Orisuke
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バブル世代の趣味人です。 オーディオと写真、山登りは趣味の3本柱で30年くらい下手の横好きをやっています。

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D58ESのニアフィールドリスニング?
D58ESのニアフィールドリスニング?
借家(戸建) / 専用室 / オーディオルーム / ~10畳 / 防音なし / スクリーン~100型 / ~4ch
単身赴任をいいことに、一軒家の貸家の一室を念願のオーディオルームにしました。しかも、「ど」のつく田舎なので音は出し放題。ただ、D-58にはちょっと狭いかな・・・・。巨大なヘッドホンの中にいるような、巨…
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日記

今月のオマケは侮れない!

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2017年03月29日

今月は、オーディオ雑誌のオマケCDが豊作。AA誌の春号には寺島レコードのサンプラーがついていて、大間知VS寺島の対決で注目を浴びる「ワルツNo.4」からの抜粋などが入っています。stereo誌には、恒例のオーディオチェックCDですが、今回は生録と工作の鬼、石田善之氏がディキシーランド・ジャズを豪華絢爛のヴィンテージマイクで録音。どちらも音が良く、演奏内容も素晴らしかったので、我慢出来ずに別売りのディスクを発注してしまいました。今日は、前者についての感想を。


大橋祐子トリオ ワルツNo.4
寺島レコード(disk union)


↑こっちが大間知盤

↑こっちが寺島盤

大間知vs寺島の巌流島対決で話題騒然のこの2枚組、実際、非常に面白いです。
寺島靖国プロデュース盤(RE:佐藤宏章 ランドマークスタジオ)が10曲、
大間知基彰プロデュース盤(RE:江崎友淑 オクタヴィアレコード)も10曲。
そのうち、冒頭3曲(セントジェームス病院、エストレリータ、メキシコ)は共通曲目とし、両者のサウンドがガチンコ対決する構図。とにかく寺島さんは「対決」が大好きな不良オヤジで、「人生是対決」という感じ。私がメグに行った時も、お弟子さんとレコード対決して敢えなく敗北していました(笑)。

純粋にジャズのCDの音として聴くならば、これは寺島盤の圧勝。従来の「ジャズの音」の一つの典型的な方向性に準じているので音楽を聴くのに没頭出来るからです。ただ、大間知−江崎ペアがクラシック畑である以上これは最初から予想出来た展開でもあり、この結論に驚く人はいないと思います。大間知氏ご本人も、正攻法で勝利しようとはハナから思っていなかったでしょう。彼が意図したのは、クラシック的録音手法を応用してジャズを録り、自分の好みの音に持っていくことだったと思いますが、それが結果として、ジャズとクラシックの録り方は何が違うのか、という点を分かりやすく見せることになりました。

寺島盤はスタジオ収録で、やたらと録音レベルが高いです。Dレンジが広いのではなくひたすら音がでかいので、初めて聴く時はボリューム注意。全体の音としては、「メグにコンサートグランド入れたら、こんな音になるんじゃない」という感じ。3人の距離が近く、ベースもドラムも2本のスピーカーの内側、ピアノの奥に定位し解像度高し。特にベースはピカイチのリアルさ。ピアノは鍵盤上の手の動きは良く分からないが音が濃密でムードは良い。スタジオで別ブースで演奏しているにも関わらず濃密なグルーヴ感があり、これぞジャズという感じ。時には怪しいバランスで違和感を感じることもある寺島サウンドなれど、今回は勝負を意識したのか、音がでかい以外はオーソドックスな優秀録音。こういう耳目を集める場所では体制にすり寄るところが老獪としか言いようがありません(笑)。(ご本人曰わく「私だって進化するんですよ」とのこと)

大間知盤はホール録音で、録音レベルはジャズの平均的なそれに比べて明らかに低くなっています。プリアンプの美味しいところを使える様にというオーディオメーカー特有の配慮なのか、それともリミッターを一切使わないための策か、いずれにしても極端。音は「江崎サウンド」ではなく「大間知サウンド」。この二人は仲良くお仕事をしていますが、それぞれが求めるサウンドはかなり方向性が違っています。例えば、以前に発売された金子三勇士(大間知プロデュースの江崎録音、2013年ESOTERIC)と清水和音(江崎録音、2004年TRITON)で同じ北アルプス文化センター(富山)で録音されたショパンのバラード・スケルツォを聴き比べてみると驚くほど違います。江崎録音は、中低域のエネルギーが強くピアノの胴鳴りやペダル音がリアルに録られた徹底的リアリズム志向の音。実物大のピアノが眼前に出現する超音像型の音とも言えます。対して、大間知プロデュースでは、高音が華麗に散乱し中低域は薄めでピアノが軽量級に聞こえます。音像は相対的に小さく、ホールトーンが豊かな音場型の音。今回の大間知盤の音もこの傾向です。個々の楽器の定位の良さやホールトーンにはアドバンテージが認められるものの、個人的には演奏内容との乖離を感じて、音楽に入り込めませんでした。

さて、大間知盤と寺島盤の音の違いはホールとスタジオという対照的な録音環境もさることながら、マイクセッティングが根本的に異なります。

寺島盤のマイクセッティングはコレ↓

ピアノは、ノイマンU87i、B&K4006、AKG C414、ショップスCMC55uの音色の異なる4種類をそれぞれペアで使用し四方から音を拾うセッティング。マイクの音色の混合により音の深みを出す効果が大きいと思いますが、ハンマーの動きが見える様なシャープな音像は期待出来ないセッティングとも言えます。いかにもジャズピアノという感じの厚手のサウンドは、このセッティングから来るものでしょう。ドラムスも偏執狂的に個々のユニットに計8本のマイクを充てていますし、ベースは高さを変えて3本のマイクを使っています。このため、ドラムスとベースの解像度は抜群で低音の伸びも素晴らしいのですが、定位は作り物感があります(実際、作っているわけですが)。

