ベルウッド
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クラシック音楽ファン:よい演奏会があると知れば遠征もいといません。オーディオシステムは、音楽そのものを楽しむのが本来というモットーのもとにコストパファーマンス重視で小ぶりな装置を目指します。正統オーデ…

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日記

アナログとデジタルの光と霧 (岡山・秋の音会 後編)

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2019年10月05日

岡山・秋の音会の続きです。後半は、EDさん宅へ移動してのオフ会後半です。

EDさんのシステムの中核は、大型のATCのスピーカーとこれを緻密かつ豪快にドライブする自作真空管アンプ群です。昨年は、ここにマランツのフラッグシップCDP(MARANZ SA-10)が登場してCD再生のリニューアルが印象的でした。今年もこのラインアップは健在でした。



ということで、まずはこのCD再生での音出しです。

何度聴いてもATCスピーカーの骨太な音は魅力です。それにしても、このスピーカーを支える土台は容易ではないはず。いつも思うのは、EDさんのリスニングルームの床のしっかりしていることです。EDさんのお宅は、周囲を田んぼや畑、森に囲まれた古い民家です。お部屋は、玄関を入ってすぐ右手の応接間風の洋間です。そこにはがっしりとしたアップライトピアノも置いてあります。応接室と音楽室を兼ねたようなお部屋。

てっきり、そういう応接室をリスニングルームにされたのかと思いましたが、実は、このお部屋はれっきとしたリスニングルームとして建てられたのだそうです。EDさんが学生の頃に、お宅の新築に合わせて在郷の腕利きの大工さんにいろいろ注文をつけて建てられたのだとか。天井の格子組も、当初の設計にはなかったものを、音響面を考慮して強度を高めるために格天井へと変更したのだとか。専用リスニングルームとして年季の入った大長老格ということになります。どうりで…と、思わずため息をついてしまいました。

今回も、自作のES9038-DualのDACに切り換えて聴いてみました。

やはり、自作DACの方が音が良いのは歴然としていました。CDPのUSB-DAC部分もマランツ渾身のディスクリートです。このDAC比較は昨年も試みられて、その時はマランツのエージング不足もあるのだろうということになったのですが、1年経っても同じような比較評価になってしまい、悩ましいところです。そんなはずはないとの思いは、オーナーのEDさんご自身のみならず皆さんも同じ。一体型ゆえの振動対策とか、どこかに手の入れどころがあるのかもしれません。

面白かったのは、このCD。



冒頭の「ジャジャジャ・ジャーン」というところが、自作DACだと頭が切れてしまうのです。これには一同びっくり。よく、DSDからの切り換え時に盛大なノイズが発生するとか、自作ならではの素朴な出来映えの悩ましさはありますが、こういう現象は初めて。再生頭のトラック始めからいきなり信号が刻まれていると、こうなってしまうのだとか。バッファーかなんかの問題でしょうか。商品としての完成度をとるか、自作ならではの妥協のない基質の高さをとるか、趣味としてのオーディオらしい悩ましさです。

さて…

EDさんのシステムの今年の目玉は何と言っても、名器中の名器ともいうべきアナログプレーヤーです。しかもトーレンスTD-124ⅡとリンLP12の2台。



まずは、トーレンス。その渾身のレストアについては、お話しを伺っていると気の遠くなるくらいの過程です。本当にそんなことまでやったのと驚くばかり。その具体的詳細はEDさんの日記をご覧いただくとして、さっそく聴かせていただきます。

昨年までの、MICROのターンテーブルもすごくよい音でした。もちろんカートリッジによりますが、アナログらいしい鮮度の高い、高分解能のサウンドでグリューミオ・トリオをとても魅力的に鳴らされていました。ところが、やはり、せっかくのATC+真空管アンプには、エネルギー感の不足もあると感じ、また、録音時代の音味とか雰囲気も感じ取りたいということで、ヴィンテージに挑戦されたのだとか。

