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May the vintage equipment last forever ! 
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持ち家(戸建) / 専用室 / オーディオ・シアター兼用ルーム / 16畳~ / 防音あり / スクリーン~100型 / ~4ch
石井式リスニングルームというか音楽室ですが、リフォームなので天井高はごく普通の家と同じです。 使用機器や写真はこちらをご覧ください。 http://www7b.biglobe.ne.jp/~h…
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日記

スピーカー保護リレーをMOS FETスイッチに… Part 3.2

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2019年12月28日

B-2105 MOS Vintageの改造時、使われていたスピーカー保護リレーを見て発見がありました。

この部品の持つ機能とその要求を満足させるための難しさです。
これについてはあまり一般的に必要とされる情報ではないのでしょうが、私の備忘録としてここに書き残しておこうと思います。

B-2105に使われていたリレーの中身は以下の写真のようになっています。



かなり大型のリレーです。
松下電器(現パナソニック)製の定格7Aのものと思われます。
2回路入り。1回路あたり2接点のツイン接点と呼ばれる構造でかなり凝っています。
片側のchにこの2回路をパラに使っています。かなり贅沢な構成。

リレーの動作原理は以下のOMRONさんのHPの図がわかりやすいと思います。
(無断借用しています。クレームがあった場合には削除します。)



右側の固定電極も厚手のバネ材でできているので左側の可動電極が押しつけられるとわずかにスウェーして電極同士が多少摺動して接触するものと思われます。
摺動することによって接触不良の可能性を下げることができる良く考えられた構造です。

ツイン接点は接点をふたつにすることで小信号時の接触抵抗の安定性を狙っているようです。
ツイン接点の模式図は以下の通り。これもOMRONさんHPからの借り物です。



このスピーカー保護リレーの難しさはこれに課せられた以下の機能を実現する必要があるからです。

1.ON時、大パワー投入時の大電流に耐えられること
2.ON時、小信号の微小電圧でも電気的接触が不安定にならずに電流を流せること
3.異常時確実にOFFできること

特に重要なのは3番でこの動作がうまく行かないようではリレーを設ける意味がありません。
どんなことがあっても接点同士が電流による発熱などで溶着することは許されないのです。
そして1番。大電流も安定に流せる接点である必要があります。
ネット上の情報では一般的に大電流を扱うリレーでは抵抗値の低い銀合金が使われると書いてありますが、B-2105のリレーも接点はその色から銀合金だと思われます。
金は銀よりも電気抵抗が高いので大電流では発熱して溶着などのトラブルを招くことになるからでしょう。接点の接触面積が小さいのでいたしかたないようです。

この3番、1番の要求を満たすために割を食うのが2番の要求。
微小信号の導通の妨げになるのは接点の酸化被膜です。
大きな信号の場合は酸化被膜は大電圧がかかることで容易に破られるのですが、微小電圧ではこの絶縁被膜を破ることが難しい。
2番の要求を満たすためには酸化しにくい金メッキ接点を使うのがベストと思われますが、3番、1番の要求のために金メッキは使えない。
B-2105ではツイン接点を用いて小信号への配慮をしているのですが、銀接点の弱点、酸化被膜の影響を完全に避けることは難しいものと思われます。

今回このリレーの中身を見るまでは接点には金メッキが使われているものと思っていました。
こんなトレードオフのために銀合金の接点を使っていたとは知らなかったのです。

MOS FETスイッチに換えたときの変化として女性ヴォーカルの声の滑らかさ、ピアノやヴァイオリンの消え入るような減衰音、残響音のきれいさ、聴き取りやすさを感じたのですが、どうも上記の小信号時のリレーの影響だったように思えるのです。

こんなに違いがあるとは思っていませんでした。

残りはリアの低音用B-2103 MOS。
作業に取り掛かりましたが、思いがけない困難が生じています。
(^^;)
粘り強くやっていくつもりですが…

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レス一覧

  1. K&Kさん

    作業の進捗を興味深く拝見しています。
    基本的な部分に十分な物量が投下されている機器は、ポイントをついてアップデートすればクォリティ・アップする余地がある見本のような事例ですね。

    この部分の改善はSP端子やケーブルとは比較にならないほどインパクトが大きそうです。

    それにしても作業が大変そうです。Part 3.3の展開に期待しています。

    byのびー at2019-12-28 23:38

  2. のびーさん、

    レスありがとうございます。

    >この部分の改善はSP端子やケーブルとは比較にならないほどインパクトが大きそうです。

    はい、リレーはSP端子などに比べるとはるかに接触面積が小さいし、金メッキも使えないので影響度は大きいと思われます
    使っているリレーを見るとこの時代のメーカーのアンプ設計者がかなり苦労していたことが想像できます。

