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企業勤めの理系です。 でもあくまで趣味ですから結果オーライな考えやプラシーボも容認します。 現在の機器構成 スピーカー : JSP研究所 特注箱(密閉) / Feastrex nf-5 …

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日記

前回の続き2 - サイン波応答

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2012年04月28日

前回までのあらすじ

Q 何で単発サイン波なんですか?
A SPの特性計測に単発サイン波を使った話から派生したので。
  それと計算しやすかったからです、信号はなんでも構いません。

Q フーリエ変換とか関係ないんじゃ
A サンプリング周波数fsで標本化をするという行為が
  元信号をフーリエ級数展開した項の
  係数F(ω)をどこまで記録するかに繋がります。


『標本化周波数が 2f 以下であった場合、原信号にはない偽の周波数 がエイリアス信号として、復元信号に現れる。よって、連続信号の標本化においては、ナイキスト周波数 2f よりも高い周波数で、標本化を行わなくてはならない。』
(wikiより)

これは元波形のフーリエ級数展開が2f以内で収束しない場合に
2f以下でサンプリングするとエイリアス歪(折り返し歪)が出るよという事です。



自分はデジタル信号技術を全否定しているという事ではありません。
1980年以前に研究され、80年代にCDを世の中に出した当時の技術者の方々の功績は輝かしい物であり、ネットなど無いのは勿論の事、技術資料も少なく
当時の国家予算で造るようなスパコンを凌ぐPCが各家庭に1台あったりなどしなかったわけです。
また技術的制約は遥かに大きかったわけですから
サンプリング周波数に対して多少足りていないのではと言われた所でその光彩が幾ばくも失われるものではありません。



前々回単発サイン波の計算結果を出しましたが
他の関数を想定したり積分し直すのは面倒なので、エクセルのパラメータを変えて波が10周期続く信号を考えます。
これなら少しは音楽信号に近づいたでしょうか?

自分が言いたい事は、音楽信号は無限に続く連続サイン波などではあり得ず
むしろON/OFFの繰り返しで不連続な波形になっているよという事で
不連続な波形は「周波数成分」が超高域まで伸びるという事
そしてその周波数成分を途中で打ち切ったら元の波形は再現しないという事です。


サンプリング周波数44.1kHzとして、各周波数の10周期サイン波を入力します。
出力波形と書いていますが記録可能な波形の事で、理想的にはこの形で出力できるというグラフです。
またこれは計算値なので、現実の電気信号はこれより崩れます。



・3.68kHz
山の形が変に見えるのはエクセル側の問題です。
かなり綺麗な波が出力できます。
理想計算なので、こんなものでしょう。


・5.51kHz
立ちあがりと立ち下がりで若干うねっていますが、概ね完璧です。
もしもこれすら許せないとおっしゃる人がいる場合、CD規格では5kHzすらNGです。


・11.02kHz
やや変な形が出てきました。
ただしこれなら許せるでしょうか。
許せない人はCD規格で11kHz以上はNGです。


・14.7kHz
裾野がうねうねしてきました。
ただし問題はそっちよりむしろ「波の概形が崩れてきた」事です。
ゼロ近傍の波よりも全体の波形が揺れている方が耳につく可能性があります。
ただ許せる人は多いでしょう。


・16.96kHz
だいぶ崩れてきました。
本来出力したい波形からはズレています。
この微妙な変化が録音時に本来の音を崩している可能性は否定できません。


・22.05kHz
サンプリング周波数44.1kHzで記録できる信号の上限です。
山が潰れて裾野が広く伸びています。

このグラフを見て

>酷いと感じた方
サンプリング定理により再現できるのは22.05kHzの連続正弦波です。
22.05kHzのサイン波信号が見えているので理論通りです。
無限に続く連続正弦波を入力すれば出力信号は一致します。

>綺麗でおかしいと感じた方
22.05kHzでは連続した単なるサイン波しか出せないはずなのに
若干なりとも形状が再現出来てるのはむしろ変だと思われた方は正しいです。
実際にはこのグラフの外側に同じ波形が繰り返し存在します。
つまりその周期の長周期成分(低周波)が存在するため、
信号は単純なサイン波にはならず、元の信号を僅かに再現します。


流石に22.05kHzは理論値上限なので酷くなるのは当然として
問題はその下を幾つまで許せるかですね。
ゆるく言えば全部OKと言えますが、
残念ながら「フォーマットの話」なので
僅かでも波形が変化するならNGとみなす方がHi-Fi(高忠実度・高再現性)です。
より忠実に現実の音を記録するHi-Fi規格を目指すのであれば
個人的には理論値くらいは綺麗であって欲しいものです。


色々書いていますが、自分はCDメインで楽しんでいます。
○○だからCDは聴いてられない!と言っているわけではありません。
どーせ他の劣化要因の方が大きいです。

ただ音源のフォーマット(記録方式)は良ければ良いに越した事はないでしょう。
またいかにデジタルといえど、様々な処理をかける程劣化していくのは間違いないですから、24bit/192kHzのマスター音源などを手に入れられる方は幸せだと思います。




