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日記

デノン、デノン、デノン ――helicatsさん邸訪問 (岡山遠征 その4)

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2018年12月07日

EDさん宅で美味しいサウンドとクロメバルをいただいて、EDさんは地域の清掃作業が延長になってしまい午後はそちらにということでお別れ。私たちは、二日間の音(おと)会の最後の日程、helicatsさん宅へと向かいます。

その道すがらスイートサウンド(S)さんと私(B)の会話で、

S:「helicatsさんは、もうやCDはほとんどかけないんですよねぇ」
B:「え~、そうなんだぁ。そうそうCDPは伝説のDENONのフラッグシップ機ですよね。     もったいないなぁ」
S:「壊れちゃって修理に出したりしたので、最近はあまりかけたがらないんですよ」
B:「最近、どんぐりさんのところも壊れちゃったと話題になりましたね。」
S:「helicatsさんは、2回もやり直して一応治ったと言っているんですけどね。」


てな、会話があったんですが、いざ、helicatsさん宅に着くと、最初はPCの再生をちょっとだけやったと思ったら、じゃあデノンもかけてみようかということになりました。これがどういうわけか、けっこう盛り上がってしまいました。



DENONと言えば、時代に先駆けてデジタル録音を開始。CDが誕生する10年も前の1972年のこと…。そんなことが話題になりました。もちろん当時はLPでのリリース(日本コロンビア)でしたが、画期的な優秀録音でその鮮明な音質に驚いたものです。もともとがデジタルですからCD時代の今日になっても録音そのものの素性が良いだけに相変わらずの優秀録音。原マスターもよく管理保存されていて、値段が安いのに音が良いというお徳用CDです。



helicatsさんがかけたのは、マクサンス・ラリューによるヴィヴァルディ(伝)のフルート・ソナタ集「忠実な羊飼い」。この第2番ハ長調の冒頭がNHK・FMの「古楽の楽しみ」(当時「バロック音楽の楽しみ」)のオープニングテーマだったということで、helicatsさんは「懐かしい、懐かしい」の連発です。

ところが…    ちょっと高音が耳障りで歪みっぽい。

helicatsさんが「録音のせいかな?」と仰るので、私が「うんん、ん」と否定(笑)。

私は、この音源はLPでもCDでも持っていていずれも愛聴盤。よい音がします。

この録音は、PCM録音初期の1974年のもの。後日、確認してみるとPCMデジタル録音機第一号のDNR-023Rで録音されたもの。標本化周波数は47.25KHzですが、量子化bit数は13bitでした。マクサンス・ラリューのフルートの音色は透明度が高くやや硬質です。そういう音色なので13bitが情報として存分に拾えないと厳しいということではないでしょうか。いずれにせよ私にはDP-S1が往年の能力を発揮し切れていないとしか思えません。

これがhelicatsさんの心に火をつけてしまったのか、いろいろとCDを出しては聴くという繰り返しに。終には、スイートサウンドさんが持参したCDと、それをその場でリッピングしたファイルの再生との比較試聴ということに…。



これがまた珍現象ということに…

リッピングしたものを再生すると、何と音像が右に寄ってしまうのです。CD再生も他のファイル再生も正常ですから、これはリッピングに原因があるということになります。リッピングによって音質が変わるとはよく言われていることですが、これほどの不具合は初体験です。ランダムな情報欠落というよりは、何らかの理由で左右chのレベルが不揃いになってしまったのだとしか思えません。

もうひとつあって、それはCDのディスクそのものの音質。



どうもスイートサウンドさん宅での再生時もこのソフトだけはちょっと違和感があったのですが、それが元のディスクそのものに原因があったことがわかりました。ディスクを手に取って見せていただくと、これはプラケース入りの国内盤UHQ-CDでした。オリジナルのデジパック入りの輸入盤を聴き慣れた耳にはどうしても違和感があります。わずかに明るい温色にシフトしていて質感が軽い。国内でマスタリングされ高音質ぶりを強調しようという意図が悪い方向に働いたということだとしか思えません。

そんなことで気がついてみると、ずっとCD再生が続いていて時間もすっかり押してしまっていました。皆さんが笑って「CDはあんまりかけないなんて言っていたのに、CDばっかりじゃないですか」ということに。「もうあまり時間がないので、例のダイレクトカット盤を聴かせて下さいよ」というスイートサウンドさんのひと声で、我にかえったhelicatsさんのアナログタイムが始まります。

これがもう…   驚天動地の高音質。



helicatsさんのアナログプレーヤーは年季が入っているとはいうものの、ある意味では平凡な中堅機です。それはこれまたデノン製。デノン(当時デンオン)のターンテーブルは、まだACモーターでしたが、クォーツロックのサーボモーターを使用してダイレクトドライブの先鞭をつけました。DP-1800は、1976年に発売され、価格は\65,000と比較的手頃でしたが天然大理石を使用していて値段からは考えられないようなしっかりした造りでした。このターンテーブルは、当時、「目玉焼き」と呼ばれマニア垂涎のユニット。私もその廉価版のDP-3000をようやく手に入れて、長岡氏提唱の積層ボードに鉛プレートにFRのアームをつけてプレーヤーを自作したので、これはとても懐かしい。



