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読響Xルイージ (読響サマーフェスティバル2017 ルイージ特別演奏会)

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2017年08月29日

読響に初登場のルイージ。素晴らしい快演でした。



ファビオ・ルイージを聴いたのは2年前のセイジ・オザワ松本フェスティバルのこと。

「サイトウ・キネン」(1992年発足)から名称変更した初年度となったこの年は、直前になって小澤征爾が骨折しオペラの指揮を降板し、80歳のバースデーコンサートやオーケストラコンサートもプログラム変更などで小澤の負担を軽くするためやりくりし、小澤の名声や盲信的ともいえるような人気ぶりとは裏腹な内容だったが、ルイージが担当したコンサートはその鬱憤を晴らすかのようなオーケストラのテンションで凄いマーラーとなったのです。

今年もルイージが来日。フェスティバル前半のオーケストラコンサート(プログラムA)を担当したようです。その帰り道のついでというと言い過ぎかもしれませんが、その松本での公演からわずか3日あけただけで読響の本番。それを百も承知で夫婦でチケットを買ったのはMETライブビューイングでの指揮振りにすっかり魅せられ、そして何よりも2年前の熱狂が忘れられなかったからです。

しかも、プログラムはルイージが大の得意にしているR.シュトラウス。

読響のR.シュトラウスといえば、苦い思い出がありますが、そもそも読響はN響以上に真面目、悪く言えば官僚的なところがあって、演奏の出来不出来、テンションの高低が如実に出るところがあります。言い換えれば、指揮者に忠実、すなわち指揮者の力量をそのまま反映するところがあるのだと思えるところが大なのです。

一曲目の「ドン・ファン」でのっけから大変な快演。まだ日本ではオペラ公演が珍しく、交響詩作家として知られていたシュトラウスのなかでも一番の人気曲であっただけに、その迫力とオーケストレーションの面白さ満開の曲ですが、ここではこれほどまでにダイナミックのレンジが大きい峻烈な傑作だと改めて思い知りました。読響からこれだけの快感が得られるなんて。

二曲目のハイドンは、実は、2年前の松本で聴いたものと同じ。ここではかなり安全運転ぶりで、よくも悪くもハイドンらしい。おそらくはリハーサルのやりくりのバッファーに使われているのでしょうが、そこをそつなくまとめる力も読響の実力なのだと思えます。



やっぱり凄かったのが「英雄の生涯」。

思い返したも、これまで聴いたナマ「英雄の生涯」で最高の演奏。最初のクライマックスは最上の快感。3オクターブを一気に駆け上がるとてつもないほどの帯域レンジにもかかわらず、かぁーっと伸びる果てのfffは快感。直後に始まる「英雄の敵たち」の嘲笑の音型は、読響の木管群の技巧が炸裂。

何よりも華やかだったのは「英雄の妻」を映し出す長原幸太のヴァイオリンソロ。恐妻家で有名だったシュトラウスですが、歌手だった妻パウリーネは気性が激しく感情の起伏も大きかったようですが、「おでけた」「軽率」「はしゃいで」「荒れ狂って」「ののしる」といったその性格描写はまさに長原の得意とするところだったのでは。

この日のホルンは、松坂隼をリーダーとするベテラン陣だったのですが、1曲目の「ドン・ファン」も、この「英雄の生涯」も絶好調で余裕の安定ぶりと素晴らしい熱演で、この曲を最大限盛り上げていました。

ここまでのレベルになると、多少、不満が残ったのがコントラバス。どうしても低音のバランスが不足気味で要所要所で音響がただただ甲高いものになってしまいます。もともとR.シュトラウスの音楽にはそういうところがあるのですが、本場のトップレベルの演奏で聴くとがらりと印象が違うのですが、低音こそがオーケストラの力量を象徴するのでしょう。

こんな夏の特別公演にもかかわらず1999席はほぼ満席。それが英雄の完成と退場を示す“verklingend”(消えるように)というpppの後のフェルマータがついた長い沈黙の静けさから湧き上がった拍手は次第に騒然といってもよいほどの盛り上がりです。ルイージに対する日本の聴衆の熱いサポートは世界一かもしれません。