トーレンスを聴かせていただくと、そういう狙いがどんぴしゃとよく感じ取れます。昨年までのマイクロからの切れ味鋭いテンションの高いアンサンブルとは違った色艶のある美音のサウンドです。

すかさず、リンにディスクを載せ替えての比較。こちらは、品のある緻密な音。どちらが良いかという比較は皆さんそれぞれ。私は、断然、トーレンスの方が良いと思ったのですが、カートリッジが違うのでそこを含めてトータルの判断をすると確かに皆さんの意見もよくわかります。

私の言い分を聞いたEDさん、それならばと温存させていたとっておきのオルトフォンSPU/SYNERGYを取り出して、トーレンスに取り付けて再挑戦。音が出た途端に「おおーっ」とのため息が。これでトーレンスの勝利と思いきや、これはカートリッジが良いから当たり前だと、またしても審判団の意見がまとまりません(笑)。

個人的には、トーレンスの堅牢な安定感が醸し出す落ち着いた余裕のある量感といざというときの密度の高いエネルギー感の方に圧倒的な魅力を感じます。ゴロ音はまったく気にならず、やはり、アイドラードライブはいいなぁと思ってしまうのです。一方で、リンの方はまだ調整の途なかばという観があります。詳しい年式とかモデル名は知りませんが、リンは造りが繊細でバランスに神経質なところがあります。けれどもポテンシャルは高い。

EDさんは、リンの方もアームボードを自作して、素材や厚みを換えていろいろ試されたり、こちらも負けずに手を入れてみたそうです。おそらくそういうバランス調整がまだまだどんぴしゃりと来ていないのではないでしょうか。カートリッジだけでなく、アームとの相性もあるし、フロートのバランスや可動域の干渉なども細部を点検すると意外にボトルネックがあるというのがLP12の難しさだと聞いています。EDさんによると、直前にラックを左右入れ換えて、ふたつのプレーヤーを載せ換えたことも影響しているかもしれないとのこと。土台や足元にも繊細に反応する。とにかく最適点のピーク性がとても高いターンテーブルなのです。

そのスタイリッシュでコンパクトなデザインのなかに秘めたポテンシャルの高さがLP12の魅力です。例えてみれば、トーレンスがトヨタのクラウンでそのまんまの名車だとすれば、LP12はスバルのWRX STIみたいなもの。とにかく生意気でチューンアップのしどころ満載なんだというところではないでしょうか。それだけにLP12は、今後が楽しみです。

デジタルは、ノイズとの闘い。アナログは、振動との闘い。それぞれに利点と輝かしい魅力がありますが、一方で、なかなか晴れない霧のような難しさがあります。そういうことを実感するオフ会でした。

試聴会を終えて、いつものように岡山市街に繰り出して、懇親会です。美味しい和牛の焼肉と焼酎をいただきながら、オーディオ談義に話しがはずみ楽しい会でした。

スイートサウンドさん、EDさん、helicatsさん、とりさん、そして、横浜のvafanさん、どうもありがとうございました。

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  1. ベルウッドさん、こんにちは。

    音会の雰囲気が蘇ってきました。日記ありがとうございます。前回よりデジタルもアナログも進化しており、並々ならぬEDさんの想いがこもったサウンドでした。SA-10単体とDAC併用の差があれほどあるとは、正直驚きました。昨今は単体DACが進展し、CDプレイヤーには厳しい時代になりました。アナログも素晴らしかったですね。

    今、成瀬で開演前です!

    by横浜のvafan at2019-10-05 15:26

  2. ベルウッドさん、今日は。

     期待していました、”岡山・秋の音会”後編、早速の投稿有難うございます。読ませていただきまして、予告どうりEDさんの装置の凄さが伝わります。自作DACについての頭が切れる、この事は理解できませんが。いづれにしましてもデジタル・アナログ両方共凄いのでしょうね。一度は聴かせて頂きたいものです。

