Orisuke
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バブル世代の趣味人です。 オーディオと写真、山登りは趣味の3本柱で30年くらい下手の横好きをやっています。

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D58ESのニアフィールドリスニング?
D58ESのニアフィールドリスニング?
借家(戸建) / 専用室 / オーディオルーム / ~10畳 / 防音なし / スクリーン~100型 / ~4ch
単身赴任をいいことに、一軒家の貸家の一室を念願のオーディオルームにしました。しかも、「ど」のつく田舎なので音は出し放題。ただ、D-58にはちょっと狭いかな・・・・。巨大なヘッドホンの中にいるような、巨…
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日記

追悼、Mr. S

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2017年02月28日

先週、Mr.Sことスタニスラフ・スクロヴァチェフスキーさんが93才で逝かれました。ご長寿指揮者の例に漏れず、晩年はブルックナー演奏で日本のファンを唸らせてきましたが、ブルックナー食わず嫌いの私は近年の演奏よりも20世紀の音楽のスペシャリストであった若い頃のものを好んで聴いてきました。

かつて彼は60年代マーキュリーの指揮者陣の一角を占めていました。それは、主力という意味ではなく、あくまでミネアポリス響のドラティの補佐的位置づけでしたが。彼の明晰でバランスの良い音楽作りがドラティの鋭角的でエネルギッシュな演奏と好対照を見せ、結果的に良い組み合わせになっていたのです。リヴィングプレゼンスのリマスターCDでは、ほとんどの盤でドラティの演奏と組み合わされています。

Mr.Sがマーキュリーに遺した録音はさほど多くなく、
・メンデルスゾーン 交響曲第4番、フィンガルの洞窟
・シューマン チェロ協奏曲(シュタルケル)
・ラロ チェロ協奏曲(シュタルケル)
・ショスタコーヴィッチ 交響曲第5番
・プロコフィエフ ロメオとジュリエット
・ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番(バッカウアー)
・ブラームス ピアノ協奏曲第2番(バッカウアー) となります。

追悼に2枚、聴きました。


ハチャトリアン ガイーヌ
ドラティ指揮 ロンドン響 1960年

ショスタコーヴィッチ 交響曲 第5番
スクロヴァチェフスキ指揮 ミネアポリス響(現ミネソタ管)1961年

スクロヴァチェフスキのショスタコーヴィッチは、ロシア系指揮者の凄まじい情熱の発露でもなく、かといって西ヨーロッパ系指揮者の整理しすぎた綺麗な演奏とも違って聞こえます。自身が作曲家でもあった彼は「作曲者に無駄な音符は無い」と全ての音符をおろそかにせず聞こえる様に音作りをしたと言われています。30代のエネルギッシュさと几帳面さ、それにマーキュリーの鮮明な録音がマッチして、独特の聴き応えのあるショスタコを作り上げており、晩年の読売日響との演奏と比べると第1楽章など倍位早いのではないかというくらいテンポも違います。

スクロヴァチェフスキのショスタコーヴィッチは、今のところ見つかるのは5番ばかりです。これに深い意味があるのか、ないのか。もともとピアニストとして出発した人ですが、戦時中のポーランドでドイツの爆撃により負傷して指揮者に転向し、祖国がソビエトの影響下に入ったことでアメリカに移住しています。結局、自分の運命を揺さぶったソビエトとドイツの狭間で両者の音楽を奏でながら一生を送ったわけですが、その過程で「革命」という曲だけに独自の思い入れを持つきっかけがあったのでしょうか。

音は、典型的なマーキュリーサウンド。力強い音がピラミダルに張り出し、定位は鮮明です。ドラティ盤ではミネアポリス響の録音はロンドン響の録音に比べて中低域の解像度で劣る場合が多いのですが、このスクロヴァ盤は善戦。録音年代が1961年で技術的に成熟した時期だったのが功を奏している感じです。

このDiskの「バックロー度」★★★★


プロコフィエフ ロメオとジュリエット 第1・第2組曲
スクロヴァチェフスキ指揮 ミネアポリス響 1962年(35mm磁気フィルム録音)

ムソルグスキー 禿げ山の一夜 1960年
ドラティ指揮 ロンドン響

マーキュリーの35mm磁気フィルム録音の代表的な1枚として、近年LP化も行われました。CD単売もあり。アナログ時代のロメオとジュリエットは、録音面で見ると当盤とシェフィールドのラインスドルフ盤(ダイレクトカッティングLP。これのCD復刻は全然駄目)が双璧でしょう。マスターの保存状態が良かったらしく、油絵的でかつシャープな音像、広大な音場、凄まじいダイナミックレンジ。文句なしの好録音。オーディオマニア御用達のこの曲の中でも歴代トップクラスの録音でしょう。

この曲もスクロヴァチェフスキが生涯にわたって好んで繰り返し取り上げたもので、マーキュリー盤の他にもケルン放響、読響との録音がありますが、音質・演奏とも私はこの盤がダントツで好きです。ミトロプーロス(この人のロミオは凄演!)、ドラティ、スクロヴァと、ミネアポリス響の歴代シェフは、アプローチは違えど皆ムソルグスキーやプロコフィエフが上手いという共通点がありますね。

この盤の「バックロー度」★★★★★

合掌。

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