Orisuke
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バブル世代の趣味人です。 オーディオと写真、山登りは趣味の3本柱で30年くらい下手の横好きをやっています。

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D58ESのニアフィールドリスニング?
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借家(戸建) / 専用室 / オーディオルーム / ~10畳 / 防音なし / スクリーン~100型 / ~4ch
単身赴任をいいことに、一軒家の貸家の一室を念願のオーディオルームにしました。しかも、「ど」のつく田舎なので音は出し放題。ただ、D-58にはちょっと狭いかな・・・・。巨大なヘッドホンの中にいるような、巨…
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日記

ブルーレイ・オーディオの刹那的愉悦

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2017年09月30日

ブルーレイオーディオという音楽媒体は、つくづく不遇だと思います。「できる子」なのに、時代が必要としなかったという不幸。

24/96や24/192マスターをそのまま載せられるクオリティの高さと、ベートーヴェンやドヴォルザークの交響曲全集を一枚で収録出来る大容量は、本来ならハイレゾ時代のオーディオ向けパッケージメディアとしてSACDに取って替わるべき存在であったはず。しかし、ベルウッドさんの「くたばれSACD」の声に反して、先にくたばったのはBD-A。そもそも、まともなオーディオクオリティで再生できる現役機が世界中でUDP-205 一つしか無いというのは致命傷以外の何者でもありません。

ならば、そのUDP-205の専売特許として刹那的に楽しんでやろうじゃないか、とアマゾンでバナナの叩き売り状態になっているBD-Aの救出作業を開始。1960年代アナログマスターを使ったLP180g盤が一枚5000円、SACDにすると3000〜3500円、ハイレゾ配信で3000円、CDで2000円〜1000円というなかでBDは3500円だったモノが実売1000円まで大暴落しています。多分、在庫終了をもってフェードアウトするのでしょう。

我が家にあるBD-Aはまだ10枚程度です。編集終了段階の24/96がそのまま載っているわけですから、PCMマスター→DSDの変換クオリティ如何で音質が大きく変わるSACDよりずっとシンプル。ただし、その優位性がもろに音に出た例はほとんど無く、昨日、ようやく一つ見つけたところです。


ドヴォルザーク 交響曲第9番
スメタナ 交響詩モルダウ
リスト 交響詩 前奏曲

フェレンツ・フリッチャイ指揮BPO

1959-1960年録音、イエス・キリスト教会(ベルリン)
P: Elsa Schiller
E: Werner Wolf & Gerhard Henjes

「良い子のためのオーケストラ教室」という感じの演目。70年代にはどこの家にでもあったレコードという感じで懐かしいですが、多分、この組み合わせを世界に広めたのはカラヤンで、私自身はフリッチャイのドヴォルザークやスメタナは初見。クーベリックやケルテス、アンチェルといった東欧系の指揮者達が決定版級の名演を残しているので、それにマスクされていたのかも知れません。

しかし、この演奏が凄かった。前回紹介したケルテス同様、この方も49歳で白血病で早逝されましたが、その最後の3年半(1959年-1962年)にDGに残した録音に外れは一枚もありません。70歳まで生きてくれていれば、クラシック界は今とは違うモノになっていただろうと思います。

フリッチャイの素晴らしい点は、日本刀で両断したようなリズムの切れと即興性の高さが最前面に出た生命感あふれる瑞々しい音作り。されど、決して粗くなることはなく構築性が崩れることもない極めて高度なバランス感にあります。これに、文字通り生命を削る切実な叫びが加わったのが彼のステレオ初期の演奏であり、「通俗名曲」の陳腐な固定概念は最初の1音で吹き飛ばされ、今産まれ出てきたばかりのような瑞々しさが最後まで耳を捉えて放しません。ベルリンフィルの強烈な合奏力と即興性の高さも最高度に引き出されています。恐らく、ラトルなどもこうした自在な演奏を目指したのだろうと想像するのですが、全く及んでいません。

ステレオ初期1960年代までのDGの録音は、これまでたびたび触れているようにとても出来が良く、ときに場外ホームラン級の優秀録音が再発見されることがありますが、この録音はまさにそれ。BD-Aに載った24/96の、恐らくリミッター・コンプレッサー一切無しの裸音源が炸裂します。弦楽器の一つ一つが見える様な解像度と弦の質感の両立。音場はオケがリスナーに非常に近く、まるでフリッチャイ自身がダミーヘッドを被ってバイノーラル録音をしたかのような異常な臨場感で眼前に展開。Fレンジ・Dレンジは共に広大で、マーキュリーやエヴェレストの35mm磁気フィルム録音をSACD化したものに匹敵します。

今年いちばんの掘り出し物。UDP-205ユーザー限定での超お薦めです。

このDiskの「バックロー度」★★★★★

なお、「バックロー度」(最高点★★★★★)は、D58ESなどの長岡バックロードがいかに痛快に鳴るかの目安であり、演奏内容とは関係ありません。

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レス一覧

  1. 1枚1000円くらいで投売りされているものも多々ありますね。
    私も何点か購入してしまおうか悩んでしまいます。

    byHermitage at2017-09-30 14:04

  2. Hermitageさん

    BD-Aだからといって良いソフトになっている保証は全く無く、博打的要素も多々ありますが、今回味をしめてしまったので、私はまた買いそうです(汗)。

    byOrisuke at2017-09-30 15:29

  3. ブルーレイオーディオが「良い器」なのは同意で、PCやPC的デバイスを介在せずにハイレゾが聴けるということを考えると、ベストのメディアだったかもしれません。

    ただ、アナログマスターのSACDと同様、アナログマスターのブルーレイオーディオも本質的とは言えないと私は思っています。アナログ録音はアナログで聴くのが結局一番良いので。過去の録音のブルーレイオーディオ化はかつてのSACD同様、手っ取り早い小遣い稼ぎのイメージです。