    >それにしても作業が大変そうです。

    メーカーの実験室にあるような道具が揃っていればそう苦労しないかもしれませんが、私のようなアマチュアの環境ではちょっと大変です。
    それに目が悪くなってしまったのでハンダ付けなど昔のようにはいかなくなりました。(涙)
    元々手先が器用な方ではないので時に泣きたくなることがあります。
    昔、基板アッセンブリ事業所のプロセス・レビューをしていたことがありますが、こんな作業者を使っていたらまず不合格です。(笑)

    >Part 3.3の展開に期待しています。

    ありがとうございます。
    Part 3は3.2までにしてPart 4で完結させたいと思っています。

    byK&K at2019-12-29 01:32

  3. K&Kさん、こんにちは。

    受注終了の対象の記述に誤植がありましたので
    修正しての再投稿となります。
    ------------
    誤:金タイプ
    正:全タイプ
    ------------

    長いこと定番だった?Panasonicの音響用リレーALA2Fシリーズ。
    来年3月で受注終了のようです。
    RAMSA(Panasonic)のパワーはリレーを無くす方向のようですし、
    大きな流れのような時代の変化を感じますです。

    金クラッドのリレーが入手できなくなっても、
    ご紹介のようなMOS-FETリレーがあり、尚且つ
    接点抵抗もリレーのそれよりも小さい!!とのことで
    ユーザーにとってはとても喜ばしい事であります。




    「ALA2Fカタログ」
    http://www.kyohritsu.jp/eclib/OTHER/CATALOG/ala2f.pdf

    「ALA2F全タイプの受注終了 2020年3月」
    https://www3.panasonic.biz/ac/download/control/relay/power/catalog/discon2020j_la.pdf

    「RAMSA パワーアンプ、出力リレーをなくし、リレー接点による音質劣化の恐れがありません」2頁・概要より
    https://solcms.panasonic.biz/pso/pc/search/download/WP-1100A/7

    bynightwish_daisu at2019-12-29 13:19

  4. nightwish_daisuさん、

    こんにちは。

    リレーに関する情報ありがとうございました。

    音響用のリレーというのがあったのですね。
    知りませんでした。
    カタログによると金クラッドタイプは3Aで5Aタイプは銀合金になるのですね。

    3Aだと出力70W程度のアンプまででしょうか?
    ハイパワーアンプにはちょっと無理かも。
    生産中止というのはアンプ・メーカーがリレーを使わなくなってきたからなのかもしれませんね。

    RAMSAのパワーアンプWP-1100Aはスピーカー保護のためにCrowbar回路を採用したという記述を見ました。
    Crowbar回路って知らなかったので調べたら異常時に電源を短絡させることで負荷を守る回路だとのこと。
    たぶんこの短絡によってスピーカーを保護すると同時にヒューズやブレーカーを飛ばすのですね。
    かなり荒っぽいやり方のように見えますが、スピーカーとの間に何もはさまなくて済むのでそれが利点なのでしょう。
    面白い考え方ですね。

    ただ、電源ON/OFF時のミューティングはどうするのか、PA用のSPは丈夫なのでポップノイズは気にしなくていいのかその辺がちょっと気になります。

    byK&K at2019-12-29 13:58

  5. 前レスの追記です。

    RAMSAは電源ON/OFF時のスピーカープロテクション機能があるとカタログに記載されていました。
    見落としていました。
    でも、どのように構成しているのかナゾです。
    スイッチング駆動のアンプなのでいろんな技があるのかもしれませんね。

    byK&K at2019-12-29 14:19

  6. K&Kさま 

    ご丁寧にありがとうございます!!
    .

    bynightwish_daisu at2019-12-29 15:06

  7. K&Kさん、こんばんわ。

    私にとって非常に勉強になる記事で読ませて頂きました。

    私も手元にA10から外したリレーがあり、中身を覗いてみたら発見がありましたので簡単に記事にしてみたいと思います。

    しかし、かなりの重量級アンプを何台もやられているところを見るとかなりの苦労が伺えます。残りはリア用を残すのみとのことなので最後まで頑張って下さい!

    byFUMI at2019-12-30 23:31

  8. FUMIさん、

    レスありがとうございます。
    中を見るとリレーってなかなかうまくできているのがわかりますね。

    >残りはリア用を残すのみとのことなので最後まで頑張って下さい!

    ありがとうございます。
    なんとかメドがつきました。

    新年はまったり音楽に浸れそうです。

    byK&K at2019-12-31 13:09

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