ベルウッド
ベルウッド
クラシック音楽ファン:よい演奏会があると知れば遠征もいといません。オーディオシステムは、音楽そのものを楽しむのが本来というモットーのもとにコストパファーマンス重視で小ぶりな装置を目指します。正統オーデ…

マイルーム

メインシステム
メインシステム
持ち家(戸建) / リビング兼用 / オーディオルーム / 16畳~ / 防音なし / スクリーンなし / ~2ch
スピーカー:    PSD T4 Limited Special-ネットワークレス・マルチアンプ駆動 調音パネル:    Escart Ventoスクエア パワーアンプ:   金田式DCアンプ…
所有製品

レビュー/コメント

レビュー/コメントはありません

カレンダー

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

最新のレス

日記
製品レビュー/コメント

製品レビュー/コメントへのレスはありません

お気に入り製品

お気に入り製品はありません

日記

高原の音楽堂とショパン (小林侑奈 「ショパン名曲の調べ」)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年08月13日

八ヶ岳高原音楽堂を初めて訪ねたのは、もう、3年前のこと

前回は、ダイナミックオーディオの試聴会でしたが、ちょうどピアノ演奏のコンサートがあるというので東京への帰り道に立ち寄ってみました。



音楽堂は、八ヶ岳の東側、標高約1500mの裾野に拡がる高原の高級リゾートにある250席の美しい木造りのコンサートホール。ここはJR野辺山駅から車で20分ほどの森林のなかにロッジ、旧徳川義親公爵の邸宅を移築したヒュッテなどを中心に別荘地が拡がっています。



設計は、吉村順三氏で、変則的な六角形デザインを基本に、緑の大自然にぐるりと囲まれた円環空間にステージと客席が配置された、木質の意匠と柔らかくナチュラルな響きがとても印象的なホールです。



客席は、設計者の吉村氏がデザインした「たためる椅子(Tatameruisu)」がびっしりと並んでいます。前回訪問時にすっかりこの椅子に惚れ込んだら、コミュの知人・椀方邸のリスニングチェアがこれだという。つまり、市販もされているということで私もさっそく買い込みました。この椅子は、折りたたみ式なのでスペース性もよく、音質の点でも木質で木枠で音を吸収したりさえぎったりせず、また、頭まわりを囲むヘッドレストが無いということでも理想のリスニングチェア。その後、同じくコミュのグルマンさんも購入され愛用されているとか。

コンサートに先行して、演奏者の小林さん自身による『ピアノを知ろう!音の色を感じよう!』というワークショップが開催され、私もここから参加しました。夏休み中のリゾート地ということもあって家族連れで子供たちも多く参加されていて、小林さんの話しとピアノ演奏に熱心に聞き入っています。

ペダルの様々な効果とか、小さな素のメカ部だけのオルゴールを使って、フロアやピアノ筐体、反射板の機能などの説明は決して子供向けの話しではありません。演奏も、ドビュッシーの前奏曲から夏らしいテーマの曲を選んでを例にとってピアノが紡ぎ出す音色の妙とその自然描写とか、様々な作曲家の「ノクターン」の系譜をたどったりといったお話しに、まさに老若男女が熱心に耳を傾けています。

ドビュッシー:前奏曲集より
「帆(ヴェール)」
「水の精(オンディーヌ)」
「花火」
ベリオ:「水のピアノ」

ショパン:ノクターン 第2番
リスト:コンソレーション 第3番
レスピーギ:ノットゥルノ
プーランク:「エディット・ピアフを讃えて」
モーツァルト(ファジル・サイ編):「トルコ行進曲」


前回のオーディオのデモでは、このホールはステージに近い前列席は音像が大きくなってあまり好みではないと感じましたが、そのことはピアノの生演奏でも同じと感じました。あまり気にならなかったこのホールの残響の長さ(1.6秒)は、今回、トークのPAの音やピアノの生演奏ではかなり過剰で特に耳障りと感じました。



ところが、いざ、コンサートで客席が満席になると、その過剰感はほとんど無くなりすーっと音が落ち着きました。ピアノは、スタインウェイのC-227。満席のコンサート本番では、響きがぐっと引き締まりました。「1.6秒」というスペックはおそらく満席時の値なのでしょう。空席ではかなり過剰ということだったわけです。木質の響きが客席を取り囲むように回るので、やはり直接音と間接音のバランスはホール中ほどより後ろの方がよいだろうということは変わりません。



