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日記

敵(電源ノイズ)は内にあり (LCM+キャパシタ回路)

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2019年05月16日

電源についての議論がにぎやかですが、皆さん、ノイズや歪みは全て外からやってくると思われているようです。そんなことはありません。意外なところからやってくるノイズもあるというお話し。

私は、理想の電源はバッテリーだと思っています。交流変換するのではなく、直接、DCで供給します。交流化して家庭用電源のAC100Vにしてしまえば、インバーターのノイズがのってしまい元も子もありません。二次電池によるDC供給こそ、ノイズ・ゼロの理想電源だと言えます。

とはいえ、バッテリー駆動が完璧な理想の電源というわけではありません。

リチウムポリマーやニッケル水素などの二次電池は、それ自体は内部抵抗が小さく、非常に優秀です。一般にパワー不足を心配する向きが多いのですが、それはよくある誤解です。そもそも、今や車を走らせるくらいの時代です。ヘタをすれば素子を焼いてしまうこともありますし、現に金田アンプ試聴会でスコーカーのドライバーユニットを飛ばしてしまったことも目の当たりにしました。

ところが、電圧をあまり上げられないというジレンマがあるのです。リチウムポリマーの公称電圧は、3.2~3.4Vぐらい。市販のPCやビデオカメラ用はこれを2セル、4セルにして7.2V、15Vなどにしています。オーディオアンプは、低電圧で動作できるように設計したとしても、±15Vぐらいが限界です。その分、複数のセルを直列につなぐ必要が出てきます。

オーディオアンプのアナログ電源は、大型化すればトランスの性能はむしろよくなります。電源は大きくて重い方がよいというわけです。ところがバッテリーは、大型化すれば直列につなぐ必要があって内部抵抗もその分高くなり不利になってしまうのです。そこがひとつ悩ましいところです。

もうひとつは、リニア電源は平滑回路を抱えているために、ここが副次電源となって内部抵抗を下げてくれています。高調波ノイズもバイパスされてフィルター効果もあります。



ということで、バッテリーとアンプ回路の間に、キャパシタをかませるということをやってみました。先ず、プリアンプにLCM+キャパシタ回路を導入してみました。この効果が非常に大きかったので、次に、本丸のパワーアンプにも導入することにしました。

ところが、これが大苦戦。

ことの顛末はあまり詳しく書きませんが、結論だけ先に言ってしまえば、コンデンサへの突入電流によってバッテリーが急激に劣化してしまったのです。

回路を組み上げて、さっそく通電しようとしてみたところ電圧が出ません。すぐに再充電するなどしてバッテリーそのものは電圧が出ているのですが電流が流れない。ラッシュカレントによる一種のショック状態で、たまにそういう現象があるそうです。

プリでうまくいったのに、パワーでこんな現象に出くわしたのは、こちらにはPC用の大型の電解コンデンサを奢ったからのようです。容量は同じ4700μFなのですが、耐圧性能を上げた大型のものは突入電流が大きくなるようです。これも初体験でした。

ついには逆上して、いろいろ試したりチェックしたりしているうちに誤配線をやらかし、保護回路などの素子を飛ばしてしまい散々なことになってしまいました。復旧には1ヶ月近くかかりましたが、ようやく完成しました。



LCM+キャパシタ回路導入前の電源部。保護回路だけなのですっかすか。



導入後。電解コンデンサが大きいので、かなり充実しました。0.22μFは、ネットワークなどで高評価のAudyn Capのフィルムコンを使用しました。実は、パワーアンプはバッテリー駆動といえども電流も大きいので特性がよく振動に強いこの丸形フィルムコンを10μFでも使いたかったのですが、あまりに大型でシャシーに入りきらずあきらめました。

