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日記

ナブッコ (チューリッヒ・ミュンヘン音楽三昧 その6)

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2017年08月02日

さて、私たちの音楽三昧ツアーもいよいよ大詰めです。

ミュンヘン二日目は、バイエルン国立歌劇場の「ナブッコ」。開演は7:00と比較的遅めですので、この日はゆっくりとミュンヘン散策を楽しみました。

とはいってもミュンヘンあるいはバイエルン州にはもう何度か来ていますので、この日は5月末の暑い日差しの中を街中を散策するだけにとどめました。うかつに遠出をして不正確な鉄道に振り回されるのもこりごりですし、疲れて肝心の劇場でウトウトというのも困ります。

一方で、海外旅行というのはついつい欲張りすぎてあちこちの名所旧跡を訪れるのに忙しく、ひとつの街をゆっくりと過ごすことがありません。この機会にミュンヘンをそぞろ歩きです。



ガスタイクホールのある文化センターです。大きな施設で、ライブラリーやリハーサル用のスタジオ、セミナールームなどがあって市民に開放されています。残念ながら大ホールの中に入ることはできませんでした。

ちょっと面白かったのは、旧市庁舎。マリエン広場の入口のゲートのようなところにある建物は塔のようになっています。マリエン広場といえば新市庁舎とその前の広場は、いつでも観光客でいっぱいですが、この旧市庁舎はとても地味で目立たない存在。



塔を上っていくと、街並が見下ろせて眺めがいい。



実は、ここは「おもちゃ博物館」。昔懐かしいレトロなブリキ作りの玩具や、着せ替え人形などが館内の各階に展示してあります。ちょっといいなぁ…という雰囲気で、旅先でのなにかとはやりがちな心を癒やしてくれました。

レジデンツ内も、私自身はじっくりと見学したという記憶がなかったので見て回りました。ここでもちょっと見落としがちなのが宮殿内のクヴィリエ劇場。



王家専用の小さな劇場ですが、ロココ調のとても美しい劇場です。

開演まで時間があるので腹ごしらえ。

よくドイツ料理は不味いと言われますが、私は大好き。確かにバラエティに乏しくビールとソーセージと豚肉料理ばかりですが、私は幸せ。騒がしいブロイハウスは好みませんが、ソーセージ、豚肉料理とビールというケラーハウスや、カモや鹿肉といったジビエ料理専門のレストランなど、連日のバイエルン料理にも食傷するということがありません。

この日は、そうしたミュンヘン名物料理がウリの人気レストランにいきました。



ここは、ミュンヘン名物のハクセ(豚のスネ肉)の豪快なグリルがウリです。



ビールで乾杯。

食事も完食。


「ナブッコ」は、ヴェルディ傑作の歴史大作。今回は、ハイドンやプロコフィエフなどちょっと変わり種も挟みましたが、やはり、中心はイタリアとドイツそれぞれの雄ともいうべきベルディとワグナー。オペラの王道は外せません。



指揮は、日本でもおなじみのパオロ・カリニャーニ。中堅指揮者のなかでイタリアオペラを振らせては右に出るものがいないといってもよい存在です。ヴェルディの劇的でしっかりとした骨太の音楽に、いかにもイタリアらしい歌に満ちた感情の高まりという音楽が出だしから、最後の最後まで充実しています。

ピット内のオーケストラも、こういうイタリアものをやらせても実に分厚いサウンドで、しかもアンサンブルの統制が取れた正確整然とした響きなので、悲劇の盛り上がりが絢爛豪華です。全盛期のスカラ座とはこういうものだったのではないかと思います。

ここでは、歌劇場の合唱団が素晴らしい。



あの有名な「行け、我が想いよ、金色の翼に乗って」は、虜囚となったイスラエルの民が金網のフェンスの向こうで歌われます。イタリアの第二国歌とも言われる愛国の歌とされることが多いのですが、決してサッカーのサポーターが合唱するような熱烈な応援歌のようなものではないことに気づかされました。静かな、けれども深々とした望郷の念と、切実なまでに帰郷を願う歌。しかも、そこには失われた祖国の名誉の復権と栄華の復興を確信する信念に満ちています。

タイトルロールのディミトリ・プラタニアスは、その堂々とした姿と豊かな声量、見事な演技力で強大な権力の高慢と孤独、愛憎に翻弄され揺れ動くネブガドネザル大王を演じ切っています。

イズマエーレのムラート・カラハンも、単なるイケメンテノールではなくいかにも悩める悲劇の王子を演じていたし、アビガイッレを演ずるリュドミラ・モナスティルスカはさすがの貫禄。モナスディルスカは、先日の「マクベス」でのマクベス夫人役の難しさ、これを当たり役とするソプラノの絶対的な実力について書きましたが、そのことを見せつけるような強靱で豊穣な声、圧倒的に広い声域を駆使した技巧で、この歌劇に絶大な厚みをもたらしています。何とも充実した声楽陣。



演出は、ここでも現代的な前衛趣味のシンプルな舞台ですが、適度に具象性を略して抽象化しつつも衣装などでは歴史大作の重厚さを十分に維持していて好感が持てるもの。何かストーリーの時代設定そのものを奇抜に置き換えてしまうことはありませんが、「バビロン捕囚」の場面では、ユーフラテス河畔での場面を前述のように金網の高いフェンスに置き換えるなど現代人のイメージに直感的に訴えるアイデアが活かされています。何よりも歌唱が阻害されず合唱などの群衆の動かし方などにスケールの大きさが加えられていることがよかった。