ピアニストの小林侑奈さんは、山梨出身で桐朋学園大卒業後、イタリアに留学、2013年、ルチアーノ・ルチアーニ国際音楽コンクールにて最高位を受賞した俊英。イタリアに留学したピアニストというのは珍しい。選曲のセンスの良さも、その旋律の歌わせ方や、そのみずみずしいリリシズムは、たぶん、イタリア仕込みなんだろうと思います。一方で、ドビュッシーの「花火」のアヴァンギャルドな色彩感覚や、ファジル・サイ版「トルコ行進曲」のキレた拍節感覚など、そういう技巧もやっぱりイタリアなんだと思います。

何よりもとてもチャーミングで八ヶ岳ふもとのひまわり畑のように明るい。お話しが上手で、ショパンの一曲一曲に、その曲にまつわるショパンのエピソードや評伝の一節を紹介し、ご自身の思いも語ってくれます。おかげで、その曲の情感にしっとりと自分の気持ちを寄り添わせ、そのメロディや音色に心地よくひたることができました。

夏の高原の午後の素敵なひととき。気がついたら、外の陽の光はほんのりとオレンジ色に染まりつつありました。







小林侑奈
夏休みこもれびコンサート 「ショパン名曲の調べ」

2019年8月11日(日) 16:00
長野県 八ヶ岳高原海ノ口自然郷 八ヶ岳高原音楽堂

~オール・ショパン・プログラム~
ノクターン 第2番 変ホ長調 作品9-2
ポロネーズ 第11番 ト短調(遺作)
子守歌 変ニ長調 作品57
エチュード 変イ長調 作品25-1「エオリアンハープ」
ワルツ 第6番 変ニ長調 作品64-1「子犬のワルツ」
ノクターン 第20番 遺作 嬰ハ短調
エチュード 変ホ長調 作品10-3
ポロネーズ 第7番 変イ長調 作品61「幻想」

アンコール
ノクターン 第2番(小林侑奈編)
モーツァルト「トルコ行進曲」(ファジル・サイ編)

次回の日記→

←前回の日記

レス一覧

  1. ベルウッドさん おはようございます

    このコンサート、とても良かったようですね。

    標高1500mではとても涼しく空気も爽やかでしょうね。
    コンサートも語りを入れて1時間ほどで疲れが残らず程よい長さでしょう。ただガラス張りの反射は気になりますが如何であったでしょうか?またセミコンピアノで最後の幻想ポロネーズで音楽バランスとして低音に不足を感じなかったでしょうか?
    私はセミコンを使用していましたが低音不足で中高音がきつく聴こえフルコンに替えました。

    byどんぐり at2019-08-13 08:58

  2. どんぐりさん

    ピアノの音のバランスは必要にして十分だと思いました。

    C-227は番号の通りで、奥行きが227cm。大ホールに常備されるD-274に較べると、いわゆるセミグランドとも呼ばれるサイズです。

    音楽堂のホワイエには、この音楽堂が建設されるまで隣接する高原ヒュッテの音楽会で使用されていたヤマハのC-7が展示されています。これも同じ奥行き227cmモデルです。ピアノ内部には、この楽器をそこで演奏した、リヒテル、アシュケナージ、ピレシュ、ブーニン、ラーンキ、それからハンク・ジョーンズらのサインがびっしり。

    200席ほどの音楽堂ではこの楽器で過不足はありません。私の印象では、中低音に較べるとむしろ高域の抜けと輝きがやや不足気味に感じるところがありました。この音楽堂は、響きが豊かで、しかも、ステージ真上の天井が低いのでそういう傾向になるのだと思います。

    以前、東京・青山のカワイのショールームのホールで、カワイのフラッグシップのフルコンサートグランドを聴きました。100席ほどのホールで、天井が低く天板を開くと天井板に届くかとも思えるような高さしかありません。案の定、ちょっと悲惨でした。

    過ぎたるは…

    オーディオでも共通することだと思います。


    どんぐりさんのシャコンヌホールとは大違いです(笑)。

    byベルウッド at2019-08-13 14:02

  3. ベルウッドさん

    その椅子はウチにもあります。
    エコーネスのストレスレス・チェアを愛用していた私は、ベルウッドさんの「お宅のヘッドレスト付リクライニングチェアをいったんどかして、みかん箱でも用意してその上にお座りになってじっくりご自慢のマイ・オーディオ・システムに耳を傾けてみて下さい(2017年5月)」という強烈な挑発にまんまと乗り、迷わず購入しました。

