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日記

DL103アップグレード

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2019年05月29日

先だってUNICORNさんのお宅に伺って、久しぶりにそのアナログ再生を聴いて目を瞠る思いをしました。その再生の躍進ぶりの大きな要因が、カートリッジの改修にあったと聞いて、私も矢も盾もたまらず、さっそくその改修を行った工房を紹介していただきカートリッジのアップグレードをやってみました。

その工房というのは、埼玉にある武蔵野ハイファイレコードラボ。

武蔵野ハイファイについては、このコミュでも過去に何人かの方が記事にされているようです。なかでも、DL-103のアップグレードの内容やその効果については、すのゆのさんの日記で紹介されています。

先ず、あらためて今回の私のアップグレードの内容を紹介しますと、

1.チップ再接着 (ハガシの上、再接着)
2.アルニコマグネット帯磁力アップ (19mT→40mT磁力up)
3.コイル、コア消磁 (交流電圧瞬間印加法による)

の3点になります。


カートリッジの改修というのは、カンチレバーを曲げたとかコイルの断線、ダンパーの劣化など、何らかのトラブルの補修ということになります。UNICORNさんの場合も、うっかり袖に引っかけてスタイラスチップを飛ばしてしまったとか。SPU-GT用の無垢のダイヤモンド丸針がなかなか調達できず八方手を尽くしていたところ、たまたま武蔵野ハイファイにたどり着いたとか。

UNICORNさんは、当初はその音質向上が針先の研磨仕上げのグレードによるものと誤解されていて、ちょっとそれがもとで私の場合はいろいろありましたが、その経緯はここでは省略させていただきます。とにかく私の場合は、トラブルどころか何の不満もない現行のDL-103を単純にグレードアップするという話しだったわけです。

無垢針というのはロット性が高いので、それを交換するのはいろいろ難しいようです。無理に注文すれば法外なコストがかかるそうです。そのことはDL-103のような超ロングランの量産品であっても同じこと。特にDL-103は自社工場で内製しているので、単純にチップを交換するだけならいわゆる針交換として買い換えたほうが早くて安いわけです。

ここのオーナーは、いかにも職人気質の気難しいひとで、何を言っているのかさっぱりわからない。HPには、直接電話してくるな!と書いてあります。電話で交渉して成立した商談は一件もない!…のだそうです。それなのに、メールしたところいきなり向こうから電話がかかってきました(爆)。確かに電話で話していると、客を客とも思わない理不尽な言い方に何度もキレそうになりました(笑)。話しもブレまくりなのですが、それでも注意深く耳を傾けてみると言っていることはエンジニアとしてはまともです。

要するにDL-103の針の植え換えは出来ないということ。針ごとカンチレバーを入れ替えれば、カートリッジの音が変わってしまう。DL-103は異径二重構造のアルミ(アルマイト硬化処理)のカンチレバーで、それで音造りをしている。これを換えることはDL-103がDL-103ではなくなってしまう。それだけではなく音のバランスも崩してしまう。私自身、DL-103がアルミカンチレバーであることが愛用する理由のひとつとなっていますから、ボロンなどに交換することなどとんでもないことです。こういういろいろな会話を通じて、最終的には先方の勧めに従うことにしました。

2.の磁力アップについては、すのゆのさんの日記にある通りです。DL-103は工場での量産性を確保するために本来の磁力まで上げていないのだとか。DL-103のアップグレードはこれが中心になります。

1.の再接着は、最近、いろいろな作業や注文をこなしている過程で、接着剤を選別、厳選してきた結果、たどり着いたものだそうです。接着強度を上げることで定位の安定したしっかりした音になる。DENON自身もスタイラスの結晶方向をトレース方向に揃えてあるということを強調していますが、接着を剥がしてスタイラスのアジマスをもう一度厳密に調整して再接着しているというわけです。この点が、従来のアップグレードにさらに加わった事項ということになります。実は、UNICORNさんのSPU-GTもこの成果が大きいとのこと。

納期は、3日ほどであっという間に返送されてきました。

さっそく、従来のDL-103と比較試聴してみました。やはり、アップグレード品は、解像度、定位、SN比などが1ランク上がった感じがします。

実は、この時点では、アップグレードのDL-103はシェルもRigidFloatのメーカーオプションのシェルで、ボディも削っていませんでした。アップグレードをお願いするに当たってはリスクも考えて、手持ちの予備品のDL-103を送っていたのです。

比較検聴で確認後、ためらうことなくDL-103のボディを削りました。ヘッドシェルも、新たに取り寄せたFIDELIXの“MITCHAKU”に交換。UNICORNさんが拙宅にお出でいただいた時にはこれで新旧の比較もしてもらいました。音質向上が一段と鮮明になりました。もう元には戻れません。従来のDL-103はお蔵入りです。ヘッドシェル“MITCHAKU”は、モノ用のAT33MONOの方に付け替えました。

