ベルウッド
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日記

ああ、バイロイト (ドイツ音楽三昧 最終章)

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2015年09月02日

私たちのドイツ音楽三昧は、いよいよ最後のクライマックスを迎える----はずだったのですが…。


ミュンヘン滞在も6日目となり、中2日ほどは音楽会抜きで南ドイツの名所巡りにでかけました。

一日は、ガルミッシュ=パルテンキルヒェン(Garmisch-Partenkirchen)。ドイツを代表するスキーリゾートですが、1936年冬季オリンピックの開催地。この時にガルミッシュとパルテンキルヒェンのふたつの町が合併してできた町だそうです。

あいにくこの日のアルプスは天候がいまひとつで本来の眺望を得られませんでしたが、アプト式の鉄道とロープウェイを乗り継ぐ山頂までの行程を存分に楽しみました。下山してからふもとの街を散策してみると、「R.シュトラウス学院」なるものがありました。博物館のようなものらしいのですが、そういえばあの「アルプス交響曲」はこの地で作曲されたのですね。


二日目は、ノイシュバンシュタイン城ツアー。これでバイエルン王ルートヴィヒⅡ世ゆかりのお城、リンダーホーフ、ヘレンキームゼーの3つのすべてに登城しました。ルートヴィッヒは私の大好きな王様です。

ここも未完成のお城で、美しい外観に反して中味はがらんどうなどと聞いていましたが、どうしてどうして内覧コースはとても充実していて、やっぱりこのお城がルートヴィッヒのワグナーへ楽劇へのグロテスクなまでの偏愛ぶりが最も鮮明です。

このバスツアーは日本人向けのもので、やっぱり同胞が囲まれるとついくつろいでしまいます。城内見学も日本語の音声ガイドつきで内容もよく理解できます。およそ30人ほどのツアーでした。ミュンヘンの街を歩いていても滅多に日本人に出会うことはないのですが、いざとなるとこうして集まってくるのが不思議。

一方で、こういう名所観光となると辟易させられるのが中国人ツアー客の傍若無人ぶり。マナーは最低で、マリエン橋までのバスを待っていると、行列を囲っているロープを子供を先頭にかいくぐって集団で割り込んでこようとします。私が「プー!プー!!(不!不!!)」と追い払うとしらんぷりしてワイワイ言いながら行ってしまいます。呆れてしまったのはトイレでの割り込み。みやげもの屋の狭いトイレで順番を待っていると、いい歳をしたオヤジが先頭の私の後からすり抜けていこうします。思わず「ウェイ!ウェイ!」と襟首をひっつかんで引き戻しました。さすがに照れくさそうに卑しい笑いを浮かべていましたが、いざ強く出ると実に弱々しい民族です。

帰り途にはフュッセンの街にも立ち寄りました。この街は、実は、ヨーロッパにおけるヴァイオリン製作の揺籃の地でもあります。アルプスの麓にあって森林資源に恵まれ、イタリアとの交易拠点でもあったという文化的歴史なのでしょう。市の博物館を訪ねると16世紀初頭にまで遡るリュートやヴァイオリンのコレクションやレプリカがふんだんに展示されています。



ミュンヘンに帰還すると、夜の音楽会がないのでゆっくり食事を楽しみました。一日は、マリエン広場の市庁舎の地下にある「ラーツケラー」で地元バイエルン料理を楽しみました。ミュンヘン観光というといわゆるビアホールになりがちですが、この地下レストランはそういう喧噪とは無縁でサービスもよくて観劇前の食事に最適でした。ちょっとフルトヴェングラー似の背の高い品の良いウェイターのおじさんにかしずかれて気分がよかったです。

二日目は、ホテルの近くのバイエルン伝統料理のレストラン。こちらはなかなか高級そうなところで品のよさそうな老夫婦や常連風の老婦人、若い家族連れまで静かに料理を楽しんでいます。ビアホールも一度ぐらいは良いですが、ソーセージばかりでは飽きてしまいます。せっかくですからこういうレストランで食事を楽しむのもよいのではないでしょうか。ドイツ料理もなかなかのものです。



そして…

いよいよドイツ音楽三昧の最終日は、バイロイト。前回と違って市内のホテルに一泊ですので余裕綽々。ホテルにチェックインすると、前回はまだオープンしていなかったワグナー博物館(「ヴァンフリート館」)見学。あの「ジークフリート牧歌」が妻コジマのために演奏されたという屋敷の階段は思ったより小さいものでした。

すぐ隣にはリストが晩年を過ごした住居もあります。よくリストを呼んで一緒に食事をしていたとのこと。若いときは放埒の限りを尽くしたワグナーですが、後半生はよき夫、よき婿どのだったのですね。