    その2か月後に当のご本人が「リスニングチェアーの復活」と題した日記で「やっぱり普段、音楽をダラダラとだらしなく聴き流すにはこの椅子の方が快適です。なかなかこれを廃絶などとピューリタンみたいなことは言えません」と梯子を外されたのにはさすがに閉口しましたが...君子豹変す。

    ウチでは2脚あったエコーネスから2脚の「たためる椅子」に代わり、今はエコーネス1脚、「たためる椅子」1脚です。やはりマジ聴きには「たためる椅子」ですね。

    ウチのリビングのピアノもヤマハC-7です。「何年たっても減価しないスタインウェイの方が超長い目でみると割安」という私の投資家的主張には耳をかさず、家内が選んだのがC-7。これでもピアニストの友人が本気で弾くと30畳程度のリビングでは音が飽和するので、彼女が弾くときは部屋のドアを開放しています。

    byのびー at2019-08-14 02:19

  4. のびーさん

    のびーさんもご愛用でしたか!

    そんな失礼なことを申し上げましたかね(笑)。

    確かに、あの時はこの椅子に惚れ込んで舞い上がっていましたからね。同時に、エコーネス・ストレスレス・チェアを「リスニングチェア」として売り込む商魂に対する義憤みたいなものがありました。

    もちろん、リラクゼーション用の椅子としては素晴らしいリクライニングチェアなのです。だからボロボロになっても捨てきれず、高いお金でしたがレストアに出すことにしたというわけです。

    相変わらずストレスレスで、酔眼ならぬ酔耳で朦朧と聴いております(爆)。

    でも、やっぱり、マジ聴きやオフ会は、だんぜん「たためる椅子」ですね!今回も音楽堂会場で、そのコンサートホールの椅子としての坐り心地のよさに改めて感服しました。

    byベルウッド at2019-08-14 16:27

  5. ベルウッドさん
    ご解説有難うございました

    スタインウエイ227と274は長い間世界で認められている冠たるコンサートピアノですね。音楽的なバランスが悪い筈がありません。
    でも私の今の国産フルコンは結構気に入っています。良い音楽を奏でてくれています(笑

    リヒテル他多くのピアニストのサインが物語っているようにc-227がこのホールにベストマッチなのでしょうね。
    (訂正して再投稿しました。レス不要です)

    byどんぐり at2019-08-14 16:54

  6. どんぐりさん

    グレードとかもそうですし、サイズなどの見かけや数値ばかりにこだわるのは、ちょっと違うんですよね。このことはオーディオと同じです。

    例えば、この音楽堂の残響は1.6秒でほどよい数値ですが、やはり、客席が埋まらないと1次、2次の反射音が気になります。ホールサイズが小さいことと、窓ガラスで囲まれていて反射波が拡散されにくいからだと思います。

    ほぼ全方位対称のホールデザインで、ステージが円周の一角に設置され、真上の天井高が低いことも音響設計としては難点です。オープンなガラス窓もそうですが、音響面での経験や知識がない設計者がデザイン上、景観や自然環境との調和を優先した結果なのでしょう。

    だから、同じ残響時間の計測値であっても、聴いた印象や音楽性、音響的な運用(楽器の配置、演奏上の音量、ピアノの選定など)は違ってきます。計測数値は、目安や目標としては大事ですが、ひとつのことを盲信してそればかりを追いかけることは間違いだと思っています。

    byベルウッド at2019-08-14 18:12

  7. ベルウッドさん
    真夏の避暑地、八ヶ岳音楽堂でのコンサートいいですね。

    吉村順三氏は公共施設の建築で数多くの作品を残されてますが、小生は寧ろ氏の設計した住宅や別荘建築に魅せられてきました。
    都内豊島区には記念ギャラリーがありますから幾度か訪問したことがあります。
    今丁度企画展ををやっているようです。
    http://www.yoshimurajunzo.jp/

    オーディオネタではないですが。

    by椀方 at2019-08-14 22:28

  8. 椀方さん

    吉村順三さんは、仰るように個人住宅や別荘建築にこそ本領を発揮したようですね。それも周囲の自然環境との調和と、「木」へのこだわりでしょうか。

    音響建築には経験がないのではないか…などと失礼なことを申し上げましたが、ググってみたら青山タワーホールは氏の設計なんですね。青山タワーホールは、菅野沖彦さんが盛んに録音に使用したホールでした。今は現存していないのでわかりませんが、どんな内観でどんな音がしたのか体験してみたかったです。

    byベルウッド at2019-08-16 09:39

レスを書く

レスを書くにはログインする必要があります
ログインする