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日記

DL-103を削る

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2017年05月11日

長い間、やってみたかったことにようやく挑戦してみました。

それはカートリッジDL-103を削るということ。



金田式アンプの金田明彦氏が提唱していたことで、本体のシェル取付面を中の磁気回路が見えるまで削るということ。取付面の板が共鳴して、エネルギーがロスしているというのです。

実行できなかったのは、YAMAHA GT-2000の純正アームがユニバーサル型ではなくアーム部にネジ締めで止める準一体型のシェルだったから。今のリジッドフロートアームに換えてユニバーサル型になりましたが、附属のシェル(ViV Labo NELSON HOLD)が細身でシェル背面がはみ出してしまいます。このはみ出した取付面の板を羽交い締めのように締め付けるのがこのシェルの特徴になっているのです。そういう構造のために取付面を削ることは躊躇していました。

そこで、シェルそのものを新たに物色してみました。



すると目にとまったのが、FIDELIXの“MITCHAKU”というヘッドシェル。何だか人を食ったようなネーミングですが、要するに取付ピンに工夫してアーム取付部と密着させるというもの。上ピンと下ピンの中間に配置した横ピンを上下ピンが等しい力で引き込むシーソー構造によりシェルとアームの密着性を高めたというもの。メーカーによれば、ヘッドシェル一体型アームと同等の剛性を得ることで、しっかりした音質を得たといいます。



シェルそのもののデザインもかつての名器オーディオクラフトAS-4PLを思わせるシンプルなもの。このデザインはオルトフォンオやーディオテクニカなど良心的なシェルのものとも共通ですが、FIDELIXのシェル本体はかなり厚手でよりしっかりしています。本体重量も16gとかなり重めです。



カートリッジは、厚ガラス板に耐水ペーパーを貼り付け、粗めの300番から削り順次細かい目のものへと慎重に研いでいきます。取付面のシリアルナンバーのシールも剥がしてしまいます。もう後には戻れません。取付面が透けて内部の磁気回路がうっすらと見えてきたあたりで仕上げ研ぎに入りピカピカの鏡面に磨き上げます。



さっそくこれをヘッドシェルに取り付けて聴いてみました。

まず一聴して、高域の伸びがよくなり少しの曇りもなくなったことに驚きました。ピアノの右手の高域などピーンと伸びてしかもダイヤモンドのように美しい輝きです。ぐっと靜かになったこと、低域の沈み込みが増したことはヘッドシェルの効果なのでしょう。

大成功と思って聴き進めていると、どうも中域がぼけてしまっています。弦楽器のアンサンブルはある意味で気持ちがよい面もあるのですが、ピアノでは打弦の頭が取れてしまって筐体の響きだけになってしまい安物の緩めのオルガンのような響きになってしまいます。

思い悩んでいると、思い当たることがあります。

自分の悪い癖で、こういう何かを変更して検証試聴する段階で、ついでに他のことも一緒にやってしまいます。あるアクセサリーを、ちょうどよい機会だと何気なくついでに試してみて初印象がよかったので使い続けていました。それが良くなかったのです。あえてそれが何かは伏せますが、それを元に戻すとしっかりとした音になりました。

ところが、まだ、いけない。内周部に来るとどうも変です。

これはオーバーハング調整をちゃんとやらなかったせいでした。リジッドフロートアームはピュアストレートアームですので、実際は、アンダーハングになりますが、これを附属のシェルと“MITCHAKU”シェルと共通になるようにできていなかったのです。共通にしようとするとカートリッジの取付面が前にはみ出してしまいます。それを嫌ってぎりぎりの取り付け位置にしていたのですが、それでは有効長が5mm程度短くなってしまいます。これではやはり内周部ではトラッキングエラーの限界を超えてしまうようです。



あえてはみ出し気味に調整しました。これで聴いてみると素晴らしく音が良くなりました。中低域と高域のバランスもよくなり、特にピアノでは低域、中域、高域のそれぞれの音色のコントラストが活かされながらも全体の響きと打音の分離が良くなります。オーケストラも古い録音ではアナログらしいエネルギッシュさが全面に出て、新しい録音ではさらにSNと分解能の良さが出て立体的ステージが前後と左右に拡がります。