再トライで最初に導通するに当たっては、前もって予備蓄電という作業を取り入れました。あらかじめ低抵抗をシリーズに入れて電池をつないで、緩やかにコンデンサに蓄電させて突入電流を防ごうというわけです。実は、バッテリー駆動が当たり前にカー・オーディオの世界では、瞬時電流供給能力を飛躍的に向上させるこういうキャパシタ回路は半ばマニアの常識。そこでは一桁台の超電解容量の電気二重層コンデンサがカーオーディオ用に商品化されています。取り付け時の、《予備充電》は、大事な注意事項だったのです。

その効果は、歴然。

プリアンプに導入したときほどの大きな差は感じませんが、音質は明らかに向上しました。低域の量感は増しますが、極めてタイトでクリアな低音ですから中域をマスクしてしまうような膨張感とは対極的な低音で、より明確な音程と質感が得られます。特に顕著なのは高域の伸び。明らかに歪みが大きく減少しています。

これは、バッテリー駆動の泣き所だった高域でのインピーダンス上昇をキャパシタが補完して高周波領域の電源レスポンスが向上したからです。整流電源では得られないようなスピード感と高域の伸びです。

もうひとつは、やはり、LCMの効果です。

アンプ内部の回路は、当然、音楽信号によって激しく揺すぶられています。キャパシタ回路の付加でこれに電源供給が追随できるようになったのですが、副作用として電源側に電流が逆流しコンデンサも揺さぶられてしまう。前述のようにコンデンサは高周波ノイズのバイパスもするのですが、可聴帯域でも支えきれずにバッテリーにそのまま注入されるとになり高調波歪みを発生する。つまり、電源側から見れば、アンプ自身がそもそも高調波歪みの発生源になっているというわけです。

すなわち、ノイズは外からばかりではない。ノイズは、自分自身の内にあり…というわけです。

LCMは、逆流防止のダイオードの機能を持っていて、高調波歪みを除去していることになります。聴感上は、全体的にSNが格段に改善し解像度が高くなりエネルギー感が増して音楽の起伏や音の押し出しの描出力が増します。顕著なのは高域で、滲みやササクレが激減しました。トランスポートなど上流の良し悪しや、音源そのものの録音音質を、恐ろしいほどはっきりと明らかにしてしまいます。欠点とか副作用というとしたら、その残酷なまでの正直さではないでしょうか。



この勢いで、一気にオーディオPC用のDC電源にも導入しました。



プレーヤーソフト本体を搭載したPCは、それだけ電力消費も大きいし、CPUの稼働変化も大きく急峻ですから、効果はてきめんです。聴感としては、リニア電源に較べるとどうしても少しひ弱に感じたバッテリー駆動でしたが、エネルギー感が増しました。特に高域にはきちんと真っ直ぐな芯が入りよく伸びるようになったと感じています。

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  1. ベルウッドさん
    今晩は。

    「アンプ自身がそもそも高調波歪みの発生源になっている」
    実は拙宅でも本日、ベルウッドさんのコメント同様の事象を確認し、日記で報告しようとして、コミュニティを覗いたところです。

    Isotek NOVAを導入し、効果には満足していましたが、先週末久々に長時間音鳴らしし、歪み率を確認していましたが、ほぼ5%を超えており、高調波の要因究明したいと思っていました。

    本日、17:00から18:00の時間帯で、オーディオ機器の電源を入れる前は歪み率は3.7前後。
    週末と違い、平日はやはり外部からの高調波の影響が少ないと思いながら、デジタル機器系から順番に電源をオンにしながら、NOVAのTHDを確認していきました。
    DELA、N-03T 、Blu2、DAVEまで電源を入れても、THDはほとんど変化しませんが、C3850の電源をオンにすると一気に4.2まで悪化。
    A2501台オンでさらに0.4程度悪化、2台電源を入れると歪みが5%を超え、週末の音楽鑑賞時と同等の状況になってしまいました。
    アンプ群の電源をオフにすると、3%台後半まで改善します。