初期エージングがどんどん進んでいきます。

おそらく接着剤の硬化安定に少し時間がかかるのだと思います。日に日に音がよくなっていきます。先日、横浜のvafanさん、いたちょうさんにお出でいただいた時はちょうど2週間目でした。お二人とも、グラシエラ・スサーナの「アドロ」や渚ゆうこの「雨の日のブルース」にはびっくりされたと思います。

昨夜は、オーディオラボ(菅野沖彦氏録音)のピアノ録音を聴いて、また、びっくりしてしまいました。一段とエージングが進んで、ベーゼンドルファの音色が冴えて響きます。

DL-103は、つくづく名器だと思います。飾り気や取り澄ましたところがないガッツのある出音といかにもNHK標準器らしいフラットな帯域が従来のDL-103の持ち味だと言われていますが、そういう音味や色彩感はそもそも、インピーダンスや位相など適切な特性のフォノアンプや昇圧トランスを組み合わせないと出てきません。また、高域が少し甘いところがありましたがボディを削ったことで、そういう甘さがひと皮剥けたわけです。ボディは必要悪で、どうしても独特の響きや付帯音がつきまといます。むき出しのネイキッドが究極の理想なのでしょうが、耐久性という点でハイリスクです。ボディを丁寧にギリギリまで薄く削りシェルと面で密着することの効果は、これも一種のメカニカルアースになっているわけで、とても大きい。取り付けビスをチタンにしたことで奥行きなど音場感も改善しました。

今回のアップグレードは、もともとのDL-103の持ち味がそのままに、もうワンランクかツーランクぐらい飛躍したという感覚です。特に、デジタル再生が進化して、少し物足りなく思えていたトランジェントが格段に改善し、空間の透明度や奥行きの浸透度、立体感がぐんと進歩しました。繊細さを強調しがちなハイエンドには出せないボーカルなど中域の充実感が魅力になっています。音質面でも使い勝手の面でもとてもタフなところが、DL-103の音楽的な魅力でありオーディオでの遊び心になっているのです。

最近は、ファイル再生が音楽鑑賞のメジャーになりつつありますが、さらにアナログ再生もちょっとしたブームになってしまい、CD再生の機会は急激に少なくなってしまいました。

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  1. ベルウッドさん、今日は。

     DL-103 のアップグレードが好結果との事、良かったですね。
    私も過去、オルトフォン コントラプンクトa のカンチレバーを折ってしまい、武蔵野ハイファイレコードラボで修理をしてもらいました。

     その折、店主より手持ちのカートリッジ2個サービスで磁力アップしますよ、との話を頂き DL-103FL、DL-103GL の磁力アップもしてもらいました。結構親切な店だと思っていす。直接会話した事は有りません。

     その後 FR-7 のオーバーホールをしようと思い、同店店主にオーバーホールの費用概算を教えてくれとメールした所、金額提示はなく、直ぐに現品を送れとのメールが有りました。金額が分からないので送るのを躊躇していましたが、今回ベルウッドさんの日記で店主の評価が良いので再挑戦したいと思います。

     ベルウッドさんの以前の日記で DL-103 の背面削りで音質が向上したと有りましので私も削ろうかと思っています。

     yhh

    byyhh at2019-05-29 18:08

  2. yhhさん

    なかなか好結果でした。ただエージング進行中なので、もう少し様子を見てみます。


    店主の評価は留保させていただきます(笑)。

    なにしろ職人気質の頑固おやじみたいなところがありますので、主客転倒で客にあれこれ言うところがあるし、逆に、客からあれこれ指図されたり、訊かれたりするのが大嫌い…というところがあるようです。

    FR-7のオーバーホールのことは、おそらく店主にしてみれば「実際にブツを見てみにゃあわかんねぇよ」ということなのでしょう。モノを見てないのに金額を提示するなんてとんでもねぇ…ということなのでしょう。注文するにはそれなりに覚悟が要りますね(笑)。

    私の場合は、DL-103は比較的安価で生産も安定して継続しているし、手持ちの1個ぐらいどうなってもいいや…という気持ちでしたので注文を決意した、というわけです。

    背面削りも同じです。でも、これは確実に音が良くなります。DL-103はボディを工夫することで一気にアップグレードします。同時にシェルも十分吟味されてください。

    byベルウッド at2019-05-30 12:00

  3. ベルウッドさん、今日は。

     返信ありがとうございます。

    全く仰せの通りと思います。覚悟の上、ダメもとで送ってみます。

     DL-103 背面削りは、削り前後の音を録音し、結果検証が出来る

    状態で試してみます。

     有難うございます。

     yhh

    byyhh at2019-05-30 14:15

  4. ベルウッドさん、こんばんは。
    武蔵野ハイファイさんのネタについつい反応してしまいました。
    店主さんは趣味を仕事にされている典型的ともいえる方で、これまで様々なオーディオの手法を実験的に試しながら、細々とショップを続けられて来ました。今のお店の場所も、カートリッジ修理に特化されたのも、流れ流れて辿り着いたともいえるような、割と最近のことです。アナログブームに乗って漸く経営が安定されたようですね。
    とても謙虚で面白いお人柄で私は大好きです。機会あれば約10年振りにまたお目にかかりたいとも思います。(お人柄が変わっていなければ良いのですが)