素晴らしいと感じたのは、ミルステインのバッハ無伴奏。

造形の正確さと厳粛なまでの音楽性が持ち味のミルステインの演奏でしたが、高域の伸びの美しい音色が素晴らしく、ミルステインの純真無垢な美意識がぐっと浮かび上がってきたのです。DL-103は超ロングセラーの名器中の名器ですが、ややもすると値段にとらわれがちなマニアからは高域側への帯域の伸びが不足するなどといった揶揄する声があがります。実はそんなことはない。こうやって鳴らし込んでいけば、倍音豊かなヴァイオリンソロの音色が実に自然に伸びやかに響く。十分過ぎるほどの帯域です。

大昔は放送規格にとらわれて16KHz以上をすとんと落とすような特性にあえてしていたようでしたが、70年代後半からは20KHzまで完璧なまでにフラットな測定値を示すようになりました。4チャンネルなどとともにラインコンタクト針が登場し、ハイコンプライアンス、超高域特性を争う帯域ウォーのような時代がありましたが、アナログ再生には無用な特性です。



大成功でした。あらためてDL-103の名器たるゆえんを思い知らされた気がします。

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  1. ベルウッドさん
    今晩は!

    思い切った事をされていたのですね!
    なるほど、最近大人しかったのはこれですか?!

    ミッチャク君は、ずっと注目しているのですが、まだ試せていませんので興味津々です。
    ナイスアイデアですから、間違いなく剛性はあがりそうです。

    それにしても、カートを削るなんて...バズケロ想定外のおばか振りですね(^^)
    その姿勢は、いいなあ〜(爆!
    バズケロ、共感します!!!!

    アナログの世界は、エンドレスなのですよね...どこまでも続く終わりなき航海という感覚なんです。

    今度、聴かせて下さいね!
    楽しそう〜〜〜

    では、では

    byバズケロ at2017-05-11 20:42

  2. こんばんは

    MITCHAKU、私も先日導入してみました。
    安定感あってナイスサウンドですが、仰る通りストロークが短いので
    カートリッジ先端は少々突き出しますし、リード線の納まりも窮屈ですね。まあ一度設定してしまえば問題無いありませんが、、
    自分はせっかくなのでシェルとリード線のロジウムメッキで合わせてみました。

    byにら at2017-05-11 20:57

  3. ベルウッドさんこんばんは〜〜

    DL-103を削るなんて、カートリッジのネジならぬ、アタマのネジが飛んでしまってますね(笑)

    それと二枚目の写真を見て一瞬、書道の墨(DL-103)と硯(ヤスリ)に見えてしまいました(笑)

    此方のDL103も更に良い音が出る様になりました。
    フォノイコの負荷抵抗を250Ωにしたら更に良い音が出る様になりました。100Ωなら呆けた音、1KΩはハイ上がり、330Ωはあと1歩、だったのでやはり負荷抵抗は手探りで最適値を探る必要があると思います。

    早くも次回の監査が楽しみですが、その前に其方の削ったDL103の音と新DAC(それが本命)を聴かせてください。

    byニッキー at2017-05-11 21:00

  4. バズケロさん

    なかなかおバカに徹することができなくて、ウジウジと今まで来てしまいましたがとうとうチャレンジしてみました。

    最初はやっちゃったかなぁ~と思いましたが、ファーストインプレッションの高域の美しさにハマっちゃって、何とかかんとかやってみたら比較的短期間で調整ができました。

    ぜひ次の機会に聴いてみて下さい。

    byベルウッド at2017-05-12 10:03

  5. にらさん

    おおおおおおお!? にらさんもこのシェルを試してみたのですね。

    カートリッジが前にはみ出すのはどうかなぁ、はみ出さないセッティングの方を基準にしてViV Lab/NELSON HOLDの方を調整して互換性を持たせることも考えていますが、今のところ《はみ出し》でも問題がないようです。

