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日記

ウェルフロートの神学論争 (ヒジヤン邸緊急訪問)

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2019年10月05日

先月、拙宅にお出でいただいたばかりのヒジヤンさんから、すぐにお誘いがあって、お互いにスケジュールを何とかやりくりしての緊急オフ会にでかけて来ました。

新たなアイデアがわいて、それを試したところ効果があったので、ぜひ聴いてもらいたいというのが今回のご趣旨だそうです。ここのところ、オペラ歌手活動に忙しくて、どちらかとえばオーディオは半ば休止状態にも見えたヒジヤンさんですが、相変わらずの豊富なアイデアと実行力です。それが目覚めると、もはや、誰も止められません。

今回のアイデアは、ウェルフロートにαゲルをかませるというもの。

さっそく聴かせていただくと、相変わらずの素晴らしいヒジヤンサウンドです。ひと言で言えば、鮮度がとても高い。音が濃くて、訴求力が豊かなサウンドです。ヒジヤンさんは、現行のB&W802Diamondを、サンスイの中古を出川式電源に強化改造したプリメインアンプでドライブするというシステムにたどり着いて以降、メインストリームは不動です。あらてめて、例えばD3に買い換えるとか、そういうプランはあるのかと尋ねてみると、全くその気はないそうです。そういう信頼感を持てる機器を所有されているということがうらやましいと思うと同時に、この音を聴いてしまうとそうなんだろうなぁと深く納得してしまいます。

自分としては、鳴らしている住環境も違いますし、サウンドや音楽に対する好みのようなものも、もちろんそれぞれの個性があって違うのですが、それでもこういう濃い音は、私の憧れでもあり、目標のひとつでもあるのですが、なかなか実現できていません。

さて…

今回の新アイデアの音ですが、すっきりと背景が静かで、音の細かいソノリティや音場の空気感が素晴らしく改善したという印象です。

ボーカルだけでなく、そのエコーまでもがとても鮮度が高く、そのエコーがリスナーの周囲にふわーっと広がっていく感じがとても見事です。低音の量感は変わらず豊かで、個別音の質感や色彩感が上がりました。

このことは、αゲルをいったん外してみて、また、付け直して聴くと、その差を具体的にはっきりと体感できます。冒頭の1~2秒の瞬間だけでも、背景がふっと広くなって、何だか地球の引力場を感じるかのように静けさが落ちてきて、音がすっとまっすぐに立ち上がることを感じます。

実は、この感覚は、ウェルフロートボードをフルコンメカに換えた時と同じなのです。

この前後から、この新アイデアの発想と原理、あるいはウェルフロートとは何なのかという議論で二人の間で白熱してしまいました。

ヒジヤンさんによれば、このαゲルの挿入は、ウェルフロートを揺れにくくする、振れ幅を抑制することが原理なのだそうです。実は、αゲルをウェルフロートの上下板の間にはさむという方法は、かつて、私自身もやっていたことです。その時の原理は、ダンパーとしての機能だと理解していました。ダンプとは、すなわち「減衰」ということになります。でも、「減衰」ではなかったのかもしれません。実は、このαゲル挿入は、メカ強化の導入の時にやめてしまいました。もはや、必要性を感じなくなったからです。

ヒジヤンさんの方法は、四隅+後方中央の計5箇所に挿入するというもの。場所を決定するまでにはいろいろと試行錯誤を繰り返されたそうです。5箇所なのでかなりしっかりしています。なるほど、ウェルフロート独特の揺らぎがかなり抑えられています。実は、このことも、フルコンメカと同じです。フルコンメカは、板バネを厚くして剛性を高め、吊りワイヤも太く短くしています。その他、吊りメカ部の板やネジ部なども剛性を高める改良を加えています。結果として、従来型と較べて動きにくくなっています。

スピーカーは自身が発音体であり、しかもダイナミック型は振動板が空気を押しているわけですから自身の質量慣性と空気との作用反作用で複雑に振動しており、しかも、背丈のあるキャビネット(+スタンド)のモーメントで揺れることになります。しっかりした土台が無ければ音が歪んでしまう。特に低音が緩むとか音が丸まってしまうというのは、聴感上も実感するところがあります。

ウェルフロートの独自性は、その吊り構造にあります。けれども、そのゆらゆら揺れるのが良くない。だから動きにくくするというのは、ウェルフロートの独自性と利点と矛盾してしまいます。この辺りの直感から、ウェルフロートの良し悪しについて様々な意見が交錯しているような気がします。