こんな大昔(失礼)の中堅プレーヤーでも、ダイレクトカッティング盤をかけるとhelicatsさんご自慢の自作変則4wayのスピーカーが、さながら魂を吹き込まれたかのように生々しい音像を浮かび上がらせてブイブイと鳴ります。ドボルザークの「家路」といったクラシックのオリジナルやMJQのスタンダードを、粋な編曲にのせて4人が活き活きとインタープレイを交わすウェストコーストのフュージョン系ジャズで実に楽しい。



ベースなど質感は重くリアルなのにリズムは実に軽快。EDさんのATCの重厚な低音とはまた別の、ゴリっとしたリズムが弾むような低音。これはやはりhelicatsさん自作の管球アンプ、そして何よりも弩級の電源という土台があってこその重みとそれを軽く力まずに弾ませてしまうパワーなのでしょう。

ソロの中でも耳を魅了させてくれたのが、バド・シャンクのフルートとアルトサックス。ダイレクトカッティング盤にもシリーズがあって、立て続けに2枚目、3枚目と聴かせていただきました。どれも同じようにダイレクトらしい素晴らしい鮮度のアコースティックサウンド。でも、1枚目で魅了されたバド・シャンクのソロの音質がちょっと違う。

ジャケットを拝見すると録音のセッティングデータがちゃんとクレジットされているのは、さすがにオーディオマニア向けの高音質盤です。それによると1枚目のバド・シャンクのオープンブースにセットされていたのはエレクトロボイスのマイク。2枚目からはソニーのコンデンサマイクです。私には1枚目の胸に響くような深みのある音色が印象的でしたのでエレクトロボイスの圧勝。コンデンサマイクは当時最先端で、おそらくこれはソニー渾身の業務用第1作だったはずです。当時、その高性能・高音質が評判でしたが、今、こうして聴いてみると線が細くて、エレボイ(ダイナミック型?)からなぜこんなものに換えてしまったのかと思うほど。

最後になって時間が惜しいほどの楽しいアナログタイムでした。原価はたったの6万ちょっとの旧いプレーヤー。ダイレクトドライブらしい基本はそのままに、使い手の腕前とソフト選びの目利きでこんなにも素晴らしいサウンドが楽しめるなんて、やっぱりオーディオはおカネではないですね。

ついに日が暮れてしまい、スイートサウンドさんの車で駅へと急ぎます。楽しい岡山音(おと)会の二日間はこうしてあっという間に過ぎてしまいました。

皆さま、ありがとうございました。

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  1. ベルウッドさん

    アナログプレーヤーは単純なACモーターだったので40年経った今でも動いているのかも?
    逆に複雑なクォーツロックは一寸した事で動作不良を起こすかもですね。
    カートリッジも一般的なオーディオテクニカのAT-33におまけで付いて来たようなAT-630 MCトランスです。
    EQは定電圧を組み込んだ真空管式の自作品で投資額は数万円です.(アンプ写真の左下のテプラを貼った灰色の箱)

    ただこのLPを鳴らす為に15年ほど掛けてパワーアンプをチューングしています。
    音だけなら数年で出ましたが・・・音を出すのに部品の限界性能を使うので寿命に問題が有り 2~3年で部品交換が必要でした。
    ノーメンテで数十年初期性能を維持出来るようになるのに15年ほど掛りました。(定期的な真空管の交換は別)
    この辺りのリスクでメーカーは販売出来なかったのかもですね。

    3年前に20年経ったので全ての電界コンデンサーを交換しましたが初期性能はきっちり維持していました。

    細かい事は置いておいて とにかく電源で鳴らし切るタイプのシステムです。
    それと無帰還アンプで鳴らすにはこの電源が必要でした。(無帰還アンプは電源の影響をストレートに受けます)

    この音を聴いた後でCDは一寸厳しいですよね。

    byhelicats at2018-12-07 15:07

  2. ベルウッドさん

    2日間の詳細な訪問記ありがとうございます。
    普段は、ハイレゾしか聴かないという、Helicatsさんですが、システムは、ダイレクトカッティング盤の再生に燃やした執念が音として実っていましたね。

    現在の多くの音源が、40年以上前の、ダイレクトカッティング盤と同等品質なら、どんなに素晴らしいか・・・と思ってしまいます。・・・

    byスイートサウンド at2018-12-07 15:46

  3. DENONの昔のCDにはプリエンファシスがかかったものが多くあります。
    通常は自動的にディエンファシスされて再生されますが、何らかの原因でディエンファシスされないと高域が強調されます。
    またプリエンファシスされたCDをリッピングする時にソフトによってはディエンファシスされません。
    WavやFLACにはエンファシスビットがないのでこれまたおかしなことになります。

    外していたらごめんなさい。

    byassi at2018-12-07 20:22

  4. helicatsさん

    カートリッジ(+昇圧トランス)も実力派ですが高価ではないですものね。やはり、パワーと電源ですかね。メーカー品の値札とは違った手間とこだわりというのは値が付けられるものではないですが、趣味として受け取った幸せと満足感を考えればありがたいくらいですね。


