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オーケストラの革命 (デア・リング東京オーケストラ コンサート編)

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2019年09月08日

デア・リング東京オーケストラとは、西脇義訓氏がみずから立ち上げたオーケストラ。その西脇氏の本職は、指揮者ではありません。西脇氏は、もともとは、フィリップス(旧日本フォノグラム)の音楽プロデューサーでした。

音楽媒体の退潮とともにレコード業界は再編を予備無くされ、フォノグラムは、ドイツ・グラモフォンやイギリス・デッカとともにユニバーサルの下に再編され、やがてフィリップスのロゴは消滅してしまう。

氏は、意を決して、日本フォノグラムを退社。同僚のレコーディング・エンジニアの福井末憲とともに独立してN&Fという新しいレコード会社を設立した。氏が50歳のとき。N&Fは、サイトウ・キネンや水戸室内管弦楽団などの録音を担当し、あるいは、長岡京室内アンサンブルやジョセフ・リン、宮田大らのアルバムを制作しています。

デア・リング東京オーケストラ(DRT)は、これまでの録音プロデューサーとしての体験を通じて得た考えから新しい録音の試みに挑戦しようと私的に公募で集めた、いわば録音セッション・オーケストラ。西脇氏は、指揮者も兼任する。それが、やがて、録音セッションだけではなく本番として公演活動もしようということになって、今回は第2回目の公演です。

さて、どこが「革命」なのか?

先ず真っ先に目につくのは、その特異なオーケストラ配置。

常識は、ステージ前面から第一・第二Vn、Va、Vc、Cbと五部の弦楽器をグループ分けして扇形に配置し、その後方に管楽器を2~4列ぐらいに並べるというもの。管楽器も二管編成なら、首席・次席と隣同士にして並ぶというのもほぼ例外なしの原則です。

DRTは、まったく違う配置です。



公演前半の「未完成」では、弦楽器はまるで弦楽四重奏のように4人で集まり、そこに木管楽器が一名加わり、そのクィンテットの小島がいくつも連なって配置されるということになります。管楽器は、首席も次席もバラバラになってその島に所属しますので、第1フルートと第2フルートとは、ばらばらでしかも遠く離れてしまいます。

え~?こんなんでいいの??という感じですが、こうした配置の方が隣のパートが聴きやすく密接で自発性に満ちたアンサンブルになりやすいのだそうです。聴いてみると、厳密にはアインザッツやリリースがあまり合っていないのですが、そんなことはお構いなしで、むしろ、ホール全体を「未完成」独特のミステリアスな響きで満たして客席を包み込むような感覚で勝ります。

反面、各パート、特に人数の多い弦楽器の音量が全体に大きくなりがちなところが気になります。音楽のダイナミックス、特に密やかで聞こえる聞こえないかというくらいの最弱音が出にくく、全体にシューベルトの音楽ドラマが少し大味になっている気もしました。



後半のブルックナーは、また、違う配置です。

こちらは、「教室型」とでも言うのでしょうか、ステージ前面に対して横一列に並びます。最前面からVc、Vaと2列、その後方は、左右に第一・第二Vnが2列ずつ並びます。その後列には木管楽器やトランペットが、やはり、ばらばらに並びます。ホルンとトロンボーン、ワーグナーチューバの一群だけは和声の一体感を重視してか、楽器グループ毎に並んでます。面白いのは第一・第二のVnが一般とは違って、右第一、左第二と逆になっています。これは、バイロイトの並びに倣うという西脇氏のこだわりだそうです。

この異端の配置は、何と言っても、ホール全体の空間が響きで横溢する感覚。パートは幅広く大きく分散するので、音色は対立的に掛け合うというよりも全体に融合するハーモニー重視。だから、音の輪郭は曖昧で、方向感覚は無くなりモノーラル的ですが、響きはとてもスケールが大きいのでブルックナーにはうってつけ。

私たちの席は、最前列から5列目でかなりステージに近い左側の席でした。2台ずつ左右両翼に配置されたコントラバスが正面になるのですが、このコントラバスの音が少しも鳴っているように聞こえないのです。もちろん全体としては低域は十分です。チェロと重なって重厚なピラミッド型音響です。ところが個別の楽器は例え至近距離であっても聞こえません。よく「スピーカーの存在が消える」ということが言われますが、それがナマのコンサートでも起こってしまいました。何とも不思議な気分でした。