次に10周期サイン波の周波数を22.05kHzに固定します。
サンプリング周波数fsを変えていった場合、記録・再現される波形がどのように変わるかを赤線
そしてその時に含まれる「最も高い周波数成分ωmax」を青線で示しました。
※ただし強度は非常に弱いため、適当に振幅を引き延ばして図示しています。
※実際は高域の周波数成分は-20dBとか-30dB程度の小さな値です。


fs 44.1kHz
CD規格です。
赤線は周波数がズレています(折り返し歪)がそれも愛嬌です。
記録できる限界の周波数なので仕方ありません。
いつ信号が入っていつ信号が終わっているのかよくわかりません、まあ愛嬌です。
折り返し歪が入る理由は、元波形に22.05kHz以上の周波数成分があるからです。


fs 88.2kHz
この時点でかなり綺麗になります。
単発サイン波の時は4倍とか8倍と言っていたくせに今回は2倍でもそこそこ見れます。
これは何故かと言うと、単発サイン波よりも10周期サイン波の方が
より連続正弦波に近いからです。
出力一定の連続正弦波(22.05kHz)であれば当然fs=44.1kHzで再現可能です。


fs 176.4kHz
これだけ綺麗なら理論的には十分ではないかと思います。
忘れてはいけない事として、この赤線の波形には青線の周波数成分が含まれているという事です。


fs 264.6kHz
綺麗な波形が出力され、無音部の表現もほぼ言う事ありません。
22.05kHz以下の周波数を持つ波で構成された音楽信号はどんとこい!
といった安心感すら感じられます(笑)
繰り返しますが、青線の周波数成分まで考慮しないと赤線は再現できません。

※赤線と青線の縦軸は全くスケールが違います。
※青線は数十dB小さい波形を大きく拡大したもの。



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蛇足ですが

途中で高域を切ってしまうと波形が崩れるという事で
超高域を付加してくれるソフトなりハードが存在しますが
CDを正しく再生しても微妙に再現しないという立場に立てば
それらの製品群も又オカルトではないと思います。
ただし単にランダムノイズを付加して元の波形が再現できるわけではありませんから
たまたま良くなって聴こえる場合もある、という理解に留まります。

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  1. すみません、失礼ですが基本的なところで誤解されています。

    「CDには20KHz以下の音しか入っていない」というのはある意味では正しいのですが、これを字句どおり解釈すると誤りの元です。

    CDプレーヤーにはなぜ20KHz以上の高域フィルターが入っているのでしょう?

    それはCDを普通にDA変換すると20KHz以上の超音波が大量に発生するからです。すなわちCDには20KHz以上の超音波が大量に含まれています。

    44.1KHzでサンプリングされた離散的なデジタル値は、それを単純にDA変換すれば、階段状波形になり多量の超音波が含まれています。それで20KHz以上を急峻なフィルターでカットする必要があるのですが、この急峻なフィルターは位相の回り込みを起こしたり音質に悪影響を及ぼします。

    それでオーバーサンプリングすることで、超音波をより高域側に追いやり緩やかなフィルター特性で済むようにしています。

    SACDでも100KHzの再生が難しいのは、この高域フィルターのせいです。

    byミネルヴァ at2012-04-29 06:07

  2. ミネルヴァさんこんばんは。
    いつもレスポンスが遅くてすみません。

    では失礼ですがストレートにお返事すると、ミネルヴァさんの方も少し勘違いなさっています。
    ミネルヴァさんが書かれている事は全くその通りなのですが、それは「サンプリング周波数44.1kHz」という枠内でのお話で、自分の話は"サンプリング周波数が任意に可変なら"の理論計算です。
    サンプリング44.1kHzであれば20kHz以上はLPFで落としますし、そのフィルター自身も完璧なものでは無いので波形の劣化要因になり得ますが(対処の1つとしてオーバーサンプリングを行ったりしますが)、まあそういうのも全部置いといて(完璧だとして)計算すると~という事です。

    理想計算では無限に続く連続正弦波であればサンプリング周波数44.1kHzで22.05kHzの連続正弦波は完璧に再現できます(サンプリング定理)
    (このグラフは出してもつまらないし一般に当然?だと思います)
    但し、もし無限に続かなかったらこうなるよという例になります。

    あくまで数学の範疇で、ここで劣化が見えていては後工程がいくら完璧でもダメじゃん?って事です。
    勿論マスタリングの作業や再生側で起こる劣化に問題点多すぎて規格自身のアラなんて大した問題ではないとも思いますけどね(笑)

    まあそこは、数あるうちの1つの事だけに着目するなら、です。

    また、いつも疑問や感想を書いていただきありがとうございます。
    ご意見非常に勉強になります。

    byテナガザル at2012-05-03 23:32

  3. あのー、無限に続かなかったとしても20KHz以下なら、44.1KHzサンプリングで劣化は理論的に無いのですが。

    byミネルヴァ at2012-05-04 07:54

  4. いえー、無限に(現実には十分長い時間)続かない場合は波の形が強烈に制限されます。

    今回の記事の下4枚では、赤い線に含まれる最も高い周波数を青線で示していますので、赤線を再現しようとしたら青線の波の2倍の周波数でサンプリングしなくてはいけません。

    仮に赤線が無限に続くサイン波なら、青線と赤線は一致しますので「20kHz以下なら44.1kHzサンプリングで劣化は理論的に無い」です。

    byテナガザル at2012-05-07 01:20

  5. 前にも書きましたが、CD制作過程ではフーリエ変換されていませんので、言われている高い周波数でのサンプリングは必要ではないです。

    byミネルヴァ at2012-05-07 08:03

  6. 遅くなりまして申し訳ありません。
    残念ながらフーリエ変換したF(ω)に関してサンプリング定理が構築されていますので、好む・好まざるに関わらず
    音楽波形f(t)をフーリエ変換したF(ω)に関して議論しなければサンプリング定理を適用する事ができません。

    現実の波形f(t)に対してサンプリング定理は使用できないんです・・・。

    byテナガザル at2012-05-14 20:51

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