    リード線を換えるとか、カートリッジにハンダ付けするとか、原理主義的過激行動はもうちょっとあるのですが、今のところ大人しくしています(笑)。

    byベルウッド at2017-05-12 10:07

  6. ニッキーさん

    削るときは雑念を払い一心不乱に集中することが肝要です。
    なんだか決闘前夜に日本刀を研ぐ宮本武蔵みたいな感じですね(笑)。

    >フォノイコの負荷抵抗を250Ωにしたら更に良い音が出る様になりました

    そうですか。そっち側に行きましたか?やっぱり熟成好みのニッキーさんらしいですね(笑)。私は、1KΩの音に未練があったので、330Ωと1KΩの中間、560Ωがあったらなぁと妄想しておりました。

    この負荷抵抗のお話しは、ちょっと長くなるので私の前回日記ニッキー邸訪問記のほうにレスしておきます。

    byベルウッド at2017-05-12 11:03

  7. ベルウッドさん、こんにちは。

    工作成功おめでとうございます。
    結果も良かったようでなによりです。

    名器と呼ばれるカートリッジをさらに加工する…という誘惑は世界共通なのでしょうね。
    有名な所ではEMTベースのROKSANやBrinkmannがありますし、EMT自体もネイキッドなモデルをカタログに載せていますね。
    OrtofonもSPU Royal Nがありますし、DL103にはZu Cableがアルミボディに載せ替えたモデルがありました。
    そう言えば、Linnも上位二機種はネイキッドになってますし。

    もちろん、メーカーに言わせればボディも「音作りの要素」なのでしょうけれども、BENZ MICRO GLIDER、ZYX R1000-Cosmosとネイキッドモデルを使っている身としては、取り扱いが面倒ですから人にはあまりお勧めできないですけれども、一度は体験していただきたいような気がします(笑)

    byfuku at2017-05-12 11:04

  8. fukuさん

    なるほど。金田氏も案外そういうトレンドからヒントを得たのかもしれませんね。

    氏が提唱していたのは、私が記憶している限りでは80年代初め頃のことだったと思います。日記で引用した図は、89年の著書からのものです。それ以前は、さらにエポキシ系の接着剤でコチコチにシェルと固めてしまえとかいろいろ言っていたと思います。エポキシも響きがのるので今回はそこまではしませんでした(汗)。

    ベンツマイクロは、GRFさんやにらさんが絶賛愛用中ですね。ただスケルトンタイプは多分聴いていないと思います。今度、ぜひ聴かせて下さい。

    byベルウッド at2017-05-12 11:14

  9. ベルウッドさん、面白いです!

    逆転の発想、「必要振動を受け止める!」ですね。
    レコードの溝から針を接触点としてカンチレバーが受ける力(振動)をしっかりと受け止めるために、カートリッジのボディによるエネルギー吸収をMINにしようと言う試みですね。

    この原理を実現するためには、削った面の平滑度が大事ですね。相当の根気と努力が必要だったのではないかと思います。

    このお試し、面白いのでオリジナルDL-103との比較を聴かせてもらいたいと思いました。この発想も何か考えたら、他のことにも応用出来そうです。スピーカーユニットとかですかね。

    byヒジヤン at2017-05-12 12:47

  10. ベルウッドさん、こんにちは

    おもしろい内容ですね~(^_^)b
    なかなか程度問題が難しそうです。

    ちなみに、スピーカーユニットとかは、
    私は同じようなことをやってたり(^_^)ゞ

    byRIRA_ at2017-05-12 15:36

  11. ヒジヤンさん

    共鳴ということなんでしょうね。楽器では、発音源は弦であったり、リードや吹管、人間なら声帯が振動源ですが、これを箱や管など腔状のものに共鳴させて空気振動に替えるわけです。エネルギーは共鳴体の方に移ってしまいます。

    カートリッジは、振動を発電機の原理で電気信号に換えるものですから、共鳴が起こってそちらにエネルギーが吸い取られたり、共鳴体の固有振動によって色づけされたりしてしまいます。一方で、支点をしっかり支えなければ正確な振動ができませんので、剛性の高い構造物で支える必要があります。自ずとスケルトンタイプが理想となります。商品ですから、ある程度の妥協が必要ということなんでしょう。その妥協を人の手で徹底してやるのが自作の楽しみ。