    2Lのような、352.8KHz/24-bit PCM(44.1KHzの8倍)のDXDフォーマットで収録したブルーレイオーディオは素晴らしいものがあります。

    http://amzn.to/2wq1Gb3

    by元住ブレーメン at2017-09-30 18:22

  4. 媒体フォーマット、データフォマットの技術競争、標準化競争、マーケティング競争は、どの世代でもユーザ不在、演奏者不在のマネーゲームに堕ち、何時も強者どもの夢の跡ですね。まあそれが無いと技術は進化しないし、夢の跡を振り返って思い出話に耽るのも、また一興かもしれませんが。
    今回のフリッチャイはケルテスと違いスコープに入っていました。ベートーベンの3重協奏曲(フルニエ、アンダ、シュナイダーハンの豪華ソロ)は愛聴盤です。数年前にDGから45枚ボックスが出た時は、見送ってしまいましたが。205ユーザでもないのについレスしてしまいました。

    byパグ太郎 at2017-09-30 18:42

  5. 元住ブレーメンさん

    アナログマスターのデジタル化には、私もCDが出てから長い間(2010年頃まで)、「アナログ録音はアナログ再生に限る」と思ってきました。

    しかし、近年のデジタルリマスターにおけるA/D変換やCDへの詰め込みの技術的進歩、SACDの解像感の向上などにより、「あまり拘らずに是々非々で行っても良さそうかも」と宗旨替えをし、さらにUDP-205の導入で、「ここまで再生出来るならアナログマスターのデジタル化も悪くないな」と思うに至りました。

    アナログ再生は私も大好きですが、メジャーレーベルの片面30分収録ではいくら良い再生系を使ったとしてもDレンジが充分取れずアナログマスターとはほど遠い音になりがちです。結局、45rpmのスーパーアナログや33rpmの短時間収録、重量級ディスクでないとマスターテープに近い気持ちよさは味わえないという場合も多く有り、こうなると、「良く出来たハイレゾマスターが使えるなら、そっちで聴いてみよう」となります。

    今回の60年代初頭のフリッチャイは、ウィーン響とのモーツァルトをドイツからの輸入盤LPで30年ほど愛聴していますが(音質、演奏とも素晴らしいです)、その音を基準にBD-Aを評価した場合でも、やはり比肩しうる音になっていると思います。

    byOrisuke at2017-09-30 19:37

  6. パグ太郎さん

    フォーマット競争はどうも蓄音機時代から起こっているものらしく、レコードの歴史そのものでもあるので、まあ、仕方ないことなのかも知れませんね。

    私が返す返すも「惜しいな」と思うのは、デジタル化や多チャンネル・マルチモノ録音の影響で、結果として1980年代初頭〜1990年代のディスクに「名演なのに凄まじく音が悪い」盤が大量に発生してしまったことです。1950年代から70年代のアナログマスターは、LP再発やハイレゾリマスターで輝きを取り戻すことが往々にしてありますが、CD初期のクオリティの低いデジタルマスターはどうしようも無いのかも知れません。

    最近のアナログばやりも、個人的には鼻白む部分がありまして、機械もディスクも恐ろしく高価ですし(特にカートリッジが酷いですね。あれは消耗品のはず)、デジタル初期にあっさりとアナログに見切りをつけてユーザーを切り捨てたはずの大メーカーが「うちこそアナログの名門」と続々復活してくるのは何なんだろうと思います。本気でやるなら、スチューダーA80やノイマンのカッティングマシーンを現代的に作り直して、本物のアナログマスターを作るところからやって欲しいです。デジタルマスターのくせにSACDより高価なLPというのもどうかなと思います。

    なんか、愚痴っぽくなってしまって、ご免なさい。

    フリッチャイ、素晴らしいですよね。HIPだのベーレンライター盤だので枠をはめられた高速テンポよりも、フリッチャイのスピード感ある演奏の方が余程本質的なのではないかとも思います。

    byOrisuke at2017-09-30 20:11

  7. Orisukeさん、私は逆でアナログを始めたのが数年前、それまではデジタル媒体でしか聴いていませんでした。片面30分は確かに不便ですが、我が家ではディスクによっては33rpmでもDレンジ含め、DSD録音のSACDに遜色なく鳴っています。密度感や音圧はアナログが勝るケースが多いと感じています。

    by元住ブレーメン at2017-10-01 11:30

  8. 元住ブレーメンさん
    アナログを最近はじめられたとのこと、ちょっと意外でした。思うに、「ディスクによっては」というところが大事で、私の持っているアナログディスクにはメジャーレーベルの40年以上前の国内製造盤も多数含まれていますので、現地のアナログマスターからスタンパーに至る行程が複雑になって音質が劣化しているのかも知れません。録音元が出しているオリジナルの外盤の場合はSACDにしてもあまり変わらない気がします。カートリッジも、ビクターのMC-L1000のような細い溝でも余すことなく音を拾い上げるタイプであれば、大分違うのだと思います(我が家はDENONとテクニカしか買えませんでしたが・・・)。

    byOrisuke at2017-10-01 16:09

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