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バッハ:チェンバロ協奏曲 鈴木優人&バッハ・コレギウム・ジャパン

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2018年08月09日

鈴木優人さんは、今、大活躍中の若手指揮者、鍵盤奏者。クラシック音楽番組の解説者としてもその爽やかな語り口が人気で、音楽プロデューサーとしても活動中。父君は、言わずと知れた鈴木雅明氏。叔父はチェロ奏者の鈴木秀美氏というサラブレッド中のサラブレッド。



その鈴木優人さんが父君の手兵バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)を率いて、バッハのチェンバロ協奏曲全曲を録音するというプロジェクトに挑む。その録音セッションをそのままコンサートにするという催し。

その日は、東海地方に上陸し西日本方面へと異常な進路をとった台風12号が関東一円を暴風雨圏に巻き込んだ日でした。会場の銀座ヤマハホール付近は人通りも少ないなかで、雨具に軽装という中国人観光客だけが行き交うというちょっと異常な風景。



コンサート前の腹ごしらえに、長崎名物のチャンポンをいただきました。具沢山で海産物の濃厚な旨味スープで漱石先生1枚でお釣りが返ってくるというのはリーズナブル。長崎の本場のお店なので、太めの麺は柔らかくて《なで腰》。その分、よくスープになじみます。おいしかった。

《録音プロジェクト》と題したコンサートなので期待していたのですが、残念ながら《公開録音》というわけではありませんでした。それでも、つい午前中まではマイクが林立する同じステージでの演奏というわけです。

最初の第1番は、そのことが仇になったのか、録音の緊張の余韻でかえって堅くなったのかもしれません。全て純然たる古楽器でベテランばかりの正統ピリオド奏法が少々単調で退屈に感じます。その音程は見事なほど安定していて、しかも、当然、ピッチはA=435Hzあたりと低めなので、とても心地よく、食後ということもあってついつい落ちてしまいました。

次の第5番も、古風でゆったりとした高雅な身のこなしが持ち味。ピアノで聴くコンチェルトと違って、主役のチェンバロの響きはさほど目立たず、むしろ、合奏協奏曲の通奏低音のようにゆったりと全体のアンサンブルを支えます。BCJは、ともすれば学術的に傾き自発的な音楽性に不足すると揶揄されますが、確かに主役とリーダーを兼ねたチェンバロが大人しく響くと、第2楽章のラルゴもそのままチェンバロの独奏曲のようにあっさりと通り過ぎてしまうきらいがありました。

第8番は、楽譜が冒頭9小節だけしか残っていないため滅多に演奏されません。とはいえこの9小節だけでもスタイルがすっかりとしていて、流用されたカンタータカンタータ第35番『霊と魂は驚き惑う』から復元が可能なのだとか。今回は、鈴木優人氏自身が復元に挑んだとか。そのせいか、ぐっと演奏に気合いが入って楽しい。原曲は今は失われたオーボエ協奏曲だったされ、この曲にはオーボエが参加します。三宮正満氏のバロックオーボエがこれまた見事で、演奏に一気に活気が蘇ります。

後半は、フルート、ヴァイオリンとの三重協奏曲。

バロックフルートは、鶴田洋子さん。若くて清楚な可愛らしい美女ですが、鈴木優人氏のパートナーだとは後で知りました。その音色はとても純粋で少しの泡立ちも白濁もない水飴のように透明で滑らか。アンサンブルにそのままユニゾンで溶け込んでしまう調和の美はいままでに聴いたこともない至福の響きでした。



最後は、第2番に戻って本来の華やかさ闊達さにあふれたコンサートフィナーレ。



演奏途中で、ヴァイオリンのパート譜が譜面台からバッサリ落ちるという事故もありました。演奏は止めることなく続けられ、音楽の流れはいささかも揺るぎません。そういう事故が、よい意味で新たな緊張を生み、ステージにも会場の空気にもきりっとした息づかいが生まれたのもコンサートの醍醐味です。演奏後、「台風の影響で楽譜が飛ばされてしまって…」と会場を笑わせた鈴木優人さん。出だしのかしこまった雰囲気ががらりと変わって楽しいコンサートになりました。

台風の影響で電車のダイヤは相当に乱れていましたが、赤羽の居酒屋に駆けつけてみるとつくば軍団を迎えての宴会はすでにたけなわ。駆けつけ三杯で何とか追いつこうとしましたがお若いお二人のダジャレとツッコミのつむじ風にすっかり煽り返されてしまいました。





バッハ:チェンバロ協奏曲全曲録音プロジェクト Vol. 1
鈴木優人&バッハ・コレギウム・ジャパン
2018年7月28日(土) 15:00
東京・銀座 ヤマハホール
(1階D列11番)

鈴木優人(チェンバロ独奏・指揮)
若松夏美(ヴァイオリン独奏)
鶴田洋子(フルート独奏)

バッハ・コレギウム・ジャパン
三宮正満(オーボエ)
若松夏美(コンサートマスター)
高田あずみ/竹嶋祐子(ヴァイオリン)
山口幸恵(ヴィオラ)
山本 徹(チェロ)
西澤誠治(ヴィオローネ)

J.S.バッハ:
 チェンバロ協奏曲 第1番 ニ短調 BWV.1052
 チェンバロ協奏曲 第5番 へ短調 BWV.1056
 チェンバロ協奏曲 第8番 ニ短調 BWV.1059R

 フルート、ヴァイオリン、チェンバロのための協奏曲 イ短調 BWV.1044
 チェンバロ協奏曲 第2番 ホ長調 BWV.1053

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  1. ベルウッドさん  こんばんは。

    鈴木雅明氏と鈴木秀美氏がご兄弟でしたか~、存じませんでした。チェンバロ協奏曲って意識的に聴いた記憶がなかったのですがCDラックを探すと、トン・コープマン(チェンバロ)のとアンドレイ・ガヴリーロフ(ピアノ)のCDが。
    やばいな~、同じ名字に興味半分で検索すればすぐにわかることなのに、2組持ちながらCDの記憶がないなんて。
    コープマンを聴いてみました。チェンバロってどこかうるさい印象があるのですが、本演奏はむしろ地味で控えめ。
    そこで平均律を聴いてみました。軽やかで華やかで透明感のある音です、こちらが好みですね。

    byそねさん at2018-08-12 19:44

  2. そねさん

    チェンバロは、再生が難しい楽器ですね。

    立派なフロア型大型スピーカーを中心としたハイエンドを揃えた試聴室でかけてもらうと、「え?」と思うことがしばしばあります。逆に小さなシステムではうるさい再生になることが多いようです。

    楽器の個性もあるので、それに耳が慣れていないということもあります。機器の解像度が上がったり、セッティングで付帯音が取れたり、焦点が合うと「おお!」ということになります。録音のせいだと思っていたソフトが大変身して驚き、それまでの不明を大いに恥じたこともありました。

    byベルウッド at2018-08-13 10:22

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