ホテルに戻ってひと休み。身繕いをしてロビーに下りて音楽祭会場へ向かう送迎バスに乗るつもりだったのですが、ここでようやく異変に気づきました。

開演時間を勘違いしていたのです。

バスの出発を午後6時半と思い込んでいましたが、実は16時半。開演時間は18時だったのです。出発前の日本では確認を重ねていたはずなのに、どうしてこの土壇場でこんな間違いをしてしまったのか。

「さまよえるオランダ人」は三幕ですが、この公演は休憩無しでの一気の上演です。だから遅刻してしまえば入場は永遠に不可能。そのことはあらかじめわかっていましたから、すでに開演していると知った時点で思わず天を仰ぎました。

それでも悔いを残したくないとの思いでタクシーで会場にかけつけました。そこには数人の係員がいて、私たちがタクシーを下りると事情はすでに飲み込んでいるという様子ですぐに寄ってきます。ごく平静に中には入れないが、待合室に案内すると言います。「中に入るチャンスは絶対にないのか?」と泣き言のような質問を重ねても黙って淡々と案内します。確かに通路もなく、劇場の内扉そばにスペースさえもない会場に途中で入るのは例えメルケル首相でも許されないのでしょう。

何とも陰気な階段を上って、2階の真っ暗な部屋に入るとそこはTVモニター室。部屋にはすでに6人ほどの老若男女。私たちの後にさらにアベックの二人が入ってきました。ここで終幕までじっとTVモニターを見ているばかり。終幕となりTVモニター音声からは大喝采が響きますが、室内は何の声も上がりません。会話らしい会話もなくそれぞれが無表情のまま立ち上がると三々五々に部屋を出て行きました。

まだ会場では喝采が続いていて、外はひっそりとしています。今のうちに帰ろうということで私たち夫婦は無言のままとぼとぼと徒歩でホテルに向かいます。まさに言葉も出ないとはこのことです。どうしてこんなヘマをやらかしたのか。やはり自分たちは旅慣れているという慢心もあったのでしょう。前回と違ってバイロイト現地一泊で、かえって時間的余裕があったので気が緩んでいたのだと思います。二人なら勘違いがあってもどちらかが気がつくだろうとの思いもありました。14時を4時、15時を5時などという勘違いは今までもありましたが、よりによってバイロイトに来て二人そろってやらかすとは…と私たち夫婦はその後数日すっかり意気消沈。

この日は特上の席をゲット。この音楽三昧旅行中最高の282ユーロ(約4万円)もしたのです。けれども単にお金の問題ではありません。全くの無駄足というわけではなく「ローエングリン」でバイロイト・デビューを果たしていたからまだしもですが、唯一の機会だったらどうだったろうかと思うとぞっとしてしまいます。

というわけで、私たちの怒濤のドイツ音楽三昧は、まさかの逆クライマックスによってまことにあっけない幕切れとなったのでした。

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  1. わわわ、それは悲しすぎる(´Д` )。ほとんどの演目が16時開演で、「ラインゴルト」と「オランダ人」だけは休憩が無いから遅い訳なんですが、2時間違うだけなんですよね。逆に間違えたんだったら良かったのに(・・;)。「オランダ人」は今年から指揮者も変わって、ティーレマンのブルレイとはまたひと味違った感じが期待できた筈なのに(・・;)。
    という私も、ついこの間プロムスでのBBC響の演奏会の開演時間を1時間間違えて、前半をほとんど聞き逃した(あそこは非常に緩いところなので、立ち見席はいつでも入れる^^;)ばかりでした。ま、チケット代が40倍ぐらい違いますが^^;、開演時間を間違えたのは人生初の出来事でした。
    でも、バイロイトはその気になればいつでも買える感じになってきたから、また行けばよろしいのではないでしょうか(^。^) 前は何年も待つ必要が有ったので、最初にチケットが割り当てられるまで、申し込み始めてから11年も待たされましたが(=_=)。私もまた次の「指環」のサイクルが始まったら、行こうと思ってます(^^)。

    byGEA01171 at2015-09-02 20:40

  2. こんにちは〜

    私もこの地下レストラン行きました。料理おいしかったですね。
    ビールもイケてました!

    by大盛華麗 at2015-09-02 22:56

  3. と~と~、ベルウッドさんの音楽三昧の旅行記も最終章ですか~

    私も小旅行をさせていただいたかのように、
    良いとこ取りで楽しませていただきました

    ハッピーエンドならずの逆クライマックスでしたが、

    またドイツに行きたくなる理由になりそうですね~
    幕切れならず、まだまだ物語は続くかのよう?でしょうか(笑)

