Orisuke
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バブル世代の趣味人です。 オーディオと写真、山登りは趣味の3本柱で30年くらい下手の横好きをやっています。

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D58ESのニアフィールドリスニング?
D58ESのニアフィールドリスニング?
借家(戸建) / 専用室 / オーディオルーム / ~10畳 / 防音なし / スクリーン~100型 / ~4ch
単身赴任をいいことに、一軒家の貸家の一室を念願のオーディオルームにしました。しかも、「ど」のつく田舎なので音は出し放題。ただ、D-58にはちょっと狭いかな・・・・。巨大なヘッドホンの中にいるような、巨…
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日記

Blu-ray Audio 救出大作戦(その3)

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2017年12月28日

廃れゆくBlu-ray AudioをUDP-205を使って刹那的に愉しむ企画、第3回です。

先のUDP-205のCD再生をめぐるお話の中で「UDP-205でBlu-ray Audioを再生する場合はCD(SACD)を凌駕することもあるのではないか」という話が出ました。この企画は、そういうことがあれば良いなと思いながら続けているわけですが、実際に今でているBD-Aを聴いてみるとソフト側の音質が足りていないケースが多く、今のところヒット率は20%〜25%くらいです。UDP-205のポテンシャルは高いのですが、実力発揮の場は限られてしまっています。

結局のところ、「ソフト次第」なわけで、メジャーレーベルのBD-AはCDに使うことを前提で製作した24/96マスターを放り込んであることも多いのでしょう。良くはなっているけれどもイコライジングの影響があるのかDレンジやFレンジがCD比で大幅に拡大したとは言えない微妙な音になるケースが多いのです。当初からBD-A前提で録音・マスタリングされた24/192が載っている盤はさすがに素晴らしく、SACDと良い勝負になります。ただ、SACDを一方的に凌駕するわけではなく、どちらも良い音で持ち味が違うというのが実際のところです。

今年最後にご紹介するのは、3年前に話題を呼んだこれ↓

パニアグワの芸術(5枚組 BD-Aリマスター版)
グレゴリオ・パニアグワ & アトリウム・ムジケ
Harmonia Mundi France / King International BD-A 24/192

長岡バックロードファンの象徴とも言えるパニアグワ&アトリウム・ムジケの有名なハルモニア・ムンディ録音5枚をBD-A化したものです。2011年にはDSDリマスターされてSACDで同じキングから発売されていましたが、これはすでに完売。DSDリマスタリングは杉本一家氏によるものでしたが(同氏はLPの国内発売の際にカッティングエンジニアを務めていたのでパニアグワとは縁が深い)、今回は角田郁雄氏が関わった模様。オリジナル・アナログマスターをStuderA820で再生、dCS904でA/D変換しイコライザー・コンプレッサー不使用でLPCMマスターとしています。24/192と24/96の2バージョンを収録しUDP-205で切り替え再生可能。

このBD-Aは国内版なので5枚組20000円と高価、しかも限定生産でHMVでは売り切れ。タワレコに若干有るようです。ばら売りのCDやSACDはほぼ全て廃盤なので、この僅かに残ったBD-Aを買う以外無いということになります。私は発売直後に入手していたのですが、BDP-105JPLで聴く限り「こんなはずでは無かったのに・・・」という感じだったので紹介を控えていました。ところが、プレーヤーをUDP-205にして聴いてみると、ES9038が威力を存分に発揮して音の質感が大幅に向上、一躍お薦めレベルに達しました。国内盤なので、パニアグワ自身のライナーノートの翻訳に加えて、濱田滋郎、炭山アキラ、朝倉怜士、角田郁雄、礒山雅、松尾大の寄稿もあり資料充実。装丁もさすがに良く出来ている。

実はこの一連のディスク、私は長岡教徒にはあるまじきことにオリジナルLPを持っておらず、国内盤LPで一部を手に入れただけなのでフォーマット間の比較不能。SACD版も気がついた時には売り切れという有様で、BD-Aならではの音質になっているかどうかは判断しようがありません。