    仰る通り平滑度が重要です。厚ガラス板というのがコツで、革細工用のものを転用してみたというのがアイデアです。ジグの世界ですが、やってみたら1時間程度の作業でした。水平が正確に出せたかどうか、ちょっと自信がありませんが、許容範囲には十分入っているようです。

    byベルウッド at2017-05-12 17:04

  12. RIRA_さん

    スピーカーは、ちょっと違って、楽器とカートリッジの中間でしょうか。ある帯域は振動板だけで忠実に空気を押せますが、それだけではカバーできないのでホーンとか箱とかの共鳴・共振を借りているということになるのでしょうか。

    徹底というより職人技の世界なんでしょうね。ひとつひとつ手作りの楽器を製作するようなものです。作る側には、技能だけでなく経験と勘のようなものが必要ですし、作られるモノの側にはどうしても個性(キャラクター)の問題が出てきます。

    byベルウッド at2017-05-12 17:08

  13. こんばんは。
    103を削りましたか、なかなか良さそうですね。
    実は103を作ったのは私の叔父なんですよ、そんな関係で自宅ではオリジナルのままで我慢して使用しています(笑い)
    いろんな形で103を愛してもらって嬉しいです。
    後はぜひバランス接続で聴いてみてください、また違った魅力があると思います。
    これからも頑張ってください。

    bycocoa at2017-05-12 18:18

  14. 追レスです

    私のベンツマイクロはグライダーというスケルトンタイプです。
    このタイプの印象は(思い込み含めますと)「ヌケの良さ、滑らかさ」でしょうか。
    扱いがシビアで、飲んで触ったりしてこれまで針飛ばしとコイル断線を経験しました。針先リビルトは上手くいったのですが、さすがに今回のコイル載せ替えは音調が変わってしまい調整中です。

    byにら at2017-05-13 11:35

  15. ベルウッドさん、率直な意見交換が有益でコミュを活性化させるとのことで書き込みます。

    技術論となりますが、
    シェル取付面削りは共鳴によるエネルギーロスとは思えません。このケースの場合、共鳴=共振の意味で言われているのだと思いますが、共振はエネルギーを増大させますし、シェル取付面が共振したとするとピックアップ部分に大きな影響が出て変な音が出るはずです。

    物理現象を推測すると下記のメリットかなと推測します。

    カーリッジ+シェルに求められる特性
    ・レコードの溝から針が受ける入力(振動)を確実に受け止めつつ、変位による慣性力をミニマム化すること。
    ⇒剛性は高いほどよく、質量は軽いほどよい

    これに際して、カートリッジのシェル取り付け面(樹脂製?)はシェル本体と比較して剛性的にも不利ですし、質量的にもない方が軽くなる。言い換えると、ものには必ず剛性があるので、直列につなげれば必ず剛性は落ちるし、質量も増加してしまう。

    カートリッジ単体では強度上必要なものであるが、シェルと一体化した時にはなくてもよい部分である。

    ゆえに、シェルに取り付けた状態で使用又は保管するのであれば、不要な部分であるので削り取ってしまった方がよい。

    こんな理屈ではないかと思います。

    byヒジヤン at2017-05-13 13:10

  16. にらさん

    ベンツマイクロはスケルトンでしたか。私は、聴いているのでしょうか?まだまだ意識の低かった頃にお伺いしたのだと思います。記憶がはっきりしません。今度、ぜひ聴かせてください。

    byベルウッド at2017-05-15 09:59

  17. ヒジヤンさん

    確かに私は共鳴と共振の区別があまりついていません。英語ではどちらも“resonance”だったような…?いずれにせよ私は高校物理止まりですのでそこはおまかせします。

    言われてみるとエネルギーロスというのは感覚的な説明ですね。削ると音がすっきりしてかえって音痩せするような印象を与えてしまうかもしれません。実際は、何かに覆い隠されていたような本当の音色が聴こえてきて、響もかえって豊かに感じます。樹脂製のケースはあくまでも内部保護のためで、音質的(物理学的)には必要悪なのかもしれません。針先とコイルを結ぶカンチレバーには弾性が求められますが、系を支えるものは剛性が求められます。振動はゴム等でダンプしますのでシェル本体は本来は剛性であるべきなのでしょう。樹脂はそうもいかないので妥協が生じるのでしょうね。

    byベルウッド at2017-05-15 10:14

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