しかし、剛性強化がよい結果を生んでいるということから考えると、ウェルフロートは少しその吊り構造を強調し過ぎていたのではないでしょうか。

ウェルフロートは、まず、そもそも板バネ(金属バネ)という弾性体を使用した制振ボードだととらえるべきなのだと思います。制振構造は、振動を低減させる弾性体と、それを振動源と被振動源とにそれぞれつなげる拘束物とから構成しています。この拘束部分が歪みの発生源となります。ウェルフロートは、その拘束部を振り子にすることで歪みの発生を劇的に低減させているということなのです。振り子で振動を吸収しているわけではないのです。可聴帯域の歪みを発生させないためには振り子自身は機械的には小さい構造で十分であり、むしろ振幅は極小に抑えるべきです。ウェルフロートは、地震対策のための免震台ではないのですから。

ひと言で言えば、メーカー側は振り子と板バネとの主客をとり違えていたのではなかったかと言うことです。

元々は顕微鏡の免震台として考案されたメカニズムだったと聞いていますので、それをそのままオーディオ用に流用していたからでしょう。吊り構造が良いというのは、単なる説明や差別化のためのアピールなら良いのですが、オーディオ用としてはチューニングの余地があったのだと思います。

いずれにせよ、ウェルフロートは優れた制振ボードですし、フルコンメカになってさらにその音響的効果が高まりました。ヒジヤンさんのアイデアは、一見すると、まったく別のアプローチのように見えますが、どうやらフルコンメカと同じ原理に基づいている…というのが、私の理解です。個人的には、フルコンメカをおすすめします。

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  1. ベルウッドさん、先日は検聴していただきありがとうございました。

    効果を確認していただけてよかったです。
    先日のベルウッド邸で会話をする中で思い浮かんだアイデアの仮説~検証でしたので、是非ともご確認いただきたいと思った次第です。

    現在はラーメン食べあるき後の副産物であるfo.Qがマイブームとなっていまして、声楽や演劇の稽古とも重なり大忙しです。ですので、自分が考えるウェルフロートのメカニズムとメリット/デメリット。そして、デメリット補完のための仮説と検証については後日日記にしようと思います。

    当日は白熱した議論となりましたが、こうして文章を拝見してみると考えていることはそれほど違わないと思いました。使う言葉の定義や若干の考察の違いなんだなあと。どこぞの方のように自分を正当化するための論理立てでなく、事実認識や真理を深めるための論議を続けていけたらいいなと思います。


    追伸
    動物園の譬えは本当に笑えました。

    byヒジヤン at2019-10-05 10:31

  2. と言うことで、
    ウェルフロートのメカニズムについて、考えのある方には是非とも意見だしをお願いしたいものですね。メリットとデメリットをどのように捉えて、どのように活用していくかが大事ですよね。

    byヒジヤン at2019-10-05 10:35

  3. ヒジヤンさん

    ここのところ久々に《振動》に萌えてます。foQは一段落と言いましたが、昨日も貼り仕事してました。なかなか止まりません(笑)。

    何しろ、当方はまったく理系コンプレックスのない文系なので、さぞかし面倒くさいヤツだと思われたでしょうが、お付き合いいただきありがたかったです。

    使いこなしには、やっぱり、それなりに論理的な理解が必要ですよね。そうでないと応用や転用もききません。

    論理の無い測定なんて、ポエム以下です。

    byベルウッド at2019-10-05 14:50

  4. ベルウッドさん、ヒジヤンさん、こんにちは。

    フルコンメカになった最大のメリットは横方向への移動量減少よりもバズケロさんの言われる縦リジッドが強化されたことではないかと考えています。
    なので、個人的にはいっそは縦は完全リジッドにして


    4.好みの木製ボード
    3.アルミ板
    2.セラミックボール in αゲル(ボールが動きすぎないように)
    1.アルミ板
    木枠

    みたいな積層構造ボードが作れないかなぁなんて妄想しています。
    …と書いていて「ほとんどSEISIS?」なんて気付きました(^^ゞ

    ただ、『動くボード』って
    ・スピーカーに合わせて前後運動すると音の出るタイミングがズレるんじゃないか?
    ・回転体の360°振動って同時に逆方向に動けないと処理できないんじゃないか?
    という疑念が付きまとうんですよね…。