席は、やはり1階(パルケット)の中央11列目と今回のツアーでは、視界も音響も一番バランスのとれた席でした。しかし、それだけにかぶりつき席の音響の魅力もよく理解できたとも言えます。いずれにせよ本当に素晴らしいオペラハウス。中味はそっくり日本へと引っ越し出来たとしても、この視覚と音響の素晴らしさを東京のホールでの体験で置き換えることはいかに高額チケットであっても《絶対に不可能》だと断言します。

翌日が、このシリーズの最初にご紹介した新作「タンホイザー」でした。この夜は、その前評判で盛り上がるバイエルン歌劇場の真価を見せつけられた思いに満たされ、「タンホイザー」への期待が増幅する一方でした。

(続く)




バイエルン国立歌劇場
ヴェルディ:「ナブッコ」
2017年5月27日(土) 19:00
ドイツ・バイエルン州ミュンヘン バイエルン国立歌劇場
(Parukett Rechts Ture 2 Reihe 11, Platz 432)




NABUCCO

Musikalische Leitung:Paolo Carignani
Inszenierung, Buhne und Kostume:Yannis Kokkos
Licht:Michael Bauer
Dramaturgie:Anne Blancard-Kokkos
Chore:Soren Eckhoff

Nabucco:Dimitri Platanias
Ismaele:Murat Karahan
Zaccaria:Vitalij Kowaljow
Abigaille:Liudmyla Monastyrska
Fenena:Anaik Morel
Il Gran Sacerdote:Goran Juric
Abdallo:Galeano Salas
Anna:Elsa Benoit

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  1. ベルウッドさん

    連載、急かしてしまった様で失礼しました。次はBSOのオペラと勝手に予告レスまでして、楽しみにしておりましたが、王道も王道で「ナブッコ」ですか。これはまた、羨ましい!

    ヴェルディと他のイタリアオペラ作曲家との違いは、多々ありますが、その内の一つが、やはり合唱曲のレベルが図抜けていることだと感じています。アイーダ・トロバトーレ・オテロ・マクベス等などきりが無いですが、全て劇の流れのなかに必然的に収まって(下手な作曲家は、合唱とバレエを各1曲挿入しないと受けないから無理やりという感じになっているのとは大違い)、ナブッコの虜囚の合唱はその最高作かと思います。でも、生で観たことがないのです。

    おまけに、ミュンヘン観光も朝から刺激的でした。うーん。時間が有ればアルテ・ピナコテークに籠りたい!

    出勤前から、頭が夏休み観光計画妄想モードになったパグ太郎でした(笑)。

    byパグ太郎 at2017-08-02 12:50

  2. ベルウッドさん こんにちは

    音楽の本場ウィーンの音聴いてきたんですか
    往年の名演奏の歴史ある舞台ですね、礼服なんかで入場された?

    やはり日本のホールとではトーンが違うのでは
    ホールの形も違いますよね。ミュンヘン憧れちゃいますね(笑)

    クライバーの<こうもり>なんか聞きたかった思いがありますが、
    こちらもドイツ製のそこそこの機材を集め楽しんでますが、所詮レコードの中での缶詰の音?と割り切って聴いています。

    byいなかのクラング at2017-08-02 16:52

  3. パグ太郎さん

    「金色の翼に乗って」にはほんとうに感動しました。もともとこのオペラのなかでも最大の山場であり超名曲なのですが、オペラには未熟な私はいままでこれほど感動したことがありませんでした。演出の良さもあったと思いますが、やはりここの合唱団のレベルの高さなんでしょうね。静かな歌い方なのに地の底から湧き上がってくるような信念と確信に満ちた合唱でした。

    オペラにバレエを入れないと気がすまないというのは、フランスオペラ、パリの慣習ですよね。ワグナーもいやいやながらバレエを挿入しました。「タンホイザー」のパリ版が有名ですね。ヴェルティも然りで、現代では滅多にそういうバレエは実演されずカットされています。群衆場面での合唱とバレエというのはありますね。「アイーダ」の行進場面とか、プッチーニですと「ボエーム」のカルチェラタンのクリスマスの盛り場の場面とか。

    フランスのオペラの歴史は王室や宮廷での上演にルーツがあります。そこではハチャメチャなお笑いストーリーと少々エッチなバレエでいささか堕落気味な貴族たちを喜ばせていたわけです。それが19世紀のオペラに引き継がれたということのようです。

    byベルウッド at2017-08-04 01:02

  4. いなかのクラングさん

    今は平服でOKです。少なくともスーツ着用なら十分です。礼服(ブラックタイ)は、オープニングガラなど特別な夜だけになりました。

    30年前に初めてザルツブルクに行ったときはタキシードとイブニングドレスの男女が腕を組んで大劇場の前の広場を行進し、観光客がそれを取り巻いて見物するというシーンに出会いいささか気圧されました。スーツで劇場に入りましたが、多少、肩身が狭い思いはありました。今は、ずっと庶民的になりました。日本と変わりません。

    byベルウッド at2017-08-04 01:12

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