    bytaket at2019-05-31 01:06

  5. taketさん

    私も実際のところはどんな人柄でどのような音柄なのか直に確かめたかったので、試聴室訪問を希望したのですが、今は忙しくて相手などしてられないと拒否されました。直後、HPも書き換えられたようで試聴室ありますとの表示の下には「只今 繁忙期のためお相手できません。只今 繁忙期のためお相手できません。只今 繁忙期のためお相手できません。只今 繁忙期のためお相手できません。」と、ご丁寧に同じ文言が4回繰り返されております。少なくとも私には「謙虚」なお人柄だとは思えません(苦笑)。

    byベルウッド at2019-05-31 07:25

  6. ベルウッド様
     教えていただけれ本当に助かると思う一心で書き込みさせていただきました。武蔵野ハイファイでのDL-103の磁力強化大変うらやましく読ませていただきました。実はそのことに関係しているのですが、少しお付き合いいただけますでしょうか。
    実は武蔵野ハイファイさんに現物を送り、カートリッジの修理見積もりをお願いしています。ところが半月以上たった今でもまともな内容のお返事が来ないのです。10日ほどたち、こちらから問い合わせたところ、2日後に夕方に連絡するというメールだけで実際にきたことがありません。こちらからの再度の問い合わせにも体調不良で体が動かなかったという返事がきたこともあるのですが、その割にはHPの更新などはきちんと行われています。事前のメール連絡ではレスポンスも早く安心していたのですが、今では連絡も取れず、カートリッジを返して欲しいという要望にも返答がきません。このような状態になり、大変憂慮しています。みやこさんという方からの返答のような感じがするのですが、それも定かではありません。皆さんがおっしゃるような職人気質でも一本筋の通った方かと思っていたのですがどうなのでしょうか?ベルウッド様はどのように対応なされていたのでしょうか。差し支えなければ教えてていただけますでしょうか。
    長文本当に申し訳ありませんでした。失礼いたします。

    bynobuzo at2020-09-29 14:44

  7. nobuzoさん

    対応につきましては日記本文に書いたことに尽きます。

    特に私の場合は《修理》ではなく、グレードアップです。

    そのため作業内容について事前に明確な合意があり、具体的な金額提示がありました。日記の通り現品を送って3日ほどであっという間に再送付されてきました。

    ということで事情もだいぶ違うようですし、第三者からあれこれコメントすることは控えさせていただきます。先方は都(みやこ)さんというお名前の方で間違いありません。

    byベルウッド at2020-09-29 17:48

  8. ベルウッド様

    ご連絡ありがとうございました。答えづらい質問でのお答え本当に助かります。
    ちなみにベルウッド様は今でも武蔵野ハイファイさんをご利用なさって連絡を取られたりするしていらっしゃるのでしょうか? 
    ただただ私のような惨めな思いなさる方が他にいらしゃなければと思うだけです。
    お忙しい中、本当にありがとうございました。

    bynobuzo at2020-09-29 21:59

  9. 実は私も武蔵野ハイファイさんに現物を送り、カートリッジの修理見積もりをお願いしています。ところがnobuzoさんと同じく、半月以上たった今でもまともな内容のお返事が来ないのです。電話もFAXも受信してないようで、ひたすらメールを待つ昨今です。大事なカートリッジがどうなっているのか心配ですが、私のいる伊豆下田から埼玉は遠く、訪ねてもいけませんので弱り果てております。何か事故でもと思っていましたが、ブログが今日更新されているようなのでちょっと安心しました。
    それにしても、20日以上もまともな対応がないのはどうしたことでしょう。

    byAbhimetal at2020-10-02 21:35

  10. nobuzoさん Abhimetalさん

    以下は一般論としての個人的意見ですが…

    ビジネス(に限らないかもしれませんが)は、双方あるいは複数の関係者の相互の信頼関係が、成功への必須条件になります。通常は、売り手が買い手の信頼をとにもかくにも得ることに躍起になります。たくさん売れることこそが規模の経済性の絶対条件だからです。すなわち「お客様は神様です」ということです。

    職人気質というのは常識の真逆で、買い手のほうが売り手からそういう信頼を得るような努力を求められます。

    なんだかかなり倒錯的ですが、買い手のほうがひたすら売り手の言い分を聞きそれを理解してあげることこそが、趣味とかウンチクの世界では常識の反対の常識になりがちです。「気に入らないなら、お代はいらないからとっとと帰んな!」というわけです。

    それが理不尽だと思うなら、後は商法、民法に訴えて損害を極小にするしかありませんが、街の弁護士からも相手にしてくれない手続きに冷静に徹するしか方法もなく、泣き寝入りもやむを得ないことにもなりかねません。

    日記でご紹介した個人的な体験からは、武蔵野ハイファイはよい結果をもたらしてくれる技術面では信頼に足る工房だということは言えます。ただ、とてもしんどい相手であることは否定しません。

    byベルウッド at2020-10-03 22:21

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