    結局ウェルフロートは『動く』ことがメリットなのではなく、バネ部分に良い塩梅に振動がアース&減衰させられているだけなのかも…なんて考えがよぎったりもしています。バネ部分の微振動を取るためにバネのαゲル寄せなんて出来たら面白いかも知れません(笑)

    byたびびと at2019-10-05 18:12

  5. たびびとさん

    フルコンメカのメリットは、バネの剛性強化だけではなく、横方向の振幅を抑えた(吊りワイヤを短くした)ことではないか…ということが、今回のヒジヤンメソッドで示唆されているということです。

    バズケロさんの、縦リジッド/横プリンをどのように理解するかということですが、WFBは縦が板バネで横が吊り構造となっていて、バズケロさんのポリシーとよく合致しているということなんだと思っています。

    振動を効率よく外部へ伝達するには荷重方向にできるだけ剛性の高いものを使用するのがよいのですが、その振動伝達の接合部には機械的インピーダンスの違いによる歪みや反射が発生します。接合面がマクロ的に微振動を起こしたり、振動波が反射してスピーカーに戻って干渉を起こしてしまうわけです。いってみれば接合部が微少なガタを起こしているようなものです。

    これを低減除去するには、接合部を点接触にしたり、自由に動く接合にするという手段が考えられ、前者はスパイクであり、後者がすなわちWFBの振り子構造ということではないか…というのが、今の私の考え方です。

    SEISISは、スパイクではなく鋼球による点接触にしているということでスパイクの一種です。スパイクは受け部の硬度が低いと刺さってしまいますが球形ならそれは解決できます。SEISISは、通常の使用条件ではロックがかかっているはずです。横には動きません。

    SEISISやスパイクがよいか、WFBがよいかは、この接点歪みがどちらがよいかということにかかっています。しかも、WFBはどちらかと言えばフローティングと分類すべき弾性制振ボードだと言えます。SEISISのような減衰ハードボードとは基本的に違うと思っています。

    byベルウッド at2019-10-06 00:10

  6. いろいろな意見がありますね。

    ・ウェルフロートは『動く』ことがメリットなのではなく、バネ部分に良い塩梅に振動がアース&減衰させられているだけなのかも…

    ・接合部の微少なガタ対策がウエルフロートの本質でSEISISやスパイクと同じだが、ウエルフロートは弾性制振ボードで、SEISISは減衰ハードボードで別物

    など意見にも進展しています。
    こんな議論において、様々な仮説に対しての検証を計測結果で判断出来ると有意義ですね。

    ただ測るだけなら子供でも出来るし、その意味は薄いので、
    論理の無い測定なんて、ポエム以下
    と言われた理解でよいでしょうか?

    byヒジヤン at2019-10-06 07:49

  7. ヒジヤンさん

    私は「反証されえない理論は科学的ではない」と言ったカール・ポッパーの信奉者です。

    仮説検証というのは、ロジカルシンキングとかクリティカルシンキングとか、最近は経営学の分野では盛んにもてはやされていますが、自然科学分野ではあたりまえ過ぎて埋没してしまっています。埋没しているだけにサイエンティストもエンジニアも時としてそのことを忘れてしまいがち。オボチャン事件などは、「再現性」をおろそかにしたことによるお粗末なドタバタでしたが、基礎研究に対する重大な不信を招き、深刻な結果を招いてしまいました。

    測定は、その「検証」においてとても大事なツールです。でも、論理的な仮説も無く手段が目的化するとか乱用されてしまえば、かえっておかしなことになってしまうということですね。

    先日、振動の計測器についてお尋ねしたのも、そういう考えがあったからです。残念ながら、シロウトでも扱えるようなハンディな計測器は存在しないということでしたね。こうなると、手で触ったり、あるいは叩くとか、五感をフルに発揮するしかないですかね。

    byベルウッド at2019-10-06 10:52

  8. ベルウッドさん、遅レスで失礼します。

    それにしても精力的に動かれていますね。(^_^;)
    αゲルで動かなくする発想がフルコンメカと同じという発想が楽しくていいですね。

    私のシステムで使用しているウェルフロートは皆フルコンメカ仕様に変更になっていますが、フルコンメカのない小型のウェルフロートでこのαゲルを試してみたいと考えております。

    byHarubaru at2019-10-06 21:55

  9. Harubaruさん

    このαゲルを使ったヒジヤンメソッドは、ウェルフロートの水平を安定させてくれるので、クァッドリングに適用すると設置がやりやすくなり、音もよくなるかもしれません。

    byベルウッド at2019-10-07 00:41

  10. >ベルウッドさん

    文章が長すぎて弾かれて凹んだ&多忙で遅レスになってしまいました。


    ウェルフロートとSEISISの違い、おっしゃる通りだと思います。

    私の妄想の場合、この2つの良い所取りをしたい。という感じでしょうか。
    アルミのボードの間にセラミックボール+軽く固定用のαゲルはfinite elemente CERABASEのパクリです(^^ゞ
    そのボールが多少動きつつ(でも戻る構造になってませんが…)、グッと踏ん張って欲しいという。