オリジナル・アナログマスターは「マイク2本、2トラックデッキ直結、リミッター、ドルビー、ミキシング等いっさいなし」(長岡鉄男氏の記述)。


タランテラ
1976年
RE:アルベルト・ポーラン

南イタリアに多く生息する毒グモ「タランチュラ」に咬まれた人がタランティズモと呼ばれる一連の症状(吐き気・失神・黄疸・興奮状態・恐水症状)を呈し解毒のために踊ったとされる音楽療法のための音楽(15世紀〜16世紀)。タランティズモに罹った人達は強烈な自己顕示欲を示し勝手に踊り出すので、楽士がそれに伴奏して力尽きるまで演奏し続けると、しまいには解毒されて治るのだという。医師でもあるパニアグワが文献を掘り起こして、さらに色々なスパイスを振りかけて脚色し完成した異色の一枚。

比較的穏やかな曲が多いが、後半15曲目以降の低音が強烈。チェンバロ、カスタネットのソロがリアルで良い。音場は高さは出ず奥がある感じで、5枚全体のなかでは大人しい方。個々の楽器は鮮明で質感描写も良好。低音はLPCMらしくスッキリと伸び解像感も高い。これはBD-Aの特色と言えないことも無い。

このDiskの「バックロー度」★★★★


アラブ=アンダルシアの音楽
1976年
RE:アルベルト・ポーラン

中世スペインに浸透し15世紀末まで残存したイスラム社会に関連する音楽を集めたもの。濱田滋郎氏によれば、「当時のイスラム文化はほとんどあらゆる分野においてヨーロッパのキリスト教社会を凌いでいた」という。本盤は「ヌバ」と呼ばれる組曲の一種を中心に構成されている。記譜はされず伝承で伝えられたものが18世紀に集成され、それがモロッコなど北アフリカに残存していらしい。使用楽器の数が滅茶苦茶に多彩なのが本盤の特徴。これは、日本語解説付きでないと把握不能。

音は華やかで楽しく、意外に聴きやすい。笛と太鼓の解像感の高さ、水の滴る音とフルート的な笛の質感がリアル。23弦と33弦の弦楽器やアラブ風バグパイプの中低音の響きが気持ち良い。本盤は24/96と24/192の差が大きい。24/192は24/96に比べて音場の高さが広がり中低音に厚みがあり、解像感は最低域までスッキリとシャープ。

このDiskの「バックロー度」★★★★


古代ギリシャの音楽
1978年
RE アルベルト ポーラン

内容・録音の双方で鬼才パニアグワを一躍有名にした一枚。長岡氏が録音の優秀さを激賞し、LPはフランス本国で「なんで日本だけこんなに売れるのだろう?」と首をひねるくらい売れたという。

古代ギリシャのパピルスなどに残された音楽の断片(紀元前2世紀〜)を壮大な妄想の元に復元(再作曲?)、古代ギリシャの不思議な形をした楽器も多数復元し、強烈なパニアグワ節で綴る一大スペクタクルとでも言うべき半創作古楽。怪しさではラ・フォリアと並ぶ双璧で、聴いているところを他人に見つかるとアブナイ。

初めて聴く人はボリュームMaxで再生すると最初の1音で寿命を縮める(危険なので決してやらないで下さい)。Dレンジが前2作から大幅に広がっており、BD-Aの実力を知るには格好の音源。音の実体感、ナチュラルさ、生々しさは抜群で痛快無比。SACDの高音のような散乱する感じはないがリアルさでは一枚上だと思う。

このDiskの「バックロー度」★★★★★


ビリャンシーコ
1979年
RE ジャン フランソワ ポンテフランクト

ルネッサンス期のスペインのポリフォニックな世俗歌曲集。残されたものをそのまま演奏するパニアグワではないので、自作に近い曲をつけ足したり、大幅なアレンジを施したりとかなり趣向を凝らしている模様。世俗歌謡の多くは基本的に恋歌なのでメロディーはシンプルで流れも良い。アラブ・イスラム的なエスニック色も盛り込まれ、音楽として聴き応えがある名盤。つのだだかしのタブラトゥーラ「蟹」も発想の元はこの盤だったのではないか。

レコーディングエンジニアが前作とは替わっているが、音は素晴らしい。女声の切れと綺麗さは天下一品。中盤に出てくる金属の打撃音や太鼓の低音は強烈。
全体としては、LPCMのフラットで端正な音と言うよりもSACD的な有機的な音。録音手法のどこを変えたのだろう(マイク選択か?)。伸びやかで音場は広く、スタジオ録音と思われる前3作と違いホールのエコー感がある。