    あ~、ドイツでの音楽や食事、・・・あっお酒とソーセージも
    体験してみたくなってしまいました

    byRIRA_ at2015-09-02 23:13

  4. GEA01171さん

    やっぱり老人力が増しているのですかねぇ。哀しくなります。
    過去にも似たような失敗をしているのですが、よりによってバイロイトまで来て、絶対入れてくれないとわかっていて、しかも、休憩皆無の一気公演と、絶対に遅刻してはいけない公演でよりによってやってしまいました。誰のせいでもない、自分のバカですから、本当に言葉を失いました。

    バイロイトは、来シーズンも一段とオープンになるようです。たくさんのひとが機会をとらえて訪れて欲しいですね。「指輪」もバラ売りしてくれるとよいのですが。

    byベルウッド at2015-09-02 23:17

  5. 大盛華麗さん

    市庁舎地下の「ラーツケラー」というレストランです。

    今回の旅行では、毎日、違うラベルのビールを飲んでいました。私のようなビール好きには天国みたいなところです(笑)。

    byベルウッド at2015-09-02 23:19

  6. RIRA_ さん

    いや~、最後にオチがついてしまいましたが、ドイツは音楽好き、酒好き、肉好きにはサイコーですね。

    音楽はもちろん、ホール音響の面でもよい体験をさせてもらい、ずいぶんと勉強になりました。よい音、よい音楽を聴くと耳が鍛えられる…というか豊かになりますね。それが日頃のオーディオ鑑賞とかシステムチューニングに役立つということでしょう。

    やっぱり《生音を聴け!》でしょうか(爆)。

    byベルウッド at2015-09-02 23:26

  7. うむむむ、
    この土地の厳密さとルーズな部分の対比が気になってましたが、何とも皮肉な結末!
    二人いてもそういう時は不思議とそうなってしまうのですよね(^_^.)

    奇しくもGRFさんと同時進行しているヨーロッパ旅日記、それぞれスケールがでかいですね、、

    byにら at2015-09-03 06:58

  8. にらさん

    いやあ、この悲しい出来事の翌日、またまた「途中駅打ち切り」の追い打ちに遭いましたよ。バイロイトからフランクフルトまで長かったなぁ。飛行機に乗り遅れたらもう立ち直れないと必死でした。おかげで、振り替えバスに立ったままで2時間ほどアウトバーンを走るという体験もしました。アウトバーンを走るバスに、シートベルト着用どころか運転手の傍らに立ったままというのは、あの規則にうるさいドイツでよく許されたと思いますよ。

    GRFさんもご無事で帰られるとよいですね。

    byベルウッド at2015-09-03 11:19

  9. ベルウッドさん、

    お疲れ様でした。

    個人旅行の場合はパッケージツアーと違ってリスクが多いし、トラブルがあっても誰にも文句を言えないのでちょっとつらい時がありますね。

    僕はワグネリストではないのでその衝撃がどのくらいか想像できないのですが、チケット代から考えると僕だとパニックになっていたかも…。
    その中でパニックにならずに最善の行動をとられたところに旅慣れたベルウッドさんのスキルを感じます。

    個人旅行では、僕もいろいろトラブルを経験していますが、最後は諦め、そして最悪の事態(例えば身体的なダメージや生命が脅かされる状況)にならなかったことをラッキーと思うことにしています。

    これに山が絡むと天候の問題もあってしょっちゅうトラブルですが(笑)、世話になっているフランスの山岳ガイドがどんなにトラブっても常にポジティブに次善の策を講じて対処するのにはいつも感心しています。彼自身、自分はオプティミストだと言っていますが、あれを見習いたいと思っています。

    山と同じでバイロイトは逃げないので、また訪れるチャンスが与えられたということなのでしょう。

    byK&K at2015-09-03 12:09

  10. K&Kさん ありがとうございます。

    実は、ガルミッシュパルテンキルヘンの山頂の展望台に立った時、K&Kさんご夫妻のことを思い浮かべていました。

    展望台のすぐ目前に切り立ったピークがあって、何人かの若い観光客はそこまで登っていくのですが、高所恐怖症の私はそれを観ているだけで身がすくむ思いでした。すぐ近くまでロープウェイなどで登れて、山岳ガイド付きとはいえやっぱりアルプス級の山ともなると本当に本格的ですね。ニュースでもいろいろ報道されていました。くれぐれもお気を付けください。

    バイロイトはうっかり失敗したとしても命に関わることはありません(笑)。また元気よくチャレンジします。

    byベルウッド at2015-09-03 22:22

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