     アナログプレーヤーの評価についても詳細・緻密で此方も音を聞いているようです。アイドラードライブでもモーターゴロが出ないとの事、よほど緻密なレストアがなされているのでしょうね。この事はEDさん本人の投稿を待つしか有りませんね。

     ベルウッドさんの文章も素晴らしく、読んでいるうちに引き込まれます。見習いたいのですが無理ですね。

     これからも素晴らしい文章で楽しませて下さい。

     yhh

     

    byyhh at2019-10-05 16:07

  3. 横浜のvafanさん

    間が空いているので、進化の度合いをより大きく感じられたと思います。その反面、どこでどう変わったのかわかりにくいところがあるかもしれませんね。それでも一貫したポリシーというのか、ブレないというEDさんのオーディオを着実に感じられたのではないでしょうか。

    確かにCDプレーヤーにとっては厳しい時代に入ったのだと思いますが、以前、私の日記でずいぶんと盛り上がったように、CDトランスポートのメカ部の設計や経済性、セッティングの難しさがDAC部の進化によって浮き彫りになっているのだと思っています。特に一体型は不利なのだと思っています。

    成瀬でバッハですね。
    私も、一足先に与野本町でバッハを楽しんできました。
    クロースでソリッドな音響のバッハを存分に堪能されてください。

    byベルウッド at2019-10-05 23:23

  4. yhhさん

    過分なお言葉ありがとうございます。

    できるだけ簡素な文章をと心がけているのですが、伝えたいこと、感動したことが大きいと、どうしてもそれだけの分量になってしまいます。

    今の世の中、ネット社会などでは長文は嫌がられているようです。

    若い世代の学力低下のせいだと貶す人もいますが、そうではないと思います。安直で粗っぽい言葉の羅列や、汚い言葉の方が、書く方も読む方も楽だからなのだと思います。学力ではなく、ひとりひとりの知性の問題です。短文は扇情的でフェイクを乱造します。

    ネット社会は有力でもありますが、その分リスクも多くはらんでますね。

    byベルウッド at2019-10-05 23:37

  5. ベルウッドさん、こんばんは。

    先日の音会について、詳細にレポートしていただきありがとうございます。

    また、今回は賄賂(メバル)を用意できなかったのですが、過分な評価を頂き恐縮です。

    CD系のほうは、SA-10とES9038-DAC(TAMURAトランス出力)で音のほうはほぼ落ち着きました。

    しかし、ご指摘のように、グールドの運命だけ冒頭の音が飛んでしまうのが気になっています。

    これは、DPLLのロック速度設定を最小値(1024)にしているのですが、それでも冒頭の音が0.5秒程度再生できないようです。

    それからアナログのほうですが、アームとの相性でカートリッジがSPU系とDL103系になってしまい、比較し難くてすみませんでした。
    (LP12のSME3009S2Impは軽針圧用なので、SPUが上手く使えませんでした。)

    TD124はメカ的には良いコンディションになったと思いますが、LP12のほうはご指摘通りでまだまだ調整不足のようです。

    後で分かったのですが、プリアンプのEQも長年使っていたDL103で音作りをしているためか、SPUでは低音の量感と力感が不足気味になっていたようです。

    このあたりを時間を掛けて改善してみますので、また機会がありましたら聴きに来てください。

    よろしくお願いします。

    byED at2019-10-06 21:00

  6. EDさん

    先日は楽しい会でしたね。お忙しいなかを、ほんとうにお世話になり感謝しております。

    アナログは深いですね。アームもカートリッジも特性に個性があって、プリアンプの細かな設計も含めて相性の取り方にバラエティがありますよね。それを単純にとっかえひっかえして比較して優劣と取り違えてしまうのは、アナログの面白さをかえって削いでしまうことになりかねません。LP12は、調整不足の面があったかもしれませんが、そういうレストアやチューニングの楽しさを教えて頂きました。

    また、次の機会を楽しみにしております。

    byベルウッド at2019-10-07 00:36

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