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日記

オーバーシュート (トランジェントって何?)

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2020年04月08日

やたらにカタカナを使いたがる某知事が「オーバーシュート」と言い出して、オーディオ好きとしては何だか場違いな言葉遣いじゃないかと思ったけれど、感染学の専門家も、以来、同じ言葉を連呼しているのであながちヘンではないらしい。

ここから思い浮かべるのは「トランジェント」という言葉だけれど、これもオーディオ用語として、実のところ意味不明の言葉のひとつ。その兄弟分の用語として「スピード感」というのもある。

さて…

トランジェント(Transient)とは、工学的には『過渡応答(過渡現象)』のこと。

ある状態(A)から(瞬時に)ある状態(B)へと変化させるときに、ふたつの状態の間にそのどちらとも違う状態(C)が起こる。過渡現象とはその(C)の非定常状態の時間的変化をいう。




(図は、東京大学工学部航空宇宙工学科・土屋・伊藤研究室の資料を拝借)

その過渡現象のなかに、(B)を飛び越えてしまう状態が生ずる。これをオーバーシュート(行き過ぎ)という。このオーバーシュート状態で激しく上下することをリンギングという。波形などを見てもいかにもよい音がしそうにない。「オーバーシュート」と聞くと真っ先にこれが頭に浮かぶ…というわけです。

「スピード感」という言葉については、よくスピーカーのことで使われる。つい先日、別のSNSのコミュでも散々話題になった。議論は百花斉放、果ては、『音速は一定だから、スピードの違いなどあるはずがない』などとという発言まであってトピ主を辟易させていました。

「トランジェントが良い」「スピード感がある」という評価は、おおよそ次のような議論だと思う。

・低音が遅れる(遅れない)
・立ち上がり・立下りが速い
・キレがある、歯切れがよい
・音が出た後余分に鳴らない
・クリーンで明瞭、濁りのない音がする

一方で、「トランジェントが良い」ということが、必ずしもオーディオ的に良い音とは受け取られない面もあって…

・聴き疲れする
・音の頭(アタック)や高音が目立つ(=バランスが悪い)
・サ行が目立つ、耳障り

さらにちょっと高度な議論としては…

・余韻や残響が聞こえる
・奥行きや前後などの立体感がよい
・高周波特性のよいケーブルは音がよい

などということも、トランジェントの作用として議論されています。


要は、アンプの電気回路や、スピーカーの性能が悪いために引き起こされる過渡現象によって正しく再生されず、音が歪められてしまうということになります。特に、電気回路と機械系が相互に作用するスピーカーでは顕著だというわけです。

わかりやすいのは、共振周波数で最大となる群遅延で、低域の量感を求めるあまりにQを持ち上げるとかえって低域がどんどん遅れるというわけです。バスレフやバックロードではありがちな落とし穴。

アンプで電源が重要だということは万人が認めるところだと思いますが、トランスをトロイダルやRIコアにして高級化(のつもりに)したり、平滑コンデンサの容量を大きくしてしまうと、実はかえって電源のトランジェントが悪くなるということはあまり知られていない。高価なハイエンド機が、かえって大人しい退屈な音になっている場合があるということに気づかないひとも多いのです。

要するに、「トランジェント特性がよい」=「正しく伝達できている」ということに尽きるということになります。

ところが、必ずしもそういうことだけではない…というのが、この話の続きです。

そのヒントは、上記の「必ずしもオーディオ的に良い音とは受け取られない面もある」ということに隠されています。

お話が長くなるので、この続きは次の日記で。

(続く)