このDiskの「バックロー度」★★★★★


ラ・フォリア
1980年
REジャン フランソワ ポンテフランクト

古代ギリシャの音楽と並ぶ代表作。題名の如く滅茶苦茶のやりたい放題で、パニアグワのぶち切れ具合が痛快。これは古楽をネタとした自由創作だろう。「そっ、そこまでやるぅ」と聴きながら、あまりのシュールさに腹を抱えて笑える一枚。古楽というよりコミック楽団のノリであり、「パニアグワはビートたけしで、アトリウム・ムジケはひょうきん族」というLPのタスキに書かれた長岡氏のコメントが時代を思い出させて泣かせる。

録音はFレンジ、Dレンジとも広大。ただし、内容上、意図的にいろいろなエフェクトをかけたり様々な音源を挟み込んだりしているのでいちがいに他とは比較出来ない。鳥のさえずり、車のエンジン音、教会の鐘などめまぐるしく色々な音が登場するが、どれも結構リアル。

このDiskの「バックロー度」★★★★

と、いうわけで皆さん良いお年を

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レス一覧

  1. Orisukeさん、よきBlu-rayオーディオのDisc紹介ありがとうございます。

    本当によき再生は、ソフト次第ですよね。
    以前にもう一つと思われたソフトが、装置を替えたらよさが浮き出てくることはよくあります。こんな時には、機器の代替をしてよかったと思える瞬間です。

    ところでOrisukeさんは長岡さんを信仰されていたのでしょうか。長岡ソフトが沢山出て来たので、もしかしてと思いました。スピーカーも長岡式バックロードホーンですしね。長岡さんも様々なことに疑問や興味を持ち、とことん追求される方でしたね。

    byヒジヤン at2017-12-28 09:27

  2. ヒジヤンさん

    まあ、「信仰」と言いますと盲目的な一神教みたいになって怪しいので、そうなるつもりはないのですが(苦笑)。「同じ値段なら、重い方が音は良い」「SP-10のダストカバーにはゴミバケツの蓋が良い」とか言う世界でもっとも平和な宗教ですね(笑)。

    我々60年代後半生まれのバブル世代は、中学生から高校生の頃がアナログ末期からデジタル初期、かつスピーカーの598戦争、アンプの798戦争が繰り広げられた狂乱の時代でした。その渦中にいたのが全盛期の長岡先生で、我々の世代は共感するにしても反発するにしても原体験の段階で強い影響を受けていると思います。

    その多感な時期に自作スピーカーにはまり、長岡先生のスワン、モアイ、D58などを自分なりにアレンジしながら作り、亡くなられても長岡スピーカーの図面集を見ながらアイディアを頂いています。一生ものの趣味に開眼させてくれた恩師だと思って、勝手に教徒を拝命している次第です。

    byOrisuke at2017-12-28 15:18

  3. これはこれは、懐かしい録音が並びましたね。自分は、丁度、高校・大学生の時にこのシリーズがリリースされて、パニアグアの暴走ぶりに目を丸くしたのを思い出しました。ラ・フォリアのたすきの「たけしとひょうきん族」のコピーは全く記憶にないのですが、まさしくその通りだったと思います。

    byパグ太郎 at2017-12-28 17:21

  4. 懐かしいですね。私は長岡教徒ではありませんが、長岡さん推奨のレコードは随分と持っております。今回ご紹介のレコードもありますね。

    怪しさ満載で楽しいです。

    byGRF at2017-12-28 17:25

  5. パグ太郎さん

    やっぱり、今聴いても斬新ですね。
    古代ギリシャとBISからでているLa Spagnaは突然衝動的に聴きたくなります。

    長岡先生のコメントは、ワンフレーズで本質を突いてくるのに毎度感心しながらよんでおりました。いま、外盤A級を聴いてから文章を読み直しても、どきっとすることがあります。

    byOrisuke at2017-12-29 02:04

  6. GRFさん

    LPお持ちなんですね。さすがです。
    古代ギリシャ、ユニコーンで鳴らすとどんな音場表現になるんでしょうね。興味津々です。

    パニアグワの怪しさは、80年代のヘビメタに相通ずるものがあるとどなたかが言われていたような。まあ、同時代のオランダ系とイギリス系の古楽の学究的な方向性(それでも枠の中で充分遊んでいるように見えますけれど)に突きつけたアンチテーゼという意味ではロックではありますよね。

    byOrisuke at2017-12-29 02:11

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