    やはりNOVAは高周波ノイズはバッチリ退治してくれますが、高調波ノイズには無力のよです。
    平蔵さん、グルマンさんの報告を実証する事実を改めて確認できました。

    正に「敵は内にあり!」

    この歪みの音への影響度は確認できませんが、みなさんのように機器内部に手を入れる技は持ち合わせていないので、どうしたものでしょうか?

    byvanilla at2019-05-16 21:46

  2. こんばんは、しゅんかんです。
    機材の電源に大容量コンデンサを入れられたようですね。
    突入電流に苦労されましたか。
    ですよね… 突入電流がとんでもなく大きいので負荷が大きすぎます。
    私は電源ON時に抵抗を入れて電流を制限しました。

    > 副作用として電源側に電流が逆流し…
    このあたりはコンデンサの内部抵抗がまだ高いのかもしれません。
    電源への影響を下げるにはチョークコイルを使う手があります。
    LCフィルタを使って極低い周波数を通過するローパスフィルタを構成すると電源への負担を減らせます。 
    その代わりコンデンサの容量は大きくしないといけなくなります。

    PCの場合は10Hzあたりのローパスフィルタですが、パワーアンプの場合は何処まで下げれば良いか見当もつきません…

    byしゅんかん at2019-05-16 23:10

  3. ベルウッドさん、こんばんは。

    なるほど~・・・色々大変でしたね。
    先日お伺いした時に、感度抜群なシステムだなと思いました(汗
    おかげさまで普通では影響が出ないであろうと思われる事が出音にもろ影響したり、とても勉強になりました。
    時機を見て、またお聴かせ下さい!

    byMF at2019-05-16 23:47

  4. vanilla さん

    使用側の激しい消費電力の変動により電源波形を歪めてしまうというのが、電源の高調波歪みの正体です。いってみれば自家中毒のようなものです。

    お高いハイエンド機の内部に手を入れるのは、ちょっと勇気が要りますね。私は、バッテリードライブにする以前は出川式電源にしていました。CDPとHDDPは、自分では改造する自信がなかったのでA&R labにお願いしました。現行のGrandiosoK1は、Esotericが出川氏の特許を包括供給を受けているので、出川式電源が回路に組み込まれています。

    改造するとなると、出川式電源への換装と、高周波ノイズ(これも自家中毒)対策としてCPMの取り付け、LCMは整流後の直流部に取り付けになると思います。

    個人的にはオススメですが、あくまでも自己責任ということでお願いします。

    byベルウッド at2019-05-17 10:43

  5. しゅんかんさん

    使用側の消費電力変動によって電源側の供給が乱されるということです。そのために交流電源ならそのサイン波が乱されて穢い波形になる。すなわち50Hzの場合は、その整数倍の高調波ノイズまみれになるということです。DC供給電源の場合は、使用側の変動に揺すぶられて電源側に逆流するということになります。LCMは、マイナス(グラウンド)側に逆流する+電流をプラス側に回生してDC電源(この場合は二次電池)の瞬時的なプラス/マイナスの逆転を防止するということになります。いわば周波数ゼロの直流電源の高調波歪みを除去するということ。ゼロの倍数はどこまでいってもゼロなので科学的な説明になっていませんが、交流電源との共通理解のためのたとえ話として勘弁してください。

    byベルウッド at2019-05-17 11:16

  6. 自己レスです。

    コミュの他の記事へのレスで、電源品質劣化原因のひとつとして「溶鉱炉」をあげておられる方がおられましたが、それは「電炉」(電気炉)の間違いだと思います。

    言葉じりをとらえるようで恐縮ですが、「溶鉱炉」というのはもはや死語で、石炭やガスなどを熱源とする精錬法のことで電気を使いません。製鉄工程の場合、今は工業用語としては「高炉」に置き換えられています。コークスの燃焼とガスを熱源としてコークスの炭素により鉄鉱石を還元し銑鉄を大規模に生産する大規模なタワー型の炉を指していて、もちろん電気は使いません。日本製鉄やJFEなどのいわゆる高炉メーカーは、大規模で複合的な工程を合わせた「製鉄所」で生産活動を行なっていて、コークスガスなど自工程で発生するエネルギー源を自家発電設備を含めた各工程にリサイクルしているので、電力は消費するというより供給側の立場に立っています。