コンサートには、いたちょうさんとご一緒しました。

私は、ブルックナーが苦手項目。いつも、それでいたちょうさんには見下されおちょくられているので、この日は一念発起してあらかじめ予習をしました。とっておきのシューリヒト/ウィーン・フィル盤を取り出して、傍らで「うるさい」「退屈だ」とチャチャを入れる女房を尻目にじっくりと2回も聴いてしまいました。

さあ、これで見返してやると張り切っていたら、曲目を間違えていました。予習したのは第8番。コンサート会場に着いてみたら、なんとプログラムは7番だったのです。

これにはがく然。すっかりしょげてしまいました。

DRTの斬新さに高揚し、何とか寝ませんでしたが…。その斬新さ、「革命」は、配置だけではありません。そのことは続編で…






西脇義訓 指揮
デア・リンク東京オーケストラ
第2回公演

2019年9月4日(水) 19:00
東京・初台 東京オペラシティコンサートホール

シューベルト:交響曲第7番ロ短調 D.759「未完成」

ブルックナー:交響曲第7番ホ長調(ハース版)

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  1. ベルウッドさん

    これはまた面白い実験ですね。

    クィンテットの小集団がたくさんで、自発的アンサンブルが生まれる、成る程。でも小集団間の統率はどうなっているのでしょう。それが指揮者の役割なのでしょうね。メンデルスゾーンの八重奏曲を有名弦楽四重奏団2つで演ずるのが良いのか、室内オケのトップ、セカンドの選抜組で演るのが良いのかという話を思い起こしました。

    ブルックナーの方は、先ず演目違いには爆笑してしまいました。余程相性がお悪いのですね。配置については、全体が溶けあって如何にもブルックナーらしいというには想像できます。一層の事、ヴァイオリンも1st、2nd相互に並べたらとか? でも演奏する側が大変ですね。

    続編楽しみにしております。

    byパグ太郎 at2019-09-08 11:42

  2. パグ太郎さん

    ご指摘のことは、実は、まさに後編のテーマなんです。


    ブルックナーは…

    悲しいかな、どうも出会いにめぐまれません。

    女房殿からは「なんで8番?よくやるのは、4番、5番、それから7番あたりじゃないの?」と言われ、「お前は何も知らん。ブルックナー通では8番こそ一番の傑作だという人さえおるのじゃぞ!」と反駁して完璧に論破…したつもりでした。

    ところが会場に着いて、いたちょうさんに自分の取り違えをゲロッパしたら、「どうして8番と間違えたんですかねぇ~。(以下、同文)」と笑われました。まさに、青菜に塩、でした。

    byベルウッド at2019-09-08 18:25

  3. ベルウッドさん、こんばんは。

    先日は、お誘い頂き、ありがとうございました。

    久しぶりのオーケストラコンサートでしたが、いつもと配置が違い、耳もですが、目が落ち着きませんでした。

    ブルックナー、良かったですね。
    特に聞き慣れた7番。
    時折、ベルウッドさん寝てないかな?とチラ見しましたが、大丈夫の様でしたね。
    予習も大事ですが、復習もお願いします。

    byいたちょう at2019-09-08 19:24

  4. ベルウッドさん
    デアリンクのユニークな配置は、楽器パート毎の音量バランスを取るのが、奏者個人個人の感覚に委ねるしかなさそうなので、練習の時は通常配置で、本番のみこの配置になるんでしょうかね!?

    しかし、ブルックナー7番なんて有名曲がどんな響きをしたのか?
    興味ありますが録音は無さそうですねー!?

    by椀方 at2019-09-08 21:51

  5. いたちょうさん

    ブルックナー、良かったですね~。

    演奏は、ハース版となっているんですけど、シンバルの人がいてずっとステージに座っていましたね。出番は、アダージョ楽章の一発だけなんですけど、じっと座っていて、しかも、しきりにハンカチを取り出して汗をぬぐっているのが笑えました。

    スケルツォ楽章では、指揮者の西脇さんが動かなくなっちゃって、思わず「指揮者も寝ちゃうんだぁ」って思いましたが、このお話しは後編で…ということに。

    以上、寝なかったというアリバイ証明です。

    byベルウッド at2019-09-09 10:55

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