    結局は
    ・機器が踏ん張るための程よい土台。
    ・振動を機器に跳ね返さない深さまで運んでそこで処理する構造。
    が必要なのであって、ウェルフロートはそれがまさにウェルバランスだったのかと。(特に踏ん張るは絶妙な弾性が必要なので)

    しかしそれでもフロート系ボードだと機器との接触面(点)歪みをどう処理するかにおいて、

    1.『動く』というのは本当に良いことなのか?(単方向への移動が振動を処理できるのか?)
    2.同一ベクトルAがかかるにしても、静止中・A方向へ移動中・振り切れ逆A方向に戻り中では挙動が違うのではないか。
    3.機器内部で発生する振動に対して、その振動が接点部分まで伝播してから動いたのではもう遅いのではないか?
    4.そもそも動くというのは振動を付加しているだけなのではないか。…誰か感震計乗せて下さい(笑)

    と疑問を持ってしまうのです。
    (3はフロート・リジッドに関わらずですね。)

    byたびびと at2019-10-15 18:54

  11. 機器内部で生まれた振動が綺麗に単方向に整えられて足に導かれているとは到底思えません。それぞれの足にバラバラな振動が伝わり、それを1枚のフローティングボードで処理する…。どうも無理があるような気がしてしまうのです。(それを少しでも何とかしようと振動アースに励んでいるのですが)
    むしろウェルフロートリングの方が、とも思いますが、それだと今度は機器側に引っ張りストレス等をかけそうな。

    また、どんな微小な振動にも反応し前後に一瞬で数メートル動くウェルフロートがあったとして、それをスピーカーに使った場合ドップラー効果が発生します。
    実際は微小な前後運動だから無視して良いとなるのかも知れませんが、それはどうにも気持ち悪く、以前ヒジヤンさんが楔を打っているのを拝見した時は「おおっ!」と思いました。

    でもそれを更に強固にして前後に一切動かなくしてしまったら それは単なるリジッドなボード。…であれば結局は踏ん張りのバランスと縦方向が肝なのかなぁ、それならリジッドボードでも同じことが出来るはず。
    …でも実際ウェルフロートは効くしなぁ、複雑に動くものよりスピーカーみたいに基本ピストンモーションだけ(分割振動とかは置いておいて)の対策に使えば良いのかなぁ。

    とモヤモヤし続けて今に至っています。
    すみません、時間かかったのになんかまとまりません。(^^ゞ

    byたびびと at2019-10-15 18:56

  12. たびびとさん

    ベースが踏ん張ることは大事です。けれどもそれは制振とどうしても二律背反のところがあります。

    ひとつの解決策が、フローティングと1点アースの組み合わせです。2点ないし3点以上をフロートで重量を支え、1点のみスパイクでリジッドに支える。ここに振動経路を集中させ、かつ振動中心を固定するということになります。拙宅のサイドプレススタンドはその考えで成功しています。

    ウェルフロートリング(クァッド)もそのように使うのがよいと思います。クァッドだけで支えると、おっしゃるようにスピーカー側や機器側の底面と、各クァッドとの振動に齟齬を生じて機器底面にストレスを与えることになります。

    ウェルフロートボードの場合は、底板底面に滑り止めのコルクシートを貼り、質量のある重量ボード(木製や御影石など)と2段重ねにするのがよいと思っています。コルクは、接触歪み対策にも制振にもなっています。

    ウェルフロートが前後に動くということは、決して利点でもなんでもありません。メーカーの説明がミスリードしているのだと思います。吊り機構はあくまでも制振バネとの拘束部の歪解消のためです。前後に動かなくても本来は構わない…むしろ、そちらの方が、踏ん張りが利いて良いというのが今回の検証のキモだと思っています。前後に動きにくくしたことで好結果を生んでいるということなのです。

    byベルウッド at2019-10-16 12:50

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