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日記

宮沢明子のLP

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2017年02月21日

先日、新宿のレコード店で、えさ箱をあさっていた。妻との待ち合わせの時間つぶしに過ぎず特になにかを買うつもりはなかったが、ふと「邦人ピアニスト」というコーナーが目にとまった。そこには、あれば買うつもりにしていた宮沢明子のレコードがけっこう箱の中にあった。以前、同じ店で見つけたラモーやクープラン、スカルラッティを集めたバロック曲集のレコードが素晴らしかったからだ。



宮沢明子さんの近況はよく知らないけれど、とても好きな日本人ピアニストのひとり。学生時代に、その頃から付き合っていた今の妻を誘って上野の文化会館小ホールへ一緒にバッハを聴きに行ったことがある。あの頃は、誰もがG.グールドの亜流に聞こえて、実際に何かしらはそうだったのだろうと思うが、それでも実演を聴いてみると実にフレッシュな演奏だった。「イタリア協奏曲」の「アンダンテ」で見事にタッチを弾き分けていることに心底驚いたことを鮮明に覚えている。この曲は明らかに二段鍵盤のために書かれていて、下段にあたるパートをリュートストップを模倣して弾き分けたのだ。

宮沢さんの録音というと、それはとりもなおさず菅野沖彦氏の録音ということにもなる。



評論家の嶋護氏の「菅野レコーディングバイブル」のなかの一節を借りると『菅野録音といえば、けっきょくはピアノ録音である』ということなのだ。菅野氏の録音は、クラシックばかりではなく武満徹などの現代曲や、ジャズまで広範囲にわたり幾多の名録音を残しているが、やはりピアノがよい。あのピエール・ブゾンの「ラ・ビー」「モン・クール」にしろ菅野邦彦にしろピアノ録音にこそ格別の傑作を残している。そして嶋護氏が先の言葉に続けているように、『そして宮沢明子が、なんとたったひとりでこのディスコグラフィーの一割以上を占めていることを考えれば、これこそが菅野録音のコアだと言っても、これまたかまわないはずだ』ということになる。

今回、手に入れたのは、三枚。



懐かしいバッハのアルバムは、まずは恐ろしく速い「イギリス組曲」にたじろいだ。このディスクが一番コンディションが悪かったが、丁寧にクリーニングしたらまるで別物になった。速いがけっして異端でも異形でもない。緩急のめりはりがあってとても舞曲的で楽しい。



ショパン・アルバムは、やはりワルツやポロネーズ、スケルツォなど舞曲のリズムの小曲を集めたもので、ショパンの叙情的な情緒を綺麗に洗い上げた清澄なアーティキュレーションが宮沢さんの独自のショパンになっている。バッハと同じスタインウェイだが、楽器が違う。会場もバッハの都市センターホールよりもこの入間市市民会館ホールのほうがよりクリーンな響きがする。

三枚のなかでもっとも印象深かったのがモーツァルト。



菅野氏とのモーツァルト・ソナタ全曲録音の余勢をかって録音された「モーツァルト・アンコール」と称する小曲集。菅野氏のピアノ録音の名声を高めた青山タワーホール、ベーゼンドルファーを使用した録音。燦めくような高域と深々とした低域の響き、歌うような中域と、このピアノの音色と響きが迷彩色で弾き分けられ、しかも整った歯切れの良いアーティキュレーションが一貫していて美しい。他の2枚のスタインウェイもそうなのだけれど、このベーゼンドルファーの録音にはピアノの響きの旨味成分のようなものが特にたっぷりと含まれている。こういう滋味が自分のシステムから染みだしてくるのはうれしい。生演奏とは違ったオーディオの至福の瞬間だ。

試しに、「菅野レコーディングバイブル」に附属していたCDをかけてみた。同じ録音はなかったがバッハやモーツァルトをかけてみるとCDではアナログLPのようなピアノの旨味が再現できない。やはり磨き上げたアナログLPでなければそれは再現できないのだろうか。必ずしもオリジナルがよいというわけではないが、トリオレコードやオーディオラボのアナログLPには絶対に近い信頼が持てる。

よい買い物をしたと思う。

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  1. こんにちは

    菅野録音、わたしもXRCDリマスターをボックスで買いましたが、トリオやオーディオラボのLPの音には、残念ながらなっていませんでした。えらい高かったんですけどね・・・(涙)。どうにかすれば、あのLPの音になるのでは、と手を尽くしてみたものの敗退しました。

    トリオから出ていた菅野LPのニコレの小品集は、小林道夫さんのチェンバロの凄さも相まって、今も愛聴しています。宮沢明子さんの菅野LPは、先日いきつけの中古屋でオーディオラボのツェルニーを発見。さっそく買ってきました。

    ただ、愛用のターンテーブルは現在大手術中で、聴くにはもう数日かかりそうですが。

    byOrisuke at2017-02-21 16:01

  2. Orisukeさん

    トリオレコードやオーディオラボは、管理面でルーズなところがあったようで破綻後の版権の行方やマスター音源の保管・継承がしっかりしていなかったのではないでしょうか。CDではほとんどダメですね。

    トリオレコード音源の唯一の例外は、ウィーン・フィルのメンバーによるモーツァルト室内楽集(アートユニオン盤)です。これは中野雄氏がマスター音源を私的に確保していたのではないでしょうか。逆にこれはアナログ盤が入手難で、なかなかCDとの比較ができていません。

    本来は、同じ音源ならばアナログでもCDでも同じ音がするはずですし、そういうふうに鳴らすのがオーディオの王道だと思っているのですが。

    byベルウッド at2017-02-21 17:47

  3. こんばんは。

    宮沢明子、ショパン、菅野沖彦、、、、20代前半にクラシック音楽に親しみ始めオーディオにものめり込んでいった頃の懐かしい思い出です。

    宮沢明子のショパンに関しては「ショパンアルバム」の他に「ショパンの世界」、「夜想曲集」などもあっていずれも愛聴盤ですが、特に「ショパンの世界」はまさに擦り切れるほどに聴きました。

    今晩改めて聴いてみようと思います。何だか青春が蘇ってきそうですね!?

    byゴンザエモン at2017-02-21 18:52

  4. ゴンザエモンさん こんにちは

    宮沢明子さんは、60年代後半から70年代にわたってとても活発に活動されていました。私たちの世代にとって、宮沢明子さんはクラシック音楽に親しむきっかけや場を提供してくれるピアニストでしたね。同時に、菅野沖彦氏との録音はオーディオに目覚めた私たちを育ててくれる存在でもありました。

    ここ数日、この三枚のLPレコードばかりをクリーニングしては聴き、磨いてみては聴きしていて、そのくり返しです。その音の良さはあらためて新鮮な喜びを与えてくれます。私のアナログは、GT2000Xこそ当時のままですが、金田式アンプもアームもスピーカーもここ数年の成果ですし、ウェルフロートをスピーカーとGT2000Xの下に設置したのも最近のこと。その成果に全面的に答えてくれるこのLPレコードはうれしいです。まさに青春回帰ですね。

    byベルウッド at2017-02-22 11:53

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