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  1. ベルウッドさん、なにやら難しいお話。

    別のSNSで論議されたと聞いては、何か落とし穴が仕組まれているようでコメントしにくいですね。最後までお話を聞いてからコメントするようにしますね。

    byヒジヤン at2020-04-08 21:14

  2. ベルウッドさん こんにちは

    >「トランジェント特性がよい」=「正しく伝達できている」
    これは個人のソースや部屋、装置の好みもあるからある程度の
    幅がありそうですね
    例えばリンギングって言葉も元は鐘を突いた時の余韻が続くこと
    が語源になっています
    あれがすぐに収まった方がいいのか、いつまでも続いて「ウィーン」
    「ウィーン」って響くのが正しいのかは好き・嫌いの問題のような
    気がします
    ESの9038PROというDACチップを使ったUSB・DACを使っています
    がデジタルフィルターの設定でリンギングを多くしたり少なくしたり
    その他、設定が自由に変更できて面白いですね

    byプリマ at2020-04-09 10:13

  3. ヒジヤンさん

    個人的な備忘録的に書いてみました。

    ですので落とし穴は仕組んでません(笑)。でも陥りがちな罠みたいなものを自戒する気持ちはありますね。

    後半ではそのことにも触れるつもりです。

    byベルウッド at2020-04-09 10:36

  4. プリマさん

    >「トランジェント特性がよい」=「正しく伝達できている」ということに尽きる => 必ずしもそういうことだけではない

    ということを続きの後半で書いてみるつもりです。


    デジタルならば、トランジェントの問題を回避できる…と思いきやそうではないようですね。

    デジタルフィルタは、必ずプリエコーとポストエコーを伴います。アップコンバートの補間の演算のアルゴリズムによってフィルタ特性とともに、このポスト/プリエコーでトランジェントの音味を変えることを(意図的であれ結果的であれ)やっています。

    好き嫌いと、質的な良否は本来別物なのですが、オーディオではそれがどうもごちゃまぜになった主観論が幅をきかせがちです。

    byベルウッド at2020-04-09 10:49

  5. ベルウッドさん

    >必ずしもそういうことだけではない
    >ということを続きの後半で書いてみるつもりです
    了解しました

    デジタルフィルターの変更で音はかなり変わるのですが掲示板
    なんかで見ていると「違いが分からない」って人の方が圧倒的に
    多いです
    例えばESのチップの例だとfast系のフィルタにすると音像が前に
    出てきて余韻が減少し「昔風のCDプレイヤー」みたいな音にな
    ります
    slow系にするとその反対です
    自分としてはどちらでもいいような気がしています

    byプリマ at2020-04-09 11:04

  6. プリマさん

    デジタルフィルタを切り替えても違いがわからない…という人が多くいてもそれはわかるような気がします。

    違いがわかるのに「どちらでもいい」というのは、私にはちょっとよくわかりません(笑)。音源に合わせて、その都度、好みの方で聴くのもオーディオの楽しみということでしょうか。

    私自身は、シンプルにアップサンプリングはない方がよいと思っています。もしかけた方が良いというのなら、オーディオ機器メーカーとして十分にトータルな音質を吟味して自信を持って決めてもらいたいと思うのです。

    byベルウッド at2020-04-09 14:30

  7. ベルウッドさん

    >音源に合わせて、その都度、好みの方で聴くのもオーディオの楽しみということでしょうか

    はい、そうです
    自分が使っているアキュフェーズのCDP(DP-560)だとメーカーが
    意図した音しか出ません
    それだと音源によって機器の相性が出てきます
    設定一つで切り替えが出来て「ボーカル物ならこれ」「古楽器の
    演奏ならこっち」というのは便利だと思います

    byプリマ at2020-04-09 14:51

  8. プリマさん

    トーンコントロールとかEQカーブとか、昔は必ずついていましたね。それは、レコード制作側のEQカーブが統一されていなかったり、統一後であっても微妙に違っていたという時代の事情もありました。

    デジタル時代は、周波数特性だけでなく、DSPでいろいろなことができるようです。そういう“お遊び”もあるのでしょうね。

    DEQXの代理店のKurizz-Laboの栗原さんがある試聴会で、DEQXではこんなことも出来るとPCであらかじめプログラムされたセッティングで“60年代のジャズ”というのを聴かせてくれました。まさにその雰囲気なのでびっくりしたり感心したり。

    栗原さんは、元NHKの技術部長ですが、ご本人によれば放送のエンジニアは一発勝負なのでミキシングで編集加工する技術というのはほとんど持っていないそうです。そう自負する人でさえ、簡単にそういうセッティングを再現するのです。これには妙に感心させられました。

    byベルウッド at2020-04-10 09:06

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