最後に、我が家のパウリーネから余計なひと言、ふた言。

『読響は指揮者によって変わるわねぇ。ルイージは間違いなく一番。次いでシモーネ・ヤングね。(以下の名前なし)』

『これがもしウィーンのムジークフェラインだったらねぇ。ホール中に音が満ちる感覚が味わえたのに…』

返す言葉もありません。




読響サマーフェスティバル2017《ルイージ特別演奏会》
読売日本交響楽団

2017年8月24日(木) 19:00
東京・池袋 東京芸術劇場コンサートホール
(2階J列 43番)


指揮=ファビオ・ルイージ
コンサートマスター/長原幸太

R.シュトラウス:交響詩〈ドン・ファン〉作品20
ハイドン:交響曲第82盤〈熊〉ハ長調 Hob,I:82

R.シュトラウス:交響詩〈英雄の生涯〉作品40

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  1. 読響とR.シュトラウスの組み合わせですか・・・・・。確かに危険なイメージがありますが、危惧が外れてよかったですね。(笑)

    私の印象では、ルイージはドレスデンが良かったです。

    最近、生聞いていないので、刺激になります。

    byパグ太郎 at2017-08-29 21:09

  2. パグ太郎さん

    >ルイージはドレスデンが良かったです

    写真に掲げたCDのことですね。

    ティーレマン/ウィーン・フィルのセンセーショナルな演奏とはある意味で対照的で、どちらがいいかはまったく聴き手の好みの問題なんでしょうね。

    このCDには「メタモルフォーゼン」も入っていてこれがまた素晴らしいんです。

    先日の帰り道に、この曲が単なる弦楽オーケストラ曲ではなくて、23の独奏弦楽器のために書かれていて独立の23段のスコアになっていること。実演を聴いて初めてそういう曲だったのかと驚いたこと。いったん実演を聴くとCDからもそういう風に聴き取れることがわかってまた驚いたこと。そんな話しをさせていただいたと思います。そのCDとはこのルイージ/ドレスデン盤のことです。

    ナマの刺激というのは、そういうものなんです。

    byベルウッド at2017-08-31 10:07

  3. ベルウッドさん

    再レス、失礼します。

    >写真に掲げたCDのことですね

    残念ながら、こちらは未聴です。ガランチャ 追っかけファンなのですが、彼女のアリア集の伴奏がルイージ/ドレスデンで、それに入っている薔薇の騎士の終幕の三重唱が素晴らしいです(元帥夫人 がピエチョンカ、ゾフィーがダムラウ)。このメンバーで全曲期待しているのですが、期待薄そうです。もう一つがハルテロスの「最後の4つの歌」の伴奏がルイージ/ドレスデンで、これも良かったです。(アルプスの空き枠収録)

    23段独奏、今度、聴こえるかどうかトライしてみます。システム(あるいは耳)の限界を露呈するかもしれませんね。

    byパグ太郎 at2017-08-31 17:27

  4. パグ太郎さん

    そっち方面でしたか(笑)。パグ太郎さんは器楽系だけでなく歌姫系もお詳しくより情熱的のようですね。

    ガランチャは、ネトレプコのアルバムでの重唱がすごく印象的です。我が家のパウリーネ殿は、ウィーンでその「薔薇の騎士」のガランチャを観たというのが自慢のひとつです。

    byベルウッド at2017-09-01 10:07

  5. ベルウッドさん

    思わず再々レスしてしまいます。

    ガランチャのオクタビアンを生で、しかもウィーンでご覧になったのですか、羨ましすぎです! 奥方様に宜しくお伝え下い。

    ネトレプコのアルバムの二重唱(ホフマンの舟歌)でも、ラクメの花の二重唱でも、更に椿姫の乾杯の歌の変則四重唱でも、完全にガランチャが空気をコントロールしているというのが自説でございまして、来客者がある度に聴かせて見るのですが、どなたからも反応がないという悲哀を味わっています。

    このテーマですと永遠にレスが続きかねませんので、当方の放言ということで結構でございます。

    byパグ太郎 at2017-09-01 13:23

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