    この場合に問題になるのは、鉄スクラップを回収しそれを電気炉で溶解・製鋼して、各種建設用鋼材などを生産するいわゆる「電炉」メーカーです。電気炉では、アーク放電によって発生する高熱によって鉄を溶かしていて、その電力消費は膨大です。電極には高熱による損耗に耐えるため黒鉛電極を使用しますが、対象となる鉄スクラップは様々な形状であり放電電極との距離も変動が大きく、大電力かつ変動も激しいということになります。もちろん、こうした工場は受電設備を持ち電力会社と個別に大口契約を結び優遇されますが、そためには厳しいノイズ防止対策を求められます。一般家庭の系統の品質に直接影響することはないと思います。

    むしろ、影響が大きいのは市街地にある零細な町工場だと思います。私もごく近接して鉄工所があって、騒音とともに電源の影響を受けてました。溶接機はアーク溶接ですから電炉と原理は同じなのです。ひとりでやっていたご主人がリタイアして静かになりましたが、土日も働くので週末電源は良好との原則が働かずに困りました。

    住宅地では、案外、大規模マンションなどがノイズ源になっているのではないでしょうか。機器が発生する高周波ノイズとは違って、こうした要因による高周波歪みは除去が難しいという一面があります。グルマンさんがチョークタイプのクリーン電源トランスを比較的評価されていたのは、高周波ノイズよりも、この高周波歪みに敏感だからではないでしょうか。

    byベルウッド at2019-05-17 12:18

  7. ベルウッドさん

    最終的にこの歪みが音にどのような影響を与えているのか、確認できませんが、機器の接続はを多少変更して歪みに変化があるか、試してみようと思います。
    身内がここまで暴れているとは思いませんでしたが、NOVA導入は明らかに効果ありですし、機器内部に手を加える勇気もないので、悩まないことにします。

    byvanilla at2019-05-17 21:27

  8. ベルウッドさん、

    いろいろ大変なご様子でしたが、何とかやり遂げましたね。
    以前お話ししておりました定点観測会の時期になりましたね。
    新生ベルウッド邸の音をお聴きするのを楽しみにしております。

    同じMFPCでも、拙宅は2種類の出川式リニア電源とバッテリーとの共用ですので、ベルウッドさんの所とまた感じが違うと思いますので面白いと思います。

    byHarubaru at2019-05-17 22:55

  9. ベルウッドさん、こんにちは。

    楽しそうな事をやられていますね!
    ただし私の頭脳では途中からついて行けておりません(汗)
    見れば分かるかもって事で、久し振りに訪問させて下さいね。
    MFPCも気になりますし。。。

    byCENYA at2019-05-18 09:51

  10. Harubaruさん

    出川式リニア電源改造版は、ちょっとだけ拝見しましたが、もともとの中華製の作りがしっかりしているので驚きました。バッテリーより優れているとさえ思いました。やはりLCMが効いていると思います。ただ、ノイズはちょっと負けていると感じました。のぞくと三端子レギュレータがごく一般的なものが使われているようです。これを低ノイズのものに換装すれば面白いと思いました。

    また相互訪問で定点観測をやりたいですね。

    byベルウッド at2019-05-19 18:25

  11. CENYAさん

    いっときは絶望的な状況にまで落ちました。楽しいだなんてとんでもない。自作まがいのことは、決して好きでやっているわけではありません。楽しんでいろいろやっているCENYAさんがうらやましい。

    いつでもおいでください。いまは、ちょっとバタバタしています。落ち着いたらご連絡いたします。

    byベルウッド at2019-05-20 14:06

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