大間知盤のマイクセッティングはコレ↓

ピアノはメインマイクにノイマンU87Aiペア。これに大入力に強いB&K4004を2本(ハンマー部の真上に入れている)付加した構成。メインマイク2本をピアノの右斜め前に立てるのはクラシックピアノの録音では定番ですが、写真を見るとマイクの高さが普通より高い気がします。ドラムスもバスドラとスネアに専用を一本ずつあてがっているほかはステレオリボンマイクで全体を録る方法で相対的にシンプル。ベースはノイマンのヴィンテージマイクM50(1951年発売)とベースの胴に直接取り付ける超単一指向性収音マイクのDPA VO-4099BASSの組み合わせで、特徴的なトロッとした音。ほかに、ホールトーン収録用のアンビエントマイクが3本使われています。相対的にシンプルなマイク配置なので、マイクの個性が個々の楽器の音にそのまま出ている感じです。

演奏のことを何も書いていませんでしたが、大橋祐子トリオ、良いですよ−(それだけかい!)

このDiskの「バックロー度」寺島盤★★★★〜★★★★★ 大間知盤★★★

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  1. ピアノに7本のマイク。良いんだか? 悪いんだか?。(^_^;)

    by青いコゴミ at2017-04-07 07:19

  2. ピアノとドラムは録るの難しいですよね。
    スタジオのブース録りでも、アンビエントは入れておいた方が空気感はでますが、部屋の大きさが不自然に聴こえたりする事も。

    私は録るだけ録っておいて使わなかったりもしますが(笑)

    世に出る音源は、アーティスト、プロデューサー、ディレクターと、各エンジニアのセンスのぶつけ合いですよね

    byあとー at2017-04-07 08:45

  3. 青いコゴミさん

    わたしも、このマイク配置図見たときに、一番ビックリしたのは寺島盤のピアノです。まるでハリネズミのようにピアノを包囲している感じですね。定位は最初から無視しているのか、後で補正を入れてまとめるのでこれで良いのだということなのか。

    ただ、出てくる音を聴くと、まさにジャズピアノの音で違和感ないんですよ。
    クラシック的には正当派の配置で録っているはずの大間知さんの音がスッキリしすぎるようにも感じるんです。面白いですね。

    byOrisuke at2017-04-07 09:43

  4. あとーさん

    本当に、センスですよね。プロデューサーと録音エンジニアの力関係というのも、チームごとに全く違うでしょうし、江崎さんは意外にプロデューサーの要求に柔軟に合わせる人なのかなと思いました。

    最近の録音では、BISのキプファーの音にセンスや見識の高さを感じます。

    byOrisuke at2017-04-07 09:54

  5. Orisukeさん、度々失礼します。

    寺島さんのセッティング、それぞれのマイクで狙っている音が違います。
    CMC55uをoffで使って、奏者の聴いているであろう音に近い音を狙い、そこに打鍵音やペダルの音も入ります。
    U87iでは、ハンマーが弦を叩く音がダイレクトに入り、それがJazzで大事なアタック感を生み出します。
    4006は箱と弦の響きを狙っているはず。
    C414は全体のバランスをとるためだと思います。

    これを、各トラックステレオで録る事で、
    個別に左右の振り分け(パンニング)と音量調整をして、
    人工的に定位感を作り出しています。

    これ、位相もズレるしセンスがないと人工感がでてしまい、とても不自然になって難しいんです。
    実際に販売されている音源でも、高音弦の位置と低音弦の位置、左手と右手の位置がやけに離れたり近すぎたりと。

    大間知さんのセッティングでは、響きが綺麗だったり、
    定位が自然だったりしますが、
    Jazzの迫力なんかは表現しづらそうですね。

    byあとー at2017-04-07 12:36

  6. あとーさん

    クラシックだと、4006の位置がメインマイクで、U87の位置が補助的にハンマーの音を拾うマイクとなって、これにアンビエント追加というパターンが普通なのかなと思いますが、寺島盤は個々のマイクに違った役割を与えて徹底的に音を拾う配置なんですね。確かにベースでもドラムスでもそのような使い方をしていますね。

    ピアノは、C414の対抗配置や、CMC55uがペアでメインマイクと真逆から音を拾っているところなど、不思議にも感じるセッティングですが、この盤は意外に違和感を感じないですね。

    byOrisuke at2017-04-08 00:39

  7. Orisukeさん

    大間知さんのセッティングは、4004の一本を弦に向けた
    オンマイクとして、もう一本が蓋の反射音、
    U87iはオフマイクで残響とか雰囲気、空気感を演出、
    4006はホール全体の広さ、残響、他の楽器との位置関係
    という感じのセッティングに見えます。

    高さやX軸の向きがわからないので、正確な事はいえませんが。

    これもエンジニアや録音場所の特性でけっこう変わったりします。

    マイクセッティングお詳しいですね!
    何かされていたんですか?

    byあとー at2017-04-08 09:51

  8. あとーさん

    あ、いえいえ、本当に、完全にど素人のにわか趣味です(汗)。

    この数年、ステレオ初期のマーキュリーの録音の魅力にとりつかれて、そこからマイクセッティングが気になり始めました。名録音盤を自分で探していく楽しみの中で、「良い録音」と感じる盤の裏には、必ず録音エンジニアやマスタリングエンジニアのこだわりがあるのだというのが朧気に分かってきたところです。

    是非、色々教えて下さい。

    byOrisuke at2017-04-08 14:30

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