですから、やはり生けるレジェントですね。

    おそらく数百人の聴衆の方と思いますが居合わせた人にとっては生涯語り継がれるエポックであって、そのような会はこうして秘めやかな雰囲気の場所で生まれたりするのでしょうね。
    まったくすばらしい体験で良うございました。

    byLoge at2013-10-28 17:55

  2. Logeさん

    ウィリアムスさんは、日本ツアー前半の大阪では風邪気味だったそうで咳払いをしたり、曲間で咳き込んだりと本調子ではなかったようです。幸い、東京では回復されていたようでこの日はそんなこととはつゆ知らず、完璧な演奏でした。本当に生涯忘れられないエポックでした。

    byベルウッド at2013-10-29 09:41

レスを書く

レスを書くにはログインする必要があります
ログインする