    CDには自作の楽しみがないです。

    byベルウッド at2018-12-08 09:49

  5. スイートサウンドさん

    いやあ、あのダイレクトカッティング盤の音には感動しましたねぇ~。

    40年間の技術進歩って、いったい何だっただという感じでした。ダイレクトカッティングのような高音質をハイレゾに期待しているわけですが、コンテンツとしてそういうものがなかなか現れないですね。結局、デジタルって制作側やレコード会社の都合のよいようにしか使われない技術なんでしょうかね。

    byベルウッド at2018-12-08 09:54

  6. assiさん

    私はエンファシスのやりそこないの音というのを実際に聴いたことはないのですが、あのラリューのCDはそういう音ではないです。あれはCDPでの再生です。そもそもデ・エンファシスを備えていないメーカー製のCDPというのは無いと思います。

    ただ、言われてみるとスイートサウンドさん宅1階の新作PCトランスポートの再生音はハイ上がりのそういう音のようにも思えます。それでも、プリ・エンファシスのかかったCDにお目にかかることは希で、それをそのままリッピングして、しかも新作PCのボードだけがデ・エンファシス機能が無い…というのは考えにくいですよね。それとも何かあり得るのかなぁ。

    面白いご指摘でしたが…。

    byベルウッド at2018-12-08 10:03

  7. assiさん,ベルウッドさん

    拙宅のCD用DACは HDCDは青,エンファシスは緑のLEDが点灯するのでよく見ておけばよかったですね。
    ただ特に気が付かなかったのでエンファシスはされていないと思います。

    byhelicats at2018-12-08 16:27

  8. 私の手持ちでは

    DENON ヴィヴァルディ:四季 イタリア合奏団 33CO-1471
    DENON マーラー:交響曲 第4番 インバル 33C37-7962
    DENON R.シュトラウス テイル/メタモルフォーゼン/死と変容 フロムシュテット COCO-75985

    がエンファシスCDです。おそらくDENON初期のPCM録音CDはほとんどすべてエンファシスがかかってるものと思われます。
    日記のタイトルが「デノン、デノン、デノン」なのでつい反応してしまいました。

    しかしhelicatsさんの自作D/AコンバータはHDCDもデコードできるとは凄いですね。

    byassi at2018-12-08 17:18

  9. helicatsさん

    そうでした。CD用DACも自作でしたね。失礼しました。
    ついDP-S1とDA-S1のセットのように勘違いしてしまいました。
    いずれにせよDAIチップにもDACチップにもデ・エンファシスのフィルターは備わっているわけですね。
    それにしてもインディケーターもついているんですねぇ。凝ってますねぇ。

    あのCDは、再版でしょうか?発売年を見ればだいたいわかります。オリジナルは、3,300円ぐらいだったはず。再版は、2,000円とか1,000円ですね。再版は、プリ・エンファシスではないはずです。

    byベルウッド at2018-12-08 23:59

  10. assiさん

    CD初期は、確かにエンファシスがどうのこうのと話題になっていました。でも、そのうちいつの間にか話題にはならなくなりました。エンファシスにはあまりよい評判はなかったような気がします。インバルのマーラー#4はオリジナルで買いました。当時、\3,300です。よい音なので感激したことを覚えています。

    私の初代プレーヤーはテクニクスのSL-P1200ですが、エンファシスのインディケーターがついていたかどうかも記憶にありません。それ以降は、TEACが2代、DENONと続きますがいずれもインディケーターはなかったはずです。エンファシスは気にしたこともありません。

    何だか旧い話しのようで、今は誰も意識していないのではないでしょうか。

    さすがチコちゃん、よく知っているねぇ~…って感じです(爆)。

    byベルウッド at2018-12-09 00:07

  11. ベルウッドさん、おはようございます。

    2日間、お疲れさまでした。

    helicatsさん宅で聴く「GOING HOME」は、いつ聴いてもすばらしいですね。
    CD化されていないアナログレコードも実家にある(はず)なので、アナログどうしようかと思うこともあります。

    交流は良いですね。自分のシステムだけだと、つい、こういうものかと思い込んでしまい気付けないままです。中には、これは無理。到達できないっていう音もありますが・・・。
    みなさん、こだわりの部分があり、考え方も様々です。話を伺うだけでも参考になり、気付きがあり、どうにかしようと思う気になります。
    自作しないので、セッティングやケーブル等での調整になりますが・・・。
    また、妻からは、お客さんが来られたら、部屋が少し片付くのねと皮肉られますが・・・。

    byとり at2018-12-09 08:13

  12. とりさん おはようございます

    「GOING HOME」ダイレクトカッティング盤は素晴らしかったです。ソフトもシステムも30年以上の技術そのままです。

    金田式アンプの金田さんは「アナログこそ究極のハイレゾ」と喝破していました。

    アナログの音を目指してデジタルを磨くというのが、ひとつの王道なんだと思っています。

    byベルウッド at2018-12-09 10:08

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